危険情報
サウジアラビアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)
更新日 2025年03月07日
危険レベル・ポイント
【危険度】
●ジャーザーン州、アシール州、ナジュラーン州、東部州におけるイエメンとの各国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●イラクとの国境地帯
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●上記地域を除く全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●サウジアラビアでは、2015年以降テロ事件の発生件数は減少傾向にありますが、同年以降もイスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)による自爆テロ・銃撃テロ事件が発生しています。2022年3月以降、イエメンのホーシー派とサウジアラビアとの間で軍事活動は行われていませんが、同年10月に停戦合意は失効していることに加え、2023年10月に始まったガザ紛争以降は、ホーシー派が紅海をはじめとした海域において船舶を標的とした攻撃を激化させています。ジャーザーン州、アシール州、ナジュラーン州、東部州のイエメンとの国境地帯への渡航に当たっては関連情報の収集に努め、渡航の必要性を慎重に判断してください。
●ジャーザーン州、アシール州、ナジュラーン州、東部州におけるイエメンとの各国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●イラクとの国境地帯
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●上記地域を除く全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●サウジアラビアでは、2015年以降テロ事件の発生件数は減少傾向にありますが、同年以降もイスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)による自爆テロ・銃撃テロ事件が発生しています。2022年3月以降、イエメンのホーシー派とサウジアラビアとの間で軍事活動は行われていませんが、同年10月に停戦合意は失効していることに加え、2023年10月に始まったガザ紛争以降は、ホーシー派が紅海をはじめとした海域において船舶を標的とした攻撃を激化させています。ジャーザーン州、アシール州、ナジュラーン州、東部州のイエメンとの国境地帯への渡航に当たっては関連情報の収集に努め、渡航の必要性を慎重に判断してください。
詳細
1 概況
(1)サウジアラビアでは、2015年以降、テロ事件の発生数は減少傾向にありますが、引き続きテロへの警戒が必要です。
近年では、2020年10月、在ジッダ・フランス総領事館前で警備員が刃物を持った男に襲撃される事案が発生しており、同年11月には、ジッダの非イスラム教墓地における式典で爆発が発生し、出席者が負傷する事案が発生しました。これらは、フランスにおける予言者ムハンマドの風刺画問題をめぐる抗議とみられており、ISILが犯行声明を発出しています。また、2021年12月、ジッダで自動車レース「ダカール・ラリー」に参加したフランス関係者の車両が爆発する事件が発生したほか、2023年6月、在ジッダ米国総領事館近くで銃撃事件が発生し、同領事館警備員が死亡する事件が発生しています。さらに、2022年8月には、ジッダ市内で治安当局がテロ容疑による指名手配犯を逮捕しようとした際、当該指名手配犯が自爆ベルトを爆発させるという事案が発生しています。
(2) 隣国イエメンでは、2015年3月以降、サウジアラビア主導の有志連合軍による首都サヌアを含む反政府勢力ホーシー派の支配地域に対する空爆が継続的に行われてきました。これに対し、ホーシー派同国は、イエメン政府を支援するサウジアラビアの一部地域及び紅海において、石油施設や空港、船舶等を標的とした、ミサイル及び無人機等を用いた越境攻撃を行っており、サウジアラビア国内でも民間人の死傷者を含む被害が生じています。
これまでサウジアラビア軍は防空システムにより、多くのミサイルや無人機を迎撃・破壊しており、また、国連の仲介によりイエメン紛争当事者間の停戦が実現した2022年4月以降、サウジアラビア主導の有志連合軍とホーシー派との間の本格的な戦闘は止まっています。しかし、2022年10月以降、イエメン紛争当事者間の停戦合意は失効しているほか、2023年10月に始まったガザ紛争以降、ホーシー派が紅海を始めとした海域において船舶を標的とした攻撃を激化させるなど、将来的にイエメンにおける戦闘が再開され、ホーシー派によるサウジアラビアへの越境攻撃が行われる可能性は排除できません。特に、最も攻撃の頻度が高いイエメン国境地帯には近づかないようにしてください。また、ジャーザーン州、アシール州及びナジュラーン州への渡航に当たっては、関連情報の収集に努め、渡航の必要性を慎重に判断してください。
(3)サウジアラビア当局は、東部州ハフル・アル・バーティン、カフジ地区、北部国境州全域、ジョウフ州イーサーウィーヤ及びヒダイサ地区、並びにタブーク州ハトラ・アンマール及びハキル地区の国境から10kmの範囲内を「立入禁止区域」と宣言し、砂の障壁や立入禁止標識を設置しています。違反した場合は、目的を問わず罰せられる可能性があります。
2 地域情勢
(1)ジャーザーン州、アシール州、ナジュラーン州及び東部州におけるイエメンとの各国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
2015年3月のサウジアラビア主導有志連合軍による、イエメンの首都サヌア等を支配する武装勢力ホーシー派に対する空爆作戦開始以降、ジャーザーン州、アシール州及びナジュラーン州におけるイエメンとの国境地帯では、ロケット弾、ミサイル及び無人機を用いたホーシー派による攻撃が度々発生しています。2021年10月8日には、ジャーザーン空港を狙った無人機攻撃があり、落下した破片により、空港利用者及び空港職員に複数の負傷者が出ました。また、2022年2月21日には、同空港に向けて飛来したドローンが迎撃・破壊され、落下した破片により16名が負傷しました。
現在、サウジアラビア主導の有志連合軍とホーシー派との間の本格的な戦闘は一時的に止まっていますが、2022年10月以降、イエメン紛争当事者間の停戦合意は失効しているため、イエメンにおける戦闘が再開され、ホーシー派によるサウジアラビアへの越境攻撃が行われる可能性は排除できません。つきましては、これら4州におけるイエメン国境地帯への渡航は、どのような目的であれ止めてください。
(2)イラクとの国境地帯
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
イラクの一部地域では不安定な情勢が続いており、国境管理は万全とは言えません。イラクとの国境地帯への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航・滞在する場合は、複数の情報源から最新の情報を入手するなど特別な注意を払うとともに、特に夜間の外出は控えるなど、十分な安全対策を講じてください。
(3)上記地域を除く全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア リヤド州
2018年以降、リヤドに対してミサイル、無人機によるものとみられる攻撃が複数回行われていました。2021年には複数回リヤドに対してミサイル及び無人機によるものとみられる攻撃があり、落下した破片で民家に損害が出たほか、2022年3月10日にはリヤドの石油精製所が無人機による攻撃を受けました。
イ 東部州(国境地帯を除く)
東部州のカティーフ県等の一部地域では、国内の少数派であるイスラム教シーア派住民が多数居住しており、2010年頃から始まった民主化運動「アラブの春」の活発化に伴い、住民による抗議行動が治安当局との衝突に発展し、死傷者が発生しました。
また、2015年以降、カティーフやダンマーム、アル・アフサーにおいてシーア派モスクや治安要員を標的とする自爆テロや銃撃事件が発生し、2016年7月にもカティーフのシーア派モスク近くで自爆テロ事件が発生しました。一部事件ではISILが犯行声明を発出しています。
2021年3月7日には、ラスタヌラの石油施設に対し、無人機等によるものとみられる攻撃がありました。同年9月4日、東部州に飛来したミサイルが迎撃・破壊され、ダンマーム近郊に落下した破片により2名が負傷、住宅14戸が軽微な損害を受けました。
つきましては、シーア派関連施設やその周辺に赴く際は、不測の事態に巻き込まれないよう、周囲の状況に十分注意してください。
ウ アシール州及びナジュラーン州のイエメンとの国境地帯を除く地域
2019年5月には、サウジアラビア南部アブハー国際空港に対する無人機及びミサイルによる3度の攻撃により死傷者が出ました。2021年8月31日には、同空港を狙ったドローン攻撃があり、迎撃・破壊された破片の落下により8名が負傷しました。2022年2月10日には、同空港に向けて飛来したドローンが迎撃・破壊され、落下した破片により4名が負傷しました。
エ マッカ州及びマディーナ州
2020年以降に両州において発生した事件は次のとおりです。
2020年
・ 10月29日、在ジッダ仏総領事館前で警備員が刃物を持った男に襲撃され1名が負傷。
・ 11月11日、ジッダにある非イスラム教墓地での式典で爆発が発生し、出席者数名が負傷。
2021年
・ 3月、治安機関は、テロ組織を支持する発言を繰り返して刃物を所持していた人物1名を逮捕。
・ 12月30日、自動車レース「ダカール・ラリー」に参加するフランス人チームの車両がジッダ市内走行中に爆発炎上、フランス人運転手が負傷。
2022年
・ 8月10日、ジッダ市内で、治安当局がテロ容疑で指名手配されていた人物を拘束する際、同人が自爆し、治安関係者と住民の計4人が負傷。
2023年
・ 6月28日、在ジッダ米国総領事館近くで銃撃事件が発生し、同総領事館の警備職員1名が死亡。
また、2020年11月23日にはジッダの石油施設において無人機等による攻撃があり、火災が発生して施設に被害が生じました。2022年3月19日から同20日、さらに同25日には、ジッダの石油施設を含むサウジアラビア各地を標的としたホーシー派によるミサイル等を用いた攻撃があり、攻撃を受けたジッダの石油施設等で火災が発生しました。
オ 上記以外の各州(国境地帯を除く。)
上記以外の各州においては、事件の発生は少ないものの、上記に示したサウジアラビアを取り巻く治安情勢に鑑みると、テロの潜在的脅威は存在している状況にあります。
これらの地域への渡航・滞在に当たっては、自らの安全に十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
(1) これまで、サウジアラビアにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
サウジアラビアのテロ・誘拐に関する情報については、テロ・誘拐情勢( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_050.html )も参照してください。
(2)海外渡航の際には、万一に備え、家族、友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えてください。
サウジアラビアに3か月以上滞在される方は、在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張の際には、在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館から渡航先に関する最新の安全情報や緊急時の連絡を受け取れることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(3)サウジアラビア滞在中は下記(4)の注意事項に十分注意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、外務省、在サウジアラビア日本国大使館、在ジッダ日本国総領事館、現地関係機関、報道等から最新の情報を入手するよう努めてください。
(4)渡航者全般向けの注意事項
ア 車両で外出する際には、人通りの多い場所に駐車する、警備員等監守者の近くに駐車するなど、駐車場所の選定に配慮するとともに、車体の異常の有無(特に車体の下部)を目視で確認してください。
イ 外出する際には、宗教施設、ホテルやショッピングモール等多数の人が集まる場所では周囲への警戒を怠らず、事前に非常出口の場所を確認するなど、不測の事態に備えてください。また、移動経路や時間を変更するなど、行動のパターン化を避けてください。
ウ イスラム教では、金曜日が集団礼拝の日であり、その際、モスクや群衆を狙ったテロや襲撃が行われるおそれもありますので、特に金曜日には、不用意にモスクに近づかないようにしてください。
エ 欧米系関係施設及び欧米系の外国人が頻繁に出入りする場所を訪問する際には、施設内外の不審者、不審車両、不審物の有無に注意するなど、周囲の状況に気を配り、テロ等不測の事態に巻き込まれないよう自らの安全確保に留意してください。
オ 治安当局によるテロ組織のアジト摘発時、爆弾が仕掛けられた携帯電話や無線機が押収されていますので、不審物を見かけた際には、近づいたり触ったりしないでください。
カ コンパウンドの入居者や同所を訪問する際は、周囲の状況を確認するとともに、管理者がどのような安全対策を講じているのか確認してください。もし、安全対策が不十分である場合には、管理者に対して改善を申し入れるなど、安全確保のために必要な措置を講じてください。
キ 過去にコンパウンドの襲撃や外国人が自宅と買い物先等との往復時に襲撃される事件が発生したほか、警備が厳重な米国公館も襲撃されている点も考慮し、自宅や事務所の警備には十分な対策をとってください。
ク 治安当局の取締強化に伴い、テログループと治安部隊の間で銃撃戦が発生する場合もあります。摘発の際の銃撃戦に巻き込まれないよう、治安部隊・警察関係者が集結しているような地域には近づかないでください。
4 なお、隣国(バーレーン、イラク、ヨルダン、イエメンなど)の「危険情報」もご参照ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
(内線)5139
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
(内線)3047
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
(現地公館連絡先)
○在サウジアラビア日本国大使館
住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, 11491, Saudi Arabia
電話: (市外局番011) 488-1100
国外からは(国番号966)11-488-1100
FAX : (市外局番011) 488-0189
国外からは(国番号966)11-488-0189
ホームページ:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在ジッダ日本国総領事館
住所:No.32 Al-Islam St. Al-Hamra Dist. Jeddah, 21431, Saudi Arabia
電話: (市外局番012) 667-0676
国外からは(国番号966)12-667-0676
FAX : (市外局番012) 667-0373
国外からは(国番号966)12-667-0373
ホームページ: https://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
(1)サウジアラビアでは、2015年以降、テロ事件の発生数は減少傾向にありますが、引き続きテロへの警戒が必要です。
近年では、2020年10月、在ジッダ・フランス総領事館前で警備員が刃物を持った男に襲撃される事案が発生しており、同年11月には、ジッダの非イスラム教墓地における式典で爆発が発生し、出席者が負傷する事案が発生しました。これらは、フランスにおける予言者ムハンマドの風刺画問題をめぐる抗議とみられており、ISILが犯行声明を発出しています。また、2021年12月、ジッダで自動車レース「ダカール・ラリー」に参加したフランス関係者の車両が爆発する事件が発生したほか、2023年6月、在ジッダ米国総領事館近くで銃撃事件が発生し、同領事館警備員が死亡する事件が発生しています。さらに、2022年8月には、ジッダ市内で治安当局がテロ容疑による指名手配犯を逮捕しようとした際、当該指名手配犯が自爆ベルトを爆発させるという事案が発生しています。
(2) 隣国イエメンでは、2015年3月以降、サウジアラビア主導の有志連合軍による首都サヌアを含む反政府勢力ホーシー派の支配地域に対する空爆が継続的に行われてきました。これに対し、ホーシー派同国は、イエメン政府を支援するサウジアラビアの一部地域及び紅海において、石油施設や空港、船舶等を標的とした、ミサイル及び無人機等を用いた越境攻撃を行っており、サウジアラビア国内でも民間人の死傷者を含む被害が生じています。
これまでサウジアラビア軍は防空システムにより、多くのミサイルや無人機を迎撃・破壊しており、また、国連の仲介によりイエメン紛争当事者間の停戦が実現した2022年4月以降、サウジアラビア主導の有志連合軍とホーシー派との間の本格的な戦闘は止まっています。しかし、2022年10月以降、イエメン紛争当事者間の停戦合意は失効しているほか、2023年10月に始まったガザ紛争以降、ホーシー派が紅海を始めとした海域において船舶を標的とした攻撃を激化させるなど、将来的にイエメンにおける戦闘が再開され、ホーシー派によるサウジアラビアへの越境攻撃が行われる可能性は排除できません。特に、最も攻撃の頻度が高いイエメン国境地帯には近づかないようにしてください。また、ジャーザーン州、アシール州及びナジュラーン州への渡航に当たっては、関連情報の収集に努め、渡航の必要性を慎重に判断してください。
(3)サウジアラビア当局は、東部州ハフル・アル・バーティン、カフジ地区、北部国境州全域、ジョウフ州イーサーウィーヤ及びヒダイサ地区、並びにタブーク州ハトラ・アンマール及びハキル地区の国境から10kmの範囲内を「立入禁止区域」と宣言し、砂の障壁や立入禁止標識を設置しています。違反した場合は、目的を問わず罰せられる可能性があります。
2 地域情勢
(1)ジャーザーン州、アシール州、ナジュラーン州及び東部州におけるイエメンとの各国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
2015年3月のサウジアラビア主導有志連合軍による、イエメンの首都サヌア等を支配する武装勢力ホーシー派に対する空爆作戦開始以降、ジャーザーン州、アシール州及びナジュラーン州におけるイエメンとの国境地帯では、ロケット弾、ミサイル及び無人機を用いたホーシー派による攻撃が度々発生しています。2021年10月8日には、ジャーザーン空港を狙った無人機攻撃があり、落下した破片により、空港利用者及び空港職員に複数の負傷者が出ました。また、2022年2月21日には、同空港に向けて飛来したドローンが迎撃・破壊され、落下した破片により16名が負傷しました。
現在、サウジアラビア主導の有志連合軍とホーシー派との間の本格的な戦闘は一時的に止まっていますが、2022年10月以降、イエメン紛争当事者間の停戦合意は失効しているため、イエメンにおける戦闘が再開され、ホーシー派によるサウジアラビアへの越境攻撃が行われる可能性は排除できません。つきましては、これら4州におけるイエメン国境地帯への渡航は、どのような目的であれ止めてください。
(2)イラクとの国境地帯
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
イラクの一部地域では不安定な情勢が続いており、国境管理は万全とは言えません。イラクとの国境地帯への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航・滞在する場合は、複数の情報源から最新の情報を入手するなど特別な注意を払うとともに、特に夜間の外出は控えるなど、十分な安全対策を講じてください。
(3)上記地域を除く全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア リヤド州
2018年以降、リヤドに対してミサイル、無人機によるものとみられる攻撃が複数回行われていました。2021年には複数回リヤドに対してミサイル及び無人機によるものとみられる攻撃があり、落下した破片で民家に損害が出たほか、2022年3月10日にはリヤドの石油精製所が無人機による攻撃を受けました。
イ 東部州(国境地帯を除く)
東部州のカティーフ県等の一部地域では、国内の少数派であるイスラム教シーア派住民が多数居住しており、2010年頃から始まった民主化運動「アラブの春」の活発化に伴い、住民による抗議行動が治安当局との衝突に発展し、死傷者が発生しました。
また、2015年以降、カティーフやダンマーム、アル・アフサーにおいてシーア派モスクや治安要員を標的とする自爆テロや銃撃事件が発生し、2016年7月にもカティーフのシーア派モスク近くで自爆テロ事件が発生しました。一部事件ではISILが犯行声明を発出しています。
2021年3月7日には、ラスタヌラの石油施設に対し、無人機等によるものとみられる攻撃がありました。同年9月4日、東部州に飛来したミサイルが迎撃・破壊され、ダンマーム近郊に落下した破片により2名が負傷、住宅14戸が軽微な損害を受けました。
つきましては、シーア派関連施設やその周辺に赴く際は、不測の事態に巻き込まれないよう、周囲の状況に十分注意してください。
ウ アシール州及びナジュラーン州のイエメンとの国境地帯を除く地域
2019年5月には、サウジアラビア南部アブハー国際空港に対する無人機及びミサイルによる3度の攻撃により死傷者が出ました。2021年8月31日には、同空港を狙ったドローン攻撃があり、迎撃・破壊された破片の落下により8名が負傷しました。2022年2月10日には、同空港に向けて飛来したドローンが迎撃・破壊され、落下した破片により4名が負傷しました。
エ マッカ州及びマディーナ州
2020年以降に両州において発生した事件は次のとおりです。
2020年
・ 10月29日、在ジッダ仏総領事館前で警備員が刃物を持った男に襲撃され1名が負傷。
・ 11月11日、ジッダにある非イスラム教墓地での式典で爆発が発生し、出席者数名が負傷。
2021年
・ 3月、治安機関は、テロ組織を支持する発言を繰り返して刃物を所持していた人物1名を逮捕。
・ 12月30日、自動車レース「ダカール・ラリー」に参加するフランス人チームの車両がジッダ市内走行中に爆発炎上、フランス人運転手が負傷。
2022年
・ 8月10日、ジッダ市内で、治安当局がテロ容疑で指名手配されていた人物を拘束する際、同人が自爆し、治安関係者と住民の計4人が負傷。
2023年
・ 6月28日、在ジッダ米国総領事館近くで銃撃事件が発生し、同総領事館の警備職員1名が死亡。
また、2020年11月23日にはジッダの石油施設において無人機等による攻撃があり、火災が発生して施設に被害が生じました。2022年3月19日から同20日、さらに同25日には、ジッダの石油施設を含むサウジアラビア各地を標的としたホーシー派によるミサイル等を用いた攻撃があり、攻撃を受けたジッダの石油施設等で火災が発生しました。
オ 上記以外の各州(国境地帯を除く。)
上記以外の各州においては、事件の発生は少ないものの、上記に示したサウジアラビアを取り巻く治安情勢に鑑みると、テロの潜在的脅威は存在している状況にあります。
これらの地域への渡航・滞在に当たっては、自らの安全に十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
(1) これまで、サウジアラビアにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
サウジアラビアのテロ・誘拐に関する情報については、テロ・誘拐情勢( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_050.html )も参照してください。
(2)海外渡航の際には、万一に備え、家族、友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えてください。
サウジアラビアに3か月以上滞在される方は、在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張の際には、在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館から渡航先に関する最新の安全情報や緊急時の連絡を受け取れることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(3)サウジアラビア滞在中は下記(4)の注意事項に十分注意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、外務省、在サウジアラビア日本国大使館、在ジッダ日本国総領事館、現地関係機関、報道等から最新の情報を入手するよう努めてください。
(4)渡航者全般向けの注意事項
ア 車両で外出する際には、人通りの多い場所に駐車する、警備員等監守者の近くに駐車するなど、駐車場所の選定に配慮するとともに、車体の異常の有無(特に車体の下部)を目視で確認してください。
イ 外出する際には、宗教施設、ホテルやショッピングモール等多数の人が集まる場所では周囲への警戒を怠らず、事前に非常出口の場所を確認するなど、不測の事態に備えてください。また、移動経路や時間を変更するなど、行動のパターン化を避けてください。
ウ イスラム教では、金曜日が集団礼拝の日であり、その際、モスクや群衆を狙ったテロや襲撃が行われるおそれもありますので、特に金曜日には、不用意にモスクに近づかないようにしてください。
エ 欧米系関係施設及び欧米系の外国人が頻繁に出入りする場所を訪問する際には、施設内外の不審者、不審車両、不審物の有無に注意するなど、周囲の状況に気を配り、テロ等不測の事態に巻き込まれないよう自らの安全確保に留意してください。
オ 治安当局によるテロ組織のアジト摘発時、爆弾が仕掛けられた携帯電話や無線機が押収されていますので、不審物を見かけた際には、近づいたり触ったりしないでください。
カ コンパウンドの入居者や同所を訪問する際は、周囲の状況を確認するとともに、管理者がどのような安全対策を講じているのか確認してください。もし、安全対策が不十分である場合には、管理者に対して改善を申し入れるなど、安全確保のために必要な措置を講じてください。
キ 過去にコンパウンドの襲撃や外国人が自宅と買い物先等との往復時に襲撃される事件が発生したほか、警備が厳重な米国公館も襲撃されている点も考慮し、自宅や事務所の警備には十分な対策をとってください。
ク 治安当局の取締強化に伴い、テログループと治安部隊の間で銃撃戦が発生する場合もあります。摘発の際の銃撃戦に巻き込まれないよう、治安部隊・警察関係者が集結しているような地域には近づかないでください。
4 なお、隣国(バーレーン、イラク、ヨルダン、イエメンなど)の「危険情報」もご参照ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
(内線)5139
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
(内線)3047
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
(現地公館連絡先)
○在サウジアラビア日本国大使館
住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, 11491, Saudi Arabia
電話: (市外局番011) 488-1100
国外からは(国番号966)11-488-1100
FAX : (市外局番011) 488-0189
国外からは(国番号966)11-488-0189
ホームページ:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在ジッダ日本国総領事館
住所:No.32 Al-Islam St. Al-Hamra Dist. Jeddah, 21431, Saudi Arabia
電話: (市外局番012) 667-0676
国外からは(国番号966)12-667-0676
FAX : (市外局番012) 667-0373
国外からは(国番号966)12-667-0373
ホームページ: https://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html