危険情報
シリアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)
更新日 2025年04月11日
危険レベル・ポイント
【危険レベル】
●全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
【ポイント】
●全土に「レベル4:退避勧告」を発出しています。日本人渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い状況が続いています。シリアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。
●全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
【ポイント】
●全土に「レベル4:退避勧告」を発出しています。日本人渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い状況が続いています。シリアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。
詳細
1 概況
(1)シリアでは、2024年12月、半世紀以上続いたアサド政権が崩壊し、シャーム解放機構(HTS)を主とする反体制派が「暫定政府」の樹立を宣言しました。その後、2025年3月29日には、新たな閣僚を任命して「移行政府」の発足を発表し、治安の回復を目指していますが、国内の治安情勢はなお極めて流動的です。
(2)旧政権支持派が地盤を有する沿岸部、「暫定政府」が支配してきた北西部、トルコ軍及びその同盟勢力が事実上支配する北部、クルド勢力が事実上支配する北東部及び東部、地元勢力が事実上支配する南部において、様々な勢力が衝突しています。イスラエル軍によるシリア軍施設等に対するミサイル攻撃も継続しています。
(3)国際テロ組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)は、主に中部の砂漠地帯において引き続き活発に活動しています。また、身代金目的の誘拐や強盗等の凶悪犯罪も発生しています。
(4)シリアでは、過去に日本人が巻き込まれる暴力的事案が複数発生しています。2012年8月、シリア北部アレッポ市で取材中の日本人ジャーナリストが、銃撃に巻き込まれ亡くなりました。2015年1月には、シリアで拘束されていた2人の日本人の映像がISILによりインターネット上に公開され、その後、殺害されたとみられます。ISILは、同年2月に公開した映像の中で、今後日本人が攻撃の標的となると警告しました。2015年にシリア北部イドリブ県で拘束された日本人は、2018年に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。
(5)クルド勢力等が自主運営する国境検問所を通過してイラクからシリア領内に入った場合は、シリア「暫定政府」から不法入国の罪で逮捕・拘束されるおそれもあります。
このように、シリア国内では依然として極めて危険な情勢が続いています。いかなる理由があろうと渡航は止めてください。
2 地域別情勢
全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(1)ダマスカス市及びその近郊
2024年12月8日以降、ダマスカス市及びその近郊は、「暫定政府」の統治下にありますが、こうした動きに反対する武装勢力による治安当局設備への襲撃等の事案が散発的に発生し、また、イスラエル軍によるミサイル攻撃も発生しています。
(2)シリア北西部(イドリブ地域)
ア これまで、アサド政権軍と反体制派武装勢力に加え、様々な勢力間において衝突が発生し、2020年3月にロシア軍とトルコ軍が主導して停戦合意が結ばれた後も戦闘行為は続いてきました。2024年12月のアサド政権崩壊とその後の移行期においても極めて流動的かつ危険な状況となっています。
イ 2015年6月にイドリブ県で当時の反体制派武装勢力に拘束された日本人は、2018年10月に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。
(3)シリア北部
2016年8月、2018年1月及び2019年10月の3回にわたり、トルコ軍及びその同盟勢力は北部地域のクルド勢力に対して軍事作戦を行い、現在もこれら地域を事実上支配しています。同地域において武力衝突は続いており、また、市街地においても、自動車爆弾等のテロ事案が散発的に発生し、住民に多数の死傷者が出ています。
(4)シリア北東部、東部及び中央部
2014年6月以降、シリアとイラクの広大な領域を支配したISILは、2018年3月、その支配地域を失いましたが、依然としてその残党が、北東部及び東部地域を実効支配するクルド勢力及び米主導の「対ISIL有志連合」等への襲撃を繰り返し、中央部の砂漠地域においても活発なテロ攻撃を行っています。この傾向は2024年12月の旧政権崩壊後も継続しており、極めて危険な情勢が続いています。
(5)沿岸部
2025年3月6日から10日にかけて、ラタキア県及びタルトゥース県を中心とする沿岸部において、旧政権支持派武装集団と「暫定政府」軍及び治安部隊による衝突の発生にともなって住民に多数の死傷者が出ており、極めて流動的かつ危険な情勢が続いています。
(6)シリア南部
2018年7月、当時のシリア政府軍が南部を掌握し、同年10月にはシリア・ヨルダンの国境が再開されました。2024年12月の旧政権崩壊後、南部地域は地元勢力により実効支配されており、極めて流動的かつ危険な情勢が続いています。
上記情勢に鑑み、シリアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。特に、非公式の国境検問所を通過してシリア領内に入域した場合、「暫定政府」は不法入国者の安全は保証できないと公に述べており、「暫定政府」から不法入国の罪で拘束されるおそれもあります。
取材活動であっても、現在のシリア情勢下にあっては、不測の事態に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。シリアにおける取材について、報道各社等に向けてこれまで累次にわたり注意喚起を出しています。フリーの報道関係者の方も含め、下記の注意喚起を踏まえ、シリアへの渡航はいかなる理由があろうと止めてください。
「シリアでの取材に際する注意喚起について」
( http://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_syria20241212.pdf )
また、既にシリア国内に滞在されている方は、速やかに在シリア日本国大使館(現在は在レバノン日本国大使館内に臨時事務所を設置)緊急連絡用電話まで連絡するとともに、直ちに退避してください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞ヶ関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2306
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (フィーチャーフォン版)
(現地大使館連絡先)
○在レバノン日本国大使館内在シリア大使館臨時事務所
住所:Serail Hill Area、Army Street、Zokak El-Blat、Beirut、Lebanon (P.O. Box 11-3360)
電話:市外局番(01) 989751~3
国外からは(国番号961)-1-989751~3
FAX:市外局番(01) 989754
国外からは(国番号961)-1-989754
緊急連絡用電話: (国番号963)-933-217011
ホームページ:http://www.sy.emb-japan.go.jp
(1)シリアでは、2024年12月、半世紀以上続いたアサド政権が崩壊し、シャーム解放機構(HTS)を主とする反体制派が「暫定政府」の樹立を宣言しました。その後、2025年3月29日には、新たな閣僚を任命して「移行政府」の発足を発表し、治安の回復を目指していますが、国内の治安情勢はなお極めて流動的です。
(2)旧政権支持派が地盤を有する沿岸部、「暫定政府」が支配してきた北西部、トルコ軍及びその同盟勢力が事実上支配する北部、クルド勢力が事実上支配する北東部及び東部、地元勢力が事実上支配する南部において、様々な勢力が衝突しています。イスラエル軍によるシリア軍施設等に対するミサイル攻撃も継続しています。
(3)国際テロ組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)は、主に中部の砂漠地帯において引き続き活発に活動しています。また、身代金目的の誘拐や強盗等の凶悪犯罪も発生しています。
(4)シリアでは、過去に日本人が巻き込まれる暴力的事案が複数発生しています。2012年8月、シリア北部アレッポ市で取材中の日本人ジャーナリストが、銃撃に巻き込まれ亡くなりました。2015年1月には、シリアで拘束されていた2人の日本人の映像がISILによりインターネット上に公開され、その後、殺害されたとみられます。ISILは、同年2月に公開した映像の中で、今後日本人が攻撃の標的となると警告しました。2015年にシリア北部イドリブ県で拘束された日本人は、2018年に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。
(5)クルド勢力等が自主運営する国境検問所を通過してイラクからシリア領内に入った場合は、シリア「暫定政府」から不法入国の罪で逮捕・拘束されるおそれもあります。
このように、シリア国内では依然として極めて危険な情勢が続いています。いかなる理由があろうと渡航は止めてください。
2 地域別情勢
全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(1)ダマスカス市及びその近郊
2024年12月8日以降、ダマスカス市及びその近郊は、「暫定政府」の統治下にありますが、こうした動きに反対する武装勢力による治安当局設備への襲撃等の事案が散発的に発生し、また、イスラエル軍によるミサイル攻撃も発生しています。
(2)シリア北西部(イドリブ地域)
ア これまで、アサド政権軍と反体制派武装勢力に加え、様々な勢力間において衝突が発生し、2020年3月にロシア軍とトルコ軍が主導して停戦合意が結ばれた後も戦闘行為は続いてきました。2024年12月のアサド政権崩壊とその後の移行期においても極めて流動的かつ危険な状況となっています。
イ 2015年6月にイドリブ県で当時の反体制派武装勢力に拘束された日本人は、2018年10月に解放されるまで3年以上にわたり拘束されました。
(3)シリア北部
2016年8月、2018年1月及び2019年10月の3回にわたり、トルコ軍及びその同盟勢力は北部地域のクルド勢力に対して軍事作戦を行い、現在もこれら地域を事実上支配しています。同地域において武力衝突は続いており、また、市街地においても、自動車爆弾等のテロ事案が散発的に発生し、住民に多数の死傷者が出ています。
(4)シリア北東部、東部及び中央部
2014年6月以降、シリアとイラクの広大な領域を支配したISILは、2018年3月、その支配地域を失いましたが、依然としてその残党が、北東部及び東部地域を実効支配するクルド勢力及び米主導の「対ISIL有志連合」等への襲撃を繰り返し、中央部の砂漠地域においても活発なテロ攻撃を行っています。この傾向は2024年12月の旧政権崩壊後も継続しており、極めて危険な情勢が続いています。
(5)沿岸部
2025年3月6日から10日にかけて、ラタキア県及びタルトゥース県を中心とする沿岸部において、旧政権支持派武装集団と「暫定政府」軍及び治安部隊による衝突の発生にともなって住民に多数の死傷者が出ており、極めて流動的かつ危険な情勢が続いています。
(6)シリア南部
2018年7月、当時のシリア政府軍が南部を掌握し、同年10月にはシリア・ヨルダンの国境が再開されました。2024年12月の旧政権崩壊後、南部地域は地元勢力により実効支配されており、極めて流動的かつ危険な情勢が続いています。
上記情勢に鑑み、シリアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。特に、非公式の国境検問所を通過してシリア領内に入域した場合、「暫定政府」は不法入国者の安全は保証できないと公に述べており、「暫定政府」から不法入国の罪で拘束されるおそれもあります。
取材活動であっても、現在のシリア情勢下にあっては、不測の事態に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。シリアにおける取材について、報道各社等に向けてこれまで累次にわたり注意喚起を出しています。フリーの報道関係者の方も含め、下記の注意喚起を踏まえ、シリアへの渡航はいかなる理由があろうと止めてください。
「シリアでの取材に際する注意喚起について」
( http://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_syria20241212.pdf )
また、既にシリア国内に滞在されている方は、速やかに在シリア日本国大使館(現在は在レバノン日本国大使館内に臨時事務所を設置)緊急連絡用電話まで連絡するとともに、直ちに退避してください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞ヶ関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2306
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (フィーチャーフォン版)
(現地大使館連絡先)
○在レバノン日本国大使館内在シリア大使館臨時事務所
住所:Serail Hill Area、Army Street、Zokak El-Blat、Beirut、Lebanon (P.O. Box 11-3360)
電話:市外局番(01) 989751~3
国外からは(国番号961)-1-989751~3
FAX:市外局番(01) 989754
国外からは(国番号961)-1-989754
緊急連絡用電話: (国番号963)-933-217011
ホームページ:http://www.sy.emb-japan.go.jp