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フランス
安全対策基礎データ

更新日 2023年01月19日

 フランス内務省統計によれば、2021年のフランス国内における犯罪件数は3,677,275件で、2020年と比較して約7%増加しています。また、フランス国内の日本国大使館や総領事館などの在外公館が把握している日本人の方の被害件数は56件で、2020年の166件より大幅に減少していますが、これは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う短期渡航者の減少によるものと考えられます。実際に日本とフランスの水際措置が緩和されてからは、日本人の被害が大幅に増加していますので、十分に注意してください。

1 日本人の犯罪被害状況
 日本人が被害者となる犯罪の手口としては、スリ、ひったくりなどの窃盗犯罪が大部分を占めます。窃盗であっても、オートバイに乗ったひったくり犯に路上を引きずられて怪我を負ったりするなど思わぬ大怪我に繋がることもありますので警戒が必要です。
 窃盗以外にも、強盗や性的犯罪の被害者となるケースも少なくありません。短期渡航の観光客は狙われやすいので特に警戒して行動してください。

 最新の治安情勢および日本人の犯罪被害については、「海外安全対策情報」および「日本人の犯罪被害 月例統計」を参考に、安全対策に努めてください。
◇ 海外安全対策情報(フランス):四半期ごとに作成されるフランス国内の犯罪傾向、フランス全土の日本人の被害の統計です。 
  https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/02101.html
◇ 日本人の犯罪被害 月例統計:毎月作成されるパリおよび周辺地域の日本人の犯罪被害傾向をまとめた統計です。
  https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/02218.html

2 地域別犯罪傾向
 各地域の犯罪傾向は以下のとおりです。訪問先に多い犯罪の傾向を把握し、以下の「3 犯罪の手口と防犯対策」にて具体的な手口を参照しつつ対策を講じるようにしてください。
【パリ】
 観光旅行者が多数訪問するパリでは、スリ、置き引き、ひったくり等の犯罪が多発しています。特に、エッフェル塔、ルーブル美術館、シャンゼリゼ通り、公共交通機関(特に地下鉄、RER)にて多くの日本人が犯罪の被害者となっています。レストランやカフェでは置き引きの被害が多く発生しています。
 観光地と住宅地を問わず、夜間を中心に強盗傷害被害が複数件発生しています。
また、性的犯罪、詐欺事件などさまざまな犯罪が発生しています。

【パリ市内と空港の移動経路】
 シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内に向かうタクシー乗車中、渋滞による停車中に窓ガラスを割られ、ハンドバッグやカバンを強奪される事件が多く発生しています。
 パリ市内と空港を結ぶ列車、特にB線(RER)において多数の窃盗・強盗事件が発生しています。

【ストラスブール】
 ストラスブール等では近年邦人の犯罪被害は認知されず、パリ等の大都市に比べれば治安は比較的安定しているといえます。一方で、犯罪と無縁という訳ではなく、スリや置き引きといった一般犯罪は鉄道車両内や駅、観光スポット(例.ストラスブール大聖堂前)等で発生しており、多くの観光客が訪れる夏季休暇時期やクリスマス市開催時期には特に注意が必要です。
 また、中央駅前の広場やレ・アール広場周辺は薬物密売場所として知られています。こうした場所は鉄道利用や買い物等で避けることが難しいですが、不審者を見つけた場合や複数の者がたむろしているような状況があれば近づかないようにしてください。
 年末年始には、若者らが駐車車両を放火する、強力な花火や爆竹を使用して現場に到着した警察官や消防士を襲撃する等、各所で騒ぎが発生する傾向にありますので、夜間外出を控え、車両を安全な場所に駐車するなど被害防止に努めてください。

【マルセイユ】
 麻薬に絡む密売組織間の抗争がマルセイユ市を中心に発生しています。一般市民が巻き込まれ死傷するケースも発生していることから、一見して治安の悪そうな地区には近づかないことが肝要です。また、自動車、自転車の盗難、自動車の車中に残されたものを盗む車上荒らし、部品を盗むために自動車を破壊する等の行為は閑静な住宅地でも発生していますので、保管場所に注意が必要です。

【コートダジュール地域を含む南仏地方】
 スリや置き引きなどの盗難被害が多く報告されていますが、とりわけ観光客が多いコートダジュール地域での発生が顕著となっています。レストランやカフェなどの飲食店で無造作に付近に置いたバッグやスマートフォンが盗まれたり、電車、バス、トラムなどの公共交通機関内で貴重品がすられるなど身体的被害がない窃盗事件が多いですが、刃物を使用した強盗事件なども少なからず発生していますので注意が必要です。

【リヨン】
 パリ同様にリヨンにおいても、多くのスリ、置き引き等の窃盗犯罪が多発しています。特に、メトロやトラム等の公共交通機関の車内やリヨン・パール・デュー鉄道駅周辺での日本人の窃盗被害が複数報告されています。この他、強盗事件も増加傾向にあり、通りすがりに金のネックレスを引きちぎられる、携帯電話をひったくられる手口や、暴行を伴うケースや催涙スプレーをかけられるなどの事案が報道されています。

【上記以外の地域、都市間移動】
 フランス国内各地において、置き引き、スリなどの窃盗のみならず、強盗、性的犯罪などの重大被害が発生しています。日本人も、長距離バスや鉄道などの交通機関内において荷物が持ち去られたり、深夜便にて目的地に到着し、ホテルへの移動の途上で強盗の被害に遭う事例も生じています。


3 犯罪の手口と防犯対策
 犯罪の手口を予め知ることが、防犯対策には有効です。どのような状況で犯罪が行われるのかを把握していれば、犯罪であることに気が付き、被害を防ぐことが可能になります。

【スリ】
<手口>
 スリは日本人が最も多く被害者となっている犯罪です。混みあって周囲への警戒が困難となる地下鉄などの公共機関や駅舎内、観光に夢中になって注意が散漫となる観光地、財布を出し入れする機会がある店舗などで多く発生しています。地下鉄、観光地、店舗では常にスリ犯がいると考えて警戒する必要があります。特に地下鉄や人通りの多い屋外の観光地では、複数の犯人が共同して犯行に及ぶことが多く、一人が話しかけてきたり、身体をぶつけてきたりするなどして注意をそらし、その間に共犯者が貴重品をすり取るケースが多くあります。また、コートはすり取られても気が付きにくいため、コートのポケットに貴重品を入れないようにしてください。
<対策>
 人が多い場所では荷物は必ず体の前で抱えるように持つほか、不自然な動きをする人物や集団を見かけた場合にはその場をすぐ離れたり、交通機関に乗車中の場合にはすぐに降りてやり過ごしたり、場所を変えるなどして被害を避けるようにしてください。また、被害を受けることも想定し、パスポートはシークレットウエストポーチに入れる、金銭やクレジットカードは分散して持つなどの対策も不可欠です。

【置き引き】
<手口>
 スリと並んで多く生じているのが置き引きです。レストランでの食事中、観光地での写真撮影中、ホテルでのチェックイン手続中、空港・駅でのチケット購入中やチェックイン手続中、空港や美術館などでの保安検査場での手荷物検査時、店舗や市場などでの買い物中に地面に置いた荷物や手を離した携帯電話を持ち去られるケースです。また、長距離バスや長距離列車の荷物置場から持ち去られるケースもあります。
<対策>
 犯人は、わずかなスキをも逃さずに持ち去ります。貴重品は地面に置いたり、テーブルの上に置いたりせず、体から離さないようにしましょう。保安検査場では、携帯電話や貴重品から離れざるを得ず、身体検査を受けている間は貴重品からは注意が逸れがちとなりますので、検査を受けている間も貴重品から目を離さないようにしてください。

【シミ付け泥棒・コインばらまき泥棒】
<手口>
 シミ付け泥棒は、犯人の一人が被害者の服にケッチャップやマスタードなどをつけて、被害者に声をかけて注意をそらした後に、別の犯人が貴重品などを盗み取ります。
 コインばらまき泥棒は、大量のコインなどを路上などに落とし、被害者に助けを求めたり、親切心から手助けをするように仕向け、コインなどを拾うために注意がそれた隙に貴重品を盗み取ります。
<対策>
 犯人が服の汚れをとろうとした場合でもこれをはっきりと断ってください。このような状況になった場合には、まず貴重品が入っているカバンやポケットを押さえて注意をそらさないようにし、その場を離れてください。

【玉当て(いかさま)賭博】
<手口>
 複数のコップのうち1つのコップにボールを入れ、どのコップにボールが入っているのかを当てる賭博です。サクラを使うため、他の見物客も賭博に勝てると錯覚させますが、実際には必ず負けるようになっています。他にも、コインやカードを使ったいかさま賭博があります。
<対策>
 観光地や人通りの多い場所で行われることが多く、見物しているだけでも貴重品を盗まれるケースもありますので、いかさま賭博と思われる場所には近づかないようにしてください。

【ひったくり】
<手口>
 バイク等で追い越しざまにバッグなどの荷物を強奪します。ひったくられたバッグが体から離れない場合には路上を引きずられることとなり、大変危険です。
<対策>
 ひったくりを避けるためにバッグなどをたすき掛けで持つことも予防の観点からは効果的ですが、引きずられて怪我を負うリスクがあることも考えればお勧めできません。身体に危険が及ぶ可能性がある時には、手を離すことも必要です。さらに、ひったくり被害も念頭に置いて、貴重品はカバンに入れないなどの予防的な対応が重要です。
 また、レストランなどのテラス席は、ひったくり犯が道路側から容易に手を伸ばすことができ、また逃走しやすいことから特にリスクが高いので、荷物はポケットにしまったり、手の届かない場所に置くなど、十分に注意しましょう。

【強盗】
<手口>
 フランス国内において多く発生(2021年には368,136件発生)しています。夜間は特に注意が必要ですが、昼間であっても人通りの少ない路地や交通機関ではリスクが存在します。強盗犯は首を絞めたり、暴行におよぶ場合もあり、きわめて危険です。また、抵抗した場合には攻撃がエスカレートする可能性があります。
他にも、自動車に乗車した犯人が、道を尋ねたり、商品を勧めるふりなどをして言葉巧みに車内に被害者を招き入れ、金銭を支払うまで解放しないといった監禁強盗も生じています。
<対策>
身体に怪我を負った場合には多額の治療費の支払いが生じたり、身体に後遺症が残る場合もあり、取り返しがつかない事態になる可能性もありますので、夜間はできるだけ外出しない、人通りの少ない地下通路や路地には入らない、複数人で行動するなど十分に警戒してください。万が一強盗に遭った場合には、むやみに抵抗しないようにしてください。
 また、知らない人の車や人気のない場所に招きこまれそうになった場合には、ただちにその場を離れてください。

【性的犯罪】
<手口>
 フランスにおいては、2021年に35,192件の強制性交が発生しています。強制性交以外の性的犯罪も58,062件発生しています。日本人もこれらの性的犯罪の被害者となるケースが複数件生じています。
<対策>
 特に女性は、現地で知り合った男性と二人きりになったり、食事中にアルコールを過度に摂取しないことなどを心掛けてください。これらの犯罪は、被害者が我慢をしていると犯行がエスカレートしますので、被害に遭った場合には、すぐに逃げ出す、周囲の人などに助けを求めるなどしてください。なお、日本人男性が強制性交の被害者になったケースもありますので、男性も注意を怠らないようにしてください。

【睡眠薬強盗】
<手口>
 観光地、ホテル、レストラン、交通機関などさまざまな場面において日本語や英語で話し掛けられ、勧められた睡眠薬入りの飲食物を口にした後に意識が朦朧とし、貴重品を奪われる被害が生じています。
 経済的な被害のみならず、睡眠薬によりその後の体調に支障をきたしたり、性的犯罪の被害者となるおそれもあります。
<対策>
 見知らぬ相手から差し出された飲食物は、絶対に口にしないのはもちろんのこと、自分の飲食物に睡眠薬を入れられる場合もありますので、見知らぬ相手と食事をすることは避けてください。また、犯人は異性であるケースも多いため、誘いには乗らないようにしてください。

【偽警察官】
<手口>
 観光地などで、警察官を名乗る偽警察官が、麻薬捜査などを理由にパスポートや財布の提示を求め、所持金を盗むケースが報告されています。偽警察官は通常2人組以上で犯行に及びます。偽警察官は、警察官であることを証明しようと、身分証明書らしきものを提示しますが、通常は警察官が旅券の提示を求めることはあっても、財布の提示は求めることはありません。なお、空港で税関職員を名乗る偽税関職員による犯行もあるようです。
<対策>
 私服警察官と称する者には注意し、本当の警察官かどうか疑わしい場合には、身分証明書の提示を求め、それが真正なものか否かを周囲の人や別の警察官に確認を求めるようにしてください。

【車上荒らし】
<手口>
 都市圏はもちろんのこと、観光地やサービスエリアの駐車場でも多く発生しています。買い物や観光している間だけでなく、ガソリンスタンドでの精算時など、わずかな時間であっても被害を受けることがあります。犯行の手口は、車の窓ガラスを割られ、車内の荷物が盗まれるケースがほとんどです。その他にも、パンクしている、車が損傷しているなどと声をかけられ、被害者が車外で確認している間に共犯者に逆側のドアを開けられ荷物を持ち去られるケースもあります。
<対策>
 路上や駐車場に車を駐車する場合は、外から見える場所に荷物を置くこと、貴重品を車内に残すことは避けてください。また、短時間であっても車外に出る時は必ず施錠するようにしてください。

【押しつけ販売】
<手口>
 キーホルダーなどのお土産や花を無理やり押しつけ、金銭を要求してきます。商品に触っただけで法外な料金の支払いを強要するケースもあります。その多くが観光地で観光客を相手として路上販売している者です。
<対策>
 路上販売の現場にはできるだけ近づかないようにし、お土産などを勧められても、はっきりと断るようにしてください。

【クレジットカード詐取】
<手口>
 券売機などの前で、自分のクレジットカードが使用できなくなり困っているとして助けを求めるふりをしてクレジットカードまたはその情報を詐取する犯罪があります。現金で補填するので、代わりにクレジットカードで支払いをして欲しいと話しかけ、これに応じて乗車券を購入しようとすると、券売機をわざと誤操作をさせているなどして購入を妨げ、駅員の支援が必要なので呼び出してくると言い残してクレジットカードとともに姿を消したり、商店の店員を装った犯人が出口等で支払いに問題があるので再度クレジットカードを提示するよう話しかけ、被害者がクレジットカードを差し出すとレジに戻るふりをしてクレジットカードを持ち去るなど、様々な手口で詐取しようと試みます。暗証番号はすでに盗み見られているため、クレジットカードが持ち去られてしまえば、すぐに多額の現金を引き出されてしまいます。
<対策>
 親切心に付け込んだ犯罪であり、日本人は被害に遭いやすい傾向にあります。犯罪の被害者となってからでは取り返しがつきませんので、どのような相手であれ、自衛のために断るようにしてください。また、クレジットカードを使用する場合には、暗証番号を絶対に盗み見られないようにしてください。

【ぼったくりバー】
<手口>
 各地にある歓楽街(特にパリのピガール地域)は犯罪多発地区であり、旅行者をねらう悪質な客引きによるいわゆる「ぼったくりバー」や暴力バーまがいの店も多くあります。日本人の被害も発生していますので注意が必要です。
<対策>
 繁華街に出かける際には、現地事情に通じた知人と同行したり、入店する前に不審な点がないかを十分に確認してください。

【ホテル内での犯罪】
<手口>
 ホテルの中には、宿泊者以外にも不特定多数の人が滞在しています。来客があった際に不用意にドアを開ければ、内部に侵入されて、犯罪の被害者となる可能性があります。客室内は密室となりますので、犯罪者に侵入された場合には大変危険です。また外出中に部屋に侵入され、荷物を持ち去られるケースもあります。
<対策>
 客室への訪問があった場合は、ドアを開ける前に必ずドアスコープで相手を確認し、知り合いでなければ決してドアを開けないでください。また、外出時には貴重品を携行する、フロントのセーフティボックスを利用するなどの対策を行ってください。なお、客室内のセーフティボックスは、室内から金庫ごと持ち去られる事件が発生していますので注意してください。
また、安価なユースホテルの利用は、見知らぬ者と同居することとなりますので、お勧めできません。やむを得ず利用する場合であっても、就寝中やトイレの使用中に貴重品が持ち去られるリスクがありますので、貴重品は常に身につけることが求められます。

4 テロ・誘拐
 フランスのテロ・誘拐についてはテロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_170.html )をご確認ください。 

※在留邦人向け安全の手引き
 在外公館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。
 在フランス日本国大使館:https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/02400.html
 在ストラスブール日本国総領事館:https://www.strasbourg.fr.emb-japan.go.jp/files/000558885.pdf
 在マルセイユ日本国総領事館:https://www.marseille.fr.emb-japan.go.jp/files/100420597.pdf
 在リヨン領事事務所:https://www.lyon.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000191.html

(手続きや規則に関する最新の情報については、駐日フランス大使館(電話:03-5798-6000)にお問い合わせください。)

1 査証(ビザ)
(1)短期滞在
 フランスが加盟しているシェンゲン協定域内におけるビザを必要としない短期滞在については、「あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない」範囲でのみ認めると規定されています。過去180日の期間内でビザ無しで滞在できる期間は最大90日となります。
 また、短期滞在ビザ免除の対象者にであっても、有効期間が出国予定日から3か月以上残っており、かつ10年以内に発行されたパスポートを所持している必要があります。

○ シェンゲン協定の詳細等については駐日欧州連合代表部(電話:03-5422-6002,URL:http://www.euinjapan.jp/ )、フランスの措置に関する情報は駐日フランス大使館に問い合わせることをお勧めします。

【参考】 外務省ホームページ『欧州諸国を訪問する方へ』
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html

(2) シェンゲン協定域への入域と内部の移動
 シェンゲン協定域外から域内に入る場合、最初に入域する国において入国審査が行われ、その後のシェンゲン協定域内の移動においては原則として入国審査が行われませんが、治安上の理由等から、予告なくパスポートの確認や所持品検査が行われることがあります。そのため、パスポートは常に携行してください。
 また、パスポートを亡失した場合には、国境を越えることなく、滞在地において現地警察に届け出るとともに、最寄りの大使館、総領事館、領事事務所にてパスポートまたは帰国のための渡航書の発給手続きをしてください。

【参考】 外務省ホームページ『長期滞在を目的にシェンゲン協定域内国に渡航する際の注意(ドイツを経由する場合)』
 https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/oshirase_schengen_2.html


2 現金等の持ち込み申告
 現金等の持ち込み申告について、10,000ユーロ以上またはこれに相当する外貨を持ち込む場合は、税関申告が義務付けられています。限度額を超える金額を申告せずに入国しようとして発覚し、現金を没収されるケースもありますので、申告は必ず行ってください。

3 医薬品の持ち込み
 医師による有効な処方箋(英語またはフランス語)があれば処方箋に記載されている期間相当の医薬品を、処方箋がない場合には個人で使用する場合に限り最大3か月分の医薬品を持ち込むことが可能です。なお、麻薬成分を含む医薬品についてはこの限りではありませんので、駐日フランス大使館にお問い合わせください。
◇ 厚生労働省「海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて」
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

4 関税
 購入価格が430ユーロ(航空機および船舶を利用の場合)、または300ユーロ(その他の交通手段を利用の場合)を超える物品は課税対象となり(15歳未満は150ユーロ)、価格の確認のため領収書等の提示を求められることがありますので、これらの物品を持ち込む際には領収書の携行をお勧めします。

1 在留届
 フランスに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく在留地を管轄する在外公館(在フランス日本国大使館、在マルセイユ日本国総領事館、在ストラスブール日本国総領事館、在リヨン領事事務所)に在留届を提出してください。また、住所その他の届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めしますが、郵送によっても行うことができますので、在留地を管轄する在外公館宛に送付してください。
 管轄地域図:https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00002.html

2 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、フランスで事件や事故、自然災害等が発生し、在フランス日本国大使館や総領事館などが安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

3 立ち入り制限等
 軍事施設等への立入りを除き、特に制限はありません。軍事機関が指定する区域においては、描写、撮影などを行うと処罰されます。

4 主な取締法規
(1)禁煙令
 禁煙令(保健省令)により、フランス全土において公共施設等での喫煙が禁止され、違反者には罰金が科せられます。

(2)飲酒運転
 フランスの道路交通法により血液中のアルコール濃度が0.5g以上の場合、運転することはできず、違反した場合はアルコール濃度に応じて刑罰が科せられます。当然のことながら、飲酒した際には運転しないでください。

(3)麻薬
 麻薬類の取締りは非常に厳しく、空港、駅、国境等において徹底した監視が行われています。
 コカイン、大麻、ヘロイン、覚醒剤等の麻薬類の使用、運搬、所持、提供、譲渡、取得、輸入等に関与した者は刑法により禁固刑および罰金刑が科せられます。街頭などで麻薬購入を誘いかけられるケースもありますが、毅然とした態度で拒否してください。また、多額の報酬で麻薬類の運搬を依頼される場合もありますが、当然のことながらこれに応じることがないようにしてください。その他にも、親切心に付け込んで荷物を運んで欲しいといった依頼を受け、知らないうちに麻薬類の運び屋をさせられるケースもありますが、知らなかったとしても刑罰の対象となりますので、見ず知らずの人の荷物を預からないでください。

(4)危険物の携行
 フランスでは「公共の安全に危険な武器となる可能性のあるすべての物品」は規制の対象となっており、銃器、刃物や催涙スプレーを正当な理由なく携帯することは法律で禁じられています。

(5)身分証明書の携行
 原則として、パスポートなどの身分証明書の携行が義務付けられています。警察官などから身分証明書の提示を求められ、これに応じることができない場合には、警察署への同行が求められることもあります。

5 ハーグ条約
 フランスは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組みなどを定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

6 その他の注意事項
(1)デモ
 フランス国内においては、各地で頻繁にデモが行われています。デモ隊と治安機関が衝突し、催涙ガスなどが使用されたり、車などが放火されたりするケースがあります。デモの現場には近づかないでください。万一デモに遭遇した場合は、デモに巻き込まれることのないようすぐにその場を離れてください。デモの内容によっては、旅程の変更を余儀なくされることが起こり得ます。あらかじめ滞在予定地の情報収集を行うことをお勧めします。

(2)交通機関における改札と罰金
 地下鉄、列車、バスなどの交通機関のチケット管理は確実に行うようにしてください。チケットの検察が度々行われており、チケットを提示できない場合等の違反があった場合には、罰金が科せられます。詳しくは以下のページをご参照ください。
 https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/04110.html

1 風俗、習慣、国民性に関する留意事項
 フランスは自由・平等・博愛を国是としている国であり、外国人移民も多いため、社会は様々な人種によって構成されています。
 一般的にフランス人は個人主義で合理性を尊び、感情や情緒より論理を重視する傾向がみられます。このため、フランス人の理解を得るためには、相手にはっきりと自分の意思を伝え、納得するまで議論することも必要です。

2 海外旅行保険への加入
 一般的に海外の医療費は高額です。フランスも例外ではなく、医療費は高額となり、また無保険でなおかつ支払い能力が無いと判断されれば、治療を受けることができない可能性もあります。
 海外旅行保険は、種別や加入タイプにより対象となる傷病や限度額、また保険を適用できる病院(地方都市ではこのような病院はわずかです)が異なります。保険によっては提携病院でキャッシュレスサービスを受けられる場合もありますので、加入時に必ず確認し(可能な限りキャッシュレスで治療を受けられる保険への加入をおすすめします)、安心して渡航できる保険に加入してください。

3 衛生事情
 特段問題はありません。

4 予防接種
 フランス入国に際して義務付けられている予防接種はありません。

5 医療事情
 フランスの医療は高い水準にあり、また緊急医療体制も整備されています。フランスには公立病院のほかにも多くの私立病院がありますが、いずれも診察料・入院費は日本と比較するとかなり高額です。
なお、フランス海外領土・県では本国では流行していない感染症が流行している場合もあります。

 フランスの衛生・医療事情、医療機関などについては、以下のWEBサイトで情報を入手できますので、渡航前にご覧ください。
 外務省 「世界の医療事情」
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/france.html
 厚生労働省 FORTH
  https://www.forth.go.jp/index.html

◎ 警  察:17(携帯電話からは112も可能)
◎ 救急医療:15
◎ 消  防:18

○ 外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○ 領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2853
○ 領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3678
○ 領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○ 領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○ 外務省海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地公館等連絡先)
● 管轄地域 https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00002.html

○ 在フランス日本国大使館
  住所:7, Avenue Hoche, 75008, Paris, France
  電話: (市外局番01) 4888-6200
   国外からは(国番号33)-1-4888-6200
  E-mail: consul@ps.mofa.go.jp
  ホームページ:https://www.fr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○ 在ストラスブール日本国総領事館
  住所:"Tour Europe", 20, Place des Halles, 67000 Strasbourg, France
  電話: (市外局番03) 8852-8500
   国外からは(国番号33)-3-8852-8500
  E-mail: consulaire-cgj@s6.mofa.go.jp
  ホームページ:https://www.strasbourg.fr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○ 在マルセイユ日本国総領事館
  住所:132, boulevard de Michelet, 13008 Marseille
  電話: (市外局番04) 9116-8181
   国外からは(国番号33)-4-9116-8181
  E-mail:cgm8@my.mofa.go.jp 
  ホームページ:https://www.marseille.fr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○ 在リヨン領事事務所
  住所:131, boulevard de Stalingrad, 69100 Villeurbanne, France
  電話: (市外局番04)3747-5500
   国外からは(国番号33)-4-3747-5500
  E-mail: consulatjapon.lyon@my.mofa.go.jp
  ホームページ:https://www.lyon.fr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○ 在ヌメア領事事務所 
  住所:Hilton Noumea La Promenade Residences 
     Numéro de chambre(部屋番号): B302
     109 Promenade Roger Laroque, Nouméa 98807 Nouvelle-Calédonie France
  電話:24-46-85
   ニューカレドニア外からは(+687)24-46-85
  E-mail: consulatjapon.noumea@nm.mofa.go.jp
  ホームページ:https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/noumea.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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