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ロシア

2018年02月09日

1 概況
(1)ロシアでは,これまで主として北コーカサス地方(ダゲスタン共和国,カバルダ・バルカル共和国,チェチェン共和国等)において不安定な政治情勢等を背景にテロが頻発していました。ロシアの治安当局は,北コーカサス地方を拠点とし,これまで多数のテロ活動を行っていた反政府武装勢力「コーカサス首長国」の指導者を対テロ掃討作戦により相次いで殺害しており,同武装勢力のテロ活動は減少しています。
(2)一方,同地域の武装勢力の一部は,イスラム過激派組織ISILに対する忠誠を表明し,「ISILコーカサス州」と称して活動しています。また,2015年9月にロシアによるシリアへの空爆が開始された後,ISILの関係者とみられる者がロシアに復讐する旨の声明等を公開しており,その後ロシア国内でテロを企図した者が拘束される事案が相次いでいます。
(3)ロシアでは,2006年3月に「テロリズム対策法」が成立し,連邦保安庁(FSB)を中心に関係機関から構成される「国家反テロ委員会」が設立されました。ロシア政府は,武装勢力の指導者等を殺害するなどテロ対策に一定の成果を上げていますが,テロリストの活動を完全に阻止するには至っておらず,掃討作戦等を継続しています。なお,ロシア政府の統計によれば,2017年にロシアで認知された「テロ行為」は37件(前年比+48%)であるほか,テロに準じた犯罪を含む「テロの性格を有する犯罪」は1871件(前年比-16%)であり,近年の数値の変化に一貫した傾向はみられないものの,依然として警戒を要する状況と言えます。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)北コーカサス地方
 北コーカサス地方で活動する武装勢力の規模は必ずしも明らかではありません。「コーカサス首長国」は,指導者がロシアの治安当局に相次いで殺害され,その活動は減退していると見られ,北コーカサス地方におけるテロ発生件数は大幅に減少しました。
 一方で,ISILに忠誠を誓った反政府武装勢力,シリアやイラクで戦闘に参加し帰還した者及びISILに影響された者によるテロの脅威は高まっており,ロシア当局は,対テロ掃討作戦等を継続しています。
(2)モスクワ
 モスクワでは,過去に主に公共交通機関を狙ったテロが発生していましたが,2011年のドモジェドヴォ空港自爆テロ事件以降,不特定多数を狙ったテロ事件は発生していません。
 しかし,同事件以降もテロの計画に関連した検挙は相次いでおり,2017年12月,FSBは,モスクワ地域で新年の休日や大統領選挙の時期を狙ったテロの準備をしていた容疑者3名を拘束するとともに,爆発物等を押収しました。
(3)それ以外の地域
 上記北コーカサス地方に限らず,ISILに忠誠を誓った武装勢力やシリア・イラクから帰還した者及びISILに影響された者によるテロの脅威は高まっており,ロシア当局は公共交通機関等における警戒態勢を強化しています。なお,2017年4月にはサンクトペテルブルクで地下鉄を狙った爆破事件が発生し,14名が死亡し,50名以上が負傷しました。

3 誘拐事件の発生状況
 近年,ロシアでは,誘拐事件の認知件数が年間350~400件で推移しています。犯行の態様は,武装勢力が政府関係者や一般住民を誘拐するケース,犯罪組織がビジネス利権絡みで敵対勢力等の関係者を誘拐するケース,子供の誘拐など様々です。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところロシア国内では,日本人・日本権益がテロの直接の標的となる事件は発生しておらず日本人・日本権益を標的とする具体的な脅威情報はありません。
 他方,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,米国,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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