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トルコ

更新日 2020年05月03日

1 概況
(1)トルコでは,2015年10月以降,イスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)によるとみられるテロ事件がイスタンブールやアンカラ等で頻発しましたが,2017年1月1日にイスタンブールのナイトクラブにおいて外国人や観光客などを対象とした銃乱射テロが発生して以降は,大規模なテロ事件は発生していません。ただし,現在も全国で治安当局による対ISILオペレーションが行われ,関係者が拘束されており,ISILによるとみられる複数のテロ未遂事件も明らかになっています。
(2)また,2013年3月に停戦を宣言していた反政府武装組織「クルド労働者党」(PKK,「クルド人民会議」(KONGRA-GEL))は,2015年7月以降,主にトルコ南東部及び東部でテロ活動を再開し,2016年には,イスタンブールやアンカラ等の都市部においても,関連組織である「クルディスタン解放の鷹」(TAK)による警察や軍を狙ったテロ事件が発生しました。PKKは,2016年12月にイスタンブールのサッカー場付近において自爆テロを敢行して以降,都市部において大規模なテロを実行していませんが,トルコ南東部及び東部において治安当局と衝突を続けており,トルコ治安当局による対PKKオペレーションが,同地域を中心にトルコ全土で継続されています。
(3)極左過激派組織「革命人民解放党/戦線」(DHKP/C)は,主に司法機関や米国在外公館をテロの対象として活動しており,2016年3月には,同組織による機動隊を狙った銃撃事件がイスタンブール市内において発生しました。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)イスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)
 2016年1月にイスタンブール旧市街のスルタンアフメット広場,2016年6月にイスタンブールのアタテュルク国際空港,2017年1月にイスタンブールのオルタキョイ地区にあるナイトクラブにおいてISILによるとみられるテロ事件が発生し(注:ナイトクラブでの事件については犯行声明あり),外国人を含む多くの死傷者が出ました。現在,トルコには約370万人のシリア難民が流入しており,その中にISIL関係者が紛れ込んでいる可能性があると言われています。2019年3月にISILは最後の拠点デリゾールを失い,イラク・シリアにおける支配地域をほぼ喪失したことから,行き場を失ったISIL戦闘員のトルコへの流入も懸念されています。トルコ治安当局はISILに対する取締りを継続しており,トルコ各地でISIL関係者を拘束しています。
(2)反政府武装組織クルド労働者党(PKK,「クルド人民会議」(KONGRA-GEL))
 イラク北部を主たる拠点とするPKKは,2013年3月に停戦を宣言し,トルコ政府との間で和平プロセスが進められました。PKKと治安当局との武力衝突は同宣言後激減していましたが,2015年7月以降,トルコ南東部及び東部においてPKKによる警察及び軍関係施設等に対するテロ活動が再発し,イスタンブールやアンカラにおいても,関連組織である「クルディスタン解放の鷹」(TAK)によるテロ事件が発生しました。PKKのテロは主に軍や警察を対象としており,2016年2月にはアンカラの空軍司令部付近,2016年3月にはアンカラのクズライ交差点付近,2016年12月にはイスタンブール・ベシクタシュ地区のサッカースタジアム付近において,自爆テロ事件等を敢行しました。トルコ治安当局は,トルコ南東部及び東部を中心にトルコ全土においてPKKに対する掃討作戦を実施しており,多くのPKK関係者を拘束しています。
(3)極左過激派組織「革命人民解放党/戦線」(DHKP/C)
 DHKP/Cは,2016年3月のイスタンブール・バイラムパシャ地区の機動隊基地前における女性テロリスト2人による自動小銃を使った銃撃事件や,2013年2月のアンカラの米国大使館に対する自爆テロ事件を敢行しました。2019年5月には,DHKP/C関係者の男女2人がトルコ国会内で武器を用いて職員を人質にしようとしたとして逮捕されました。同組織は,主に政府機関や米国在外公館をテロの対象として活動しています。トルコ治安当局は極左過激派組織に対する取締りを継続しており,トルコ各地で関係者を拘束しています。
(4)アル・カーイダ関連組織等その他のイスラム過激派組織
 トルコ国内では,2003年のイスタンブール連続爆弾テロ事件及び2008年の在イスタンブール米国総領事館襲撃テロ事件以降,アル・カーイダ関連組織によるとみられる大規模なテロ事件は発生していません。

3 誘拐事件の発生状況
 2007年以降,トルコ当局が犯罪統計を公表していないため,誘拐事件の総数については明らかになっていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 トルコでは,これまで日本人や日本権益を直接標的としたテロ事件は発生していませんが,日本人観光客も多数訪れるイスタンブール等の観光地においても自爆テロ事件等が発生していることに留意する必要があります。
 このような状況を十分に認識し,テロに巻き込まれることがないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は,このような「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が報道等の情報に基づいて海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり,本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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