感染症(SARS・鳥インフルエンザ等)関連情報

第1回重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する講演会の概要

演題:「重症急性呼吸器症候群(SARS)について」
講師:国立感染症研究所感染症情報センター長 岡部 信彦氏

平成15年4月11日(金)
三田共用会議所 講堂

午後2時00分開会

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司会

本日は、お忙しい中をお集まりいただき、誠にありがとうございます。時間になりましたので、重症急性呼吸器症候群に関する講演会を開始いたします。

まず始めに、外務省領事移住部政策課課長の三好から、現地情勢に関して説明をさせて頂きます。

三好外務省領事移住部政策課長

本日は、ご多忙の中、また、極めて急なことにもかかわらず、重症急性呼吸器症候群に関する講演会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

既に報道等でご案内のとおり、SARSは2月ごろから発生しており、お手元の資料にあるように、4月10日、WHOの発表によれば、19の国・地域に広がり、延べ 2,781名の感染者、 111名の死亡者が記録されています。感染者の内訳としましては、中国が 1,290名、香港が 998名、アメリカが 154名、シンガポールが 126名、カナダが97名、ベトナムが62名、台湾が19名、その他35名となっています。そのほかにも、疑わしい例とかがあり、かなり世界的な広がりを見せているところです。

このSARSについては、原因、対策等が必ずしも判明していないところがあり、いわば姿の見えない敵を相手に闘わなければいけないという難しさがあります。幸いこれまでのところ、在留邦人を含めて日本人の感染は確認されていません。外務省では、3月半ばごろから、アジアの、なかんずく中国、香港については海外安全情報を流し、渡航される日本人の方々への注意喚起を行ってきたところですが、4月2日の段階で、WHOが、香港と中国広東省への不要不急の渡航の延期を検討するように勧告するという情報を出したことを受けて、香港、中国広東省に対しては単なる海外安全情報ではなくて危険情報を出しました。

従来、エボラ出血熱等、地域の治安情勢とあわせて危険情報を出した例はありますが、疾病のみを理由として危険情報を出すのは今回が初めてです。

危険情報については、段階がありまして、一番下の段階が「十分に注意」、その次の段階として「渡航の是非を検討してください」。さらに、その上が「渡航の延期を勧告いたします」。最後が「退避を勧告いたします」となっており、イラク及びイラク周辺には、この退避勧告が出ていたわけです。今回、このSARSに関連して私どもが出したのは、下から2番目の「渡航の是非を検討してください」ということで、今回は少しプラスアルファをしまして、「不要不急の方は延期を勧告いたします」という内容になっています。2と3との違いはなかなか難しいのですが、下から3段階目になりますと、どんな目的の方も渡航を延期してくださいという話になります。今回は「不要不急の方」ということで、お急ぎでない方は海外旅行は延期なさったほうがいいのではないかという内容です。

そのほか、在留邦人の方がアジア地域にはたくさんおられるものですから、8日(月)に外務省の医務官を香港に派遣し、現地で健康相談等に応じています。それから、10日には、広州に向けて、厚生労働省の協力も得て、国立国際医療センターの先生2名に行っていただいており、今週から来週にかけて、広州の管轄内である深?などで、説明会、健康相談を受けるべく手配をしているところです。

さらには、緊急時ということで、現地ではマスク等も不足しているという情報が入っていましたので、香港、広州向けに急遽マスクを購入し、発送したところです。

本日は、財団法人日本国際医療団のご協力も得まして、日本の第一人者であられる国立感染症研究所の岡部先生を講師としてお迎えすることができました。岡部先生は、既にご案内しているとおり、昭和46年3月に東京慈恵会医科大学医学部専門課程を卒業後、アメリカ及びWHO西太平洋地域事務所等でお仕事をなさり、現在、国立感染症研究所感染症情報センターのセンター長をなさっています。

本日大変お忙しい中でお時間をつくっていただきました。先生には1時間弱お話をいただきました後、残りの時間を質疑応答に充てさせていただきたいと思います。

それではよろしくお願いいたします。

岡部国立感染症研究所感染症情報センター長

国立感染症研究所感染症情報センターの岡部です。

今日は、現在問題になっておりますSARS(重症急性呼吸器症候群)のお話をするようにというご指示をいただいたのですが、お集まりいただいた方にもショート・ノーティスであることと同様に、私にも極めてショート・ノーティスでしたので、十分にスライドなどを用意できず、先週、日本医学会総会というところで、医師の方を対象にご説明したときのスライドをベースにしてお話します。ちょっとわかりにくかったり、少し数字がずれたりするようなことがあるかもしれませんので、不明の点はどうぞご質問下さい。

また、メディアの方は、これは不完全なスライドであることをご承知おきください。これをすべてそのまま引用されますと、数字が間違っていたり、公表ができないものがあるかもしれませんので、その点はぜひご理解をお願いしたいと思います。

それから、私自身、今ちょっと鼻かぜを引いています。これはSARSではありませんが、お聞き苦しいかもしれません。お許しいただければと思います。

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