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トルコ
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年03月21日

1 概況
(1)トルコ国内には、テロ・誘拐活動を実行する非合法組織がいくつかあります。2023年にもテロ事件が発生しており、引き続き、留意が必要です。
(2)イスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」によるとみられるテロは、2015年10月以降、イスタンブールやアンカラ等で発生しています。現在も、全国でトルコ治安当局による対ISILオペレーションが行われ、関係者が拘束されており、ISILによるとみられる複数のテロ未遂事件が明らかになっています。
(3)反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」は、2022年には、4月にブルサ県、9月にメルシン県でそれぞれテロ事件を発生させています。11月にイスタンブール市内で発生した爆発事件では、一般市民6名が死亡、80名以上が負傷しており、トルコ治安当局はPKKによる犯行と断定しています。2023年にもアンカラ市内で自爆テロが発生し、警察官2名が負傷しています。PKKは、主にトルコ南東部及び東部において治安当局との衝突を続けており、同地域を中心にトルコ全土で治安当局による対PKKオペレーションが継続されています。
(4)極左過激派組織「革命人民解放党/戦線(DHKP/C)」は、主に司法機関や米国在外公館をテロの対象として活動しており、トルコ治安当局による取締りが継続しています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)イラク・レバントのイスラム国(ISIL)
 2016年1月にイスタンブールの旧市街にあるスルタンアフメット広場、2016年6月にイスタンブールのアタテュルク国際空港で、ISILによると見られるテロが発生しています。また、2017年1月にはイスタンブールのナイトクラブにおいて、外国人や観光客を対象とした銃乱射テロで多数が死傷した事案で、ISILが犯行声明を出しています。
 現在、トルコには約370万人のシリア難民が流入しており、その中にISIL関係者が紛れ込んでいる可能性があるとも言われています。2019年3月以降、ISILはイラクとシリアにおける支配地域をほぼ喪失したことから、行き場を失ったISIL戦闘員のトルコへの流入も懸念されています。トルコ治安当局はISILに対する取締りを継続しており、トルコ各地でISIL関係者を拘束しています。
(2)クルド労働者党(PKK)
 イラク北部を主たる拠点とするPKKは、2015年7月以降テロ活動を再開し、イスタンブール、アンカラ、トルコ南東部及び東部の県において、PKK及び関連組織「クルディスタン解放の鷹(TAK)」による、警察及び軍関係施設等に対するテロ活動が発生しています。2022年には、4月のブルサ県における刑務官輸送バス爆破事案、9月のメルシン県における警察官用宿泊施設襲撃事案に加え、11月にはイスタンブール中心部のイスティクラル通りにおいて一般市民6名が死亡、80名以上が負傷する爆発事件が発生しています。トルコ治安当局はPKKによる犯行と断定し、テロ組織関係者の摘発に注力しています。一方、これら摘発に反発したPKKがシリア国境沿いのガジアンテップ県やキリス県においてシリア側から複数回砲撃を行い、一般市民2名が死亡する被害も出ています。2023年中には、10月にアンカラ市内において警察官2名が負傷する自爆テロを実行しています。なお、PKKは2024年に設立50周年を迎えます。
(3)革命人民解放党/戦線(DHKP/C)」
 DHKP/Cは、主に政府機関や米国在外公館をテロの対象としており、2016年3月に、イスタンブール市銃撃事件を敢行したほか、2013年2月には、アンカラの米国大使館に対して自爆テロを敢行しました。また、2019年5月には、DHKP/C関係者の男女2人がトルコ国会内で武器を用いて職員を人質にしようとしたとして逮捕されました。トルコ治安当局は極左過激派組織に対する取締りを継続しており、トルコ各地で関係者を拘束しています。
(4)アル・カーイダ関連組織等その他のイスラム過激派組織
 トルコ国内では、2003年に発生したイスタンブールでの連続爆弾テロ事件及び2008年に発生した在イスタンブール米国総領事館襲撃テロ事件以降、当局の取締りが強化されており、アル・カーイダ関連組織によるとみられる大規模なテロ事件は発生していません。

3 誘拐事件の発生状況
 2007年以降、犯罪統計を当局が公表していないため、誘拐事件の総数については明らかになっておりませんが、日本人が狙われる可能性も排除できないため注意が必要です。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ、トルコにおいて、日本人及び日本権益を標的としたとしたテロ事件は発生していませんが、テロに巻き込まれる可能性は排除されません。日本人も多数訪れるイスタンブールの観光地等においてもテロが発生していることから、現地を訪れるにあたっては十分な注意が必要です。
 警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたこのようなテロは、近年、世界的に頻発しています。観光施設周辺のみならず、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等も、テロの標的となりやすいため、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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