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スーダン
テロ・誘拐情勢

更新日 2026年05月19日

1 概況
(1)近年のテロ情勢
 スーダンは現在、国際テロ組織の主要な標的や活動拠点ではないものの、2024年4月から続くスーダン国軍(SAF)と準軍事組織・即応支援部隊(RSF)との間の紛争が長期化しており、両勢力間の軍事衝突やドローン攻撃が多数発生しています。こうした不安定な状態を背景に、ISILやアルカイダ、ムスリム同胞団等が、スーダンで若者を中心にリクルート活動を継続し、影響力を広げているとされています。
(2)国内のテロ組織等について
 スーダン国内のアルカイダ関係者はほぼ根絶されたとみられていますが、同組織の思想に共感する者はいまだ存在すると考えられており、2011年5月にアルカイダの指導者であったウサマ・ビン・ラーディンの追悼集会が開催されています。
 2019年12月、チャドとの国境付近で、ナイジェリア北部を本拠地とするイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の構成員がスーダン国内で逮捕される初の事例として、6名が逮捕されました。
 2022年6月、ムスリム同胞団に関係すると思われるテロリスト等21名がエジプト政府へ引き渡されました。
(3)誘拐事件の発生状況
 スーダンにおける拉致・誘拐事件の多くは、ダルフール地方、南コルドファン州及び隣接する西コルドファン州において発生しています。武装勢力によってスーダン人の難民や商人、医療関係者等が身代金目的で誘拐される事件が大半ですが、平和維持・人道支援活動を実施している国連及び支援団体等の関係者が標的となるケースもあります。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
 2015年以降、ISILに関連した摘発事例が、以下のとおり報じられています。
ア 2015年3月、ハルツーム市内の大学に通うスーダン人5名を含む11名の学生らがISILへの参加を目指してトルコに渡航した。
イ 2015年10月、内務省が、これまでに70名のスーダン人がISILに参加している旨発表。
ウ 2016年11月、2015年3月のチュニジアのバルドー博物館におけるテロ事件に関与したとしてイタリアから国際手配されていたISILの幹部がスーダン国内で逮捕され、同年12月にチュニジア政府に引き渡された。
エ 2018年6月、首都ハルツームに隣接するオムドゥルマンにおいて、ISILのリクルート拠点が摘発された。
オ 2019年9月、治安当局がISILに武器を供給していたとされるスーダン人男性を拘束。
カ 2019年11月、スーダン政府がISIL等のテロ組織構成員16~20名(国籍は様々)の他国への身柄引渡を準備。
キ 2020年10月、ISIL構成員が偽造パスポートによりスーダンに潜入、うち1名は爆発物のエキスパートであった。
(2)ムスリム同胞団
 2020年3月、暫定政府のハムドゥーク首相の車列が爆発物によって襲撃される暗殺未遂事件が発生しました。治安当局は、ムスリム同胞団のメンバー4名を暗殺未遂事件の容疑者として特定しています。2021年9月、総合情報局(GIS)、警察等のスーダン治安当局は、ハルツーム市内南部ジャブラ地区に潜伏していたムスリム同胞団に関係するとみられるテロリストの拠点を捜索し、銃撃戦の末、テロリスト複数名を逮捕しました。この銃撃戦の結果、治安当局側に5名の死者がでました。その際の拘束者を含む、ムスリム同胞団に関係すると思われるテロリスト等21名は、2022年6月にエジプト政府へ引き渡されました。

3 誘拐事件の発生状況
 これまでに日本人を標的とした誘拐事件は発生していませんが、近年、外国人が標的となった主な誘拐事件は以下のとおりです。誘拐の目的は身代金とみられていますが、詳細等は判明していません。
(1)2016年11月27日、西ダルフール州エルジュネイナにおいてUNHCR職員3名(ネパール人2名及びスーダン人1名)が武装グループによって誘拐されました。同年12月20日、同人らが無事解放された旨、UNHCR関係者によって発表されました。
(2)2017年10月7日、北ダルフール州エルファーシル中心部において、武装した誘拐犯がスイス国籍の人道支援家の自宅に押し入り、同人を誘拐しました。同年11月14日、同人は解放され、誘拐犯は治安当局により拘束されました。
(3)2025年6月17日、中央ダルフール州ジェネイナからネルティティへ向かっていたフランス系NGO団体の職員5名が、正体不明の武装グループに一時誘拐されました。同日中に全員解放され、誘拐犯は治安当局により拘束されました。

4 日本人・日本権益に対する脅威 
 スーダン人の対日感情は概して良好であり、これまでにスーダンにおいて日本人を標的としたテロや誘拐事件は発生していませんが、ISILが過去に日本人も攻撃対象である旨の声明を発出しており、スーダン国内にはISILに同調しているグループ等の存在が認められることからも、テロや誘拐には細心の注意が必要です。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
 テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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