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ベネズエラの危険情報【一部地域の危険レベル引き下げ】

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更新日 2023年06月01日
危険情報
地図

危険レベル・ポイント

【危険度】
●スリア州、タチラ州、ボリバル州の一部地域(州北東部の「アルコ・ミネロ」鉱業地帯及びブラジルとの国境地帯)、アプレ州の一部地域(コロンビアとの国境地帯)及びアマゾナス州の一部地域(コロンビアとの国境地帯及びブラジルとの国境地帯)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●ボリバル州の一部地域(州北東部の「アルコ・ミネロ」鉱業地帯及びブラジルとの国境地帯を除く)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(引き下げ)
●上記以外の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

【ポイント】
●ボリバル州の総犯罪件数は、2019年には年間5,000件近くに上ったものの、2022年には対2019年比で50%以上減少し、殺人事件や強盗などの凶悪犯罪も含め大幅に減少しています。また、現在もデモ活動は継続しているものの、2019年1月以降に行われていた激しい暴力を伴うものは発生しておらず、平和的なデモへと変遷しています。
●上記を踏まえ、ボリバル州の一部地域(州北東部のオリノコ川南側に広がる「アルコ・ミネロ」鉱業地帯及びブラジルとの国境地帯を除く)を危険レベル2(不要不急の渡航中止)に引き下げます。
●ベネズエラにおいては、与野党の対立、経済情勢の悪化や社会インフラの悪化、国内各地での深刻な燃料不足や多くの移民避難民の発生など、政治・経済・社会情勢には未だ改善は見られませんので、引き続き情勢を注視する必要があります。

詳細

1 概況
(1)ベネズエラ社会情勢
ア 現地NGOのベネズエラ社会紛争監視団によれば、2019年に同国で発生したデモの件数は16,739件でしたが、2022年の件数は7,032件で、2019年より9,707件減少しました。2019年には、デモ中に治安当局や政権支持派武装組織(コレクティーボ)が、鎮圧のため過剰に武力行使したことによって、61名の死者が発生しました。その後、反政府を訴えるデモは減少し、電気・ガス・水道等公共サービスの向上や、労働条件改善などを訴える平和的なデモへと変遷し、2019年5月以降、死者を伴うような激しい反政府デモの発生はありません。

イ 2018年5月に行われ、マドゥーロ大統領が再選した大統領選挙プロセスの正統性を巡って、G7、中南米諸国、欧州諸国を始め国内外から疑義が呈される中、2019年1月に大統領就任式が実施されました。他方、同月23日、グアイド国会議長が自らの暫定大統領就任を宣誓するとともに、国民に対して政権交代に向けたデモを呼びかけるなど、政権側と野党側の対立は激化しました。2019年1月の一部軍人による蜂起未遂、2月の人道支援物資搬入をめぐる衝突、4月の野党側による決起呼びかけ等のように、反政府デモが激化し、情勢は緊迫化しました。その後、与野党交渉が開始されては中断される状況が続いていましたが、暴力的対立は鎮静化しました。しかし、2020年5月には、野党関係者が主導したと見られるコロンビアからの傭兵部隊がベネズエラへ上陸侵入を試み、これを政府が阻止する事案が発生しました。また、2020年12月には国際社会及び野党側から疑義が呈される中、政権側が国会議員選挙を強行するなど、根深い政治対立が存在しています。2022年11月にはメキシコにおける与野党対話が再開され、2023年1月にはグアイド暫定大統領が廃止となりましたが政権側と野党側の国会がそれぞれ正統性を主張し続けており、政治的混乱は続いています。現状、暴力的な対立は発生していませんが、2024年の大統領選挙に向けて情勢は流動的であるところ、引き続き注意が必要です。

ウ 社会インフラの問題も継続しており、国内各地で停電や断水が頻発しています。また2020年3月以降、カラカス首都圏を含む国内各地で深刻な燃料不足が断続的に発生しています。

エ 2019年4月、米国政府がベネズエラ中央銀行を金融制裁対象に指定したこと等から、ベネズエラへの金融機関/外貨送金サービスを通じた外貨送金は事実上不可能となっています。このため、ベネズエラにおいて疾病・怪我・盗難等の被害が発生した場合、日本からの支援を得ることが極めて困難になっています。また、国内で現地通貨を入手しようとした場合、インフレーションの進行やそれに伴う紙幣の流通不足等から、外貨からの両替は非常に少額しか出来ません。一方で、近年は、経済の事実上のドル化が進み、ドル現金やクレジットカード等の利用が可能な場所が増えています。

(2)治安情勢
ア 治安面について、政府が新型コロナ対策として進めた社会的集団隔離政策により国民が外出する機会が減少したことに加え、国外へ流出する避難民増加による国内人口の減少や、紙幣の流通不足により、犯行の対象となる人や物が減少したことでベネズエラの犯罪発生件数は2016年をピークに減少傾向にありましたが、2022年においては、経済状況が回復してきたことに伴い、増加に転じました。
(全国の犯罪件数の推移)
 2016年 324,359件(カラカス首都区:41,585件)
 2017年 274,128件(カラカス首都区:31,385件)
 2018年 184,252件(カラカス首都区:24,033件)
 2019年 141,878件(カラカス首都区:19,141件)
 2020年  96,639件(カラカス首都区:17,421件)
 2021年  94,012件(カラカス首都区:19,815件)
 2022年  97,758件(カラカス首都区:22,203件)
 
イ カラカス首都区(リベルタドール市(セントロ地区、パライソ地区、ラ・バンデラ地区、1月23日地区等)及びスクレ市ペタレ地区)等の大規模な貧民街がある場所では、けん銃を使用した凶悪事件が発生しており、その大半は犯罪集団同士の抗争や、治安当局との銃撃戦であるものの、一般市民を対象とした事件も発生していることから、これらの地区には近付かないでください。

ウ ベネズエラでは、誘拐された場合に親族等が警察に届出をすることなく、独自の判断で身代金を支払うことは違法となっていますが、警察官が誘拐犯と共謀している場合が多いとされていることから、市民の多くは被害者の生命を優先して被害届を提出しません。そのため、2022年の誘拐事件は、統計上は14件が認知されているにすぎませんが、実際の件数は認知件数を大幅に超えるとみられています。最近の誘拐の手口は、治安当局を装って検問を実施して車両を停止させ、車内を確認し、2名乗車しているものを対象とし、1名の身柄を拘束、もう1名を自宅等へ連れて行き、外貨や貴重品を持って来させた後、2名とも解放するものが増えています。また、身代金を要求する場合、1,000ドル~1,500ドルという現実的に入手可能な比較的安価な金額設定が多いようです。
 過去にはカラカス首都区(リベルタドール市)で外国人を狙った誘拐事件も発生しており、2012年1月のメキシコ大使夫妻に対する身代金目的の誘拐事件や、2013年5月のEU代表部外交官に対する強盗(誘拐未遂)事件等が発生しています。
 2021年以降、SNSの転売サイトで被害者を騙して呼び出し、強盗や誘拐するといった新たな手法の事件も増加しています。

エ コロンビア及びブラジルとの国境地帯(スリア州、タチラ州、アプレ州、アマゾナス州、ボリバル州)では、ベネズエラの過激派組織であるFBL(ボリバル解放戦線)やコロンビアの過激派組織であるELN(国民解放軍)、FARC(コロンビア革命軍)の残党及びこれらの組織から離脱した者を含む不特定多数の一般凶悪犯罪者グループ等のアジトや活動が確認されており、身代金目的の誘拐事件、麻薬関連犯罪が発生しています。また、これら過激派組織と治安当局による銃撃戦も発生しています。
 ボリバル州北東部のオリノコ川南側に広がる「アルコ・ミネロ」鉱業地帯では、採掘される金やダイヤモンド、コルタン等の違法採掘が行われており、その利権を巡る非合法組織間の抗争や、治安当局との衝突が絶えません。

オ これまでに、ベネズエラにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロに巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
また、テロや誘拐に関する情報については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2021T063.html#ad-image-0 )も参照してください。

2 地域別情勢
(1)スリア州、タチラ州、ボリバル州の一部地域(州北東部の「アルコ・ミネロ」鉱業地帯及びブラジルとの国境地帯)、アプレ州の一部地域(コロンビアとの国境地帯)及びアマゾナス州の一部地域(コロンビアとの国境地帯及びブラジルとの国境地帯)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

 以下の状況に鑑み、これらの地域への渡航は止めてください。既に滞在している方は、今後のベネズエラの治安情勢等を踏まえ、国外又は他の地域に退避することも考慮してください。

ア コロンビア及びブラジルとの国境地帯(スリア州、タチラ州、アプレ州、アマゾナス州、ボリバル州)では、ベネズエラの過激派組織であるFBL(ボリバル解放戦線)や、コロンビアの過激派組織であるELN(国民解放軍)、FARC(コロンビア革命軍)の残党及びこれらの組織から離脱した者を含む不特定多数の凶悪犯罪者グループ等のアジトや活動が確認されています。これら過激派組織の主な活動は、嘱託殺人、誘拐、麻薬、食料品密輸です。ゲリラとしての活動自体は、最近は衰えていると言われているものの、方針に従わない末端グループやゲリラの手口を模倣した一般犯罪者グループによる誘拐も発生しています。ベネズエラは、コロンビアで生産された麻薬(コカイン)を北米やヨーロッパ市場へ密輸するための通過国となっており、コロンビアとの国境地域においては、しばしば大量の麻薬が押収されています。
 コロンビアとの国境地帯における誘拐事件は、統計上はほとんど現れませんが、誘拐事件の多くは被害届が提出されないため、表に出ない誘拐事件が多数発生しているとされています。ベネズエラ当局から「ゲリラ組織」と位置付けられているFARC(コロンビア革命軍)離反兵及びFBLは、スリア州、タチラ州、アプレ州、アマソナス州の山中にもアジトを形成し活動しています。
 また、これらの州では、各種店舗や病院等に電話をかけて金銭を要求し、これに応じない場合、爆発物を投げ込むという手荒な手口の恐喝事件や、そこから派生する誘拐事件が発生しています。
2022年のコロンビアにおける政権交代を受けて、ベネズエラ・コロンビア間の国交が正常化され、2023年1月からは国境橋を通じた往来が徐々に再開されていますが、上記の情勢に鑑み、国境地帯に近寄らないほか、陸路による越境は止めてください。

イ ボリバル州北東部のオリノコ川から幹線10号線を中心に南に向かって広がる地域では、金やダイヤモンド、コルタン、ボーキサイト、鉄等の豊かな鉱床が広がっており、政府は2016年2月に同地域を「アルコ・ミネロ・デル・オリノコ(Arco Minero del Orinoco)」戦略的開発地区に指定しました。他方、同地域においては、コロンビア・ゲリラや、トレン・デ・アラグア、トレン・デ・グジャナ等の非合法組織の存在が確認されており、一部実効支配を行っていると見られています。また、特に金の採掘をめぐり、非合法組織の抗争や、治安当局との衝突が絶えず発生しています。国連によれば2014年以降少なくとも832名が暴力的殺人の被害となっています。また、ブラジルとの国境は、2022年2月に再開されましたが、同国境地帯においては、2019年2月、人道支援物資のベネズエラ国内への搬入をめぐり軍と地域住民の衝突が発生したほか、人身取引、密輸等が継続していると見られています。
上記情勢に鑑み、「アルコ・ミネロ」鉱業地帯及びブラジルとの国境地帯では、突発的な事件に遭遇したり、巻き込まれたりする危険がありますので、立ち入らないでください。

ウ アプレ州においては、コロンビア国境沿いの地域を中心に、2021年3月下旬以降、国軍によるゲリラ掃討作戦が実施されており、双方に死傷者が発生し、地域の住民が退避する事態も発生しています。最新の情報の入手に留意してください。

(2)ボリバル州の一部(州北東部の「アルコ・ミネロ」鉱業地帯及びブラジルとの国境地帯を除く)
  レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(引き下げ)

ア ボリバル州の総犯罪認知件数について、2019年には年間5,000件近くに上ったものの、2022年には対2019年比で50%以上減少しました。また、殺人事件や強盗などの凶悪犯罪も大幅に減少しています。カラカス首都区の発生件数と比較しても、その1割強と発生件数は抑えられています。

イ 2019年1月以降、首都及びその周辺を中心に反政府デモが激化し、これらを鎮圧する治安当局等の過度な武力行使によって多数の死傷者が発生しました。2019年にデモで訴えられた内容は、政権交代を求めるものが多く、政府による押さえ込みの結果、大きな混乱に発展しましたが、2022年においては、水や電気・ガソリンといった公共サービスや賃金の向上、労働環境の改善を求めるものが多数を占め、死者を伴うような激しい暴力的デモは発生しておらず、平和的なデモへと変遷しています。

ウ ボリバル州には、ユネスコ世界遺産のカナイマ国立公園がありますが、その観光地においては警備強化が行われており、重大事件の発生は認められません。ただし、陸路の場合は治安の悪い「アルコ・ミネロ」鉱業地帯を通過することになりますので、空路を利用してください。

エ ボリバル州においては、違法採掘が行われている地域(州北東部の「アルコ・ミネロ」鉱業地帯)及びブラジルとの国境地帯付近以外の地域では、非合法組織間の抗争や治安機関との衝突は発生しておらず情勢が落ち着いていますので、危険レベルを2に引き下げます。ただし、当地NGOの発表によると、2022年の人口10万人あたりの殺人事件発生状況は、カラカス首都区及びラ・グアイラ州、ミランダ州に次いで多くなっています。引き続き、犯罪被害に遭う危険性があるため、注意が必要です。

つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には特別な注意を払うとともに十分な安全対策をとってください。

(3)その他の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア ベネズエラ全土で一般犯罪、抗議活動は減少傾向にありますが、殺人、強盗、誘拐等の凶悪犯罪の発生数は比較的高い水準にあり、多くの犯罪で銃器が使用され、現職警察官や元警察官が関与した犯罪も報告されているため、注意が必要です。また、ホテル等の防犯対策が手薄である場合が多いので、利用にあたっては防犯対策が十分であるかどうかも含め、留意してください。

イ ガイアナやトリニダード・トバゴに隣接するデルタ・アマクロ州やスクレ州の一部、オランダ領ABC諸島に面したファルコン州の一部においては、人身取引、誘拐、麻薬密輸に関連した犯罪に巻き込まれる危険性があります。また、デルタ・アマクロ州とアマソナス州にも「アルコ・ミネロ」鉱業地帯の一部がありますが、そうした地域でも違法鉱業が行われている可能性があります。

ウ また、高いインフレ率をはじめとする経済危機、電気・水道・ガス・公共交通手段等の社会インフラの悪化、国際便の選択肢の制約、外貨送金の制約など、事態の改善はみられません。

エ ベネズエラの玄関口であるマイケティア国際空港でも犯罪が発生しています。トランジットエリア内でも、置き引き等の窃盗事件が発生しています。現在、入国管理業務を担うGNB(国家警備軍)の兵士による空港利用客に対する恐喝や、飛行機への預け荷物を開封する窃盗なども発生しているとの報告があります。
 2015年10月、日系企業の出張者が、同空港の駐車場において、軍服を着て小銃を所持した軍人と思われる男2人組から、けん銃で威嚇され現金を恐喝されました。また、2017年8月8日、マイケティア国際空港の国内線ターミナル内において、私怨による犯行と思われる発砲により死傷者が出ました。
 空港を行き来する高速道路では、強制的に車両を停止させて金品を強奪する事件や誘拐事件が発生しています。このため、同空港の早朝及び深夜発着便の利用は避け、日中に発着する便を利用するようにしてください。

オ カラカス首都区(リベルタドール市)は、殺人事件が多く発生している地区であるとの統計が出ていることから、同区に近付くことは昼間も含めて危険です。大統領府周辺のカティア地区及び1月23日地区は、コレクティーボの牙城とされており、コレクティーボによる自警団が結成されているため、警察等の治安機関も立ち入ることができない状態です。また、これらの地域では、強盗、誘拐が頻繁に発生しているほか、麻薬等の売買、コレクティーボ同士による銃撃戦、国家警察特殊部隊による犯罪集団や反政府支持者の取締りを名目とした過度な取締りが行われるため、カラカス首都区の中で最も治安の悪い地域となっています。
 中小の露天商が多いサバナ・グランデ地区では、強盗、スリ、置き引き等の被害が発生しています。治安当局は、警察官の詰め所(テント)を設け、警察官を常駐させるなどして治安維持に当たっていますが、治安の改善は見られません。2016年1月には、ベネズエラ広場において日本人旅行者が強盗に遭い、財布や携帯電話等が奪われる事件も発生しています。
 バンデラ地区には大型バスターミナルがあり、隣国のブラジル、コロンビア及びベネズエラ国内の観光地エンジェル・フォールへの中継地シウダ・ボリーバル市に向かう長距離バスが発着していますが、昼間は人通りがあるものの、特に午後8時以降は人通りが少なくなるため、夜間の利用は危険です。同バスターミナルから主要地へ向かうバスは主に夜間から深夜の間に発着する上、途中の道路に置き石等をして強制的にバスを停車させ、武器を突き付けて乗客の所持金品を強奪する手口が確認されていることから、これら長距離バスの利用は極力控え、航空機を利用することをお勧めします。
 また、カラカス首都区(リベルタドール市)では外国人を狙った誘拐事件が発生しています。

カ カラカス首都区に隣接するミランダ州スクレ市ペタレ地区には、カラカス首都圏最大の貧民街(スラム街)が広がっており、殺人、強盗、誘拐等の凶悪事件が日常的に発生するなど大変危険な地域です。同地区は、警察でも数十人規模の部隊を編成しなければ、危険で立ち入れない場所で、また、ひったくり、置き引き、スリ等の犯罪件数も依然として高水準で推移しており、主に公道上で昼夜問わず発生しています。また、ペタレ地区以外のスクレ市においても、同様に殺人、強盗、誘拐などの凶悪犯罪等が発生しています。2016年8月、スペイン大使館の職員が私用車で走行中、車両強盗の被害に遭い、これに抵抗したことから発砲され負傷する事件も発生しています。なお、当地NGOベネズエラ暴力監視団によれば、2022年中の殺人事件は、ミランダ州で最多の338件が発生しており、次いでスリア州288件、カラカス首都区217件となっています。

 つきましては、これら地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には特別な注意を払うとともに十分な安全対策をとってください。

3 滞在に当たっての注意
 滞在中は、以下の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、急激な事態の悪化や、退避勧告を行う可能性もありますので、報道、在ベネズエラ日本国大使館及び現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めてください。なお、犯罪の手口及び安全対策の詳細については、安全対策基礎データ(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_260.html )を参照してください。
(1)滞在者全般向けの注意事項
ア デモや集会が行われている場所では、反政府勢力や治安当局等との衝突に巻き込まれる可能性がありますので、絶対に近づかないようにしてください。

イ 危険を察知した場合(交通事故、火災、救急、災害を含む)には、電話番号「911」(警察署・消防署)に通報してください。

ウ 殺人事件等凶悪犯罪の発生している「バリオ」と呼ばれる低所得者層の居住地区(主に山の斜面、川沿いに所在し、煉瓦造りの住宅が密集している地域)にはいかなる理由があっても絶対に近寄らないでください。

エ 車での移動に際しては、防弾車の使用や民間警護員の帯同などの措置を取る等、念には念を入れた行動をとることが望ましいです。防弾車の手配等が困難な場合には、移動範囲を制限したり、夜間の外出を行わないなど、追加的な措置を講じてください。

オ iPhone等のスマートフォンを狙ったけん銃使用強盗事件が増えており、制服を着た警察官、軍人が犯行を行う事例も増加傾向にあると言われています。万一、強盗事件に遭遇した場合には、犯人はけん銃を所持しているものと考え、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しないでください。また、財布を取り出そうとして慌ててポケットに手を入れると、けん銃等を取り出そうとしていると犯人に勘違いされ、発砲される可能性が高まるので、静かに両手を挙げるなどして、犯人を刺激するような行動やしぐさは絶対にしないでください。

カ 爆弾事件に巻き込まれないために、不審物及びゴミ集積所には近付かないでください。また、パイプやペットボトル等にガムテープ、リード線、電池、時計、導火線等が付いていたら注意し、車両に乗り込む際は車両の下部等周辺に不審物がないか確認するなど安全確保に注意を払うように心掛けてください(詳細はホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_03.html を参照してください。)。

キ ベネズエラの関係当局が随時発表する主要な政治日程のほか、以下の各記念日、祝日等には、大規模なデモ行進や集会等が開催される可能性がありますので、こうした日程にも留意しつつ、反政府デモの激化等の不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。
 ○ 1月23日(ペレス・ヒメネス独裁政権崩壊)
 ○ 2月 4日(1992年のクーデター未遂記念日)
 ○ 2月12日(青年の日)
 ○ 2月27日(1989年のカラカス暴動記念日)
 ○ 3月 5日(2013年チャベス大統領死去)
 ○ 4月11日(2002年の政変)
 ○ 4月19日(独立宣言記念日)
 ○ 5月 1日(メーデー)
 ○ 6月24日(カラボボ戦勝記念日)
 ○ 7月 5日(独立記念日) 
 ○ 7月24日(シモン・ボリバル生誕記念日)
 ○10月12日(先住民抵抗の日)
 ○12月 8日(チャベス大統領に忠誠を誓う日)
 ○12月17日(シモン・ボリバルの命日)等

ク タクシーやバイクタクシーの運転手によるけん銃等の銃器を使用した強盗事件が発生しています。また、マイケティア国際空港など各空港でタクシー運転手による強盗事件も発生しているので、タクシー等の利用は避けてください。交通手段が必要な場合には、親族や信頼できる知人等に送迎を依頼する等の方法を検討してください。

ケ 全犯罪事件の約80%が公道上で発生しています。車両を運転する際は、窓を閉め、ドアをロックして、後方や周囲の状況に絶えず注意してください。また、外部から車内の様子が見えないよう、濃色のウインドウ・フィルムを貼付する等してください。なお、けん銃を使用した犯罪が多いため、可能な限り防弾車等を利用してください。また、買い物や食事等をする際には、警備員の常駐している駐車場を利用するようにしてください。なお、警備員が犯罪者と共謀し、犯罪者の待ち構える駐車スペースに誘導するケースもあるため、警備員を過信せず、人目があったり、防犯カメラの近くにある駐車場を選ぶようにしてください。

(4)在留届、「たびレジ」の登録
 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 ベネズエラに3か月以上滞在される方は、在ベネズエラ日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在ベネズエラ日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html


4 隣国のコロンビア、ブラジル、ガイアナについてもそれぞれ「危険情報」が発出されていますので、併せて確認してください。

(連絡先)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)9926
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在ベネズエラ日本国大使館
住所:Torre Digitel Piso9, Av.Eugenio Mendoza con Esquina Calle Miranda, La Castellana, Municipio Chacao, Estado Miranda, Vezezuela(Apartomento No.68790, Altamira, Caracas 1062-A, Venezuela)
 (Apartomento No.68790, Altamira, Caracas 1062-A, Venezuela)
電話:(市外局番 0212)262-3435
国外からは(国別番号58)212-262-3435
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