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テロ・誘拐情勢

2016年02月23日

1.概況
 パラグアイ治安当局は、現在まで国内におけるテロ組織の存在を認めていません。しかしながら、2010年4月にパラグアイ北部で発生した警察官殺害事件等を契機に、EPP(パラグアイ人民軍)の活動が活発化したこと等に伴い、EPPやACA(武装農民グループ)が一般的にテロ組織として認識されています。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)EPPは、元々コンセプシオン県及びサンペドロ県地域等で農民運動を行っていた指導者層から構成されており、左派的思想により、貧富の差の拡大を進める政府、大企業、大規模牧場経営者等を敵視しています。警察官を誘拐し受刑中の同組織幹部の釈放を要求する等の事案もありますが、主に、金銭目的と見られる誘拐を繰り返しています。2015年1月には、コンセプシオン県ウブジャウ市において、牧場経営者であったドイツ人夫婦等を誘拐の上殺害する事件等を引き起こしています。
(2)また、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンとが国境を接している三国国境地帯は、パラグアイ側の国境管理が脆弱であり、かつ三国間の連携が十分でないことなどから、テロ組織関係者が比較的容易に出入国できる状況であると言われています。同地域のエステ市等では、イスラム過激派を住民が支援しているとも言われており、十分な注意が必要です。

3.誘拐事件の発生状況
(1)治安当局が誘拐事件の公表を控えているため正確な数字は不明ですが、上記で述べたEPPが関わる事件以外にも誘拐事件は発生しています。その多くは金銭的に裕福と見られる人を標的としており、国籍にかかわらず、農場経営者または農業関係者の家族が被害に遭っています。
(2)また、日本人(ブラジルとの重国籍者)に対する、いわゆる「短時間誘拐事件」(被害者を一時的に拘束し、ATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた後に解放するもの)がアスンシオン市、アルトパラナ県エステ市等の経済発展都市圏を中心に発生していると見られていますので、十分に注意する必要があります。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 パラグアイにおける対日感情は極めて良好です。他方、アマンバイ県を中心とする東部の国境付近では麻薬犯罪組織の活動が活発で治安が悪化しており、特に、同県ペドロ・フアン・カバジェロ市では在留邦人も被害にあっています。2016年1月には、同市で商店を営んでいた邦人男性が県中で撃たれ死亡する事件が発生しています。
 また、シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や、パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。




(注記)
「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等2013年12月現在の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。