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マリ
テロ・誘拐情勢

更新日 2021年06月03日

1 概況
(1)マリ北・中部では、2016年以降、イスラム過激派によるテロが頻発しており、最近では、首都バマコを含む南部にもテロの脅威が及び始めています。そうした中、2020年8月、治安危機、政治・社会・経済複合危機及びコロナ禍の「国難打解」を掲げるマリ国軍一部将校による反乱が発生し、ケイタ大統領(当時)が辞任を表明、同年10月に暫定政権が発足しました。同暫定政権は、ケイタ前大統領体制下の方針を引き継ぎ、フランス軍や国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSMA)、G5サヘル合同部隊と連携してテロとの闘いや和平プロセスの実施に取り組んでいましたが、2021年5月、改造暫定内閣の人選に不満をもったマリ国軍の一部軍人等によりンダオ暫定大統領やウアンヌ暫定首相等が拘束され、辞任に追い込まれるなど、マリの政治・治安情勢は引き続き混沌とした状態にあります。
(2)北・中部では、イスラム過激派組織がマリ国軍、フランス軍、MINUSMA等を標的に、ロケット弾・簡易手製爆弾(IED)を使用した攻撃や襲撃を繰り返しています。2020年12月には、北部キダル州のテサリットでIED攻撃によりフランス軍兵士2人が死亡、1人が負傷、2021年2月には、中部モプチ州のマリ国軍基地が「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)襲撃を受け、少なくとも9人のマリ国軍兵士が死亡するなど、死傷者が生じる事案が頻発しています。
 また、2020年10月、同年3月の国民議会議員選挙運動中に誘拐されていたシセ野党URD党首及びフランス人人道支援関係者等の解放の見返りとして、北部において200人ほどのテロリストが釈放されたと報じられており、国内全土の治安への悪影響が懸念されています。
(3)マリ、ニジェール及びブルキナファソの国境地帯(リプタコ・グルマ地域)においては、「大サハラにおけるイスラム国」(ISGS)」等によるものとみられるテロ事案が頻発しています。2021年1月以降は、同地域に位置するニジェールのティラベリ州において民間人を標的とした襲撃事件が相次いで発生しており、これまでに数百名が殺害されています。
(4)首都バマコを除く南部は、これまで治安情勢が比較的安定しているといわれてきた地域でしたが、2021年5月、バマコ西方のシビー郡森林局事務所が身元不明の武装集団により襲撃され、同職員2人が死亡、1人が負傷するなど、近年襲撃事件が散発的に発生しており、今後も政府関係者及び治安関係者等を狙った攻撃が継続し、被害が一般人にも及ぶことが懸念されます。
(5)首都バマコでは、2015年11月の「ホテル・ラディソン・ブル」における襲撃テロ事件(外国人14人、襲撃犯2人を含む計22人が死亡。「アル・ムラービトゥーン」が犯行声明を発出。)や2017年6月のバマコ東郊のリゾート施設「キャンプメント・カンガバ・コンプレックス」における襲撃事件(外国人を含む施設利用客4人、マリ国家警備隊1人、実行犯4人の計9人が死亡。「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)が犯行声明を発出。)以降もテロ未遂事件やテロリストにつながりがあるとみられる人物の逮捕が相次ぐなど、引き続き予断を許さない治安状況が継続しています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 「1 概況」のとおり。

3 誘拐事件の発生状況
(1)マリでは、部族間抗争や政治的背景による誘拐のほか、国際NGO関係者等を標的とした身代金目的の誘拐が頻発しています。解放の見返りに身代金が支払われたと思われる例は少なくなく、2020年10月に、JNIMに誘拐されていたとされるマリの最大野党党首、フランス人女性1人及びイタリア人男性2人が解放された際には、見返りとして、マリ政府に拘束されていた200人ほどのテロリストが釈放されるとともに、多額の身代金が支払われたとも報じられています。また、2021年5月には、北部ガオ州で4月に行方不明になっていたフランス人ジャーナリストがJNIMによって誘拐されていたことが明らかになったと報じられています。
(2)このような状況から、マリのテロ組織や犯罪組織が誘拐ビジネスに従事していると考えられ、これまで以上に外国人を狙った身代金目的の誘拐の危険性が高まっていますので、十分注意する必要があります。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 これまでに、マリにおいてテロ事件による日本人の被害は確認されていませんが、マリ全土でテロ・誘拐事件等の不測の事態に巻き込まれる脅威があります。
やむを得ない事情によりマリに渡航する場合は、出入国は空路に限り、滞在中は厳に首都バマコ市内にとどまるようにするとともに、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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