ナイジェリア
安全対策基礎データ
- 犯罪発生状況、防犯対策
1 危険情報
現在、外務省はナイジェリア全土に対して、「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」、「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」または「レベル2:不要不急の渡航はやめてください。」を発出しています。詳しくは危険情報(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_115.html#ad-image-0 )をご参照ください。
2 犯罪発生状況
ナイジェリアでは、全国各地で民族・地域・宗教間の対立や暴動、イスラム過激派および反政府武装勢力等によるテロ事件や村落等への襲撃事件が頻繁に発生しています。外国人や富裕層を狙った身代金目的の誘拐事件が全国的に多発しており、都市部においては、路上における窃盗や強盗、侵入盗等の事件も頻発しています。
また、タクシーや商業バス等の公共交通機関は安全性が低く、しばしば誘拐・強盗などの犯罪被害が発生しています。
2022年には、ラゴス州において日本人の居宅に武装した男が侵入し、身体を拘束されたうえ数回にわたり首を絞められ、現金を要求される強盗殺人未遂事件が発生しています。自宅滞在中には必ず施錠することや鉄格子等による侵入防止対策を講じてください。
3 防犯対策
ナイジェリア滞在中に安全を確保するには、次のような防犯対策に留意することが必要です。
(1)不要不急(特に早朝、夜間)の外出は避ける。
(2)首都、ラゴスおよびアブジャ国際空港乗り入れの欧州線は、早朝・夜間発着便が多いため、空港と宿舎の間の移動には信頼のおける運転手付きレンタカー・警備会社を利用し、複数台体制での行動を検討する。また、タクシー、バスは犯罪に巻き込まれる危険性が高いため、絶対に利用しない。
(3)空港等で見知らぬ人物から荷物の運搬・預かりを頼まれても絶対に応じない。
(4)ホテル滞在中も室内に入る際には周囲に不審者がいないか確認し、入室後必ず施錠する。
(5)武装強盗・誘拐が多発しているため、陸路での長距離移動を避ける。
(6)車両乗車中もスマホ等に集中することなく、「追随する車両」や、停車時には「接近してくる者」等に対する警戒を怠らない。
(7)主要幹線道路では、軍や警察による検問が行われていることがあるが、犯罪集団が検問を装って強盗や誘拐事件を起こす手口もあることから、危険を感じた場合にはすぐに避難できるよう心掛ける。
(8)万一、武装強盗に遭った場合には、生命の安全を第一に考え、決して抵抗しない。
(9)些細なことから暴動に発展したり、テロのターゲットになる可能性があることから、モスク、教会等の宗教施設、その他、人が多く集まる場所には、不用意に近寄らない。
(10)クレジットカードやデビットカードは、スキミング等犯罪被害のリスクが高いことから使用を控える。
4 テロ情勢
ナイジェリアにおけるテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_115.html )をご確認ください。
5 在留邦人向け安全の手引き
在ナイジェリア日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き(https://www.ng.emb-japan.go.jp/files/100435432.pdf )」もご参照ください。- 査証、出入国審査等
※手続きや規則に関する最新の情報については、駐日ナイジェリア大使館 (03-5425-8011、 https://tokyo.foreignaffairs.gov.ng/ )等にお問い合わせください。
国際的に脅威となる感染症(例:新型コロナウィルス等)の流行時には、入国制限措置や入国に際しての条件・行動制限措置がとられることがありますので、最新の情報https://www.anzen.mofa.go.jp/ )や大使館からのお知らせ(https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMail.html?countryCd=0234 )を事前にご確認ください。
1 査証(ビザ)
ナイジェリアへの入国には、査証の取得が必要です(査証には観光、商用、駐在等の種類があります)。査証は、あらかじめ駐日ナイジェリア大使館あるいは第三国にあるナイジェリア大使館または総領事館で取得してください。
2 健康申告書(Health Declaration Form)
ナイジェリア入国前に、以下のナイジェリア保健省のウェブサイト「Health Declaration Form」を通じ、健康状況やフライト情報等の関連情報を登録してください。
https://healthapp.ncdc.gov.ng/health-declaration-page/
3 イエローカード(黄熱予防接種証明書)
WHOが定める黄熱危険国からナイジェリアへの入国の際には、生後9か月以上のすべての渡航者は黄熱予防接種証明書(いわゆるイエローカード)の提示が求められます。また、ナイジェリアはWHOの黄熱危険国リストに載っていますので、ナイジェリアからの渡航者(旅行者を含む)にイエローカードの提示を求める国もありますのでご注意ください。WHOはナイジェリアへの渡航者に黄熱ワクチンの予防接種を推奨しています。黄熱の詳しい説明は、厚生労働省検疫所ホームページ(https://www.forth.go.jp/useful/yellowfever.html )をご参照ください。
4 入国審査
入国時には、旅券(6か月以上の残存有効期間を有するもの)、査証と入国カードを入国審査官に提示し、入国目的、滞在予定日数等の質問に答えます。滞在許可日数を超える滞在は認められません。
5 外貨の持込み・持出し
1万米ドル相当額以上の外貨および高額な貴重品等の持込みおよび持出しには、空港等で申告が必要です。詳しくは以下のナイジェリア税関のウェブサイトまたは駐日ナイジェリア大使館にあらかじめご確認ください。
https://customs.gov.ng/?page_id=3073
6 税関
通関検査は一般的に煩雑で、荷物の審査にはかなりの時間を要します。また、不当な金銭の要求を受ける場合には、その理由、職員の氏名や名札を確認する等の毅然とした対応が必要です。
7 持込み・持出し禁止品
銃火器類、麻薬類、わいせつ物、食肉等は持込みが禁止されています。また、ナイジェリア政府の持出許可がある場合を除き、歴史的・文化的価値を有する工芸品や美術品等の持出しは禁止されています。詳しくは、以下のナイジェリア税関のウェブサイトまたは駐日ナイジェリア大使館に確認してください。
持込み禁止品リスト https://customs.gov.ng/?page_id=3075
https://customs.gov.ng/?page_id=3077
持出し禁止品リスト https://customs.gov.ng/?page_id=3079
8 医療品の持込み・持出し
医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては、以下の厚生労働省のホームページを参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html- 滞在時の留意事項
1 在留届
ナイジェリアに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在ナイジェリア日本国大使館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
2 たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などをメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ナイジェリアで事件や事故、自然災害等が発生し、在ナイジェリア日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
3 外国人登録
ナイジェリアに90日以上の滞在を予定する場合は、到着後21日以内に居住地を管轄する移民局事務所に赴き、外国人登録を行う必要があります。
4 写真撮影
政府関係施設、軍事施設、空港、港湾施設、橋梁の写真撮影は禁止されています。また、他人にカメラを向けることは、相手の気分を害したり、金銭を要求されたりすることがあるので注意が必要です。
5 違法薬物
ナイジェリアは、北米・欧州への麻薬密輸におけるアフリカ最大の中継地として国際社会から注視されています。また、国内でも大麻の栽培・供給が行われていることから、政府による麻薬をはじめとする違法薬物の取締りが非常に厳しく行われており、密輸、譲渡、売買を行った者は終身刑に処せられ、所持、使用は15年以上25年未満の禁固刑に処されます。違法薬物の犯罪が多い地域に興味本位で立ち寄っただけでも嫌疑を受けることがありますので、十分注意が必要です。
6 就労
ナイジェリアで就労するためには、入国前に就労査証を取得し、入国後、移民局事務所で在留許可を取得する必要があります。不法就労者は、本国に強制送還されます(旅費等は雇用者、または本人が負担)。
7 軍・警察
主要幹線道路では軍・警察による検問が行われていますが、最近では犯罪集団が検問を装って強盗・誘拐事件を起こす手口も見られますので、危険を感じた場合にはすぐに避難できるよう、慎重に対応してください。また、警察官が不当に金銭を要求することがあることにも留意する必要があります。
8 旅券の携行
検問時に身分を証明できるよう、常時、旅券を携帯する必要があります。ただし、紛失や盗難には十分注意してください。
9 緊急時の連絡
渡航前には家族や友人・同僚等との間で連絡先を確認し、渡航中も緊密に連絡を取りながら常に安否を明らかにするよう心掛け、滞在期間に応じて「たびレジ」または「在留届」の登録を行い、在ナイジェリア日本国大使館が発信する情報を含め、最新の治安情報の入手・参照を徹底してください。- 風俗、習慣、健康等
1 概要
ナイジェリアには、言語、宗教、風俗を異にする約250の民族グループがありますが、中でもハウサ・フラニ人(50%程度)、ヨルバ人(18%程度)、イボ人(11%程度)で全人口の3分の2を占めています。
2 政情不安
1960年の英連邦からの独立以来、軍事クーデターが7回発生しています。こうした政情不安の背景には、地域・民族間対立(北部ハウサ・フラニ人、南西部ヨルバ人、南東部イボ人)、宗教対立(北部イスラム教徒と南部キリスト教徒)、石油資源の利益を巡る争い(南東部)等が影響しています。
3 健康管理
(1)医療事情一般
「世界の医療事情(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/nigeria.html )」において、ナイジェリア国内の衛生・医療情報等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(http://www.forth.go.jp )
(2)医療機関
ラゴスおよびアブジャ市内には幾つかの医療機関が存在しますが、医療水準・設備・衛生面だけではなく医薬品の信頼性にも問題があり(偽物が氾濫)、ごく一部の私立病院以外は日本人の利用には適しません。設備が整った私立病院の医療費は高額であり、また重症患者(重症マラリア、脳心臓疾患、重篤な交通外傷など)の対応は困難であるため、国外(欧州、南アフリカ共和国等)への緊急移送が必要になる場合があります。過去には移送費用として3千万円の請求を受けた事例もありますので、3千万円以上のプランの海外旅行保険への加入を強く推奨します。
保険について、詳しくは「海外旅行保険加入のおすすめ」もご参照ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html- 緊急時の連絡先
※「安全の手引き」(https://www.ng.emb-japan.go.jp/files/100435432.pdf )の該当箇所をご参照ください。
- 問い合わせ先
〇外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3680
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
○在ナイジェリア日本国大使館
住所:No.9, Bobo Street (off Gana Street), Maitama, Abuja, Nigeria
電話:+234-(0)90-6000-9019(代表)(08:00-12:00、13:00-17:30)
+234-(0)90-6000-9099(領事窓口直通)
+234-(0)80-3629-0293(閉館時、人命に関わる緊急時のみ)
ホームページ:https://www.ng.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。