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北マケドニア共和国の危険情報【危険レベルの継続】(内容の更新)

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更新日 2024年05月30日
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危険レベル・ポイント

【危険レベル】
●北マケドニア共和国北部(首都スコピエ市を除く)、北西部及び西部
レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●北マケドニア北部(スコピエ市を除く)、北西部及び西部では、近年情勢は安定しているものの、アルバニア系とマケドニア系との間で衝突が発生する可能性が排除されないため、十分注意してください。

詳細

1 概況
(1)民族的分断に起因する問題
北マケドニアの治安情勢は、1991年の独立後、概ね安定した状態が続いていましたが、2001年2月、北マケドニア北部のセルビア、コソボとの国境付近でアルバニア系武装勢力(「民族解放軍(NLA)」)と政府軍及び治安部隊との間で武力衝突が発生し、一時はスコピエ市近郊まで戦闘が迫る状態となりました。同年7月には、政府とアルバニア系武装勢力との間で停戦合意が、また同年8月にはアルバニア系住民の地位改善等を主な内容とする「枠組み合意(オフリド合意)」が成立しました。その後、NLAは武装放棄し、アルバニア系の政党を設立して民主的な方法でアルバニア系住民の地位改善を目指す方針に変更しました。

 他方、国内には「枠組み合意」及び民族融和政策に対し不満を持つグループ及びアルバニア系過激派が存在しています。治安上深刻な脅威にはなっていないとされてきましたが、2014年10月の政府庁舎に対する砲撃事案については、同過激派による犯行とは断定されていないものの、NLAが犯行声明を発出しました。また、2015年4月、NLAの制服を着用した武装集団がゴシンツェ(Gošince)の山村に位置する国境警察署を襲撃して一時占拠する事案が発生し、治安当局による大規模な掃討作戦が実施される事態となりました。

こうした民族的分断を背景として抗議活動が暴徒化する事案が過去に発生しており、例えば2021年2月には、スコピエ市において数千人規模のアルバニア系による抗議活動が行われ、一部が暴徒化して治安部隊に対して投石等を行い、警察官7名が負傷する事案が発生しています。

(2)難民による問題
北アフリカ、中東情勢の不安定化により、同地域から多くの難民がギリシャを経由して北マケドニアに入国し、その後、セルビアに陸路(鉄道・道路)を利用して移動したため、これらを防止するため国境警備が強化され、国境周辺では難民をめぐる混乱が生じました。国境通過に際しては、難民の状況に注意するとともに、難民が多く集まる場所には必要がない限り近づかないようにしてください。また、国境や国境沿いの駅における検問による難民の不法入国の摘発も散見されます。こうした検問により車両や鉄道での移動に時間を要する場合があるため、移動に際しては時間に十分余裕を持つようにしてください。

(3)国内テロ情勢
北マケドニアには「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」に外国人戦闘員として参加していた者が多数帰還しているといわれており、こうした帰還者が国内でテロを起こす懸念があります。また、2016年11月、北マケドニア内務省は、北マケドニア国内においてテロ行為を準備し、ISILの元戦闘員達と接触していた容疑で、2名の北マケドニア人を逮捕したことを発表しました。また、2020年8月及び12月にはISILと関係を有し、国内でテロを計画していたテロ組織が検挙されています。同組織は、自動小銃等の武器を大量に収集していたことが確認されており、北マケドニアにおいて依然としてテロの脅威が存在していることは明らかです。

 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてもテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を心がけてください。テロや誘拐に関する詳細は「テロ・誘拐情勢」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_205.html)も併せてご参照ください。



2 地域別情勢
(1)北マケドニア共和国北部(首都スコピエ市を除く)、北西部及び西部
【北部】スコピエ市を除く、クマノボ(Kumanovo)、リプコヴォ(Lipkovo)、アラチノボ(Aracinovo)、チュチェル・サンデヴォ(Cucer Sandevo)、シュトゥデニチャニ(Studenicani)及びソピシュテ(Sopiste)
【北西部】イェグノフツェ(Jegunovce)、テアルツェ(Tearce)、ジェリノ(Zelino)、テトボ(Tetovo)、ブルベニツァ(Brvenica)、ボゴビニェ(Bogovinje)、ヴラプチシュテ(Vrapciste)
【西部】ゴスティバル(Gostivar)、マブロボ・ロシュトゥシェ(Mavrovo and Rostuse)、デバル(Debar)、ツェンタル・ジューパ(Centar Zupa)、ストルガ(Struga)、ベブチャーニ(Vevcani)
レベル1:十分注意してください。(継続)

これらの地域は、アルバニア系が多数居住する地域であり、 2001年にアルバニア系武装勢力(いわゆる「民族解放軍(NLA)」)と政府治安部隊との間で武力衝突が発生し、一時はスコピエ市近郊まで戦闘が及ぶ事態となりました。その後、政府とアルバニア系武装勢力との間で停戦合意がなされ、アルバニア系住民の権利を拡大すること等を主な内容とする枠組み合意(オフリド合意)が同年8月に成立しました。
 しかしながら、 2010年5月、コソボとの国境に近い北西部において、アルバニア系の武装集団と警察との銃撃戦が発生したほか、2015年4月にはクマノボに隣接するゴシンツェ(Gošince)において武装集団が国境警察署を襲撃する事案が発生、翌5月にはクマノボにおいて警察と武装集団との間で大規模な戦闘が発生し多数の死傷者が出ています。近年は民族的分断を背景とした大きな事案は発生していませんが、今後もマケドニア系とアルバニア系の衝突が発生する可能性は依然として排除できません。

 つきましては、これらの地域の危険情報「レベル1:十分注意してください。」を継続します。同地域への渡航・滞在に当たっては危険を避けるため、現地の情勢に十分留意して行動するとともに、海外安全ホームページや報道等により最新の情報を入手し、事件・事故等に巻き込まれないよう、十分な安全対策を講じるよう心がけてください。 

(2)首都スコピエ市では、2022年7月、マケドニア系とアルバニア系の民族問題に起因するものではありませんが、北マケドニアのEU加盟を巡り市内で大規模な反政府デモが発生し、一部暴徒が警察官と衝突して負傷者が出る事態となりました。このため、デモや集会等の抗議活動を行っている場所には近づかないなどの注意が必要です。

3 滞在に当たっての注意


(1)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 北マケドニアに3か月以上滞在する方は、在北マケドニア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時の在北マケドニア日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html

(2)民族間の衝突事件や隣国との問題等については、北マケドニア国内において迅速・正確な報道を得るため、北マケドニア国内の報道だけでなく、在北マケドニア日本国大使館ホームページに加えて、外国通信社等の情報もあわせて確認するようご留意ください。
 また、隣国のコソボ、セルビア及びアルバニアにも、各々危険情報が発出されていますのでご留意ください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く):(内線)5140
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連):(内線)3047
○外務省海外安全ホームページ
 https://www.anzen.mofa.go.jp (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在北マケドニア日本国大使館
  住所:Filip Vtori Makedonski 3, Soravia Center, floor 6, 1000 Skopje, North Macedonia
  電話: (02)3118-063
     国外からは(国番号389)
  ホームページ:http://www.at.emb-japan.go.jp/mk/jp/index.html
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