パラグアイ
安全対策基礎データ
- 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
(1)犯罪発生件数
2022年にパラグアイ国内で発生した殺人件数は511件(殺人未遂は911件)、傷害・暴行件数は3,399件、強姦・強制わいせつ件数は640件、強盗件数は4,459件、窃盗件数は10,885件となっており、パラグアイの人口が約678万人であることを考慮すると、犯罪発生率は日本に比べて非常に高く、最近では特に強盗や窃盗が増加しています。また、この件数はあくまで警察の認知件数であり、当国では警察や司法制度への信頼性が十分で無いことから犯罪の被害者が届出を行わないケースも少なくなく、実際は統計以上に犯罪が発生していると考えられています。なお、強盗犯罪には拳銃や刃物が使用されることが多いため、事件に巻き込まれた場合は、決して抵抗しないようにしてください。また、在宅時を狙った住宅強盗や、麻薬組織の抗争による殺人事件も発生しています。
(2)地域別情勢
パラグアイ危険情報の該当箇所を参照ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_258.html#ad-image-0
2 防犯対策
犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
特に外国人旅行者は、強盗、置き引きやひったくり、住居侵入(ホテルの客室荒らし)などの被害に遭いやすいので、以下3の日本人が被害に遭った例を参照しつつ、基本的な防犯対策をとられるよう心がけてください。
※在パラグアイ日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.py.emb-japan.go.jp/files/100594135.pdf )もご参照ください。
3 近年、日本人が被害にあった例
(1)アマンバイ県ペドロ・ファン・カバジェロ市内で、オートバイで近づいてきた何者かに射殺された。
(2)アマンバイ県ペドロ・ファン・カバジェロ市郊外の農地で、銃器を所持した複数の犯人に短時間拘束された。
(3)アスンシオン市内の繁華街を通行中、2人組の犯人に脅され、所持していた携帯電話およびタブレット端末を強奪された。
(4)アスンシオン市内で買い物中、路上で拳銃を所持した2人組の男に襲撃され、身分証明書や携帯電話等が入ったカバンを強奪された。
(5)アスンシオン市旧市街を観光中に貧民街(通称「チャカリータ地区」)に入り込み、路上で男2人組に羽交い締めにされ、逃れようとしたところ太ももをナイフで刺され、腕統計と現金を強奪された。
(6)イタプア県ピラポ市内の住宅にて、住人2名が鈍器のようなもので殴打され殺害された。
4 テロ・誘拐
テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_258.html )をご確認ください。- 査証、出入国審査等
(手続や規則に関する最新の情報については、駐日パラグアイ大使館( https://www.embapar.jp/ja/ )にお問い合わせください。)
1 査証
(1)短期滞在
日本国籍者は、パラグアイへの入国に際して90日以内の観光、商用等を目的とする場合、ビザ(非移民ビザ)の取得は必要ありません。
(2)中・長期滞在
90日以上パラグアイに滞在する方、永住目的、パラグアイ人の配偶者等の場合は、無査証で入国後、パラグアイ移民局にて移民ビザの申請・取得が必要です。詳細については、駐日パラグアイ大使館までお問い合わせください。
2 出入国審査
(1)入国時
ア 旅券の残存有効期間
入国時には、6か月以上の残存有効期間を有する旅券が必要です。
イ 陸路入国にあたっての注意点
パラグアイはボリビア、アルゼンチン、ブラジルと国境を接しているため、特に陸路の場合は、入国手続きに留意する必要があります。国境によっては、入国管理が申告制の場所もあるため、入国の際は必ず入国管理局に立ち寄り、入国手続きをしてください。これを失念するとパラグアイへの入国記録が残らず、出国する際に罰金を科せられることがあります。
ウ 黄熱予防接種証明書(イエローカード)
(ア) ブラジル、ボリビア、ペルー、コロンビア、仏領ギアナ、アフリカ諸国(カメルーン、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、ギニア、ニジェール、ナイジェリア、南スーダン)からパラグアイに入国しようとする1歳~59歳の渡航者は、入国時に黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められます。また、パラグアイから上記国に向けて出国する渡航者についても、出国時にイエローカードの提示が求められます。
(イ) パラグアイ厚生福祉省によれば、イエローカードは接種日を0日目として接種後10日目以降から有効とされています。健康上の理由により黄熱予防接種を受けられない方(その旨を記した医師の診断書が必要)や前述の黄熱接種証明書の提示対象国において24時間以内のトランジット(乗り継ぎ)を行う場合はこの限りではありません。ただし、国際便の遅延や欠航はしばしば発生しており、旅程になくとも同対象国へ24時間以上滞在せざるを得ない事態も想定されます。こうした理由から、黄熱予防接種をあらかじめ受けておくことをおすすめします。
(2)出国時
ア 出国審査等
空路で初めて出国する場合には、出国審査場で顔写真の撮影を行います。なお、航空券購入時に空港使用税の支払いが済んでいない場合、出国時に空港使用税を支払う必要があります。
イ 陸路で出国する場合の手続き
陸路で出国する場合は、国境に隣接した県に入国管理局がありますので、必ず出国の手続きを行った後、渡航先国の入国管理局で入国手続きを行ってください。
ウ 一方の親のみが同伴する未成年の出入国
パラグアイでは、両親ともに親権を有する場合であっても、一方の親が他方の親の同意を得ずに子の居所を移動させること(例えば、母親が父親とは別に、先に子を連れて日本に帰国する場合等)は、重大な犯罪(実子誘拐罪)となる可能性がありますので、注意が必要です。最寄りの裁判所(Juzgado de Paz等)で事前に許可(Permiso del menor)を取得することでトラブルを未然に防ぐことができます。
3 通関
パラグアイに動植物(もしくはこれに由来する物)を持ち込む場合は、許可が必要となります。詳しくは駐日パラグアイ大使館に確認してください。また、食料品等に関し、同一品を多数所持している場合、販売目的とみなされ関税がかかる場合があります。
4 医薬品の持込み、持出し
医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html- 滞在時の留意事項
1 在留届
パラグアイに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在パラグアイ日本国大使館または在エンカルナシオン領事事務所に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
2 たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方((海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、渡航先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、パラグアイで事件や事故、自然災害等が発生し、在パラグアイ日本国大使館またはエンカルナシオン領事事務所が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
3 旅行制限
特に外国人の旅行が制限されている場所はありません。
4 写真撮影の制限
軍事施設および警察施設周辺で許可なく撮影した場合、不審者と間違われて身柄を拘束される可能性がありますので、注意してください。
5 麻薬取締法規
麻薬の取締りは厳しく実施されており、麻薬所持者は、禁固25年以下の刑が科せられます。絶対に関わらないでください。
6 交通事情
パラグアイは車優先社会ですので、歩行者は注意が必要です。また、最近では飲酒運転車両や二輪車の交通量が増加したことにより、大きな交通事故が発生しています。特にアスンシオン市内などの都市部では、道路面の舗装が剥がれ陥没している箇所が多いため、通行には注意が必要です。
(1)交通法規
ア 全乗車員にシートベルトの装着義務があります。
イ 国道を走行する場合は、昼間でも前照灯(ヘッドライト)を点灯させなければなりません。
ウ 二輪を除く全ての車両には、消火器、三角表示板の携行が義務付けられています。
(2)交通マナー等
ア 交通ルールを無視したドライバーが多いのみならず、特に夜間においては信号無視、飲酒運転等の悪質なドライバーが多いため、十分注意してください。また、信号機を設置していない交差点が多く、こちらが優先道路であっても強引に割り込んでくるドライバーが少なくありません。相手が出てこないだろうと過信せず余裕を持った運転を心掛けることが必要です。
イ 運転マナーが悪く、ビール瓶が車窓から投げ捨てられて後続車にぶつかったり、過剰なクラクションや煽り運転により、路上でトラブルとなったりする事例が度々発生しています。
(3)道路状況
ア 道路整備が行き届いておらず、道路が陥没している箇所が多くありますので、車を運転する時は注意が必要です。特に降雨時は路面に水溜りができ、道路の陥没箇所が判別できなくなる場合がありますので、十分に注意してください。
イ パラグアイは下水道のインフラが整備されておらず、大雨が降ると下水があふれてマンホールのフタが移動し、穴が空いた状態になるなど危険ですので、大雨の際は水たまり箇所の通行を避ける、不慣れな道路を走行しない等の注意が必要です。
7 ハーグ条約
パラグアイは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が元の常居所地国に返還されることとなります。
ハーグ条約についての詳細はこちらのページ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html )をご覧ください。- 風俗、習慣、健康等
1 風俗、習慣、国民性に関する留意事項
パラグアイ人は周辺国に比べて温厚と言われることもありますが、些細なことで喧嘩になったり、特に飲酒時に口論となった相手に対して突然銃器を使用したりすることがあるので、注意が必要です。
2 医療事情
外務省ホームページ「世界の医療事情」の該当箇所を参照ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/paraguay.html
その他、必要な予防接種等については、の厚生労働省検疫所ホームページ(https://www.forth.go.jp/ )を参考にしてください。
3 海外旅行保険への加入
海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが多くあります。
旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。- 緊急時の連絡先
◎警 察:TEL 911 (日本の110番に相当します)
◎救急車:TEL 141
◎火 災:TEL 131、132
◎在パラグアイ日本国大使館
(市外局番021) 604616
国外からは(国番号595)-21-604616- 問い合わせ先
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4475
○領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○外務省海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館等連絡先)
○在パラグアイ日本国大使館
住所:Avenida Mariscal Lopez No. 2364, Asuncion, Paraguay
(Casilla de Correo : No. 1957)
電話:(市外局番021)604-616、604-617、603-682、606-900
国外からは(国番号595)-21-604-616、604-617、603-682、606-900
FAX:(市外局番021)606-901
国外からは(国番号595)-21-606-901
ホームページ:https://www.py.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
○在エンカルナシオン領事事務所
住所:Calle Tomas Romero Pereira No. 631 e/Lomas Valentinas, Encarnacion, Paraguay
(Casilla de Correo : No. 55)
電話:(市外局番071)202-287、202-288
国外からは(国番号595)-71-202-287、202-288
FAX: (市外局番071)205-130
国外からは(国番号595)-71-205-130
ホームページ:https://www.py.emb-japan.go.jp/itpr_ja/index-jp-encarnacion.html
※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。