☆詳細については、下記の内容をよくお読みください。
1.概況
(1)2013年1月、アルジェリア南東部イリジ県イナメナスにおいて、武装勢力による襲撃事件が発生し、この事件により日本人を含む外国人多数が犠牲となりました。アルジェリア南部では、ここ数年,隣国リビア及びマリ北部の情勢悪化に伴い、国際テロ組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ(AQIM)」や「ムラービトゥーン」等の武装勢力が活発に活動しており、アルジェリア治安当局が国境管理を強化するとともに掃討作戦を行っています。
(2)チュニジアとの国境地帯についても、武器の密売人やテロリストの往来が度々報じられており、アルジェリア治安当局はチュニジアから侵入した武装集団に対する掃討作戦を行っています。
(3)AQIMは、南部地域のほか、北東部カビリー地方の山岳部に勢力を保っており、治安当局に対する襲撃や治安当局による掃討作戦が行われています。
2.地域情勢
(1)リビア、ニジェール、マリ、モーリタニア国境地帯(イリジ県イナメナス地区を除く)
:「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(継続)
リビア、ニジェール、マリ、モーリタニア国境地帯では、AQIMやムラービトゥーン等の武装勢力や,武器・麻薬密売業者が活動しており、治安部隊による掃討作戦が展開されています。国際社会によるマリ北部への軍事介入後、マリからAQIM等の武装集団がアルジェリアに逃げ込む危険性等を考慮し、2013年1月、アルジェリア政府は、マリとの国境を閉鎖しました。また、2014年5月12日の在リビア・アルジェリア大使館襲撃未遂事案の発生など、リビア情勢の悪化を受けて、アルジェリア政府はリビアとの国境を閉鎖したとされています。同地域では、近年以下のような事件が発生しています。
ア 2011年2月、リビア国境付近のアリデナ(イリジ県ジャネット(世界遺産で有名な観光地)の南250km)では、イタリア人女性旅行者が運転手・ガイドとともに誘拐されました(2012年4月解放)。
イ 2011年10月、ティンドゥーフ県南部のモーリタニア国境付近の西サハラ難民キャンプで、人道支援活動を行うNGOのメンバー(スペイン人2人、イタリア人1人)が誘拐されました(2012年7月にイタリア人は解放)。
ウ 2013年4月、アドラール県南部のマリ国境付近において、アルジェリア軍は、車両で越境してきた武装集団に対し、ヘリコプター部隊を投入する等の大規模な掃討作戦を展開した他、同年6月中旬にも武装集団との間で銃撃戦が発生しました。
エ 2013年6月、イリジ県リビア国境付近において、アルジェリア軍と越境してアルジェリア国内に侵入を図った武装集団との間で戦闘が発生しました。
オ 2014年5月、タマンラセット県南部のマリ国境付近において、軍の掃討作戦により、テロリスト12人が殺害されました。
同地域では、武装勢力による外国人誘拐、武装集団の流入による事件の発生や治安部隊による大規模な掃討作戦が行われており大変危険です。同地域への渡航・滞在は、どのような目的であれ延期してください。また、既に滞在中の方は、直ちに安全な地域への退避をお勧めします。
(2)イリジ県イナメナス地区
:「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(真にやむを得ない事情で現地に渡航・滞在せざるを得ない場合は、政府機関、所属企業・団体等を通じて、組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)(継続)
2013年1月16日、南東部イリジ県イナメナスにおいて、サヘル地域を拠点として活動する武装勢力による襲撃事件が発生し、この事件により日本人10人を含む外国人多数が犠牲となりました。同事件以降、同地域はアルジェリア軍等による厳重な警備体制がとられるようになり,その後同地域における武装勢力の活動は抑えられています。しかし、テロなどの発生の可能性は引き続き高く、リビア側の情勢が依然不安定なことから、同地域への渡航・滞在は、どのような目的であれ延期してください。また,既に滞在中の方は,直ちに安全な地域への退避を勧告します。なお、上記勧告にもかかわらず、真にやむを得ない事情で同地区に渡航・滞在する場合は、政府機関、所属企業や団体等を通じて、組織としての必要かつ十分な安全対策をとるようにしてください。
(3)エル・タルフ県、スーカハラス県、テベッサ県、ヘンシェラ県、エル・ウェッド県及びウアルグラ県のチュニジア国境地帯、ジジェル県(ジジェル地区(市街地)、アミール・アブデルカデル地区、タヘール地区を除く)、ベジャイア県のベジャイア地区から西の地域(ベジャイア地区を除く)、ティジ・ウズ県(ティジ・ウズ地区(市街地)を除く)、ブイラ県の国道5号線から北の地域、ブーメルデス県の国道5号線から東の地域、アイン・デフラ県、イリジ県(リビア、ニジェール国境地帯を除く)、タマンラセット県(ニジェール、マリ国境地帯を除く)、アドラール県南部地域(ザウイエット・クンタ地区及びタメクテン地区を含む、同各地区から北部地域及びマリ、モーリタニア国境地帯を除く)、ティンドゥーフ県(モーリタニア国境地帯を除く)
:「渡航の延期をお勧めします。」(継続)
チュニジア国境付近では、武器等の密輸が横行しており、アルジェリア軍が国境付近の警備強化を行っていますが、治安当局と密輸を行う武装集団との間で衝突が発生するなど全体的に治安が悪化しています。同国境付近では、チュニジアから侵入した武装集団とアルジェリア治安当局との間での衝突も懸念されることから不用意に近づくことのないよう十分な警戒が必要です。
アルジェリア北東部、特にティジ・ウズ県を中心とするカビリー地方の山岳地帯とコロ山岳地帯、ブーメルデス県のうち国道5号線から東部の地域、ブイラ県の国道5号線から北部の地域、ティジ・ウズ県境に広がるシダリ・ブナブ森林地帯や北東部の臨海地帯などでは、以下のとおり治安関係者等に対する襲撃、爆弾テロが多数発生しています。
ア 2014年3月14日、テベッサ県東部のチュニジア国境地帯において、国境を越えて進入してきた武装集団と治安部隊が銃撃戦になり、武装集団の7人が殺害されました。
イ 2014年4月11日、ブーメルデス県南部アマル地区の山岳地帯において、地中に仕掛けられた爆弾が爆発し、市民4人が負傷しました。
ウ 2014年4月19日、ティジ・ウズ県南部イブドラレン地区において、国軍部隊が武装集団に襲撃され、兵士11人が死亡、5人が負傷しました。
エ 2014年4月28日、ブーメルデス県シャベット・エルアムール地区において憲兵隊のパトロールに対して手榴弾が爆発し、憲兵隊3人及び市民1人が負傷しました。
オ 2014年5月4日、ブイラ県ラクダリア地区において、憲兵隊がパトロールで通過する際、路肩に仕掛けられた爆弾が爆発し、隊員3人が負傷しました。
カ 2014年5月28日、ティジ・ウズ県アグリブ地区の森林において、市民が羊を放牧中、地中に埋められた爆弾が爆発し、市民が負傷しました。
また、北西部のアイン・デフラ県においても、北部の山岳地帯でテロが多数発生しています。
イリジ県、タマンラセット県、アドラール県南部、ティンドゥーフ県は広大な砂漠地帯であり、アルジェリア治安当局の警備が十分行き届いておらず、リビア、ニジェール、マリ、モーリタニアの各国境に近接していることから、武装勢力が侵入してくる恐れもあります。
ついては、同地域への渡航・滞在は、どのような目的であれ控えるようお勧めします。やむを得ず渡航・滞在される場合には、山岳地帯や脇道には近づかず、単独行動は避け、移動は日中に限定し、現地事情に詳しい人や安全対策の専門家を同行させるなど、不測の事態に巻き込まれないよう引き続き具体的な安全対策を講じてください。
(4)上記及び下記(5)以外の地域
:「渡航の是非を検討してください。」(一部引き下げ)
ア ジジェル県のジジェル地区(市街地)、アミール・アブデルカデル地区、タヘール地区、ティジ・ウズ県のティジ・ウズ地区(市街地)については、各地区内に治安部隊による検問が随所に設置され、警察官も各所配置されるなど、治安当局による警備強化が図られていることから同各県の山岳地帯に比して、テロの発生が抑えられています。そのため、「渡航の延期をお勧めします。」から「渡航の是非を検討してください。」に引き下げますが、同各県山岳地帯では引き続きテロリスト掃討作戦を行っているため、当該地域への不要不急の渡航・滞在は避け、渡航にあたっては十分な安全対策を講じてください。また、やむを得ずティジ・ウズ県のティジ・ウズ地区(市街地)に渡航・滞在する場合には治安部隊が配置している国道12号線を必ず使用してください。
イ アドラール県北部地域(ザウイエット・クンタ地区、タメクテン地区から北部)については、治安当局による警備の強化が図られており、同県南部や国境地帯に比して、テロ事件の発生が抑えられている状況から「渡航の延期をお勧めします。」から「渡航の是非を検討してください。」に引き下げますが、不要不急の渡航・滞在は避け、渡航にあたっては十分な安全対策を講じてください。
ウ ブーメルデス県の国道5号線から西部の地域は、アルジェ県周辺の山岳部やブイラ県北部に隣接する森林地帯を中心にテロリスト掃討作戦のため治安関係者が犠牲になる事件が発生しています。
エ ガルダイア県ガルダイア地区においては、部族間の抗争に起因する暴動がたびたび発生しており、2014年3月には60人以上が負傷、同年4月には2人が死亡、100人以上が負傷しています。
オ その他の地域についてもデモや暴動、欧米をはじめとする外国の権益に対するテロの可能性も排除できないので、十分な注意が必要です。
ついては、同地域への不要不急の渡航・滞在は控えることをお勧めします。渡航すべきか否かは、渡航目的の緊急性、とりうる安全対策等に応じて検討を行った上で判断するようにし、渡航・滞在する場合には、現地の最新の情報の入手に努めるとともに、特に夜間の外出は控えるなど、自身の安全対策に万全を期してください。
(5)アルジェ県、オラン県
:「十分注意してください。」(引き下げ)
アルジェ県、オラン県では、治安当局による警備が強化され、近年、テロの発生はなく治安は比較的安定していますが、両県内には欧米をはじめとする外国の権益が多数所在しており、イスラム武装勢力がテロの標的とする可能性も排除できないため、十分な注意が必要です。
ついては、アルジェ県、オラン県の危険情報を「渡航の是非を検討してください。」から「十分注意してください。」に引き下げます。同地域に渡航・滞在を予定されている方は、治安情勢に関する最新情報の入手に努め、目立つ行動は避けると共に周囲に警戒を払う等、十分注意してください。
3.滞在に当たっての注意
アルジェリア滞在に当たっては、不測の事態に巻き込まれないよう下記事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在アルジェリア日本国大使館、現地関係機関等により最新の情報を入手するよう努めてください。
(1)渡航者全般向けの注意事項
ア 単独行動や夜間の外出は極力控えてください。
イ アルジェリア国内の移動に際しては、可能な限り現地事情に詳しいガイドを同行させ、必要により安全対策の専門家の同行を求めるなど、十分な安全対策を講じてください。また、移動経路における周囲の状況の変化等にも十分注意してください。なお、砂漠地帯に渡航・滞在する場合には、法律上政府公認ガイドの同行が義務づけられています。
ウ ホテルを選択する場合には、安全対策が十分施されたホテルを利用してください。
エ 山岳地帯では、治安当局によるテロリスト掃討作戦に巻き込まれる可能性がありますので、立ち入らないようにしてください。
オ テロの多くは治安関係者や政府関係者を狙ったものですので、不必要に検問や警察官、警察署、政府関連施設に近づかないようにしてください。デモが予想される場合には、可能な限り外出は控え、安全な場所で待避してください。また、外出される場合には、不測の事態に巻き込まれないよう、主要欧米関連施設、政府・軍関係施設及び外国人が多数集まるような場所への出入りを最小限にするなど、自らの安全確保に十分留意してください。
(2)観光旅行者向けの追加注意事項
ア 在留届の提出義務のない3か月未満の短期滞在の方(海外旅行・出張者など)について、現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして、2014年7月1日より、外務省海外旅行登録(「たびレジ」)の運用を開始しています(
http://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録者は、滞在先の最新の渡航情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、いざという時の緊急連絡などの受け取りが可能ですので、是非活用してください。
イ 観光地においては、種々のトラブルが発生する可能性がありますので、単独行動はできるだけ避け、信頼できる現地旅行会社や観光ガイドを利用することをお勧めします。
ウ 繁華街等においては,盗難や麻薬犯罪,強盗・傷害事件が発生していますので,これらの犯罪に十分注意してください。
エ 首都アルジェを含む各主要都市では、若者の政治や社会への不満による抗議行動が暴動に発展し、治安部隊と衝突して多数の負傷者・逮捕者が出るなどの事件が発生しています。また、各サッカー競技場周辺では、暴徒化したサポーターが銀行や商店、通行車両を襲撃する事件も発生しています。さらに、各地で失業、住居配分、道路・水道基盤等の不備に抗議する一般市民の活動も多発しています。現地では可能な限り情報を収集し、危険な状況に巻き込まれる前に避難する等安全対策を講じてください。人だかりやデモ等抗議行動の現場に遭遇した場合はすみやかに現場から離れるなど、状況に応じて十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
オ 砂漠地帯を訪問する場合は、できるだけ空路で移動し、現地への直行便又は短時間の乗り継ぎ便を利用するなど、安全確保に努めてください。
(3)長期渡航者向けの追加注意事項
ア 特に地方に滞在・渡航する方は,事前に現地の状況を把握した上で、十分な安全対策をとり、緊急移送サービス等が付された海外旅行保険に加入することをお勧めします。
イ 現地に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡等に必要なので、到着後遅滞なく、在留届を在アルジェリア日本国大使館に提出してください。また、住所その他の届出事項に変更が生じたときやアルジェリアを去る(一時的な旅行を除く)ときは、必ずその旨を届け出てください。なお、在留届は、在留届電子届出システム(ORRネット、
http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また、郵送、FAXでの届出も可能なので、在アルジェリア日本国大使館まで在留届を送付してください。
4.観光地ティパザ県の最近の治安情報については、在アルジェリア日本国大使館のホームページ領事情報(
http://www.dz.emb-japan.go.jp/jp/ryoji-toko-20130701.pdf )から確認できます。
5.隣国(地域)のチュニジア、リビア、ニジェール、マリ、モーリタニア及び西サハラ地域にはそれぞれ危険情報が発出されているので、併せて留意してください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2306
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3680
○外務省海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/ http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
(現地大使館連絡先)
○在アルジェリア日本国大使館(金、土は休館、緊急時は連絡可能)
住所:1, Chemin Al Bakri, Ben-Aknoun, Alger, Algerie
電話:(市外局番021)912004
国外からは(国番号213)21-912004
FAX:(市外局番021)912046
国外からは(国番号213)912046
ホームページ:
http://www.dz.emb-japan.go.jp/jp/index.html