1. ホーム
  2. 地図からの選択
  3. テロ・誘拐情勢
  4. ロシア

ロシア

更新日 2019年07月22日

1 概況
(1)ロシアにおけるテロは,近年の治安・特務機関による掃討作戦等の結果として減少傾向にあり,全般的なテロ情勢は,多くのテロが発生した時期に比べて安定していますが,2017年4月にはサンクトペテルブルク市内の地下鉄において中央アジア出身者による爆弾テロが発生し多数の死傷者が出たことに代表されるように,過激な思想に感化された組織的背景を持たないテロリスト(ローン・ウルフ)によるテロの脅威は依然として存在しているほか,シリア等の戦闘地域からの外国人テロ戦闘員の帰還の脅威等も指摘されており,引き続き警戒すべき状況と言えます。
(2)露内務省の犯罪統計によれば,2018年にロシア国内において認知された「テロ行為」は31件であり,「テロの性格を有する犯罪」は1679件でした。近年の数値は全般的に大きな改善が見られないことから,依然として警戒を要する状況であることが窺われます。
(3)ロシアにおいては,2018年3月に大統領選挙,また,6月から7月にかけてFIFAワールドカップが開催されましたが,こうした重要イベントに際しても,テロ事案等は発生しませんでした。この状況につき国家反テロ委員会委員長を兼務するボルトニコフ連邦保安庁(FSB)長官は,2018年12月に開催された国家反テロ委員会の会合において,「我が国のテロ対策の現状は依然として厳しいが,コントロールしている」と述べ成果を強調しました。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)北コーカサス地方
これまでに多くのテロ事件が発生してきた北コーカサス地方においては,2014年ソチ五輪の前から露治安当局によるテロ対策が一層強化され,その後も対テロ掃討作戦によってイスラム過激派の指導者や指揮官,戦闘員らが相次いで排除されるなどして,同地方における武力衝突の死傷者は年々減少傾向にありますが,2019年6月にはチェチェン共和国の首都グロズヌイのチェチェン首長官邸付近で武装した男1名の襲撃により警察官2名が負傷し,この襲撃に関し過激派組織「イスラム国」(IS)が「コーカサス州」と呼ぶ支部が実行したとする犯行声明を出しました。このような状況からテロの脅威は依然として高い水準にあると言えます。
(2)モスクワ
モスクワやサンクトペテルブルク等を中心に爆発物や銃器等を用いたテロ計画の摘発事案が続いています。この中には,2018年3月の大統領選挙を狙ったテロを計画していたグループの摘発事案等も含まれていました。また,こうしたテロ計画の摘発に加え,イスラム過激派支持者によるリクルート活動の摘発事案等も複数報道されており,引き続き警戒が必要です。
(3)それ以外の地域
2017年4月にはサンクトペテルブルク市内地下鉄で実際に爆弾テロが敢行されたこと,他の欧州諸国においてもイスラム過激派によるテロ攻撃が続発している中,ロシアは攻撃対象としてイスラム過激派により繰り返し名指しされていることやリクルート活動の摘発事案が国内で続発していること,インターネットを通じた自己過激化の脅威が存在することを勘案すれば,依然として,テロの脅威が継続していると考えられ,今後もロシアにおいて大規模テロが発生する可能性は排除されないことから,引き続き警戒が必要です。

3 誘拐事件の発生状況
内務省の犯罪統計によれば,ここ数年の誘拐事件は350件~400件で推移しており,依然として高い水準にあります。犯行の態様は,武装勢力が政府関係者や一般住民等を誘拐するケースや犯罪組織がビジネス利権絡みで敵対勢力の関係者等を誘拐するケースのほか,人身売買を目的として誘拐するケース,身代金目的で外国人を誘拐するケースなど様々です。

4 日本人・日本権益に対する脅威
ロシア国内では日本人・日本権益が直接の標的となるテロ攻撃は発生しておらず,具体的な脅威情報はありません。他方で,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュ,スリランカにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

テロについて

「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
page TOP