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レバノン

更新日 2020年03月23日

1 概況
 レバノンの治安情勢は,内戦が続くシリア情勢の影響を受けつつも,国際社会の支援により能力を高めつつあるレバノン国軍及び治安機関が,国境管理や監視体制を強化しています。また,これまで多数のテロリストが潜伏していたレバノン北東部アルサールをはじめとする対シリア国境地域や国内各地でテロ分子が継続的に摘発されるなど,治安対策が一定の成果を上げており,比較的平穏な状態が維持されています。
 2019年中は,レバノン国軍,国家警察軍等が連携してテロ対策に当たった結果,公表されている限りで3件のテロ事件が未然に防止され,テロ関連容疑者として37名が逮捕されました。一方,6月には,トリポリ中心部にある地方警察本部等政府機関が入居する建物において,IS系ローンウルフ型テロリストが,警察車両に対し手榴弾を投てき後,警察官らに向けマシンガンを乱射し,国家警察軍警察官2名,レバノン国軍兵士2名を殺害するというテロ事件が発生しました。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)2017年7月から8月にかけて行われたレバノン国軍を主体としたISILや旧ヌスラ戦線等の過激派勢力の掃討作戦の結果,2018年以降,レバノン北東部の対シリア国境地域の治安状況は大きく改善されており,現在も同地域においてレバノン国軍等による残存する過激派メンバーの捜索活動や地雷等の除去作業が進められています。
(2)シリアの反体制派は,アサド政権を支援し内戦に参加しているヒズボラを敵視し,2013年夏以降,ヒズボラ及びシーア派地区(ベイルート南郊外ダーヒヤ地区等)を主な標的とするテロを行ってきましたが,最近のレバノン国軍及び治安機関の取締強化により,2018年に引き続き2019年中もヒズボラ及びシーア派地区を狙ったテロ事件の発生はありませんでした。
(3)パレスチナ難民キャンプ(特にレバノン南部サイダのアイン・ヘルワ・キャンプ)では,パレスチナ共同治安部隊とレバノン国軍等による一層の連携強化が図られたことでテロ関連被疑者等がレバノン国軍等に逮捕されるなど,過激派メンバーにとってキャンプ内に潜伏し続けることが困難な状況になりつつあります。
(4)レバノン南部の対イスラエル国境地域では,2019年9月1日にヒズボラがイスラエル占領地域内に対戦車ミサイルを発射したのに対しイスラエル国防軍がレバノン側に砲撃するなど,一時的に緊張が高まりました。同地域は,現在も国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)がレバノン国軍と共同で警戒活動に従事するなど,引き続き警戒下にあります。

3 誘拐事件の発生状況 
 レバノン国内で日本人が誘拐された例はありません。しかし,2019年にはレバノン人やシリア人の富裕層を対象とした誘拐事件が,バールベック・ヘルメル県及びベカー県を中心に少なくとも19件発生しています。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在,レバノン国内で日本人・日本権益を標的としたテロや誘拐等の脅威に関する具体的な情報はありませんが,2019年6月にトリポリ市内でIS系ローンウルフ型テロリストによるテロ事件が発生するなど,レバノンでは引き続きテロ・誘拐に対する警戒が必要な状況が継続しています。
 このような状況を十分に認識し,テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけて下さい。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は,このような「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が報道等の情報に基づいて海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり,本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。 
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