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ロシア
テロ・誘拐情勢

更新日 2021年04月16日

1 概観
(1)ロシアにおけるテロは、治安・特務機関による掃討作戦等の結果として全般的に減少傾向にあり、テロ情勢は、多くのテロが発生した時期に比べて安定しています。これまでに多くのテロ事件が発生してきた北コーカサス地方では、2014年のソチ五輪の前から治安当局によるテロ対策が一層強化され、その後も対テロ掃討作戦によってイスラム過激派の指導者や指揮官、戦闘員らが相次いで殺害されるなどしています。この結果、同地方での武力衝突による死傷者は以前に比べ減少しています。
(2)一方、2017年4月にはサンクトペテルブルク市内の地下鉄において中央アジア出身者による爆弾テロが発生し多数の死傷者が出たほか、シリア等の戦闘地域からの外国人テロ戦闘員の帰還の脅威等も指摘されるなど、テロの脅威は依然として存在しており、引き続き警戒すべき状況といえます。
(3)内務省が作成する犯罪統計によれば、2020年にロシア国内において認知された「テロ行為」は50件であり、「テロの性格を有する犯罪」は2,342件でした。近年の数値には全般的に大きな改善が見られず、テロ計画の準備摘発事案も続いていることから、依然として警戒を要する状況であることが窺われます。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)北コーカサス地方
 北コーカサス地方では、テロを企図する勢力が引き続き残存しているとされ、治安機関等による掃討作戦が行われています。このうち、チェチェン共和国では、強権的な支配を確立したカディロフ同国首長を中心に、徐々に社会・治安情勢が確立されてきているものの、2018年5月に正教会の聖堂が襲撃されるテロ事件が発生するなど、依然としてテロの脅威は継続しているといえます。また、ダゲスタン共和国では、様々なクラン(氏族)や富豪の割拠や社会の腐敗が依然として課題となっており、2018年2月には、正教会の聖堂が襲撃されるテロ事件が発生するなどしています。
(2)モスクワ及びそれ以外の地域
 2019年12月、モスクワの連邦保安庁(FSB)本部を狙った銃撃事件が発生し、同庁職員1名が死亡、他の治安機関職員4名及び民間人1名が負傷しました。本件についてロシア当局はテロ事件と断定していないものの、大きな社会的反響がありました。
 ロシア国内では、モスクワ、サンクトペテルブルクをはじめとする全国各地で爆発物や銃器等を用いたテロ計画の摘発事案が続いており、この中には、学校や政府庁舎その他人々が大勢集まる場所を狙ったテロ計画の摘発事案等も含まれていました。また、こうしたテロ計画の摘発に加え、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)支持者によるリクルート活動の摘発事案等も複数報道されているほか、爆発物、銃器等の押収事案も依然として多数発生していますので、引き続き警戒が必要です。

3 誘拐事件の発生状況
 内務省の犯罪統計によれば、2020年に発生した誘拐事件は411件で、2017年(374件)、2018年(378件)、2019年(351件)と比較してやや増加しており、依然として高い水準にあります。犯行の態様は、武装勢力が政府関係者や一般住民等を誘拐するケースや犯罪組織がビジネス利権絡みで敵対勢力の関係者等を誘拐するケースのほか、人身売買を目的として誘拐するケース、身代金目的で誘拐するケースなど様々です。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
 このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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