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コンゴ民主共和国の危険情報【危険レベル継続」 (内容の更新)

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更新日 2022年10月21日
危険情報
地図

危険レベル・ポイント

【危険度】
●カサイ3州全域(カサイ州、中央カサイ州及び東カサイ州)、バ=ズエレ州北部、オー=ウエレ州、イツリ州、北キブ州及び南キブ州全域
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●北ウバンギ州及び南ウバンギ州の中央アフリカとの国境地帯
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●上記以外の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

【ポイント】
●危険情報レベル4発出地域では、他国軍の侵入や難民の流入による治安悪化に加え、反政府武装勢力による地元住民の虐殺や誘拐等の発生が報告されています。同地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。
●危険情報レベル3発出地域では、隣国の情勢次第で急激に治安が悪化する可能性があります。同地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。
●危険情報レベル2発出地域では、殺人、強盗、誘拐、大規模デモ等が散発しています。同地域への不要不急の渡航は止めてください。

詳細

1 概況
(1)2018年12月、2016年以降延期となっていた大統領選挙及び国民議会・州議会選挙が実施され、2019年2月、最大野党である「民主社会進歩連合」(UDPS)のチセケディ党首が第5代大統領に就任しました。コンゴ民主共和国(以下、「コンゴ(民)」)の歴史上初めて民主的な政権交代が実現しましたが、政権の基盤はチセケディ大統領のUDPSとカビラ前大統領の「再建民主人民党」(PPRD)との連合であり、不安定な要素が内在していることから、政治・治安情勢に注意する必要があります。次期大統領選挙は2023年の実施が予定されていますが、現在も与野党各派が対立を深めています。

(2)中南部に位置するカサイ3州では、2016年8月以降、伝統的首長(Chef coutumier)のカムウィナ・ンサプを信奉する民兵組織と治安当局との衝突が頻発し、2017年には国連職員2人が殺害される事件が発生しています。また、2020年にはコミュニティ間の対立やコンゴ(民)軍とアンゴラ軍との衝突等がたびたび発生し、多くの死傷者が出ました。2021年6月、国連はコンゴ(民)安定化ミッション(MONUSCO)軍を撤収させ、政府に治安維持の対応を委ねて民兵組織の解体と司法裁判が進められていますが、不安定な政治・治安情勢は続いています。
 
(3)東部地域では政府の統治が行き届いておらず、反政府武装勢力による地元住民の虐殺や誘拐等の非人道的行為が多数報告されるなど、不安定な状態が続いています。2021年5月、大統領はイツリ州及び北キブ州全域に戒厳令を布告し、州政府を軍・警察指揮下の統治に変更し掃討作戦を継続していますが、住民の虐殺や治安部隊への攻撃は未だ収まっていません。

(4)2019年4月、北キブ州ベニ地区においてコンゴ(民)軍人を含む計8人が死傷した事件に関し、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)が「中央アフリカ州」の名で犯行声明を発出しました。ISILがコンゴ(民)における攻撃について犯行声明を発出したのはこれが初めてとされます。それ以降も、ISILは北キブやイツリ州におけるウガンダ系反政府勢力「民主同盟軍」(ADF)等による襲撃について継続して犯行声明を発出しており、米国は2021年3月、ADFをISIL関連団体としてテロ組織指定しています。

(5)2021年11月以降、北キブ州ゴマ市からブナガナ地区周辺では、ルワンダ系反政府武装勢力「M23(3月23日運動)」が活動を活発化させており、東部国境沿いの治安悪化に繋がっています。

 このような状況を十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2 地域情勢
(1)カサイ3州全域(カサイ州、中央カサイ州及び東カサイ州)
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア 2016年8月に中央カサイ州で発生した伝統的首長のカムウィナ・ンサプが率いる民兵組織と治安当局との衝突でンサプが死亡して以降、ンサプを信奉する民兵組織と治安当局との衝突がカサイ3州で頻発し、500人以上が死亡し、60万人以上が難民・国内避難民となっています。2016年9月、中央カサイ州の州都カナンガで民兵組織が空港を襲撃し、治安部隊との衝突により約100人の死者が出たほか、 2017年3月には、米国籍とスウェーデン国籍の国連職員が中央カサイ州チンブルで行方不明となり、その後遺体で発見される事件も発生しています。2019年1月、カサイ地方を支持基盤とするチセケディ氏が大統領に就任したことを受けて一部の民兵は投降しましたが、民兵組織と治安当局との緊張は依然として継続しています。
イ 2020年8月にコミュニティ間の対立(カサイ州及び中央カサイ州の境界争い)により1万3千人以上が家を失ったほか、コンゴ(民)軍とアンゴラ軍との衝突等がたびたび発生し多くの死傷者が出るなど、治安情勢が著しく悪化しました。
ウ 2021年中、地元部族衝突の数は、以前と比べ減少していますが、同年3月にはルバ族とクバ族の衝突により避難民が2万人を超えて発生したといった報道(UNHCR発表)もあり、治安状況が改善されたとは言えない状況です。
エ 2021年6月、国連は当地からコンゴ(民)安定化ミッション(MONUSCO)軍を撤収させて政府に治安維持の対応を委ねることとし、2022年にはカムウィナ・ンサプ民兵組織幹部らの裁判を進めていますが、カサイ及び中央カサイ州では刑務所を狙った襲撃と脱獄が発生しており、不安定な政治情勢は続いています。

 つきましては、これらの地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに安全な地域へ退避してください。

(2)バ=ズエレ州北部、オー=ウエレ州、イツリ州、北キブ州及び南キブ州全域
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア これらの地域では、ADF、M23、「ルワンダ解放民主軍」(FDLR)、「神の抵抗軍」(LRA)、「イツリ愛国抵抗戦線」(FRPI)、「コンゴ開発協同組合」(CODECO)及び「マイマイ」(自警団的な性格をもった武装集団)等による市民に対する非人道的行為(虐殺、誘拐等)が引き続き報告されており、各組織に対する掃討作戦が行われています。なお、国連の統計によると、2022年1月から9月までの9ヶ月間に、コンゴ(民)東部地域で、550万人以上の避難民が発生としています。特にイツリ州では武装勢力による攻撃が激化しており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)試算によると、2022年2月から6月にかけて、約800人以上の市民が死亡と発表しています。
イ バ=ズエレ州北部及びオー=ウエレ州では、LRA及びLRAと連携しているとされる武装集団による略奪、殺人、誘拐等が横行しており、2020年5月には、バ=ズエレ州において、武装集団が民間人約50人を拉致した上で、農産品や家財道具を略奪する事件が発生しています。また、オー=ウエレ州では、武装集団追跡のため中央アフリカ共和国(以下、「中央アフリカ」。)軍や南スーダンからの難民がコンゴ(民)領内に侵入・流入しており、治安が悪化しています。
ウ イツリ州では、FRPIやCODECO、ADF等国内外の武装勢力による略奪や殺人、誘拐等が横行しています。また、2017年12月からはイツリ紛争(エマ族やレンドゥ族等の間の紛争)が再燃し、2020年9月には、7年ぶりに武装勢力が州都ブニアに侵入した事案が報告されています。2022年には、1月にジュグ地域でCODECO民兵が避難民キャンプを襲撃し50人超を殺害、3月にイルム地域3村でADFが計52名を殺害、6月にイルム地域でADFが村人少なくとも20人を殺害するなど、ほぼ毎週、襲撃事件が発生しています。なお、ADF関与の事件については、ISILが同組織の犯行として声明を出すなど活動を誇示しています。CODECOは同州北部の金鉱山地域を襲撃し、ADFは南部イルム地域のコマンダ・ルナ間国道4号沿いで襲撃と拉致を繰り返しています。
エ 北キブ州では、ADFやFDLR、マイマイ等、数多くの武装勢力が活動しており、中でもADFは、2019年10月末にコンゴ(民)軍が軍事作戦を開始して以降、ベニ地区を中心にこれまで多くの市民を殺害し、略奪・誘拐等を行うなど、非常に危険な状況が続いています。
2019年4月、北キブ州ベニ地区においてコンゴ(民)軍人を含む計8人が死傷した事件に関し、ISILが「中央アフリカ州」の名で犯行声明を発出しました。ISILがコンゴ(民)における攻撃について犯行声明を発出したのはこれが初めてとされます。それ以降も、ISILは同地区におけるADF等による襲撃について継続して犯行声明を発出しており、ADFとISILとの関係が指摘されています。なお米国は2021年3月、ADFをISIL関連団体としてテロ組織に指定しています。ISILは、2020年10月に発生した北キブ州ベニ地区のカンバイ刑務所襲撃事件(囚人約1,300人が脱獄)、2021年6月のベニ市内での1件の自爆テロ事件とキリスト教会を狙った爆発事件、2022年5月のベニ・カシンディ道路を通る車両への襲撃事件(15人殺害)、同年8月のブトンボ地区カクワンゴラ中央刑務所襲撃事件(囚人874人が脱獄)、同年10月のブトンボ地区映画館での爆発事件(10人負傷)等についても犯行声明を発出しています。ADFは、一般市民、コンゴ(民)国軍(FADRC)だけでなく、MONUSCO拠点や、キリスト教会及びキリスト教系医療施設、外国人出入り施設などへの攻撃を拡大しています。
特筆すべき事件として、2021年2月にはベニ市近郊でWFP活動のため移動中のイタリア大使車列が襲撃を受け、大使ほか2名が死亡した事件のほか、人道支援団体や国際医療団体、NGO等に対する襲撃事件が挙げられます。2021年末からはM23武装勢力(ルワンダ系反政府武装勢力)がゴマ市近郊の国境付近で活動を再開し、2022年3月、MONUSCO軍ヘリを撃墜、同年6月にはルワンダとの国境の町ブナガナを占拠するなど、国境沿いの治安悪化とルワンダとの関係悪化に繋がっています。また、治安維持に対する市民の不満から国連やMONUSCO軍に対する反感が高まっており、2022年7月にはゴマ市内でデモが略奪に発展し、市民や軍兵士8人が死亡しています。
オ 南キブ州では、バニャムレンゲ(主にコンゴ(民)東部にいるツチ族系ルワンダ語話者)系武装勢力と各地域のマイマイが抗争を繰り広げており、国連によると、2019年2月から2020年6月までの間で約130人が死亡、11万人が家を失っています。人権団体の報告書によると、ヴィルンガ国立公園周辺では、2017年4月から2020年3月までの3年間で約170人が誘拐され、拷問、殺害、強姦や身代金の要求などが行われています。2021年8月にツチ族系武装グループと対立勢力の衝突で民兵16人が死亡、同年10月には国際医療NGO団体職員7人が拉致される事件、2022年にも地元民兵ツウィワネオグループによるミネンブウェ地区MONUSCO軍への攻撃等も発生しています。

 つきましては、これらの地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに安全な地域へ退避してください。

(3)北ウバンギ州及び南ウバンギ州の中央アフリカとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

 2012年末に発生した中央アフリカにおける政情不安により、中央アフリカ難民がコンゴ(民)に流入しました(UNHCRによると、2021年10月時点で北ウバンギ州に10万1038人、南ウバンギ州には4万8,399人の中央アフリカ難民が滞在中と推計されています。)。中央アフリカでは、2016年3月に民主的なプロセスを経てトゥアデラ政権が発足し、2019年2月には中央アフリカ政府と武装勢力との間で和平合意が署名されました。しかし、2021年10月には中央アフリカ共和国軍と反政府武装勢力との衝突を逃れるため、北ウバンギ州への多数の越境避難民が記録(政府発表1万5,059人)されるなど、両国の政治状況次第では、今後、国境周辺の治安が急激に悪化する可能性も排除できません。

 つきましては、これらの地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。

(4)上記以外の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア キンシャサ特別州(首都キンシャサ) 
(ア)2016年8月、大統領選挙の即時公示、同年12月に任期を終えるカビラ大統領(当時)の任期満了時の辞職を要求する野党の呼びかけによる反大統領デモなどが発生し、国連の発表によれば53人の死者が出ました。同年12月にも、カビラ大統領が憲法上の任期満了を迎えたことを受けて、大統領の退陣を求める抗議行動がキンシャサを含む国内主要都市で発生し、22人の死者が出ました。また、2017年大晦日から2018年にかけて、「カトリック非聖職者調整委員会」(CLC)がカビラ大統領の退陣を求めて抗議行動を呼びかけ、十数人が死亡しました。
2018年12月30日には、2016年以降延期となっていた大統領選挙及び国民議会・州議会選挙が実施され、2019年1月24日、最大野党UDPSのチセケディ党首が第5代大統領に就任し、歴史上初めて民主的な政権交代が実現しましたが、政権の基盤はチセケディ大統領のUDPSとカビラ前大統領のPPRDとの連合であり、不安定な要素が内在しています。2021年、野党連合LAMUKA及び市民団体LUCHAを中心として、独立国家選挙委員会(CENI)代表者選定の透明性を求め、数百人から数千人規模のデモを呼び掛けたものの、当局による事前の解散指示により死者の発生には至っていません。次期大統領選挙は、2023年に予定されていることから、CENIを巡る各宗教(カトリック、プロテスタント等)派閥の対立や、与野党各派の対立が懸念されます。
 以上のように、コンゴ(民)では、選挙等の機会に政府方針に反対する大規模なデモが散発的に発生し、治安部隊との衝突に発展して多くの死傷者が出ることがあることから、政治・治安情勢に注意する必要があります。
(イ)一般犯罪としては、貧困に起因する金品目当ての事件が多発しています。なかでも「シェゲ」と呼ばれるストリート・チルドレンによるスリやひったくりなどの窃盗事件、「クルナ」と呼ばれる不良暴力集団による恐喝、強盗、強盗殺人、身代金目的の誘拐等の凶悪犯罪が多発しています。犯罪被害に遭わないよう、徒歩での移動は避けて下さい。また、公共のバスや流しのタクシーはスリ、強盗、誘拐の被害に遭いやすく、コンゴ(民)に短期で渡航する場合は、公共交通機関の利用は控え、ホテルや旅行会社から紹介を受けたタクシー等の利用をお勧めします。その他、警察や出入国管理局等の公務員及び軍人が、一般市民に対して不当に言いがかりをつけ、現金を喝取する「たかり行為」が横行しているため、これらがつけ入る隙を与えず、目立つような行為はしないことが重要です。
(ウ)2020年から2022年にかけて、新型コロナウイルス感染症による外出禁止や物価価格の変動、取り締まる警察への不満等からデモや暴徒化した一部参加者による商店等への略奪行為が発生しました。また、外国人経営者による不当な差別に抗議するデモや海外でのコンゴ(民)人の不審死に対する調査要求デモ、各業界給与不払いに対するストライキやデモも散見され、しばしば治安当局の予想を超える規模となることもあります。

イ マイ=ンドンベ州西部クワムチュ地域
2022年7月以降、マイ=ンドンベ州西部でキンシャサ特別州と隣接するクワムチュ地域ではテケ族とヤカ族の衝突が激化しており、8月19日にはミシアクァ村で15人死亡、9月7日にミベ村で16人が死亡、13日にはファディアカ村で30人が死亡、21、22日にビボンガ、エングウェメ、ビシアラ村で約80人が死亡しています。(報道では、2022年8月以降10月10日までの累計死者数は、100人超とも伝えられています。)州当局は3万5,000人以上が同州別地域や隣のクウィル州、クワンゴ州、キンシャサ特別州に避難していると発表しています。また、一部の避難民(約1,400人)はコンゴ川を渡りコンゴ共和国側に避難したとも伝えています。州を繋ぐ幹線道路の検問では避難民の流入防止や武装民兵の取締りのために道路封鎖した場所もあり、アジア系外国人は非常に目立つため強盗などの犯罪も含めた標的になりやすく、避難民が多く流動する中での同州内の移動は困難な可能性もあります。なお、9月に政府及びクウィル州兵士による武装勢力掃討が本格化して以降、小康状態を保っています。

ウ チョポ州及びマニエマ州
 同地域は、反政府武装勢力の活動が盛んな地域に隣接しており、今後、同勢力が活動地域を拡大する可能性も否定できません。2021年においては散発的ですが、同年2月にチョポ州キサンガニで刑務所の囚人51人が脱獄、同年4月にマニエマ州でマイマイ民兵と別民兵の衝突で14人死亡するなどの事件が発生しています。
エ オー=カタンガ州、オー=ロマミ州、タンガニーカ州及びルアバラ州
 2013年3月23日、旧カタンガ州北部を本拠地とする民兵組織「バカタ・カタンガ」の要員約300人が旧カタンガ州都ルブンバシ中心部に侵攻し、治安部隊との間で衝突が発生しました。また、2014年に入ってからは、マノノ、ミツワバ、プウェトの三都市を結ぶ死の三角地帯と呼ばれている地域でバカタ・カタンガの活動が活発化し、人道危機が発生しました。2020年3月及び9月にも、バカタ・カタンガがルブンバシ等に侵攻し、治安部隊との衝突により複数人が死亡しています。2021年10月、タンガニーカ州フィジ地域での武装組織マイマイによる市民21人略取事件、2022年にはTWA民兵がカティビ及びマラ村を襲撃し10人が殺害されています。そのほかにも、これらの地域には分離独立を標榜する複数の武装勢力が存在しています。現在も、バンツー系部族とピグミー族との間で土地問題等をめぐる対立が生じています。ルブンバシは、主要野党の一つであるモイーズ カトゥンビ元カタンガ州知事の拠点であることから東部2州の戒厳令等与党による政策を巡る意見対立や政治的緊張が高まりやすく、暴動が発生する可能性がある地域ですので、政治情勢にも注意する必要があります。
オ その他の地域
 現在、治安状況は比較的安定していますが、ひったくり、スリ、路上・侵入強盗等の一般犯罪には十分注意して下さい。また、コンゴ(民)では、近年、毎年エボラウイルス病(エボラ出血熱)が流行しています。2022年中は、4月赤道州で14次流行(7月終息)、8月北キブ州で15次流行(9月終息)となっています。また、エボラウイルス病(エボラ出血熱)以外にもマラリアなど様々な感染症の発生がありうることから、感染症情報にも十分注意を払い、最新の情報を入手の上、流行がみられる場合には発症地域への立ち入りは絶対に避けてください。
 
 つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には、特別な注意を払うとともに、十分な安全対策を講じてください。

3 滞在に当たっての注意事項
(1)コンゴ(民)への渡航・滞在における一般的な注意事項については、海外安全ホームページ内の「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_103.html )も併せて参照してください。滞在中は、下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、渡航に際しては、あらかじめ、日本国外務省、在コンゴ(民)日本国大使館、現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めてください。万一、事件・事故等に巻き込まれた場合は、速やかに在コンゴ(民)日本国大使館に連絡してください。

(2)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
コンゴ(民)に3か月以上滞在する方は、大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

(3)コンゴ(民)では、昼夜を問わず徒歩での外出は避け、車両で移動してください。乗り合いタクシー、バス、電車などの公共交通機関はスリ、誘拐、強盗等の被害に遭う危険性が高く使用は止めてください。長期滞在する場合は、個人または所属する企業・団体において、使用できる車両を確保してください。短期渡航の場合は、旅行会社・ホテル等から紹介を受けたレンタカー等を利用してください。また、貧困に起因する金銭等を狙った窃盗、強盗等の犯罪が多発しています。特に犯罪が発生する深夜、未明の時間帯は外出を控えてください。新型コロナウイルス感染症の流行によっては夜間外出禁止令が発令する場合がありますので、関連情報にも注意してください。ホテル、レストラン周辺は外国人をはじめ富裕層の出入りがあることから、バッグ、携帯電話等の所持品を狙ったひったくり、強盗等の事件が多発しています。こうした場所で車両を乗り降りする場合は、周囲の様子に十分注意してください。

(4)コンゴ川流域では、定員超過、過積載による船舶事故が散見されるほか、過去には外国人を対象とした誘拐事件が発生しています。また、河川路に位置する国境の都市では、出入国管理局職員による検問で不当に金銭を要求されたり、一時的に身柄を拘束されたりするなどのトラブルが発生しています。なお、日本人を含め外国人利用者が多いキンシャサのンゴビラ港から船舶を利用して隣国コンゴ共和国(以下、「コンゴ(共)」)のブラザビルに入国する場合でも、職員が「入国のための書類が足りない」などの言いがかりを付けて金銭を要求することがありますので、十分注意してください。

(5)軍人や警察官が多数警戒している施設には安易に近づかないでください。また、これらの付近でカメラやスマートフォンを構えるなど、誤解を招くような行動は厳に慎んでください。過去には、某国外交官が深夜に車を運転中、誤って検問所に近づいてしまったため兵士に銃撃されて負傷する事件や、外国人カップルが夜間に大統領府付近を散歩していたところ、誤って規制線を越えてしまったために軍人に銃を突きつけられ、現金を奪われる事案等が発生しています。

(6)無用なトラブルを回避するため、政治や治安当局に関する不用意な言動・議論は慎んでください。

(7)緊急事態が発生し自主的な国外退避が困難となった場合の緊急避難先はキンシャサの日本大使公邸または日本国大使館となりますので、これらの所在地をあらかじめ確認しておいてください。また、万一に備えて食料、飲料水等を備蓄(1週間程度立て籠もることができるだけの準備をしておくことが望ましい)しておくとともに、パスポート、航空券、宿泊費及び当座の生活費のための現金、クレジットカード、貴重品及び衣類等の生活必需品をいつでも持ち出せるよう準備しておくことをお勧めします(スーツケース1個分、10キロ程度が目安)。

(8)新型コロナウイルス感染症の流行を含む緊急事態が発生した場合、政府機関、重要施設、幹線道路及び主要交差点等で軍や警察による検問が行われるため、空港にアクセスすることが極めて困難となります。また、治安が悪化した場合には、民間航空機も運航を取りやめる可能性があり、空路での国外退避は事実上不可能と考えておく必要があります。キンシャサに滞在する場合は、上記のような緊急事態を想定し、隣国のコンゴ(共)に退避することを念頭にあらかじめコンゴ(共)の査証を取得しておくことをお勧めします。また、パスポートの有効期限にも注意し、6か月未満になっている場合は早めに在コンゴ(民)日本国大使館で新たなパスポートの申請を行うことをお勧めします(パスポートの有効期限までの期間が1年未満であれば更新の申請が可能です)。

(9) 隣国の南スーダン、中央アフリカ、コンゴ(共)、アンゴラ、ザンビア、タンザニア、ブルンジ、ルワンダ及びウガンダにもそれぞれ「危険情報」が発出されていますので、併せて留意してください。また、隣国からの陸路での越境は、場所によっては極めて危険です。空路を選択するよう心掛けてください。


(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞ヶ関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)9850
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○海外安全ホームページ:
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在コンゴ民主共和国日本国大使館
住所:372, Avenue Colonel Mondjiba, Concession Immotex, Ngaliema, Kinshasa, Republique Democratique du CONGO
  大使館代表電話:(国番号243)-81-555-4731~4
  大使館緊急用電話:(国番号243)-81-880-5059
  ホームページ:http://www.rdc.emb-japan.go.jp/
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