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南スーダン
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年02月16日

1 概況
(1)南スーダンでは、現時点で国際テロ組織やイスラム過激派による活動は報告されていません。当地のイスラム教徒とテロ組織との関係や実際のテロ活動も確認されていません。
(2)南スーダンでは、主に地方の武装集団などが、地元の未成年者や女性を誘拐する事案が発生しています。また、家畜の盗難事案と併せて牧畜従事者も誘拐されたり、地方の幹線道路付近の放牧地でビジネスを展開する外国人や人道支援関係者の車両が武装集団等に襲撃される事案も発生しています。2018年には、国際機関等の人道支援団体職員が誘拐される事案も発生しましたが、最近は標的を一般人などに切り替える傾向がうかがえます。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)首都ジュバ近辺では、政府軍SSPDFの存在により大規模な武力衝突は近年発生しておりません。
(2)地方では、特定の反政府武装組織に属さない武装集団同士の衝突や家畜をめぐる襲撃のほか、部族間の衝突事案が発生しています。
(3)ジュバ市内の治安情勢
ア 殺人、強盗、ひったくり、空き巣、スリが多発しています。特に人が多く集まるマーケットやイベントでは十分な注意が必要です。
イ 夜間は、国連職員、NGO職員及び現地職員の自宅等に賊が侵入し、職員を脅迫して金銭等を強奪する事案のほか、防犯対策が施されていない住民の家屋に賊が侵入し、金品を窃取し逃走する事案も発生しています。
ウ 土地の所有権問題に関わる治安当局と住民の争いが発生し、死傷者が発生しています。

3 誘拐事件の発生状況(2023年1月から2023年12月末)
邦人の被害は発生していませんが、以下のような事案が発生しており、注意が必要です。
・ 1月4日17時頃、レイクス州キュイベトで、武装集団により、ディンカ族の牛飼いが6頭の牛を奪われ、2名が誘拐された。
・ 1月15日17時頃、ジョングレイ州ニロルで、武装したムルレ族の集団により、8名の子供が誘拐された。
・ 1月13日15時頃、東エクアトリア州カポエタ東で、ムルレ族のコミュニティから12歳の少年が誘拐された。
・ 2月17日17時頃、ジョングレイ州ニロルで、武装したムルレ族の若者により、ヌエル族の4名の子供が誘拐された。
・ 3月31日、ジョングレイ州ニロルで、武装集団により、女性4名と子供1名が誘拐された。
・ 4月4日0時頃、ジョングレイ州アコボで、ヌエルの若者がムルレ族の若者により、ヌエル族の若者が誘拐された。
・ 4月6日14時頃、ジョングレイ州ニロルで、武装したムルレ族の若者により、ヌエル族の2名が殺害され、子供10名が誘拐された。
・ 4月11日13時頃、ジョングレイ州ドゥクで、武装したムルレ族の若者により、男女2名が殺害され、子供2名が誘拐された。
・ 4月26日、ジョングレイ州アコボで、武装したムルレ族の若者により、子供2名が誘拐された。
・ 5月10日10時頃、レイクス州ルンベク北で、トンジ東郡の武装集団により、ルンベク北郡のディンカ・パカムの牛が強奪され、2名が誘拐された。
・ 5月24日10時頃、ジョングレイ州ドゥクで、武装したムルレ族の若者により、女性3名と子供10名が誘拐された。
・ 5月26日14時頃、ジョングレイ州ウロルで、ヌエル族の若者により、家畜が強奪され、子供が誘拐された。
・ 5月28日20時頃、上ナイル州ウロングで、武装したムルレ族の若者により、2名の若者が殺害され、4名の子供が誘拐された。
・ 6月11日0時頃、東エクアトリア州ラフォンで、ムルレ族の若者により、1名が殺害され、4名の子供が誘拐された。
・ 7月3日9時頃、レイクス州ルンベク北で、何者かに1名が殺害され、子供1名が誘拐された。
・ 7月21日、ジョングレイ州ドゥクで、武装したムルレ族の若者により、6名の子供を含んだ家族が襲われ、父親が殺害され、母親と子供たちが誘拐された。
・ 7月24日、ジョングレイ州ピボルで、ヌエル族の若者が多数の家畜を強奪し、女性と子供が誘拐された。
・ 7月22日、中央エクアトリア州ジュバ郡で、武装集団により、11歳の少年が誘拐された。
・ 8月5日、ジョングレイ州ニロルで、武装したムルレ族の若者により、子供9名が誘拐された。
・ 8月7日、ジョングレイ州ドゥクで、ムルレ族の若者による襲撃により、7名が殺害され、4名の子どもが誘拐された。
・ 8月7日、ジョングレイ州ニロルで、ムルレ族の若者により、子供2名が誘拐された。
・ 8月12日ジョングレイ州トウィック東で、ムルレ族の若者により、女性とその子供2名が誘拐された。
・ 8月27日、ジョングレイ州ニロルで、ムルレ族により、8名の子供が誘拐された。治安部隊が3名を救出したが、残りの5名は行方不明。
・ 9月5日14時頃、ジョングレイ州トウィッチ東で、武装集団が住民を襲い、2名を殺害、4名の子供が誘拐された。
・ 9月23日、ジョングレイ州ニロルで、ムルレ族の若者により、通行中の3名が殺害され、子供2名が誘拐された。
・ 9月25日12時頃、ワラップ州トゥイックで、何者かに男女2名が誘拐された。
・ 10月26日19時30分頃、上ナイル州マラカルで、NGOの現地職員が、武装集団に拉致された。10月28日、UNSMS(国連安全管理システム)チームが誘拐犯と交渉した後、職員は解放された。
・ 11月12日、東エクアトリア州カポエタ南で、不明の武装集団により、多数の家畜が強奪され、子供2名が誘拐された。
・ 11月19日、ジョングレイ州アヨドで、ムルレ族の集団により、4名の子供が誘拐された。父親は子供を救出しようとして殺され、母親は負傷した。
・ 12月1日17時頃、中央エクアトリア州ネストゥで、ムルレ族の犯人が、ジュバ-ニムレ道路沿いで乗用車を待ち伏せ攻撃し、5歳の女児が誘拐された。
・ 12月3日10時頃、ジョングレイ州ボルで、武装したムルレ族の若者の待ち伏せ攻撃により、1名が殺害され、子供2名が誘拐された。
・ 12月4日、ジョングレイ州ピボルで、ムルレ族の若者により、4名の子供が誘拐された。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 これまでに南スーダンにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、国内各地で、政府軍と反政府武装勢力との衝突事案や家畜をめぐる強奪・襲撃事案、武装集団間の抗争などが報告されており、依然として南スーダンの治安は安定していない状況です。首都ジュバにおいても、NGO職員を狙った強盗や犯罪者による国際機関施設への侵入事案等が発生するなど、危険な状況が継続しています。
 一般的に、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
 特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

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