危険情報
パラグアイの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)
更新日 2024年12月25日
危険レベル・ポイント
【危険レベル】
● コンセプシオン県ウブ・ジャウ市と隣接するアマンバイ県内の県境付近、コンセプシオン県(サン・ラサロ市、サン・カルロス・デル・アパ市を除く)、サン・ペドロ県サン・ペドロ・デ・ウクアマンディジュ市及びショレ市より北、アマンバイ県カピタン・バド市及びアルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
● 首都アスンシオン市及びその周辺、アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市及びペドロ・ファン・カバジェロ市、カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市、アルト・パラナ県シウダ・デル・エステ市並びにイタプア県エンカルナシオン市
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●コンセプシオン県、サン・ペドロ県及びアマンバイ県の一部の地域では、パラグアイ人民解放軍(EPP)や武装農民グループ(ACA)などの反政府武装グループが、誘拐・殺人等の凶悪犯罪を起こしており、治安機関による掃討作戦が進められているものの、2024年1月にはEPPの犯行と思われる襲撃事件が発生しています。同地域への不要不急の渡航は止めてください。
●首都アスンシオン市及びその周辺を始め、ブラジルと国境を接する一部地域やアルゼンチンと国境を接する一部地域では、強盗や麻薬等に関連した犯罪に一般市民が巻き込まれる危険性があります。特に注意が必要とされるアマンバイ県カピタン・バド市、アルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市に対し危険レベル2を、アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市、同県ペドロ・ファン・カバジェロ市、カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市、シウダ・デル・エステ市、イタプア県エンカルナシオン市に対しレベル1を継続して発出します。
● コンセプシオン県ウブ・ジャウ市と隣接するアマンバイ県内の県境付近、コンセプシオン県(サン・ラサロ市、サン・カルロス・デル・アパ市を除く)、サン・ペドロ県サン・ペドロ・デ・ウクアマンディジュ市及びショレ市より北、アマンバイ県カピタン・バド市及びアルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
● 首都アスンシオン市及びその周辺、アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市及びペドロ・ファン・カバジェロ市、カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市、アルト・パラナ県シウダ・デル・エステ市並びにイタプア県エンカルナシオン市
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●コンセプシオン県、サン・ペドロ県及びアマンバイ県の一部の地域では、パラグアイ人民解放軍(EPP)や武装農民グループ(ACA)などの反政府武装グループが、誘拐・殺人等の凶悪犯罪を起こしており、治安機関による掃討作戦が進められているものの、2024年1月にはEPPの犯行と思われる襲撃事件が発生しています。同地域への不要不急の渡航は止めてください。
●首都アスンシオン市及びその周辺を始め、ブラジルと国境を接する一部地域やアルゼンチンと国境を接する一部地域では、強盗や麻薬等に関連した犯罪に一般市民が巻き込まれる危険性があります。特に注意が必要とされるアマンバイ県カピタン・バド市、アルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市に対し危険レベル2を、アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市、同県ペドロ・ファン・カバジェロ市、カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市、シウダ・デル・エステ市、イタプア県エンカルナシオン市に対しレベル1を継続して発出します。
詳細
1 概況
(1)パラグアイでは、民主政治が安定し、内乱、クーデター、暴動等が発生する可能性は低いと言われています。一方で、人口密集都市(首都アスンシオン市及び周辺都市、シウダ・デル・エステ市、エンカルナシオン市等)で、強盗及び窃盗被害が頻発しています。また、ブラジル、アルゼンチンと国境を接する一部地域においては、麻薬組織の抗争などによる、銃器を用いた殺人事件等が発生しており、ブラジルの麻薬組織PCCがパラグアイ国内にも広く潜伏していると報じられているほか、アスンシオン市周辺でも、組織間の抗争による殺人事件が発生しています。
(2)コンセプシオン県、サン・ペドロ県及びアマンバイ県の一部では、EPP等がゲリラ活動を行っており、国籍にかかわらず身代金を目的とした誘拐や殺人等を行っています。治安機関の掃討作戦により主要メンバーの多くが逮捕・殺害されていますが、2024年1月にサン・ペドロ県で同勢力によるとみられる農場への襲撃事件が発生しています。
2 地域別情勢
(1)コンセプシオン県ウブ・ジャウ市と隣接するアマンバイ県内の県境付近、コンセプシオン県(サン・ラサロ市、サン・カルロス・デル・アパ市を除く)、サン・ペドロ県サン・ペドロ・デ・ウクアマンディジュ市及びショレ市より北、アマンバイ県カピタン・バド市並びにアルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア コンセプシオン県ウブ・ジャウ市と隣接するアマンバイ県内の県境付近
EPP等は、コンセプシオン県ウブ・ジャウ市周辺での活動が報じられており、また、同市に隣接するアマンバイ県北西部の県境付近にもEPP等の活動が及んでいます。パラグアイ政府は、これらに対処するため、同エリアに軍と警察による共同捜査部隊(FTC)を駐屯させていますが、情勢は不安定です。また、銃撃戦となった場合、流れ弾の被害に遭うなど、巻き込まれることも考えられます。さらに、近年、元副大統領他がEPPに誘拐される事件が発生しているほか、2022年10月には、警察によりEPP幹部が射殺されたことを受けて、報復とみられる警察官殺害事件が発生しています。
イ コンセプシオン県(サン・ラサロ市、サン・カルロス・デル・アパ市を除く)並びにサン・ペドロ県サン・ペドロ・デ・ウクアマンディジュ市及びショレ市より北
コンセプシオン県、サン・ペドロ県及びアマンバイ県の県境にまたがる複数の地域で活動しているEPP等の反政府武装グループは、国籍にかかわらず身代金を目的とした誘拐・殺人等の凶悪犯罪を起こしています。軍、警察から構成される共同捜査部隊(FTC)による掃討作戦が進められていますが、2024年、サン・ペドロ県内のメノニータ移住地付近の農場においてEPPの残存勢力による犯行とみられる襲撃事件が発生しています。
ウ アマンバイ県カピタン・バド市
一般犯罪は減少傾向にあるものの、ブラジルとの国境に位置し、麻薬運搬ルートとなっていることから麻薬組織間の抗争による殺人事件が頻発しており、パラグアイで最も危険な都市の一つとされています。
エ アルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市
観光客や買い物客を狙った強盗、窃盗事件に加え、麻薬取引、密輸等に絡んだ犯罪が頻発しています。同県シウダ・デル・エステ市やイグアス市で発生した強盗事件への関与が疑われる犯人や犯罪組織の多くが、同県プレシデンテ・フランコ市を含む周辺地域に潜伏しているとみられています。
ついては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。上記の情勢にもかかわらず、やむを得ない理由で渡航・滞在する場合には、報道等により最新の情報を入手するよう努めるとともに、必要に応じて警備員をつけるなどの十分な安全対策を講じてください。
(2)首都アスンシオン市及びその周辺、アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市及びペドロ・ファン・カバジェロ市、カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市、アルト・パラナ県シウダ・デル・エステ市並びにイタプア県エンカルナシオン市
レベル1:十分注意してください(継続)
ア 首都アスンシオン市及びその周辺
(ア)首都アスンシオン市及びその周辺で発生している犯罪は、全国で発生している犯罪の約60%を占めると言われています。銀行、ガソリンスタンド、ATM、ファストフード店等を始め、高級住宅街であっても、拳銃強盗、住宅侵入強盗・窃盗が発生しています。オートバイを利用した拳銃強盗には特に注意してください。また、2024年にアスンシオン市中心部の商業地域でも、日中に両替店、カジノ店等への強盗事件が発生しています。
(イ)特に、アスンシオン市のパラグアイ川沿いにあるリカルド・ブルガーダ地区(通称「チャカリータ」)及びタクンブ地区、サンタ・アナ地区、サン・カジェタノ地区及びカテウラ湖(通称「バニャード・スル」)周辺は、強盗や窃盗事件、違法薬物や武器の密売が行われるスラム街ですので、立ち入らないでください。特にリカルド・ブルガーダ地区は、2024年に銃器を使用したギャング同士の抗争が頻発するなど、地元でも特に危険な地域として知られています。
イ アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市
アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市は、ブラジルの観光地「ボニート」に続く経路の一つとなっていますが、国境が塀等で隔てられていないことから、出入国管理は極めて脆弱です。そのため、麻薬組織が横行し、国境付近では組織間の抗争が頻発しており、その影響で市中心部においても銃器を使用した殺人事件が発生しています。ボニートへのアクセスには、同市を経由しない他のルートをご検討ください。
ウ アマンバイ県ペドロ・ファン・カバジェロ市
(ア)ブラジル側のポンタ・ポラ市と接しており、国境が塀等で隔てられておらず、麻薬組織に関連した犯罪や組織間の抗争が頻発しています。同市では、過去に日本人の誘拐や殺人事件も発生していることから、十分な注意が必要です。
(イ)同市を中心に、パラグアイ北部には複数の大学があり、ブラジルからも多くの学生が通学していますが、麻薬組織が一部の学生を相手に取引しているとの情報もあり、麻薬購入資金を目的にした強盗事件等も発生しています。
エ カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市
ブラジルと陸続きで国境を接し、麻薬の運搬ルートの一つになっています。同市でも麻薬組織間の抗争が頻発しています。同県はフェリペ・アコスタ(通称:マッチョ)率いる麻薬組織の活動地域とされ、共同捜査部隊(FTC)の捜査に対し、銃器で激しく抵抗するなどの事件も発生しています。
オ アルト・パラナ県シウダ・デル・エステ市
(ア)観光地として有名な「イグアスの滝」に近い都市で、ブラジルとの交通の要衝となっており、アスンシオン市同様、ショッピングモールやオフィスビルの建設が続いています。安価な製品を求めて日々多数の買物客が国境を往来するため、これら買物客を狙った強盗事件が頻発しています。
(イ)シウダ・デル・エステ市とブラジルの国境付近では、不法出入国、麻薬取引、武器密輸等の各種問題が発生し、中国系マフィアによる商売上のトラブルが原因と見られる殺人事件や、密輸等の不法な商業活動による資金調達等、犯罪組織による事件が度々発生しています。特にレマンシート地区、サン・フアン地区、ドン・ボスコ地区などのパラナ川沿いの地区への立入りは控えてください。市内の商店は朝早くから営業し、夕方には閉店することから、日没後は市内全体で人通りが少なくなり、歩行者を狙った強盗のリスクが高まります。
(ウ)また、同市及び周辺にはイスラム教徒のコミュニティが点在しています。一部は過激派組織とのつながりが指摘されることもありますが、具体的な活動は確認されていません。しかし、南米では過去に米国やイスラエル権益等を標的としたテロ事件が発生していることから、最新の関連情報の入手に努め、情勢を注視する必要があります。
カ イタプア県エンカルナシオン市
パラグアイの中では比較的犯罪発生率の低い都市です。ただし、遊歩道や砂浜がある川岸の道(コスタネラ)を訪れる観光客を狙った強盗等の犯罪及び市内での車上狙いが発生しています。同市は観光産業に力を入れており、カーニバル開催時期に限らず観光客が往来しているところ、それらを狙った犯罪が増加傾向にあるので、比較的安全である地域とはいえ十分に注意する必要があります。
ついては、これらの地域に渡航する場合は、報道等により最新の情報を入手するよう努めるなど、十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
滞在中は下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在パラグアイ日本国大使館、在エンカルナシオン領事事務所及び現地関係治安機関等から最新の情報を入手するよう努めてください。
(1)都市部において、オートバイを利用した拳銃使用の強盗事件が頻発しており、置き引き、車上狙い等の窃盗事件が多く発生しています。カメラや目立つ貴金属等を露出しない、必要以上に貴重品を持ち歩かない、路上での不急のスマートフォンの使用は控える、カバンは口が閉じるものを使用して身体から離さないなど、強盗・盗難の被害に遭わないように心掛けてください。また、なるべく路上駐車は避け、警備員等がいる駐車場の利用をお勧めします。
夜間はもちろん、昼間でも暗い道への立入りは避けてください。市内の移動等でタクシーを利用する場合には、なるべく流しのタクシーは使わず、信頼の置けるホテルやレストラン等でタクシーを呼んでもらうことをお勧めします。
市内バスは、運転が荒く、車両の整備状態が悪いことや、車内でのスリや強盗等も発生しているため、パラグアイの交通事情に不慣れな場合は、上記のタクシーを利用することをお勧めします。万が一強盗被害に遭った場合は、身の安全を優先し、絶対に抵抗しないでください。
(2)住居や車両内等に護身用の銃を所持している場合がありますので、不用意に刺激しないよう注意する必要があります。
(3)車で移動中に強盗等に遭うことがあるため、常に窓を閉めドアを施錠してください。特に、信号待ちで停車中に、開いた窓からスマートフォンをひったくられる被害が多発していることから、十分に注意してください。
(4)これまでに、パラグアイにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、テロによる日本人の被害も確認されています。
近年は、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
誘拐の被害を未然に防ぐため、「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」の安全のための三原則を念頭に、日常における予防を忘れないでください。また、「空港の到着ロビーなどで、日本語を巧みに使い近づいてくる人物には十分に注意する」「あやしいタクシー(白タク等)には乗らない」等を守るようにしてください(詳細は「海外渡航の安全対策」リーフレット: https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html を参照してください)。通勤時間や経路を常に変更したり、外出や帰宅時に、周囲に不審者や不審車両が見当たらないかチェックする等の注意も必要です。万一拘束された場合には、犯人の指示に従い、むやみに抵抗しないことが肝要です。
また、「短時間誘拐」の被害を防ぐために、上記注意事項に加え、夜間の外出は避ける、人通りの少ない場所や危険と言われる区域には立ち入らない、クレジットカードやキャッシュカードの携行は必要最小限に留め、現金は分けて持つなどの工夫をするとともに、常に不審者がいないか周囲を含めて周辺を確認すること等に注意してください。
誘拐対策の詳細は「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」( https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html )を参照してください。
テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロ・誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等から最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
詳細は、パラグアイの「テロ・誘拐情勢」をも、併せてご確認ください。
( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_258.html )
(5)緊急事態の際は、パラグアイ国家警察の911番サービス(日本の100番に相当・基本的にスペイン語)を利用してください。事態に応じて、警察官、救急隊、消防士等が現場に駆けつけてくれます。事件・事故等不測の事態が発生した場合は、必ず、在パラグアイ日本国大使館又は在エンカルナシオン領事事務所に連絡してください。
(6)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
パラグアイに3か月以上滞在される方は、在パラグアイ日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。在留届電子届出システム(オンライン在留届)による登録をお勧めします。
また、3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在パラグアイ日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、「たびレジ」に登録してください。
( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )
4 なお、隣国のブラジル、アルゼンチン、ボリビアについても各々「危険情報」が発出されていますので、併せてご参照ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館等連絡先)
○在パラグアイ日本国大使館
住所:Avenida Mariscal López No. 2364, Asunción, Paraguay
電話:(市外局番021) 604-616、604-617、603-682、606-900
FAX:(市外局番021) 606-901
※国外からは、+595-21に続けて6桁の番号をダイヤル。
ホームページ: https://www.py.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在エンカルナシオン領事事務所
住所: Calle Tomás Romero Pereira No. 631 e/Lomas Valentinas, Encarnación, Paraguay
電話:(市外局番071)202-287、202-288
FAX: (市外局番071)205-130
※国外からは、+595-71に続けて6桁の番号をダイヤル。
ホームページ: https://www.py.emb-japan.go.jp/itpr_ja/index-jp-encarnacion.html
(1)パラグアイでは、民主政治が安定し、内乱、クーデター、暴動等が発生する可能性は低いと言われています。一方で、人口密集都市(首都アスンシオン市及び周辺都市、シウダ・デル・エステ市、エンカルナシオン市等)で、強盗及び窃盗被害が頻発しています。また、ブラジル、アルゼンチンと国境を接する一部地域においては、麻薬組織の抗争などによる、銃器を用いた殺人事件等が発生しており、ブラジルの麻薬組織PCCがパラグアイ国内にも広く潜伏していると報じられているほか、アスンシオン市周辺でも、組織間の抗争による殺人事件が発生しています。
(2)コンセプシオン県、サン・ペドロ県及びアマンバイ県の一部では、EPP等がゲリラ活動を行っており、国籍にかかわらず身代金を目的とした誘拐や殺人等を行っています。治安機関の掃討作戦により主要メンバーの多くが逮捕・殺害されていますが、2024年1月にサン・ペドロ県で同勢力によるとみられる農場への襲撃事件が発生しています。
2 地域別情勢
(1)コンセプシオン県ウブ・ジャウ市と隣接するアマンバイ県内の県境付近、コンセプシオン県(サン・ラサロ市、サン・カルロス・デル・アパ市を除く)、サン・ペドロ県サン・ペドロ・デ・ウクアマンディジュ市及びショレ市より北、アマンバイ県カピタン・バド市並びにアルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア コンセプシオン県ウブ・ジャウ市と隣接するアマンバイ県内の県境付近
EPP等は、コンセプシオン県ウブ・ジャウ市周辺での活動が報じられており、また、同市に隣接するアマンバイ県北西部の県境付近にもEPP等の活動が及んでいます。パラグアイ政府は、これらに対処するため、同エリアに軍と警察による共同捜査部隊(FTC)を駐屯させていますが、情勢は不安定です。また、銃撃戦となった場合、流れ弾の被害に遭うなど、巻き込まれることも考えられます。さらに、近年、元副大統領他がEPPに誘拐される事件が発生しているほか、2022年10月には、警察によりEPP幹部が射殺されたことを受けて、報復とみられる警察官殺害事件が発生しています。
イ コンセプシオン県(サン・ラサロ市、サン・カルロス・デル・アパ市を除く)並びにサン・ペドロ県サン・ペドロ・デ・ウクアマンディジュ市及びショレ市より北
コンセプシオン県、サン・ペドロ県及びアマンバイ県の県境にまたがる複数の地域で活動しているEPP等の反政府武装グループは、国籍にかかわらず身代金を目的とした誘拐・殺人等の凶悪犯罪を起こしています。軍、警察から構成される共同捜査部隊(FTC)による掃討作戦が進められていますが、2024年、サン・ペドロ県内のメノニータ移住地付近の農場においてEPPの残存勢力による犯行とみられる襲撃事件が発生しています。
ウ アマンバイ県カピタン・バド市
一般犯罪は減少傾向にあるものの、ブラジルとの国境に位置し、麻薬運搬ルートとなっていることから麻薬組織間の抗争による殺人事件が頻発しており、パラグアイで最も危険な都市の一つとされています。
エ アルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市
観光客や買い物客を狙った強盗、窃盗事件に加え、麻薬取引、密輸等に絡んだ犯罪が頻発しています。同県シウダ・デル・エステ市やイグアス市で発生した強盗事件への関与が疑われる犯人や犯罪組織の多くが、同県プレシデンテ・フランコ市を含む周辺地域に潜伏しているとみられています。
ついては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。上記の情勢にもかかわらず、やむを得ない理由で渡航・滞在する場合には、報道等により最新の情報を入手するよう努めるとともに、必要に応じて警備員をつけるなどの十分な安全対策を講じてください。
(2)首都アスンシオン市及びその周辺、アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市及びペドロ・ファン・カバジェロ市、カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市、アルト・パラナ県シウダ・デル・エステ市並びにイタプア県エンカルナシオン市
レベル1:十分注意してください(継続)
ア 首都アスンシオン市及びその周辺
(ア)首都アスンシオン市及びその周辺で発生している犯罪は、全国で発生している犯罪の約60%を占めると言われています。銀行、ガソリンスタンド、ATM、ファストフード店等を始め、高級住宅街であっても、拳銃強盗、住宅侵入強盗・窃盗が発生しています。オートバイを利用した拳銃強盗には特に注意してください。また、2024年にアスンシオン市中心部の商業地域でも、日中に両替店、カジノ店等への強盗事件が発生しています。
(イ)特に、アスンシオン市のパラグアイ川沿いにあるリカルド・ブルガーダ地区(通称「チャカリータ」)及びタクンブ地区、サンタ・アナ地区、サン・カジェタノ地区及びカテウラ湖(通称「バニャード・スル」)周辺は、強盗や窃盗事件、違法薬物や武器の密売が行われるスラム街ですので、立ち入らないでください。特にリカルド・ブルガーダ地区は、2024年に銃器を使用したギャング同士の抗争が頻発するなど、地元でも特に危険な地域として知られています。
イ アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市
アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市は、ブラジルの観光地「ボニート」に続く経路の一つとなっていますが、国境が塀等で隔てられていないことから、出入国管理は極めて脆弱です。そのため、麻薬組織が横行し、国境付近では組織間の抗争が頻発しており、その影響で市中心部においても銃器を使用した殺人事件が発生しています。ボニートへのアクセスには、同市を経由しない他のルートをご検討ください。
ウ アマンバイ県ペドロ・ファン・カバジェロ市
(ア)ブラジル側のポンタ・ポラ市と接しており、国境が塀等で隔てられておらず、麻薬組織に関連した犯罪や組織間の抗争が頻発しています。同市では、過去に日本人の誘拐や殺人事件も発生していることから、十分な注意が必要です。
(イ)同市を中心に、パラグアイ北部には複数の大学があり、ブラジルからも多くの学生が通学していますが、麻薬組織が一部の学生を相手に取引しているとの情報もあり、麻薬購入資金を目的にした強盗事件等も発生しています。
エ カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市
ブラジルと陸続きで国境を接し、麻薬の運搬ルートの一つになっています。同市でも麻薬組織間の抗争が頻発しています。同県はフェリペ・アコスタ(通称:マッチョ)率いる麻薬組織の活動地域とされ、共同捜査部隊(FTC)の捜査に対し、銃器で激しく抵抗するなどの事件も発生しています。
オ アルト・パラナ県シウダ・デル・エステ市
(ア)観光地として有名な「イグアスの滝」に近い都市で、ブラジルとの交通の要衝となっており、アスンシオン市同様、ショッピングモールやオフィスビルの建設が続いています。安価な製品を求めて日々多数の買物客が国境を往来するため、これら買物客を狙った強盗事件が頻発しています。
(イ)シウダ・デル・エステ市とブラジルの国境付近では、不法出入国、麻薬取引、武器密輸等の各種問題が発生し、中国系マフィアによる商売上のトラブルが原因と見られる殺人事件や、密輸等の不法な商業活動による資金調達等、犯罪組織による事件が度々発生しています。特にレマンシート地区、サン・フアン地区、ドン・ボスコ地区などのパラナ川沿いの地区への立入りは控えてください。市内の商店は朝早くから営業し、夕方には閉店することから、日没後は市内全体で人通りが少なくなり、歩行者を狙った強盗のリスクが高まります。
(ウ)また、同市及び周辺にはイスラム教徒のコミュニティが点在しています。一部は過激派組織とのつながりが指摘されることもありますが、具体的な活動は確認されていません。しかし、南米では過去に米国やイスラエル権益等を標的としたテロ事件が発生していることから、最新の関連情報の入手に努め、情勢を注視する必要があります。
カ イタプア県エンカルナシオン市
パラグアイの中では比較的犯罪発生率の低い都市です。ただし、遊歩道や砂浜がある川岸の道(コスタネラ)を訪れる観光客を狙った強盗等の犯罪及び市内での車上狙いが発生しています。同市は観光産業に力を入れており、カーニバル開催時期に限らず観光客が往来しているところ、それらを狙った犯罪が増加傾向にあるので、比較的安全である地域とはいえ十分に注意する必要があります。
ついては、これらの地域に渡航する場合は、報道等により最新の情報を入手するよう努めるなど、十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
滞在中は下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在パラグアイ日本国大使館、在エンカルナシオン領事事務所及び現地関係治安機関等から最新の情報を入手するよう努めてください。
(1)都市部において、オートバイを利用した拳銃使用の強盗事件が頻発しており、置き引き、車上狙い等の窃盗事件が多く発生しています。カメラや目立つ貴金属等を露出しない、必要以上に貴重品を持ち歩かない、路上での不急のスマートフォンの使用は控える、カバンは口が閉じるものを使用して身体から離さないなど、強盗・盗難の被害に遭わないように心掛けてください。また、なるべく路上駐車は避け、警備員等がいる駐車場の利用をお勧めします。
夜間はもちろん、昼間でも暗い道への立入りは避けてください。市内の移動等でタクシーを利用する場合には、なるべく流しのタクシーは使わず、信頼の置けるホテルやレストラン等でタクシーを呼んでもらうことをお勧めします。
市内バスは、運転が荒く、車両の整備状態が悪いことや、車内でのスリや強盗等も発生しているため、パラグアイの交通事情に不慣れな場合は、上記のタクシーを利用することをお勧めします。万が一強盗被害に遭った場合は、身の安全を優先し、絶対に抵抗しないでください。
(2)住居や車両内等に護身用の銃を所持している場合がありますので、不用意に刺激しないよう注意する必要があります。
(3)車で移動中に強盗等に遭うことがあるため、常に窓を閉めドアを施錠してください。特に、信号待ちで停車中に、開いた窓からスマートフォンをひったくられる被害が多発していることから、十分に注意してください。
(4)これまでに、パラグアイにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、テロによる日本人の被害も確認されています。
近年は、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
誘拐の被害を未然に防ぐため、「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」の安全のための三原則を念頭に、日常における予防を忘れないでください。また、「空港の到着ロビーなどで、日本語を巧みに使い近づいてくる人物には十分に注意する」「あやしいタクシー(白タク等)には乗らない」等を守るようにしてください(詳細は「海外渡航の安全対策」リーフレット: https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html を参照してください)。通勤時間や経路を常に変更したり、外出や帰宅時に、周囲に不審者や不審車両が見当たらないかチェックする等の注意も必要です。万一拘束された場合には、犯人の指示に従い、むやみに抵抗しないことが肝要です。
また、「短時間誘拐」の被害を防ぐために、上記注意事項に加え、夜間の外出は避ける、人通りの少ない場所や危険と言われる区域には立ち入らない、クレジットカードやキャッシュカードの携行は必要最小限に留め、現金は分けて持つなどの工夫をするとともに、常に不審者がいないか周囲を含めて周辺を確認すること等に注意してください。
誘拐対策の詳細は「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」( https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html )を参照してください。
テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロ・誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等から最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
詳細は、パラグアイの「テロ・誘拐情勢」をも、併せてご確認ください。
( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_258.html )
(5)緊急事態の際は、パラグアイ国家警察の911番サービス(日本の100番に相当・基本的にスペイン語)を利用してください。事態に応じて、警察官、救急隊、消防士等が現場に駆けつけてくれます。事件・事故等不測の事態が発生した場合は、必ず、在パラグアイ日本国大使館又は在エンカルナシオン領事事務所に連絡してください。
(6)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
パラグアイに3か月以上滞在される方は、在パラグアイ日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。在留届電子届出システム(オンライン在留届)による登録をお勧めします。
また、3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在パラグアイ日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、「たびレジ」に登録してください。
( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )
4 なお、隣国のブラジル、アルゼンチン、ボリビアについても各々「危険情報」が発出されていますので、併せてご参照ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館等連絡先)
○在パラグアイ日本国大使館
住所:Avenida Mariscal López No. 2364, Asunción, Paraguay
電話:(市外局番021) 604-616、604-617、603-682、606-900
FAX:(市外局番021) 606-901
※国外からは、+595-21に続けて6桁の番号をダイヤル。
ホームページ: https://www.py.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在エンカルナシオン領事事務所
住所: Calle Tomás Romero Pereira No. 631 e/Lomas Valentinas, Encarnación, Paraguay
電話:(市外局番071)202-287、202-288
FAX: (市外局番071)205-130
※国外からは、+595-71に続けて6桁の番号をダイヤル。
ホームページ: https://www.py.emb-japan.go.jp/itpr_ja/index-jp-encarnacion.html