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パラグアイ
テロ・誘拐情勢

更新日 2026年05月08日

1.概況
(1)パラグアイ治安当局は、現在に至るまで国内におけるテロ組織の存在を認めていません。しかし、2010年4月にパラグアイ北部で発生した警察官殺害事件等を契機に、「パラグアイ人民軍(EPP)」を名乗る組織の活動が活発化し、コンセプシオン県、サンペドロ県及びアマンバイ県西部がEPPの勢力圏とされています。また、EPPから派生した「武装農民協会(ACA)」や「マリスカル・ロペス軍(EML)」を名乗る組織も活動しています。2022年に主要幹部が殺害されて以降、EPPの勢力は低下傾向にあると推測されていますが、2024年にEPPの関連が疑われる農場襲撃事件が1件発生しています。
(2)2019年8月、パラグアイ政府は、ヒズボッラー、アル・カーイダ、ハマス、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)を国際的テロ組織として指定しました。2025年4月、パラグアイ政府はハマスとヒズボッラーの指定範囲を拡大し、政治・軍事・社会部門のすべてを対象とする法整備を行うとともに、イランのイスラム革命ガードを新たにテロ組織に認定しました。依然として続く中東情勢の緊迫化に関連して、特にブラジル・アルゼンチンと接する「三国国境地帯」において注意が必要とされています。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)EPPは、コンセプシオン県及びサンペドロ県の地域等で農民運動を行っていた指導者層から構成されており、左派的思想を背景に、政府、企業、大規模牧場経営者等を敵視しています。警察官を誘拐して受刑中の同組織幹部の釈放を要求する等の事案もありますが、主に、金銭目的と見られる誘拐を繰り返しています。
 2015年1月、コンセプシオン県ウブ・ジャウ市において、牧場経営者であったドイツ人夫婦を誘拐の上殺害する事件を、2020年9月、コンセプシオン県とアマンバイ県の県境付近で元副大統領を誘拐する事件を起こしています。2022年以降、警察による掃討作戦によりEPP幹部の多くが逮捕・殺害されましたが、2024年1月、サンペドロ県でEPPの関与が疑われる農場襲撃事件が発生していることから、同地域への渡航は引き続き最大限の注意が必要です。
(2)ブラジル、アルゼンチンと接する「三国国境地帯」は、パラグアイ側の国境管理が脆弱であり、三国間の連携が十分でないため、比較的容易に出入国できる状況であり、密輸や資金洗浄の温床となっていると言われています。当地治安当局によると、パラグアイ側のエステ市及びその周辺では、一部の商業ネットワークや不正送金ルートが、国際テロ組織の資金源として利用されているとの指摘がありますまた、ブラジルとの国境付近では、具体的なテロ実行計画の摘発は稀ですが、組織犯罪グループ、ブラジルの「首都第一コマンド(PCC)」及び「コマンド・ベルメーリョ(CV)」の活動が活発化しています。このように、この地域では、麻薬密売や偽造品販売などの組織犯罪と、国際的なテロ組織の資金集めが、同じ密輸ルートや資金洗浄を共有して行われているため単なる密輸事件の背後にテロ組織が関与しているケースもあり、一般の犯罪対策だけでは捉えきれない、複雑でリスクの高い治安状況となっています。

3.誘拐事件の発生状況
(1)治安当局は、近年発生している誘拐事件の多くはEPP等の思想背景を持つものではなく、純粋な犯罪組織による金銭目的の誘拐事件としていますが、前述のとおりEPPが関わる事件以外にも誘拐事件の発生が続いています。その多くは金銭的に裕福と見られる家庭や経営者等を標的としており、国籍にかかわらず、資産家や大規模農場経営者等の家族が被害に遭っています。
(2)「短時間誘拐事件」(被害者を一時的に拘束し、ATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた後に解放するもの)も発生しており、過去には日本人も標的となっています。現金や資産などの取引に関する情報が第三者に漏れ、誘拐事件のターゲットとなることもあるため、こうした情報の取り扱いには注意が必要です。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 テロの脅威は中東情勢と密接に連動しますが、中南米においても例外ではありません。パラグアイ政府はヒズボッラーをテロ組織に指定しているところ、過去に隣国アルゼンチンで発生した爆破テロ事件において、ヒズボッラーがブラジル・アルゼンチンと国境を接する「三国国境地帯」を拠点に活動していたことが判明しています。そのため、中東情勢の緊迫化に伴い、特に「三国国境地帯」では、ヒズボッラーに関連したテロへの警戒が必要とされています。
 近年では、単独犯によるテロやソフトターゲットと呼ばれるレストラン、商店や、礼拝所、観光地、公共交通期間、空港など人が集まる場所が標的とされるテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことが困難となっています。また、宗教的に重要な日や記念日、大規模イベントの開催日も標的とされやすいとされています。
 このように、テロ、誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ、誘拐の被害に遭わないよう、「たびレジ」、「海外安全ホームページ」や報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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