海外邦人事件簿|Vol.20 買ってもいない宝くじが当選??

以前紹介しました「事件簿」でナイジェリア発の国際詐欺事件、通称「419」事件についてのお話をしましたが、最近は宝くじの当選を装う新手の国際詐欺事件に日本人の被害が出ているようです。

『日本に在住するAさん宅に何の前触れもなく、「貴殿はスペイン○○会社主催の宝くじに当選しました。当選額は350万ドルです。この賞金を受け取るためには当社宛に保証金、手数料として前金2000ドルを支払う必要があります。なお、○月○日までに所定の口座に振り込まないとあなたの権利は失われます。」という旨の郵便が届いた。

この手紙を受け取ったAさんは、覚えのない当選通知に驚いたものの、会社名、住所、電話番号も明記されていたことから、指示どおり送金した。その後、その会社からは何の返事もなく、Aさんが会社宛に電話をかけてみたが、電話も通じない。そこで初めて詐欺被害に遭ったことに気づいた。』

宝くじ当選の郵便が届く

最近もある方から「宝くじ当選の保証金として、もう600万円も支払っているのにまだ返答が来ない」との相談があり、こちらも思わず絶句してしまいました。

国内、海外を問わず、自分が買ってもいない宝くじが当選するなどと言うことは、まず考えられないことです。それでも引っかかる方がいるのはなぜでしょうか。

被害にあった方の声を聞くと、一つに「海外からのお知らせ」ということが盲点になっているようです。通常、そんな変な宝くじは存在しないとわかっていても、お国事情が違えばあり得るかもしれないと、莫大な当選金を目前にして、自らを信じさせようとする心理作用が働くのでしょうか。また、多くの場合、あたかもその国の公的機関が認めている宝くじかのような記載があり、それにだまされる場合のあるようです。

会社宛に電話をかけてみたが、電話も通じない

さらに、当選通知を受けてから送金を行うまでの期限は非常に短く設定され、その期間内に送金しないと当選の権利を失うという文句でターゲットとなる人の射的心を揺さぶります。信用度を高めるために主催者の連絡先(住所、電話、FAX番号等)もきちんと示されているようですが、これらの連絡先は架空、或いは頻繁に変更されている模様です。

こうした架空の当選通知は郵送だけではなく、電子メールによる不特定多数への通知も行われています。いずれにしても、うますぎる儲け話には落とし穴がつきものです。

(2004年5月17日掲載)

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