危険情報
南スーダンの危険情報【危険レベル引き上げ】
更新日 2025年03月27日
危険レベル・ポイント
【危険レベル】
●全土(ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)を除く)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(引き上げ)
【ポイント】
●南スーダンの内政をめぐり、2025年3月3日以降、キール大統領派とマシャール第一副大統領派との間での対立と緊張が一層高まっています。上ナイル州を中心にキール大統領を支持する南スーダン人民防衛軍(SSPDF)とマシャール第一副大統領を支持する反主流派(SPLM-IO)の間の武力衝突が発生しており、同24日以降はジュバ近郊でも複数の衝突が発生しました。
●また、同26日には、マシャール第一副大統領及び夫人のテニー内務大臣が拘束されました。今後急速に情勢が悪化する恐れがあることから、ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)をレベル4に引き上げます。その結果、南スーダン全土にレベル4(退避勧告)を発出します。つきましては、南スーダンへの渡航はどのような理由であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。
●全土(ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)を除く)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(引き上げ)
【ポイント】
●南スーダンの内政をめぐり、2025年3月3日以降、キール大統領派とマシャール第一副大統領派との間での対立と緊張が一層高まっています。上ナイル州を中心にキール大統領を支持する南スーダン人民防衛軍(SSPDF)とマシャール第一副大統領を支持する反主流派(SPLM-IO)の間の武力衝突が発生しており、同24日以降はジュバ近郊でも複数の衝突が発生しました。
●また、同26日には、マシャール第一副大統領及び夫人のテニー内務大臣が拘束されました。今後急速に情勢が悪化する恐れがあることから、ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)をレベル4に引き上げます。その結果、南スーダン全土にレベル4(退避勧告)を発出します。つきましては、南スーダンへの渡航はどのような理由であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。
詳細
1 概況
(1)南スーダンが独立して間もない2013年、ジュバ市で、キール大統領とマシャール副大統領(当時)の警護隊が衝突し、内戦となりました。2016年7月、再び両者の衝突から内戦が起きました。2018年9月、政府及び反政府勢力を含む関係者が「再活性化された南スーダン共和国における衝突の解決に関する合意」(R-ARCSS)に署名して以降、2020年2月に活性化された国民統一暫定政府が成立しました。
(2)2022年3月、上ナイル州とユニティ州におけるキール大統領派とマシャール第一副大統領派の軍事衝突をきっかけとした、同第一副大統領率いる反主流派(SPLM/A-IO)の和平合意メカニズムからの一時脱退及び同第一副大統領の居住地周辺を含むジュバ市内の警備強化により、国内の緊張状態が一時的に高まりました。
同年4月、両派の間で統一軍の指揮系統の分配に関する合意が署名され、高まった緊張状態は一旦収束しました。しかしながら、地方部を中心に引き続き衝突や殺傷事案等が多数発生しており、一般市民にも被害が出たほか、国際NGO、国際機関職員等にも被害が出ました。
(3)2025年3月3日以降、キール大統領派とマシャール第一副大統領派との間での対立と緊張が一層高まっています。上ナイル州を中心にキール大統領を支持する南スーダン人民防衛軍(SSPDF)とマシャール第一副大統領を支持する反主流派(SPLM-IO)の間の武力衝突が発生しており、3月24日以降はジュバ近郊でも複数の衝突が発生しました。また、同26日には、マシャール第一副大統領及び夫人のテニー内務大臣が拘束されました。南スーダンでは、今後さらに情勢が悪化する恐れがあります。
2 地域別情勢
(1)南スーダン全土(ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)を除く。)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
ア 地方部を中心に軍閥間の衝突が発生しており、治安及び人道状況の悪化を招いています。ユニティ州コック郡及びリール郡では、2022年2月にキール大統領派がマシャール第一副大統領派の野営地を襲撃し、占領して以降、人道状況が深刻化したほか、軍間の緊張状態が高まっています。同様に、上ナイル州では2022年1月のキール大統領派とマシャール第一副大統領派間の衝突以降、緊張状態が続いていました。
2025年3月3日以降、マシャール第一副大統領を支持する反主流派(SPLM-IO)と関係するとされる武装若者グループ(ホワイト・アーミー)との間で発生した衝突を機に、さらに緊張が高まっており、キール大統領を支持する南スーダン人民防衛軍(SSPDF)の司令官が搭乗した国連ヘリが攻撃され、同司令官が死亡しました。このため、同州ではSSPDFによる空爆等が行われているほか、現地住民に対して政府による退避命令が発出されています。
イ 上記以外の地域でも、2025年3月24日に首都ジュバ西約30kmにある反主流派(SPLM-IO)の駐屯地(中央エクアトリア州ウンリット(Wunlit))において南スーダン人民防衛軍(SSPDF)との衝突が発生したほか、同25日にジュバ西部ランブール(Rambur)で、同26日にジュバ南部レジャフ(Rejaf)で、SSPDFとSPLM-IOの衝突が発生しました。また、キール大統領の要請を受けて、ウガンダ人民防衛軍(UPDF)が派遣され、ジュバを含む各地に展開しています。
ウ 武装集団による押し込み強盗、車両襲撃、家畜強奪のほか、部族間・部族内問題による武力衝突が日々発生しています。また、東エクアトリア州からジュバへ向かう幹線道路では、引き続き武装集団による車両襲撃が多発しており、金品を強奪した上に、乗車している者を殺害する事案も発生しています。
エ また、ユニティ州、北バハル・エル・ガザル州を中心に、洪水が甚大なる被害をもたらしています。2022年9月には、政府が洪水被害地域を「国家災害地域」として指定しました。4年以上連続して発生している洪水被害は、全国各地でより深刻な食料不足及び経済的な混乱をもたらしています。
オ 地方部では、援助関係者への攻撃、嫌がらせが深刻な問題です。
カ 国家と国民を守るための軍隊、警察、治安機関等の訓練・配備プロセスは順次進んでいるものの、依然として発展途上であり、質・量共に完璧とは言えない状況です。このため、国の治安維持能力に対する信頼は必ずしも高くありません。
キ 2020年2月、暫定政府が成立しましたが、以降も洪水被害、施設の劣化による石油生産の減少、ウクライナ情勢がもたらす第一次産品価格の広範な上昇等を受けたインフレなどの影響によって、経済状況は悪化しています。また、「再活性化された南スーダン共和国における衝突の解決に関する合意」(R-ARCSS)の履行が大幅に遅れており、和平と安定の達成に向けた課題が多く残ります。
(2)ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(引き上げ)
ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)については、2018年7月の停戦合意以降、軍閥間の衝突は起きておらず、治安情勢は比較的平穏に推移していましたが、2025年3月24日以降はジュバ近郊でも複数の衝突の発生が報告されたことに加え、同26日に南スーダン人民防衛軍(SSPDF)及び国家治安局(NSS)によりマシャール第一副大統領及び夫人のテニー内務大臣が拘束されました。ジュバ市内でもさらに緊張が高まり、SSPDFとSPLM-IOの衝突を含め、今後急速に情勢が悪化する恐れがあります。
つきましては、南スーダン全土への渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、既に滞在中の方は、直ちに退避してください。
3 周辺国のスーダン、エジプト、エリトリア、エチオピア、ケニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、チャド及びリビアについても、別途危険情報が発出されていますので、同情報にも留意してください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)9850
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (フィーチャーフォン版)
(現地大使館連絡先)
○在南スーダン日本国大使館
住所:Plot No. 514, 3-K, Tongping, Republic of South Sudan
事務所代表電話: 092-267-1506、092-267-1507
国外からは(国番号211)92-267-1506、92-267-1507
https://www.ss.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
(1)南スーダンが独立して間もない2013年、ジュバ市で、キール大統領とマシャール副大統領(当時)の警護隊が衝突し、内戦となりました。2016年7月、再び両者の衝突から内戦が起きました。2018年9月、政府及び反政府勢力を含む関係者が「再活性化された南スーダン共和国における衝突の解決に関する合意」(R-ARCSS)に署名して以降、2020年2月に活性化された国民統一暫定政府が成立しました。
(2)2022年3月、上ナイル州とユニティ州におけるキール大統領派とマシャール第一副大統領派の軍事衝突をきっかけとした、同第一副大統領率いる反主流派(SPLM/A-IO)の和平合意メカニズムからの一時脱退及び同第一副大統領の居住地周辺を含むジュバ市内の警備強化により、国内の緊張状態が一時的に高まりました。
同年4月、両派の間で統一軍の指揮系統の分配に関する合意が署名され、高まった緊張状態は一旦収束しました。しかしながら、地方部を中心に引き続き衝突や殺傷事案等が多数発生しており、一般市民にも被害が出たほか、国際NGO、国際機関職員等にも被害が出ました。
(3)2025年3月3日以降、キール大統領派とマシャール第一副大統領派との間での対立と緊張が一層高まっています。上ナイル州を中心にキール大統領を支持する南スーダン人民防衛軍(SSPDF)とマシャール第一副大統領を支持する反主流派(SPLM-IO)の間の武力衝突が発生しており、3月24日以降はジュバ近郊でも複数の衝突が発生しました。また、同26日には、マシャール第一副大統領及び夫人のテニー内務大臣が拘束されました。南スーダンでは、今後さらに情勢が悪化する恐れがあります。
2 地域別情勢
(1)南スーダン全土(ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)を除く。)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
ア 地方部を中心に軍閥間の衝突が発生しており、治安及び人道状況の悪化を招いています。ユニティ州コック郡及びリール郡では、2022年2月にキール大統領派がマシャール第一副大統領派の野営地を襲撃し、占領して以降、人道状況が深刻化したほか、軍間の緊張状態が高まっています。同様に、上ナイル州では2022年1月のキール大統領派とマシャール第一副大統領派間の衝突以降、緊張状態が続いていました。
2025年3月3日以降、マシャール第一副大統領を支持する反主流派(SPLM-IO)と関係するとされる武装若者グループ(ホワイト・アーミー)との間で発生した衝突を機に、さらに緊張が高まっており、キール大統領を支持する南スーダン人民防衛軍(SSPDF)の司令官が搭乗した国連ヘリが攻撃され、同司令官が死亡しました。このため、同州ではSSPDFによる空爆等が行われているほか、現地住民に対して政府による退避命令が発出されています。
イ 上記以外の地域でも、2025年3月24日に首都ジュバ西約30kmにある反主流派(SPLM-IO)の駐屯地(中央エクアトリア州ウンリット(Wunlit))において南スーダン人民防衛軍(SSPDF)との衝突が発生したほか、同25日にジュバ西部ランブール(Rambur)で、同26日にジュバ南部レジャフ(Rejaf)で、SSPDFとSPLM-IOの衝突が発生しました。また、キール大統領の要請を受けて、ウガンダ人民防衛軍(UPDF)が派遣され、ジュバを含む各地に展開しています。
ウ 武装集団による押し込み強盗、車両襲撃、家畜強奪のほか、部族間・部族内問題による武力衝突が日々発生しています。また、東エクアトリア州からジュバへ向かう幹線道路では、引き続き武装集団による車両襲撃が多発しており、金品を強奪した上に、乗車している者を殺害する事案も発生しています。
エ また、ユニティ州、北バハル・エル・ガザル州を中心に、洪水が甚大なる被害をもたらしています。2022年9月には、政府が洪水被害地域を「国家災害地域」として指定しました。4年以上連続して発生している洪水被害は、全国各地でより深刻な食料不足及び経済的な混乱をもたらしています。
オ 地方部では、援助関係者への攻撃、嫌がらせが深刻な問題です。
カ 国家と国民を守るための軍隊、警察、治安機関等の訓練・配備プロセスは順次進んでいるものの、依然として発展途上であり、質・量共に完璧とは言えない状況です。このため、国の治安維持能力に対する信頼は必ずしも高くありません。
キ 2020年2月、暫定政府が成立しましたが、以降も洪水被害、施設の劣化による石油生産の減少、ウクライナ情勢がもたらす第一次産品価格の広範な上昇等を受けたインフレなどの影響によって、経済状況は悪化しています。また、「再活性化された南スーダン共和国における衝突の解決に関する合意」(R-ARCSS)の履行が大幅に遅れており、和平と安定の達成に向けた課題が多く残ります。
(2)ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(引き上げ)
ジュバ市及びその周辺(ジュバ国際空港を中心として概ね半径20km以内)については、2018年7月の停戦合意以降、軍閥間の衝突は起きておらず、治安情勢は比較的平穏に推移していましたが、2025年3月24日以降はジュバ近郊でも複数の衝突の発生が報告されたことに加え、同26日に南スーダン人民防衛軍(SSPDF)及び国家治安局(NSS)によりマシャール第一副大統領及び夫人のテニー内務大臣が拘束されました。ジュバ市内でもさらに緊張が高まり、SSPDFとSPLM-IOの衝突を含め、今後急速に情勢が悪化する恐れがあります。
つきましては、南スーダン全土への渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、既に滞在中の方は、直ちに退避してください。
3 周辺国のスーダン、エジプト、エリトリア、エチオピア、ケニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、チャド及びリビアについても、別途危険情報が発出されていますので、同情報にも留意してください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)9850
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (フィーチャーフォン版)
(現地大使館連絡先)
○在南スーダン日本国大使館
住所:Plot No. 514, 3-K, Tongping, Republic of South Sudan
事務所代表電話: 092-267-1506、092-267-1507
国外からは(国番号211)92-267-1506、92-267-1507
https://www.ss.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html