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レバノン
テロ・誘拐情勢

更新日 2026年01月28日

1 概況
(1)近年のテロ情勢
 レバノンでは、2023年10月のガザ情勢を受けて、ヒズボッラー及び親パレスチナ武装勢力とイスラエルの間で攻撃の応酬が発生しました。
 2025年中に国際的なイスラム過激派組織やその支持者によるテロ事件の発生はありませんでしたが、2024年6月、在レバノン米国大使館前で、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)を示すアラビア文字を衣服に付けた犯人による発砲事件が起こり、治安当局により検挙されています。
 また、過去数年と同様、2025年も、パレスチナ難民キャンプにおける武力衝突が複数確認されています。

(2)国内のテロ組織等
 レバノン政府は、国家による武器の一元管理を実行するため、ヒズボッラーやパレスチナ武装勢力等の武装解除のため武器の回収を行っていますが、実現には種々困難が生じており、2025年現在達成されていません。
 ISILは、レバノン国内での活動を行っており、2025年中も当局によりイスラム国レバノン支部幹部が検挙されています。テロは実行されていないものの、インターネットを通じた新規リクルートが行われており、当地での組織の全容は解明されていません。

(3)近年の誘拐情勢
 レバノン人・シリア人富裕層や観光客をターゲットとした金銭目的の誘拐事件が各地で発生しています。2024年4月、キリスト教系政党幹部がシリア人による車両強盗目的の誘拐殺人事件の被害に遭っています。近年、外国人が被害に遭う誘拐事案も発生しており、2025年8月、イラク人観光客が誘拐され、シリアに拉致されましたが、国軍の介入により無事解放されました。

2 各組織の活動状況又は各地域の治安情勢
 2023年10月のガザ情勢を受けて、レバノン南部国境地帯でヒズボッラー及び親パレスチナ勢力とイスラエルの間で攻撃の応酬が発生しました。2024年9月、ヒズボッラー関係者が使用するポケベル・無線機がイスラエルの工作により同時爆発し、多数の死傷者が発生しました。また、イスラエルの攻撃により、ヒズボッラーの最高指導者ナスラッラー書記長を含め、同組織幹部が相次ぎ殺害されました。これらを契機とし、両者の攻撃の応酬が激化し、レバノン南部、ベカー県、バールベック・ヘルメル県、ベイルート南部郊外ダーヒエ地区、ベイルート市内等へのIDFによる空爆が頻繁に実施され、国内に多数の死傷者が出ました。
 2024年11月27日にイスラエル政府及びレバノン政府との間で停戦が発効しましたが、その後もイスラエル国防軍は、レバノン南部への駐留を継続している他、レバノン各地でドローン攻撃、空爆を実施しています。
 パレスチナ難民キャンプでは、パレスチナ治安部隊がレバノン国軍等と連携して治安維持にあたっていますが、南部アイン・ヘルワ、北部トリポリなどのパレスチナ難民キャンプにおいて武力衝突が発生し、死傷者や物損被害が生じています。
 軍・治安機関は、引き続き治安維持活動を実施していますが、経済・財政危機を受けて予算や兵士の給料が激減しているため多くの離職者が出ています。2025年1月、約2年ぶりに新大統領が選出され、その後、新首相の指名と新内閣の樹立が発表されましたが、社会・経済の改善見通しは不透明であり、治安面に及ぼす悪影響が懸念されます。

3 誘拐事件の発生状況
 レバノン国内で過去に日本人が誘拐された事例はありません。一方、過去に、外国人が身代金目的誘拐の被害に遭う事案が各地で発生しています。また、夜間に、銃器を持った犯人が、外国人を脅迫した上、車両で連れ去る事件が確認されています。
 ベカー県、バールベック・ヘルメル県、北レバノン県トリポリ、アッカール県等においては、レバノン人及びシリア人が身代金目的で誘拐される事件が発生しており、警戒が必要です(警察の介入によりいずれも人質は無事解放)。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ、レバノン国内において、日本人及び日本権益を標的とした脅威情報は確認されておりませんが、テロに巻き込まれる可能性は排除されません。2022年2月にはベイルート南部郊外でテロ未遂事案が発生しており、攻撃が成功していれば多数の死傷者を伴う事態になっていた可能性があったとされています。
 また、2023年10月以降、国内情勢は極めて流動化かつ不安定化し、2024年11月に停戦が合意しましたが、南部地域など、未だイスラエルからの攻撃が発生している場所もあります。
 国連での投票行動をめぐって日本に危害を加える旨のソーシャルメディア上の投稿がなされるなど、情勢によっては日本への反感が高まり攻撃の標的とされる可能性もあります。ニュースや当館からの案内を常に確認し、警戒を怠らないようにしてください。
 近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
 テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。


テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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