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インドネシア

2016年04月01日

1. 概況
(1)インドネシアでは、2009年7月に発生したジャカルタ市内米国系ホテル同時爆弾爆発事件以来、多数の民間人が死傷する大規模テロは発生していませんでしたが、2016年1月にジャカルタ中心部においてテロ事件が発生し、外国人1人を含む4人が死亡し(犯人4人も死亡)、警察官5人や外国人4人を含む26人が負傷しました。本件1月のテロ事件については、「ISILインドネシア」の組織名で犯行声明が発出されたほか,イスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)の機関誌においてISILによる「戦果」として紹介されました。
(2)近年、テロリストの主たる攻撃目標は警察官及び警察関連施設であり、外国権益を目標としたと見られるテロは発生していませんでしたが、2016年1月のジャカルタにおけるテロ事件は犯行声明からみて、外国人を標的としていた可能性があります。
(3)また、イラクやシリアに渡航し、ISIL等のイスラム過激派組織に参加しているインドネシア人が相当数に上ると指摘されています。今後、イラクやシリアで戦闘技術等を身に付けた者がインドネシアに帰国することで、治安上の脅威となることも懸念されています。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)各組織の活動状況
(ア)ジェマ・イスラミーヤ(JI)
 インドネシアを含む東南アジア地域にイスラム法に基づくイスラム国家、あるいはカリフ制国家の樹立を目指す組織です。また、イスラム社会が西洋文明の脅威にさらされているとの認識の下、かつてはその象徴である欧米権益の排除を目指し、大規模テロを実行したとされているほか、中部スラウェシ州ポソ等の紛争に介入し、国内のキリスト教徒もターゲットとしました。2009年のジャカルタ同時爆弾テロ事件以降,JIによるとみられる大規模テロは確認されていません。
(イ)ジャマ・アンショルト・タウヒード(JAT)
 2008年7月、イスラム教団体インドネシア・ムジャヒディーン協議会(MMI)の代表の代表であるアブ・バカール・バアシール(ABB)がMMIを脱退し、設立した組織です。ABBは、JATをムスリムの団体であり、テロ組織ではないと主張していますが、インドネシアにおいてカリフ制国家を樹立することを目的として、宣伝・布教,その他テロ事件にも関与したとみられています。2014年7月、ABBはISILを支持する立場を明確にしましたが、JAT内でISILへの支持に反対するグループがこれに反発してJATを脱退しました。
(ウ)ジャマ・アンシャルシー・シャリーア(JAS)
 上記(2)のとおり、ABBがISILへの支持を打ち出したことに反発し、2014年8月、JATの主要幹部がJATを脱退し、設立しました。モハマド・アクワンを議長とし、2,000人の構成員がいると自称しており、JATとも引き続き一定の関係を有しているとみられます。現時点では,JASがテロ活動を行っているとの情報はありません。
(エ)東インドネシアのムジャヒディン(Mujahidin Indonesia Timur:MIT)
 明確なイデオロギーは不明です。イスラム法に基づくイスラム国家の樹立を標榜しているものと思われ,ISILへの忠誠を表明していますが,実際のところ、当面の目標は、国家警察への攻撃に特化しており、2015年中もポソにおいて現地治安当局などとの銃撃戦が発生しています。また,2015年11月に本グループがインターネット上に投稿したとされるビデオにおいてもジャカルタ警視庁への攻撃を示唆しています。
(2)中部スラウェシ州ポソ及びパプア州中央部山岳地帯
 2012年以降、中部スラウェシ州ポソにおいては,小規模なテロが発生しており,警察部隊等に対する襲撃が散発しました。ポソを拠点とするテロリストに対する警察当局の取締りも実施されていますが、いまだにポソのグループであるMITのリーダーとみられているサントソが逃走中であるなどにより、今後も同地域におけるテロの発生が懸念される状況です。また、パプア州中央部の山岳地帯においては、パプアの分離独立を標榜する組織とみられる武装集団による警察・国軍への襲撃が散発しています。

3.誘拐事件の発生状況
 2015年7月、インドネシア国軍兵士を含む犯人グループにマレーシア人ビジネスマンが誘拐され、要求された身代金の一部を支払い解放された旨報道されています。

4.日本人・日本権益に対する脅威
(1)近年、インドネシアにおけるテロの主たる攻撃目標はインドネシアの警察官及び警察関連施設とみられていました。しかしながら、2015年9月のISIL機関誌において、インドネシアに所在する日本の外交使節が標的の例示として掲げられていることや、2016年1月のジャカルタにおける爆弾テロ事件に関する犯行声明において外国人に言及していることなどからみれば今後、日本の外交使節、日本人、日本権益がテロの標的となる可能性も否定できません。
(2)近年,シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や,パリでの同時多発テロ事件等が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
(3)このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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