海外邦人事件簿|Vol.05 ローマに居るときはローマ人のように振る舞え

海外邦人事件簿|Vol.05 ローマに居るときはローマ人のように振る舞え

海外に関わる犯罪事件は、何も海外に出かける日本人のみが遭遇するものではありません。日本国内でも海外発の犯罪事件に巻き込まれるケースもあるのです。今回は日本に居ながらにして犯罪に遭った例をご紹介します。

海外旅行で、例えばパリやロンドン、ニューヨークで市内観光に出かけるとき、どんな格好で出かけますか。出来るだけ持ち物を少なくし動きやすい格好が一番安全と言えますから、男性であれば手ぶらがいいでしょう。ところが、女性はそういうわけにもいきません。そこで今回は街中でのハンドバッグの安全な持ち方について考えてみます。

普通、ハンドバッグは手で持つか肩から下げます。ところがスリや引ったくりが多い国では、肩からたすき掛けにして、バッグのふたを内側にして身体の前で持つのが安全です。こうすると必要な時に開けにくいのですが、これは犯罪者にとっても同じですから狙われ難いようです。ところが、この持ち方は時として悲劇を生むことがあるのです。

男性であれば手ぶらがいいでしょう

『ローマに旅行した30代の女性添乗員。団体客が待つレストランに向かう途中、バイクに乗った2人組にハンドバッグを引ったくられそうになり、抱え込んで守ろうとしたが強引に肩紐を引っ張られて転倒し、歩道の縁石で頭部を強打し重傷を負った。』

この女性添乗員は経験豊富な方で、用心してハンドバッグの肩紐をたすき掛けにしていたのですが、これが災いして体勢を立て直す暇無く転倒してしまったそうです。この他、男性でもショルダーバッグの肩紐を引っ張られて転倒し骨折した例や、中には転倒した時の当たり所が悪く亡くなられた方の例もあります。

ハンドバッグの持ち方一つとってみても、国や地域によってその対応の仕方が違います。盗られないようにたすき掛けに持つか、盗られても構わないがあおられて怪我をしないように持つかは判断の難しいところですが、あまりにも細かい点まで気にすると疲れてしまいます。また、そんな心配はほとんど無用の安全な場所もたくさんあります。最も簡単で確実な方法は、市内観光に繰り出す時には周囲を見回し、現地の人と同じように、そして注意深く行動することです。

郷に入っては郷に従えと言いますが、欧米でも同じように「ローマに居るときはローマ人のように振る舞え」と言います。現地の人と同じようにハンドバッグの上からコートを羽織ってみませんか。あなたのハンドバッグはきっと安全です。

ハンドバッグの上からコート

(2004年3月2日掲載)

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