海外邦人事件簿|Vol.29 海外からのオレオレ詐欺

日本国内では、被害者続出の「オレオレ詐欺」ですが、最近は、海外を舞台にした「オレオレ詐欺」も増えております。お子さん等が海外に滞在されている、ないし旅行されている留守家族に対して、お子さんが交通事故に遭ったなどと作り話をして金銭を騙し取ろうとするケースが増えております。今回は、外務省に通報旁々ご相談のあった事例をいくつかご紹介します。

『外国人らしき人物より流暢な日本語で「息子を誘拐した、解放して欲しければ○○銀行へ○百万円振り込め。」と脅かす電話が日本の両親へかかった。両親は、海外の息子に電話するも、連絡が取れなかったために銀行へ金銭を振り込んでしまった。』

『海外留学中の娘を名のる人物から大変混乱している様子で泣きながら「交通事故を起こし、子供をはねてしまった。」と電話があり、直ぐに弁護士と称する人物に替わり、「保釈金が必要なので、○百万円を振り込みなさい。」と指示された。しかし、その後娘と連絡がとれ、そのような事実がなかったことを確認でき、被害に遭わずに済んだ。』

「息子を誘拐した、解放して欲しければ○○銀行へ○百万円振り込め。」

『海外留学中の息子を名のる人物から「交通事故を起こしてしまい、その相手から車の修理代を請求されている。」と電話があり、その場で、その事故の相手に替わり、「示談にするから直ぐに修理代を振り込め。さもないと、息子の臓器を売ってしまうぞ。」と脅かされた。しかし、その後息子と連絡がとれ、そのような事実がなかったことが判明し、被害に遭わずに済んだ。』

「保釈金が必要なので、○百万円を振り込みなさい。」

犯罪組織は、お子さん等の滞在日程を事前に調べ上げ、尤もらしい作り話をすることが少なくありません。上記事例の様な電話連絡があったら、まず海外のお子さん等又は、現地の日本大使館・総領事館に連絡し、事実を確認してください。確認もしないまま金銭を振り込むことは、絶対にしないでください。

対策としては、海外に旅行・滞在されるお子さん達が、

  • 自分の実家等の電話番号をみだりに他人には話さない。
  • 勤め先や家族構成等の個人情報もみだりに他人には話さない。
  • 日本の家族(留守宅)には、緊急時の連絡先も含め自宅、携帯電話の番号を知らせておく。

ことが有効です。他方、日本の家族(留守宅)は、まず相手の話すことを注意深く聞き、話し手がお子さん等本人か否か確認することが重要です。

この他にも、以前の事件簿でもご紹介した「419事件」「宝くじ事件」等の国際的詐欺事件など様々な手口によって、日本人が被害に遭っています。十分ご注意ください。

(2004年11月1日掲載)

ページの先頭へ戻る