海外邦人事件簿|Vol.51 なぜ!? 思わぬことから大騒ぎ(その2)

前回は、家庭内におけるスキンシップが性的虐待や児童ポルノと疑われた事例や、子供のためにと考えた行動が年少児監護義務違反に問われたケースを紹介しましたが、他にもこんなケースがありますのでご紹介します。

『スーパーで買い物中、連れていた子供がぐずるので、母親が「静かにしなさい!」といいながら子供の頭を叩いたところ、店から警察に通報されて、幼児虐待の容疑で逮捕されてしまった。』

『子供だけで留守番をさせて買い物に出かけたところ、家に帰ってみると、近所の通報で駆けつけた警察官に児童虐待の容疑で事情聴取された。』

母親が子供の頭を叩いたら、幼児虐待の容疑で逮捕。

『観光地において、些細なことで夫婦喧嘩となり、夫が妻を叩いたところ、まわりにいた観光客が警察へ通報し、夫はドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)の容疑で逮捕されてしまった。妻は夫を逮捕した警察官に、「もう仲直りしたので夫を逮捕しないでほしい」と懇願したが、聞き入れてもらえなかった。』

日本に限らず欧米諸国でも、親による児童虐待事件が後を絶ちません。ただ、日本では、お店の中で子供を叩いて叱ったり、子供をひとりで留守番させたりしたくらいで警察に逮捕されることはないでしょう。欧米諸国では、子供に対する体罰について、社会の目が厳しいという背景から、公衆の面前で子供を叩いたり、子供だけで留守番をさせたことにより親が逮捕されたり、場合によっては、子供を隔離されたりすることにもなりかねません。

夫婦喧嘩で夫が妻を叩いたら、ドメスティック・バイオレンスの容疑で逮捕。

欧米諸国では、夫婦喧嘩はドメスティック・バイオレンスとして、子供に対する体罰と同様に厳しく扱われています。これは、夫や恋人の暴力により多くの女性が犠牲になっていることが背景にありますが、最近では、逆に女性が男性に対する暴力で逮捕されるケースも散見されます。ご紹介したようなケースでは、単に夫婦や恋人同士の問題とは見なされず、犯罪として扱われることにもなりかねません。

その国の習慣や考え方を尊重し、法律に触れないように十分気をつけて、生活・旅行するように心がけましょう。

(2006年9月4日掲載)

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