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テロ・誘拐情勢

2016年03月11日

1.概況
(1)2001年9月のいわゆる「9.11同時多発テロ事件」以降、米国においては、イスラム過激派組織によるテロが引き続き最大の脅威になっています。
(2)米国では、米国籍者あるいは米国永住権保持者等で、イスラム過激主義に影響を受けたいわゆる「ホーム・グローン」によるテロの脅威が年々高まっています。特に近年は、イスラム過激派組織のISIL及びその支持者が、ソーシャルメディア等を活用して欧米へのテロ攻撃を繰り返し呼びかけており、米国においても、こうした呼びかけに呼応する形でテロへの警戒感が高まっています。
(3)米国国土安全保障省の国家テロ勧告システムは、確度の高いテロ脅威情報が存在する場合にアラートを発出するものです。2015年12月からは、テロ情勢の傾向・現状を伝える公報(ブレティン)も発出されることとなりました。現時点でアラートは発出されていませんが、テロの脅威は決して低くないとみられ、十分な注意が必要です。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)イスラム過激派組織
2009年12月に、イスラム過激派組織AQAPと関連を有すると見られるナイジェリア国籍の男がアムステルダム発デトロイト行きの旅客機を爆破しようとする事件が発生したことに続き、2010年5月には、ニューヨーク市の繁華街タイムズ・スクエアで爆弾テロ未遂事件が発生しました。2011年には、アル・カーイダの指導者で「9.11同時多発テロ事件」をはじめとする多くのテロ事件の首謀者とされるウサマ・ビン・ラーディンが殺害されましたが、アル・カーイダ全体としてみた場合、依然テロの脅威は存在しているといわれており、引き続き警戒が必要です。
(2)ホーム・グローンテロリスト
上記タイムズ・スクエアでの爆弾テロ未遂事件は、パキスタン系米国人による犯行でした。2013年4月には、ボストンマラソンの会場付近で爆発が発生し、3名が死亡、260人以上が負傷する連続テロ事件が発生しましたが、同事件の犯人もイスラム過激主義に感化され、米国内で過激化し、本件テロを敢行するに至ったものと見られています。また、2015年12月には、カリフォルニア州サンバーナーディーノにおいて、イスラム過激主義に感化して過激化した米国市民及び永住者の男女2名による銃撃テロ事件が発生し、14名が死亡しました。
(3)その他
その他、特殊権益保護派(動物愛護や環境保護等を唱える過激派等)、右翼過激主義者グループ(白人優越主義過激派等)、左翼過激主義者グループ等によるテロについても、引き続き警戒が必要です。

3.誘拐事件の発生状況
 米国内では、身代金目的、性的暴行目的の誘拐事件のほか、乳幼児を狙った誘拐事件の発生が報告されています。また、メキシコの薬物を巡る治安情勢悪化に伴い、メキシコとの国境付近の州を中心に、多数の誘拐事件が発生しているとの報告があります。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 テロ組織等が米国内において日本人・日本権益を直接のテロの対象にする可能性は必ずしも高くないものと見られます。
 他方、近年、シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や、パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
 このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。