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ナイジェリアの危険情報【一部地域のレベル引き上げ】

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更新日 2025年12月19日
危険情報
地図

危険レベル・ポイント

【危険レベル】
●北東部(ボルノ州、ヨベ州及びアダマワ州)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)《継続》
●北西部(ザムファラ州、ケビ州、ソコト州、カツィナ州)、北中央部(ナイジャー州西部)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)《引上げ》
●北東部(バウチ州及びゴンベ州)、北西部(ジガワ州、カノ州、及びカドゥナ州)、北中央部(ナイジャー州東部、コギ州及びプラトー州ジョス市(周辺地域を含む。))、南東部(イモ州及びアナンブラ州)並びに南南部(デルタ州、リバース州、バイエルサ州及びアクワ・イボム州沿岸部)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)《継続》
●北中央部(クワラ州)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)《引上げ》
●アブジャ市を含む連邦首都圏区及びその他の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。《継続》

【ポイント】
●経済状況の悪化に伴う物価高騰、食糧不足、治安上の課題等の様々な状況が重なり、国内の広い範囲において市民による抗議行動が頻繁に発生しています。一部では、暴徒化、略奪に発展するものもあり、依然としてナイジェリア国内は不安定な治安状況にあります。
●北東部(ボルノ州、ヨベ州及びアダマワ州)では、イスラム過激派組織がテロ事件等をくり返しており、治安情勢が極めて劣悪な状態が続いているためレベル4を発出しています。さらに近年、北西部(ザムファラ州、ケビ州、ソコト州、カツィナ州)、北中央部(ナイジャー州西部)において武装集団による集落の襲撃、大規模な誘拐事件等が頻発し、治安上の大きな脅威となっているため、同地域の危険レベルを3から4に引き上げます。2025年11月、イスラム過激派組織や武装集団の影響による治安悪化を受けて、全国規模の治安上の緊急事態が宣言され、今後、北東部・北西部を中心に大規模な掃討作戦が実施される見通しであり、治安情勢は更に不安定化する可能性があります。ついては、これらの地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。既に滞在されている方は、直ちに退避してください。

詳細

1 概況
(1) ナイジェリア国内は、北東部を中心に活動を行っているイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」及び「ISIL西アフリカ州」、北西部を中心に活動を行っている「バンディット」と呼ばれる武装組織、南東部を中心に活動を行っているビアフラ国家の独立を目指す分離主義組織「ビアフラ先住民族(Indigenous People of Biafra(IPOB))」、北中央部を中心に発生している遊牧民と農耕民との争い、南南部を中心に活動を行っている反政府武装組織等、国内全域にわたって複数の脅威があります。経済状況の悪化に伴い民衆による反政府抗議活動も頻繁に発生しており、一部では、暴徒化や略奪に発展するなど治安は深刻な状況にあります。
(2) イスラム過激派組織や武装組織の影響による治安悪化を受けて、2025年11月、全国規模の治安上の緊急事態が宣言され、今後、北東部・北西部を中心に軍や警察による大規模な掃討作戦が実施される見通しです。これらの地域における軍等の活動により一般市民の生活に影響が及ぶ可能性があり、混乱等による治安の悪化が懸念されます。
(3) 経済状況の悪化に伴う物価高騰や食糧不足、治安上の問題等に不満を持つ民衆による反政府抗議活動が国内各地で頻繁に発生しており、2024年8月には10日間にわたって全国規模の抗議活動が行われ、一部ではデモ隊が暴徒化し、略奪行為等に発展するなど深刻な治安悪化につながりました。治安部隊とデモ隊との間では頻繁に衝突が発生するため、これら抗議活動に遭遇した際は、直ちにその場から離れることが重要です。

2 地域情勢
(1) ア 北東部(ボルノ州、ヨベ州及びアダマワ州)
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)《継続》

 これらの地域は、「ボコ・ハラム」及び「ISIL西アフリカ州」が活発に活動する地域であり、治安情勢が極めて劣悪な状態が続いています。軍の掃討作戦等の政府の対策が進められていますが、周辺国からの人員や武器の流入により、不安定な状況が継続しています。さらにこれまで敵対関係にあったテロ組織同士が同盟を結び、連携する動きがみられる等、テロ組織の活動エリアが今後拡大する可能性も否定できません。また、近年、従来の銃器や爆弾に加えてドローン使用による高度化した爆撃等の新たな攻撃手法も確認されており、車両襲撃や軍・警察施設、宗教施設や集落を標的としたテロ攻撃が継続して発生しています。

イ 北西部(ザムファラ州、ケビ州、ソコト州、カツィナ州)、北中央部(ナイジャー州西部)
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)《引上げ》
 
近年、これらの地域において「バンディット」による集落の襲撃、数百人規模の大規模な誘拐事件等が頻発しており、テロと並ぶナイジェリア国内における治安上の大きな脅威となっています。その組織の実態は判然とせず、ベナンやニジェール、その他周辺国から国境を越えて人員や武器の流入があるとみられており、今後さらに勢力が拡大し、治安悪化を招く可能性があります。

 上記ア、イの地域等における治安の悪化を受けて、2025年11月、全国規模の治安上の緊急事態が宣言され、今後、北東部・北西部を中心に大規模な掃討作戦が実施される見通しであり、治安情勢はさらに不安定化する可能性があります。

 つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は、退避してください。

(2)北東部(バウチ州及びゴンベ州)、北西部(ジガワ州、カノ州及びカドゥナ州)、北中央部(ナイジャー州東部、コギ州、プラトー州ジョス市(周辺地域を含む。))、南南部(デルタ州、リバース州、バイエルサ州及びアクワ・イボム州沿岸部)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)《継続》

ア 北東部(バウチ州及びゴンベ州)
 これらの地域は、危険レベル4地域の北東部3州に隣接し、「ボコ・ハラム」や「ISIL西アフリカ州」による活動がみられる地域です。過去には爆発物を使用したテロ事件で多数の死傷者が出ています。また、外国人が誘拐され殺害される事件も発生する等、極めて危険な地域の一つです。

イ 北西部(ジガワ州、カノ州及びカドゥナ州)
 これらの地域においても近年「バンディット」の活動が深刻化しており、近隣国からの人員や武器、違法薬物の流入が更に状況を悪化させています。軍・警察施設や集落、車両を標的とした襲撃、略奪、誘拐等が急増しています。その他、土地や水資源をめぐる農耕民と遊牧民の対立も深刻化しており、集落全体が襲撃され数十人もの住民が殺害される事件も発生しています。さらに外国人による違法採掘も横行し、これに関与する外国人が誘拐の被害に遭う事件も発生しています。

ウ 北中央部(コギ州、プラトー州ジョス市(周辺地域を含む。))
(ア)コギ州は、テロ組織の拠点が存在し、戦闘員が多数潜伏していると見られており、治安機関によって拠点や複数の爆弾製造工場が摘発されています。2025年10月、治安機関によるテロ警戒情報が発表される等、不安定な治安状況にあります。
(イ)プラトー州ジョス市及びその周辺では、部族・民族間の武力衝突が継続して発生しているほか、過去には州都であるジョス市の中心部において爆破テロ事件が連続発生し、100人以上の死傷者を出しています。

エ 南東部(イモ州及びアナンブラ州)
 これらの地域では、ビアフラ国家の独立を目指す分離主義組織「ビアフラ先住民(Indigenous People of Biafra(IPOB))」及びその軍事部隊である「Eastern Security Network(ESN)」が治安機関等を襲撃しているほか、現在身柄拘束中の指導者の解放を求めて、地域住民に対して外出禁止を命じ、これに違反した者を殺害する事件を引き起しており、治安の悪化が見られています。

オ 南南部(デルタ州、リバース州、バイエルサ州及びアクワ・イボム州沿岸部)
 これらの地域では、かつて、石油利権をめぐり、反政府武装組織の石油関連施設への攻撃や、外資系企業駐在員を狙った誘拐事件が多数発生していました。政府による対策の結果、現在はこの種の事件やギニア湾における海賊の被害は減少していますが、活動地域を陸上に移したと見られる武装強盗による石油強奪の被害は著しく、また、ギャング間の抗争・殺戮や民族間対立事件が頻繁に発生する等、沿岸部の治安状況は悪い状況が続いています。
 
 つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。

(3)北中央部(クワラ州)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)《引上げ》

 クワラ州では、近年、治安対策が強化された北部から勢力を移した武装集団によって多くの事件が発生しています。2025年11月には、集落や宗教施設が武装集団による襲撃を受け、多数の住民が誘拐される事件が発生しました。加えて、同地域においては、ベナンから流入してきたと見られるアルカイダ系テロ組織「Jama’at Nusrat al-Islam wal-Muslimin」(JNIM)の活動も確認されており、2025年11 月には、軍の検問所の制圧を主張する声明を出す等、同組織による活動が深刻化している状況にあります。

 つきましては、クワラ州への渡航は、どのような目的であれ止めてください。

(4)アブジャ市を含む連邦首都圏区及び上記以外の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。《継続》

ア アブジャ市を含む連邦首都圏区
 2015年10月以降、アブジャ市を含む連邦首都圏区においてテロ事件は発生していませんでしたが、2022年7月、「ISIL西アフリカ州」によって、アブジャ郊外のクジェで刑務所が襲撃され、テロリストを含む多数の囚人が逃亡した事案が発生しました。また、近年の急激な物価高騰等に伴う反政府抗議活動や宗教関連団体によるデモ行進等が頻繁に実施されており、一部では暴徒化し治安部隊との衝突に発展して死傷者が出ています。また、近年、アブジャ周辺においては身代金目的の誘拐や強盗といった凶悪犯罪が増加傾向にあります。

イ ラゴス州
 ラゴス州は、商業の中心地として各国外交団や外資系企業、外国人駐在員が拠点を置き、外資系大型ホテルも多く、ビクトリア・アイランドのような中心部は他の地域と比べて犯罪発生も少ない傾向にありますが、様々な抗議行動が盛んな地域でもあり、これら参加者が暴徒化するおそれがあります。また、アブジャ同様、ラゴスにおいてもテロリスト等の武装集団が潜伏している可能性があるほか、富裕層や外国人の住宅への侵入強盗や誘拐等の凶悪犯罪も発生しており、過去には日本人が被害に遭う強盗事件や外国人が被害に遭う誘拐事件も発生しています。主要幹線道路では大型燃料輸送車の爆発事故のような大規模な事故も頻発し、多くの犠牲者を出しています。

ウ プラトー州(ジョス市及びその周辺を除く。)、タラバ州及びベヌエ州
 これらの地域では、武装したフラニ族遊牧民と農耕民との衝突や部族間対立による殺傷事件が頻発し、その被害者数が急増しています。その背景には、治安のかく乱を狙うテロ組織の関与も指摘されています。

エ その他の地域
 その他の地域でも、宗教間・民族間の対立事件が全国で多く発生しているほか、身代金目的の誘拐事件の発生が全国的に拡大しており大きな治安課題となっています。ナイジェリアでは、レバノン系や中国系企業が多く進出しており、これらの社員を狙った誘拐事件が多数報告されていますが、当地の犯罪者から見て日本人と中国人の区別はつきにくく、日本人も誘拐を始めとした犯罪被害に遭うリスクが高いといえます。また、各種選挙の時期が近づくと、候補者の支援者同士による暴力的な衝突や選挙事務所等を狙った襲撃事件が多発する傾向にあります。

 つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には、特別な注意を払うとともに、防弾車を使用するなど十分な安全対策をとってください。テロのみならず一般犯罪や事故に巻き込まれる危険が高いことから、真に必要な渡航・滞在以外は控え、仮に渡航・滞在される場合も、警察・民間警備会社によるエスコートを手配するなど、適切で十分な安全対策を講じることをお勧めします。

3 滞在に当たっての注意
(1)安全対策基礎データ
ナイジェリアへの渡航・滞在中の一般的な注意事項については、海外安全ホームページ内の「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_115.html )及び「安全の手引き」(https://www.ng.emb-japan.go.jp/files/100027858.pdf )を併せて参照してください。
 
(2) 在留届、「たびレジ」
 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 ナイジェリアに3か月以上滞在する方は、在ナイジェリア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet
 また、3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

(3)世界の医療情報
 医療水準については、日本と同じレベルは望めず、重傷者への十分な対応ができません。これらの医療事情により、重大な症状を呈する疾患の場合には、ヨーロッパへの搬送も考慮されるため、搬送費用、治療費を十分に考慮にいれた保険に加入してください。
 そのほかの衛生・医療事情の詳細につきましては、外務省海外安全ホームページ内のナイジェリアの「世界の医療事情」を参照してください。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/nigeria.html

(4)これまでに、ナイジェリアにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、今後、日本人・日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険性は十分に考えられます。また、ナイジェリアでは、近年、身代金目的の誘拐事件が全国各地で大幅に増加しています。
このような状況を十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう常に心掛けてください。
ナイジェリアのテロや誘拐に関する情報については、テロ・誘拐情勢も併せてご参照ください。(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_115.html

4 隣国のベナン、ニジェール、チャド及びカメルーンについても、それぞれ危険情報を発出していますので、併せて参照してください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人緊急事態課
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (フィーチャーフォン版)

(現地大使館連絡先)
○在ナイジェリア日本国大使館
  住所:No.9, Bobo Street (off Gana Street), Maitama, Abuja, Nigeria 
  電話:090-6000-9019または090-6000-9099
   国外からは(国番号234)90-6000-9019または90-6000-9099
  上記電話番号が不通の場合または、緊急の用件等の場合は、(国番号234)-80-3629-0293におかけください。
 ホームページ: https://www.ng.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
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