海外邦人事件簿|Vol.32 観光地でのぼったくり

世界各国の観光地では、実に様々な観光客相手の商売が行われています。記念写真、似顔絵、観光ガイド・・・。これらの中には現地に不案内な観光客をカモにして、大金を巻き上げることを生業にしている人々もいます。

『ベトナムを旅行中の2名の日本人男性。ベトナム名物のバイクタクシーに乗って市内観光していたところ、タクシーの運転手から、メコン川クルーズに行かないかと誘われ、1日10ドルという約束で承諾した。そのタクシーで川辺の船着き場まで行って、運転手に導かれるままに、川船に乗ってクルーズに出かけた。クルーズが終わりかけた頃、船頭から「この船は100人乗りで1日1,000ドルの料金だ。今日は2人で借り切っているのだから、1人500ドルずつ払え」といわれ、それを拒否すると「支払わないと岸には返さない」とすごまれた。2人はやむなく、法外な料金を支払った。』

船頭から「この船は100人乗りで1日1,000ドルだから、1人500ドルずつ払え」といわれる

『東南アジアを旅行していた日本人男性Aさん。現地の少女が流ちょうな日本語で話しかけてきた。話が弾むうちに「アイスクリームをご馳走してあげる」というので、相手の好意に甘えて、Aさんはアイスクリームを買ってもらい、すすめられるままに食べていると、少女の父親らしき男が現れ、何やらベトナム語で少女を怒り始めた。少女はAさんに向かって「アイスクリームをご馳走したことで怒られ、殴られようとしている。アイスクリーム代5ドルを払ってくれたら許してもらえるので、払ってほしい」と懇願してきた。Aさんは、憐憫の情にかられ、5ドルを払ってしまったが、実際のアイスクリームの値段は、20セント程度であることを後で知った。』

アイスクリーム代5ドルを払ってくれたら許してもらえるので、払ってほしい」と懇願してきた

『韓国を観光旅行中の日本人男性Aさん。タクシーで市内観光を行っていたところ、運転手から「安い土産物の店を紹介する」との誘いを受けて、2、3件の店を回った。何点かのお土産を買ったが、後になって、それらが市場価格より割高の品物であることがわかった。運転手は何軒かの店と結託して、外国人観光客に高い買い物をさせる常習者であった。』

海外では、未だに「日本人はお金持ち」という印象を持っている人も多いようです。悪質な商売人にとって、日本人は絶好のカモ。「多少ふっかけても日本人なら払うだろう」という先入観を持たれていることも忘れてはなりません。

"お客さん"には決してならないよう、ヒトとモノを見る目を養いましょう。

(2005年2月7日掲載)

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