1. ホーム
  2. 地図からの選択
  3. 安全対策基礎データ
  4. サウジアラビア

サウジアラビア
安全対策基礎データ

更新日 2024年05月23日

1 一般治安情勢
 サウジアラビアでは、窃盗などの犯罪行為は宗教教義に反する行為としてイスラム法(シャリーア)によって、厳しい刑罰が科されます。
 サウジアラビア内務省が発表した主な犯罪は、窃盗、強盗、侵入、殺人、暴行であり、そのほか酒類密造、薬物犯罪、道徳的犯罪なども発生しています。

2 日本人の被害例
 日本人の主な被害例は、空港での置引き、市街地での自動車盗・車上狙い、ひったくり、タクシー利用時の詐欺被害等です。
 近年、銀行職員や政府関係者を名乗る者が、携帯電話等で言葉巧みに口座番号や暗証番号等の個人情報を聞き出し、預金を窃取する「なりすまし詐欺」の被害が増加しています。

3 犯罪被害危険地域
 政府による治安対策の強化や警察権限の強さを背景として、全国的に治安は安定していますが、首都リヤドのディラ地区やバトハ地区、ジッダの旧市街地のように週末を中心に人が集まるエリア、また、リヤド東部のナシーム地区や同南部のスウェイディ地区、ジッダ南部などの比較的貧困層が居住するエリアにおいて犯罪が多発する傾向にあります。

4 防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。以下の諸点に留意しつつ、必要な防犯対策を講じてください。
(1)窃盗
 日本人の被害のほとんどが車上狙いによる盗難です。防犯カメラ等で安全が管理されている駐車場を利用することを心掛け、車から離れる際は貴重品を車内に残さないことが重要です。また、置引き、ひったくり被害に遭わないためには、貴重品は身体から離さず、目立つ格好をしないことが重要です。

(2)銃器犯罪
 サウジアラビアでは、銃器の所有に許可制度を導入していますが、違法銃器が広く出回っているのが実情です。銃器が犯罪に使用されることもありますので、万一強盗等に遭った場合には、「相手が銃を持っているかもしれない」ということを念頭におき、身の安全のために決して抵抗しないようにしてください。
 また、サウジアラビア人家庭内の争いで銃器が使用された事例も見られますので、巻き込まれないよう注意が必要です。

(3)性犯罪
 ショッピングモール等において外国人女性が身体を触られる等の事案が発生しています。女性が外出する際には、肌の露出をさけるなど十分に注意してください。
 また、リヤドや東部州などの主要都市において、女性や子供に対する不同意性交等の性犯罪を目的とした誘拐事件や行方不明事件が発生しています。子供から目を離さないなど十分な注意が必要です。

(4)夜型社会における防犯
 サウジアラビアは日中の厳しい暑さのため、一般的に夜型社会と言われており、特に都市部の主要幹線道路沿いの大型ショッピングモール等では、一日の最後の礼拝時間以降は大勢の客で賑わいます。特に週末は大変な混雑となり、ショッピングモールの駐車場内において、若者による暴走や喧嘩・口論等、混乱した状況の中で犯罪に巻き込まれるおそれもあります。夜間外出する際には、身の周りの状況に十分注意してください。

5 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_050.html) をご確認ください。

6 安全の手引き
 在サウジアラビア日本国大使館及び在ジェッダ日本国総領事館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。
○在サウジアラビア日本国大使館:
https://www.ksa.emb-japan.go.jp/files/100569994.pdf
○在ジッダ日本国総領事館:
https://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/files/100326232.pdf

※サウジアラビア政府の各種査証・入国手続や規則の最新情報は、駐日サウジアラビア大使館等(電話:+81-3-3589-5241)にお問い合わせください。

1 査証
 査証(ビザ)の申請要件等、詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。
 ○Visit Saudi(観光目的E-ビザの申請はこちら):
 https://www.visitsaudi.com/en/about-evisa.html
 ○駐日サウジアラビア大使館:
 http://embassies.mofa.gov.sa/sites/japan/EN/Pages/default.aspx
 ○KSA VISA(サウジアラビアのビザに関する総合ガイド):
 https://ksavisa.sa/

2 出入国審査
 顔写真の撮影と指紋登録があります。審査後はパスポートに入国印が押されていることを確認してください。

3 外貨申告
 サウジアラビア出入国時(全ての港、空港)に、6万サウジリヤル(約1万6千米ドル)相当額以上の現金・貴金属を所持する場合は申告が義務付けられています。
出入国時には申告カードに必要事項を記入して係官に提出してください。出入国時に申告がない場合は、係官による検査が行われたり、現金・貴金属を当局が一時保管したりする場合があります。

4 通関
 通関の際、荷物は全てX線検査を受ける必要があります。不審物が確認された場合は、荷物の開披検査を受けることになります。イスラム教の戒律に従い、アルコール類(第三国の免税店で購入したアルコール類も含め持ち込めません)、豚肉類(豚の成分が含まれる食品類、革製品も対象)、信仰の対象となる偶像、ポルノ雑誌類(一般雑誌の水着写真も不可)の持込みは禁止されています。
 アルコール類でなくても瓶の形状をしたものが入っていれば、荷物を開けて検査を受けることがあります。音楽CDでもポルノDVDでないことを確認するために、1枚1枚チェックされることがあります。パソコン類を持ち込む際も同様に検査されることがあります。
 禁制品が見つかった場合は、没収等に留まらず、身柄の拘束等厳しい処罰を受ける可能性もありますので、十分注意してください。

5 検疫
 日本から直接サウジアラビアに入国するに際して義務付けられている予防接種はありません。ただし、ハッジ(巡礼月)およびラマダン(断食月)の時期に、メッカ、メディナへの巡礼を目的で入国する場合には、毎年必要な予防接種が発表されますので、駐日サウジアラビア大使館、サウジアラビア保健省、サウジアラビア巡礼省にご確認ください。

6 医薬品の持込み、持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省およびサウジアラビアFDAのホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html
https://www.sfda.gov.sa/sites/default/files/2021-01/Drug-6567.pdf (アラビア語)

1 長期滞在許可証(イカーマ)
 長期滞在の場合は、入国後、遅滞なくサウジアラビア内務省の旅券事務所からカードタイプの滞在許可証(イカーマ)を取得しなければなりません。イカーマはサウジアラビア国内では常時携帯が義務付けられています。

2 両替
 ホテルや空港、市中銀行での日本円の両替は行っていませんので、入国前に米ドル等に両替しておく必要があります。

3 写真撮影の制限
 王宮等関連施設、政府・軍関連施設の撮影は禁止されていますが、禁止区域であることが必ずしも明示されているわけではありません。無断撮影により、身柄を拘束される場合もあるため、必ず事前に周囲の人に撮影の可否を確認してください。また、現地の女性を被写体とした写真の撮影は控えてください。本人の承諾があっても家族からの訴えで身柄を拘束される場合があります。撮影した写真や動画をSNS等に投稿する場合も注意が必要です。
 都市郊外(砂漠等)の周囲に軍事・治安施設や石油、空港関連施設等がない場所で撮影することは問題ありません。

4 交通事情
(1)交通マナー
 サウジアラビアの交通マナーは悪く、車社会で歩行者が少ないため、車優先(交差点では常時右折可能な場所が多い)になりがちです。急な車線変更、あおり運転、速度超過、スマホ運転等を原因とした交通事故が多発しています。車やバスで移動の際は、必ずシートベルトを着用してください。

(2)公共交通機関
 公共交通機関は発達していません(リヤド市内は地下鉄を建設中)。タクシーや配車アプリもありますが、旅行代理店や現地ホテル等を通じて事前に移動手段を確保しておくことをおすすめします。

(3)地方への自動車旅行
 地方都市や砂漠に出かける際は、事故や故障時のリスクを軽減するために、2台以上の車両で行動してください。市街地から離れると、携帯電話の電波が届かない地域もあります。バスは日本のように乗降の際のアナウンスがなく、出発時間も明確でないこと、運転手のほとんどが英語を解さないことなどから、注意が必要です。

(4)運転免許証
 サウジアラビアの運転免許証は、原則、滞在許可証(イカーマ)所持者のみ申請可能です。2018年6月より女性の運転および運転免許証の取得が可能になりました。なお、サウジアラビアは日本が加盟する道路交通に関するジュネーブ条約に加盟していませんが、国際運転免許証所持者は入国から1年または国際運転免許証の期限までのどちらか短い方の期限内は運転可能としています(2007年11月発行サウジアラビア内務省令M/85、42条)。事前にレンタカー会社に確認することをおすすめします。

5 各種取締法規に関する留意事項
(1)違法薬物
 覚醒剤、麻薬類等違法薬物の使用・所持等が明らかになった場合には、厳罰が科されますので、絶対に手を出さないでください。他人から荷物を預かったり、自分の荷物を他人に預けたり、荷物から目を離したりしないように注意してください。知らないうちに違法薬物を自分の荷物に入れられ、運び屋にされる可能性があります(麻薬密輸罪の最高刑は死刑)。
なお、入国時に、麻薬類と間違えられるおそれのあるもの(薬や粉末状のもの等)を持ち込む場合には、処方箋等の説明書を携行するなどしてください。

(2)不法就労
 サウジアラビアでの就労には労働査証の取得が必要です。不法就労が発覚した場合は強制送還の対象となります。

(3)集会
 サウジアラビアでは集会が規制されているため、ホテル等の公共の場所での集会には注意する必要があります。大きな集会を実施する場合には、事前に治安当局からの許可取り付けの要否について確認してください。

(4)その他
 公共の場所でのわいせつ行為、買売春およびポルノ類の所持、飲酒は厳禁です。日本や諸外国では問題のないことでも、サウジアラビアでは禁止行為とされていることがあり、外国人も例外なく厳罰に処せられることもあります。
また、政府、王族等を批判するような言動はトラブルに発展する可能性があるので、注意が必要です。

6 在留届
 サウジアラビアに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在サウジアラビア日本国大使館または、在ジェッダ日本国総領事館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
 この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。

7 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html)
 「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、サウジアラビアで事件や事故、自然災害等が発生し、在サウジアラビア日本国大使館や在ジッダ日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

1 風俗、習慣、国民性に関する留意事項
 2019年の観光ビザ発給開始と同時に、外国人女性のアバヤ(黒い民族衣装)の着用は原則不要になりましたが、サウジアラビア内務省は公共の場所において、肩、膝を露出しない適切な服装をすることを規定しています。また、男性についても、適切な服装を心がけてください。
 一部レストラン等では出入口を含め男性専用席、女性を含む家族席と分かれていることがあります。店員の指示に従ってください。
 イスラム教では1日5回のお祈りの時間があり、この時間帯は官公庁、商店等は一時閉鎖されることがあります。なお、お祈りの時間に音楽を流すことは禁止されています。

2 衛生、医療事情
(1)飲料水
 水道水は多くの地域で海水を淡水化したものや地下水を用いています。慣れない人は下痢をおこすことがありますので、飲用には浄水器で処理するか、市販の飲料水を利用することをおすすめします。また、安い飲食店では、溜めた水で食器を洗っていることがあるので注意が必要です。

(2)世界の医療事情
 医療事情については、世界の医療事情(サウジアラビア)をご参照ください。https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/nm_east/saudi.html

(3)海外旅行保険への加入 
 医療費は非常に高額となる可能性がありますので、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することを強くおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。 

◎内務省統合治安オペーレーションセンター TEL911
(2020年に運用が開始された以下の組織を統合した機関、英語による対応可能)
 ○警察TEL999
 ○消防(火災)TEL998
 ○救急TEL997
 ○高速道路警察TEL996
 ○交通事故TEL993
◎在サウジアラビア日本国大使館:TEL(市外局番011)488-1100
  国外からは(国番号966)-11-488-1100
◎在ジッダ日本国総領事館:TEL(市外局番012)667-0676
  国外からは(国番号966)-12-667-0676

(外務省関係課室連絡先)
○領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3680
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○海外安全ホームページ:
 http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地公館連絡先)
○在サウジアラビア日本国大使館
 住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, 11491,Saudi Arabia
 電話: (市外局番011) 488-1100
     国外からは(国番号966)-11-488-1100
 ホームページ:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在ジッダ日本国総領事館
 住所:No.32 Al-Islam St. Al-Hamra Dist. Jeddah, 21431, Saudi Arabia
 電話: (市外局番012) 667-0676
     国外からは(国番号966)-12-667-0676
 ホームページ:https://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

page TOP