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ケニアの危険情報【一部地域の危険レベル引き下げ】

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更新日 2023年11月10日
危険情報
地図

危険レベル・ポイント

【危険度】
●ソマリアとの国境地帯、北東地域ガリッサ郡ダダーブ難民キャンプ周辺地域及びガリッサ
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●リフトバレー地域トゥルカナ郡の南スーダン及びウガンダとの国境地帯並びに南部一帯、ウェスト・ポコット郡、バリンゴ郡北部一帯、北東地域マンデラ郡、ワジル郡、ガリッサ郡の一部並びに沿岸地域ラム郡の一部
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●ナイロビ郡の一部(ナイロビ東部イスリー地区周辺地域、キベラ、マザレ、カワンガレ等スラム街周辺地域)、リフトバレー地域トゥルカナ郡の一部、マルサビット郡(モヤレ準郡を含む)、サンブル郡及びイシオロ郡、沿岸地域タナ・リバー郡
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●モンバサ郡
 レベル1:十分注意してください。(引き下げ)
●その他の地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●モンバサ郡では近年のケニア治安機関の治安維持強化により治安状況に改善が見られるため、危険レベルを2(不要不急の渡航中止)から1(十分注意してください)に引き下げます。ただし、スラム街や犯罪多発地区も存在することから、これらの地域には不用意に立ち入らないように心がけてください。
●ケニアへの渡航に際しては、ナイロビ市内をはじめとするケニア全土でテロ、誘拐、一般犯罪等に注意する必要があります。

詳細

1 概況
(1)ケニアでは、隣国ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織アル・シャバーブ(AS)が、2011年にケニアに対するテロ攻撃を行うと宣言して以降、近年も、ASによる襲撃、外国人拉致等の事案が度々発生しています。

(2)また、イスラム過激派組織アル・カーイダ(AQ)は、1998年に在ケニア米国大使館等に対する爆弾テロを実行し、約300人を死亡させたほか、2002年には、モンバサにおいてイスラエル資本のホテル及び航空機に対するテロ事件を起こしました。

(3)その他、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の犯行とされる事件もナイロビ市内で発生しており、2016年には、ナイロビで炭疽菌によるバイオテロ攻撃を計画していたISIL関係者が逮捕されたほか、同年末、ISIL関係者による米国大使館襲撃事件も発生しています。

(4)これまでにケニアでは、1998年のAQによる在ケニア米国大使館等に対する爆弾テロ事件、2013年のASによるナイロビ市内のショッピング・モールにおけるテロ事件、2019年1月のASによるナイロビ市内の複合施設におけるテロ事件等が発生し、多くの外国人が殺害されています。また、外国人の拉致事件も発生しています。
 このような状況を十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(5)また、新型コロナウイルス感染対策の影響による経済状況の悪化などを背景に、各地で様々な凶悪犯罪や暴力事件も頻発しています。
 在留邦人を含めた多くの外国人が居住する住宅地等においても、強盗や短時間誘拐等の凶悪犯罪が発生しています。市街地では、失業者やいわゆるストリートチルドレンが多く、彼らによる銃器を使用した強盗等の凶悪犯罪が発生しており、地域・時間帯に関係なく日本人の被害も発生しています。

2 地域別情勢
(1)ソマリアとの国境地帯、北東地域ガリッサ郡ダダーブ難民キャンプ周辺地域及びガリッサ
  レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア ソマリアとの国境地帯
 ケニア軍がAS掃討のために2011年10月にソマリア国内に進攻して以降、両国の国境付近では緊迫した状況が続いています。国境沿いの幹線道路等において、ASが路上に設置した即席爆弾による被害が頻発しています。また、2017年には、ASが住民の首を切断する等の事件も発生しています。

イ 北東地域ダダーブ難民キャンプ周辺地域
 ダダーブ難民キャンプ周辺地域では、2017年3月に同キャンプ内で勤務していた教師(非地元民)3人がASに誘拐される事件や、同年4月にASと関係を有する人物が4人逮捕される事件が発生するなど、ASの活動拠点のひとつになっているとみられています。

ウ 北東地域ガリッサ郡ガリッサ
 ガリッサでは、ASによるガリッサ大学への襲撃により、約150人が死亡した事件のほか、幹線道路等におけるASが設置した即席爆弾の爆発事件や誘拐事件が発生しています。

 つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であっても止めてください。また、同地域に滞在されている方は、直ちに国外等の安全な地域へ退避してください。

(2)リフトバレー地域トゥルカナ郡の南スーダン及びウガンダとの国境地帯並びに南部一帯、ウェスト・ポコット郡、バリンゴ郡北部一帯、北東地域マンデラ郡、ワジル郡、ガリッサ郡(ダダーブ難民キャンプ周辺地域及びガリッサを除く)並びに沿岸地域ラム郡(上記郡のソマリア国境地帯を除く)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア リフトバレー地域トゥルカナ郡の南スーダン国境地帯
 隣国南スーダンにおいては、2013年12月に発生した騒じょう事件以降、治安が不安定な状況が継続しています。そのため、南スーダンとの国境地帯には、混乱に乗じて武装した賊が出没しています。2017年4月には、南スーダンから越境してきた民兵と牧畜民が衝突し、11人が死亡する事件も発生しています。

イ リフトバレー地域トゥルカナ郡のウガンダとの国境地帯
 ウガンダとの国境地帯では、ウガンダ領域内に住むポコット族とケニア領域内に住むポコット族間で家畜等をめぐる武力衝突が発生しています。2021年8月には、ウガンダから越境してきた武装集団がトゥルカナ郡の村を襲撃する事件が発生しています。また、一般犯罪なども頻発しています。

ウ トゥルカナ郡の南部一帯、ウェスト・ポコット郡及びバリンゴ郡北部一帯
 ウェスト・ポコット郡、バリンゴ郡北部一帯では、部族間で武力衝突が頻繁に発生しています。
 2019年には、トゥルカナ郡南部地域カイヌックからロキチャル間の幹線道路(A1)及びカペドからロキチャル間の幹線道路(C113)において、銃等で武装した盗賊が通行車両を襲撃する事案が多発しました。そのほか、2017年1月以降、バリンゴ郡北部一帯等において、2016年末に発生した干ばつを発端として遊牧民による牧場等への襲撃事件が相次ぎ、英国人1人を含め10人以上が死亡しています。

エ マンデラ郡、ワジル郡及びガリッサ郡
 ソマリアと国境を接しているため、ASが容易に越境してテロを実行できる状態です。こうしたテロにより多数が死傷しており、2017年5月以降、北東部のマンデラ郡、ワジル郡及びガリッサ郡では、路上に設置された即席爆弾等による爆発事件や治安当局を狙った襲撃事件等が相次いで発生しており、多数の犠牲者が出ています。

オ 沿岸地域ラム郡
 2020年1月5日未明、ラム郡に所在するケニア国防軍と米軍が共同使用する施設を標的とした、ASによる襲撃事案が発生しています。また、過去には、警察署やホテル等が襲撃され、50人以上が死亡する事件も発生しています。

 つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。

(3)ナイロビ郡(ナイロビ東部イスリー地区周辺地域、キベラ、マザレ、カワンガレ等スラム街周辺地域)、リフトバレー地域トゥルカナ郡北部(南スーダン、ウガンダ国境地帯及び南部一帯、ロドワ周辺地域を除く)、マルサビット郡(モヤレ準郡を含む)、サンブル郡、イシオロ郡、沿岸地域タナ・リバー郡
  レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア ナイロビ郡(ナイロビ東部イスリー地区周辺地域、キベラ、マザレ、カワンガレ等スラム街周辺地域)
(ア)2007年、2017年の総選挙に際しては、与野党支持者等による大規模な衝突が発生し多数が死傷しています。
(イ)ナイロビ・イスリー地区を拠点とする犯罪組織等によるけん銃を使用した強盗事件等が頻発しており、警察と犯罪組織との間で銃撃戦となる事態も発生しています。
(ウ)在ケニア日本国大使館ホームページからナイロビ治安マップ(https://www.ke.emb-japan.go.jp/files/100430807.pdf )もご参照ください。

イ リフトバレー地域トゥルカナ郡北部(南スーダン、ウガンダ国境地帯及び南部一帯、ロドワ周辺地域を除く)及び東部地域マルサビット郡北部
 これらの地域では、隣国からの越境武装強盗が横行しているほか、紛争地域から避難してくる難民による犯罪も発生しており、陸路での移動は護衛が必要となることもあります。   
 特に2012年7月26日には、マルサビット郡北部のモヤレで部族間対立とみられる武力衝突が発生し、50人以上が死亡、数百人が負傷しました。エチオピアとの国境地帯では、エチオピアから越境した家畜強盗団による襲撃事件が発生しています。

ウ マルサビット郡(モヤレ準郡を含む)、サンブル郡及びイシオロ郡
 これらの地域には盗賊団が出没し、通行車両を襲撃する事件が発生しています。また、部族間抗争にからんだ家畜強盗が頻発しており、陸路での移動は護衛が必要になることもあります。

エ 沿岸地域タナ・リバー郡
 同郡では、2012年から部族間抗争が発生しており、これまで死者160人以上、焼失家屋2,000件以上、避難民4万人以上の被害が発生しています。2013年1月の部族間抗争では11人が死亡、2014年7月には、同郡ガルセンの警察署が武装集団に襲撃され、少なくとも16人が死亡しました。同郡では、依然として中小の部族間抗争が継続しており、陸路での移動は護衛が必要となることもあります。

 つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。

(4)モンバサ郡
 レベル1:十分注意してください。(引き下げ)

 2013年から2015年にかけ、モンバサ郡において、イスラム過激派により多数の死傷者を伴うテロ活動が活発に行われましたが、近年のケニア治安機関の治安維持強化により治安状況に改善がみられるため、危険レベルを2から1に引き下げます。しかしながら、モンバサ郡にはバングラディシュ、クワプンダ、チューダー等のスラム街が存在し、多数のギャンググループの存在が確認されているほか、リコニ地区、チャンガムエ地区、チャーニー地区、キサウニ地区及びその周辺地域など犯罪多発地域が存在しており、2021年8月にはリコニ地区を発着するリコニフェリー乗り場においてテロ容疑者2名が逮捕されました。また、同月には若者集団による強盗事件が発生していることから、スラム街等これらの地域には不用意に立ち入らず、特に上記フェリーを利用の際は徒歩での利用を避け車両を利用する、また乗船中も車外に出ないようにするなど安全対策には万全を期してください。
在ケニア日本国大使館ホームページからモンバサ治安マップ(https://www.ke.emb-japan.go.jp/files/100579446.pdf )もご参照ください。

(5)その他の地域
   レベル1:十分注意してください。(継続)

ア ナイロビ郡(ナイロビ市内を含む)(ナイロビ東部イスリー地区周辺地域及びスラム街周辺地域を除く)
 ナイロビ市内においては、強盗、ひったくり、空き巣、置き引き等が多発しており、特に、夜間や早朝における路上強盗が多発しています。2021年7月には、日本人がけん銃使用による強盗事件の被害に遭っています。また、ASによるテロも発生しており、安全対策には万全を期し、最新の治安情報の入手に努めてください。

イ 沿岸地帯キリフィ郡
2018年11月、ASとみられる武装集団がキリフィ郡チャカマのショッピングセンターを襲撃し、イタリア人女性1人が拉致され、2020年5月に解放されるまで長期間拘束されました。報道によれば同郡はASやISIL関係者の潜伏先と目されており、過去にイタリア人旅行者が射殺される強盗事件や同地域に居住するドイツ人夫婦が車両強盗に遭い殺害される事件のほか、ASがマリンディ警察駐屯地を襲撃する事件も発生しています。

ウ エルゴン山地域一帯(西部地域ブンゴマ、マウント・エルゴン各郡及びリフトバレー地域トランゾイア郡)
 近年、同地域一帯は、ケニア治安機関の治安維持の強化により、治安状況が落ち着いてきています。しかし、かつて同地域で活動していた民兵による犯罪のおそれがあります。また、ウガンダとの国境付近は、物資を積載したトレーラーの交通量も非常に多く、交通事故が頻発しています。

エ リフトバレー地域トゥルカナ郡ロドワ周辺地域
 ロドワは、ケニア北西地域最大の都市であり、周辺の町に比べ治安機関が手厚く配置されています。近年の治安情勢は安定しており、凶悪犯罪はほぼ発生していません。また、住民のほとんどがトゥルカナ族であるため、ケニア各地で発生している部族間抗争が比較的起こりにくいとみられています。しかしながら、ロドワの市外は、引き続き部族衝突が発生する危険性がありますので、陸路移動は極力避け、やむを得ず陸路移動する場合は、車列を組むとともに、軍・武装警察官を同行させることをお勧めします。

3 滞在に当たっての注意
 ナイロビ市をはじめ、ケニアに渡航・滞在される方は、「ここは日本ではない」という意識を持ち、テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう以下の対応に努めてください。また、「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_100.html )や、「安全の手引き」(https://www.ke.emb-japan.go.jp/files/100300220.pdf )もご参考ください。

4 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 ケニアに3か月以上滞在される方は、在ケニア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在ケニア日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html

5 デモ、暴動及びテロ発生の際は、混乱により商店が閉鎖したり、物流がストップする可能性があります。長期間滞在される方は、10日間程度生活することができる食料、水、医薬品、燃料等を普段から備蓄しておくことをお勧めします。
なお、テロ・誘拐対策に関しては、以下も併せてご参照下さい。
(1)「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」(https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_03.html
(2)「海外旅行のテロ・誘拐対策」(https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html
(3) ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル(https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html

6 南スーダン、エチオピア等への陸路での移動は大変危険ですので、厳に控えて下さい。また、隣国のソマリア、エチオピア、ウガンダ、タンザニア及び南スーダンについても別途危険情報が発出されておりますので、留意してください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)9850
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
 ○在ケニア日本国大使館
  住所:Mara Road, Upper Hill, Nairobi, Kenya(P.O. Box 60202, Nairobi)
  電話: (市外局番020) 2898000(代表)
    国外からは (国番号254) 20-2898000(代表)
  FAX : (市外局番020) 2898220
    国外からは (国番号254) 20-2898220
  ホームページ: https://www.ke.emb-japan.go.jp/j-index.html
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