海外邦人事件簿|Vol.37 「麻薬の運び屋」は終身刑!!

前回に引き続き、麻薬についてお話しします。

アジアのT国における麻薬法を見てみましょう。規制薬物により細かく分かれていますが、ヘロイン、LSD、エクスタシー(MDMA)など日本でもおなじみの薬物についてみてみますと、次のとおりとなっています。

使用目的所持(20g未満) 1年~10年の懲役及び罰金
譲渡目的所持(20g以上100g未満) 5年~終身刑及び罰金
譲渡目的所持(100g以上) 終身刑又は死刑
製造・輸出入 終身刑
譲渡目的の製造・輸出入 死刑

薬物の運び屋を行うということは、国から国へと麻薬を運び報酬を得るということとなり、上記の中の「輸出入」に当たります。 「これを運んでくれ。謝礼は1,000ドル」と言われ、うっかり引き受けると、なんと終身刑です。一生を棒に振ることになってしまいます。アジアの多くの国は概ね上記と同様の罰則か、中にはS国やP国のように上記の全ての項目で「終身刑または死刑」など更に重刑が適用される国もあります。

「これを運んでくれ。謝礼は1,000ドル」と言われ、うっかり引き受けると、輸出入になります。

また、旅行者を麻薬輸送のおとりに仕立て上げ、密告して、官憲の目がそちらに向いている間にプロの運び屋が通過するという説もあります。自分の荷物から薬物が発見されると、本人がいくら知らなかったと無実を主張しても、それを証明することは大変困難なことです。

皆さんは銃や刀を運ぶでしょうか? そんな物騒なものは運ばないですよね。薬物も人の心と体を破壊する物騒な凶器です。知らない人がこれを運んでくれと頼んでくるものにはろくなものはないと思って、絶対に断ってください。また、親しくなったからといって、他人から荷物を預かることもやめましょう。

旅行者を麻薬輸送のおとりに仕立て上げ、官憲の目がそちらに向いている間にプロの運び屋が通過する

最初から旅行者を麻薬の運び屋に仕立て上げるという下心を持って、あなたに近づき、親しくなろうとする輩も存在するということをお忘れなく。

(2005年7月4日掲載)

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