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ナイジェリア
テロ・誘拐情勢
更新日 2026年01月22日
1 概況
(1)近年のテロ情勢
ナイジェリアでは、以下のとおり地域ごとに異なる主体によるテロ・暴力事件が続いています。これらの組織が複合的に国内の治安を脅かしており、全体として国内の治安は依然として不安定な状況にあります。
ア 北東部:ボコ・ハラムとイスラム国西アフリカ州(ISWAP)による爆弾・銃撃攻撃が頻発。
イ 北西部・北中部:バンディットによる村襲撃や誘拐が多発。
ウ 南東部:ビアフラ先住民族(IPOB)が反政府攻撃を実施。
エ 南南部:ナイジャーデルタ解放運動(MEND)が石油施設を標的にした破壊活動を実施。
オ 北部:イスラム運動ナイジェリア(IMN)の抗議活動が暴徒化し、しばしば治安部隊と衝突。
(2)国内のテロ組織等について
下記2をご参照ください。
(3)近年の誘拐情勢
近年、ナイジェリアでは、誘拐事件が治安上の深刻な課題となっています。特に北西部および北中部では、身代金目的の集団誘拐が頻発しており、学校、農村部、幹線道路、宗教施設等で主に発生しています。2025年11月、各地で頻発する大規模な誘拐事件の発生を受け、ナイジェリア政府による全国規模の治安上の緊急事態が宣言される等、治安の不安定な状況が継続しています。
2 各組織の活動状況又は各地域の治安情勢
(1)ボコ・ハラム/イスラム国西アフリカ州(ISWAP)
国際テロ組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)と思想的・組織的な関係を有しています。主に北東部(ボルノ州、ヨベ州、アダマワ州)において国家転覆を目的として、爆弾攻撃、銃撃、拉致等のテロを行っています。
(2)バンディット
北西部および北中部を中心に活動する明確な政治的思想は有さない武装犯罪集団の一般名称です。金銭を目的とした村落襲撃、無差別殺害、誘拐等の暴力行為を通じて地域の治安を著しく悪化させています。
(3)ビアフラ先住民(IPOB)
南東部において分離独立を主張する反政府組織です。治安機関や行政関連施設を標的とした襲撃等を行っています。
(4)ナイジャーデルタ解放運動(MEND)
南南部(ナイジャー・デルタ地域)を拠点とする武装勢力です。石油資源を巡る不満を背景に、石油・ガス関連施設への破壊活動や治安部隊への攻撃を行ってきました。近年は活動が沈静化する時期も見られるものの、再活性化の可能性が指摘されています。
(5)イスラム運動ナイジェリア(IMN)
イスラム教シーア派団体とされる宗教運動組織です。北部を中心に活動し、政府との対立や指導者拘束を背景に、抗議活動が暴徒化し、治安部隊との衝突に発展する事案が発生しています。
各地域別の詳細な治安情勢は、「危険情報」をご参照ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_115.html#ad-image-0
3 誘拐事件の発生状況
公式の犯罪統計が公表されていないため、正確な誘拐事件の発生件数は不明です。報道等によると、2017年に484人であった国内の誘拐事件被害者数は、2025年は5,544人にまで増加しているとされています。
身代金目的での誘拐は、富裕層、政治家、外国人に留まらず、貧しい地元住民であっても標的となっています。最近では首都アブジャ近郊における事件も多く発生しています。
このほか、ギニア湾沿岸部においては、海賊等によりタンカーやコンテナ船が襲撃され、外国人乗組員が拉致される事案が多く発生していました。近年は減少傾向にありますが、活動を陸上に移したとみられる海賊等による石油施設への襲撃事案は頻発しています。2023年には沿岸部のバイエルサ州で、韓国人2名が拉致され、同行の警備員等複数名が殺害される事件が発生しています。
特に、ナイジェリア国内で最も深刻化しているのが、テロ組織や武装集団による大規模な誘拐事件です。2025年11月、ナイジャー州の寄宿学校が襲撃され約300名の生徒や教師が誘拐されたほか、同月、ケビ州で女子学生約25名が誘拐される事件が発生する等、北部を中心に大規模な誘拐事件が増加傾向にあります。
4 日本人・日本権益に対する脅威
これまでに、ナイジェリアにおいてテロ事件や誘拐事件による日本人の被害は確認されていませんが、国内各地でテロ事件の発生が懸念されています。
ナイジェリアでは、レバノン系や中国系企業が多く進出しており、これらの社員を狙った誘拐事件が多数報告されています。現地の犯罪者から見て日本人と中国人の区別はつきにくく、日本人も誘拐をはじめとした犯罪被害に遭うリスクが高いと言えます。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

