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モーリタニア
テロ・誘拐情勢

更新日 2025年01月23日

1 概況
(1)モーリタニアでは、2005年以降、イスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」及び関係組織によるテロ・誘拐が活発化しましたが、2011年2月のヌアクショット近郊で発生した自爆テロ未遂事件を最後に沈静化しています。2019年8月に就任し、2024年7月に再選したガズワニ大統領は、中心的政策としてテロ対策の強化を掲げ、国境管理を強化し継続的な装備・機材の整備を行うとしており、堅実な政権運営の下、安定した治安情勢の継続が見込まれます。
(2)他方、2023年3月、首都ヌアクショットの刑務所からテロリスト4名が看守2名を殺害して脱獄する事件が発生しました。脱獄したテロリスト4名は武器を所持し、アドラール州のアタール付近まで車で逃走した後、拘束・殺害されました。この脱獄事件には協力者がいるとみられ、テロ組織関係者がモーリタニア国内に潜伏している可能性があります。
(3)また、2024年2月には、ヌアクショットにおいてテロ行為を計画していた若者が、テロ行為実行前に警察に逮捕される事件が発生したことから、当地においてもテロの危険因子が潜在していることが判明しています。
(4)モーリタニア周辺では、2017年3月、AQIM傘下の複数のテロ組織が統合された形で「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」が結成されています。これまでにマリ、ブルキナファソ、ニジェール等の周辺国において、同組織によるテロが多数発生しています。特に、隣接するマリでは、モーリタニアとの国境近くで中国人やモーリタニア人等が誘拐される事件が発生しています。
(5)2017年に周辺国におけるテロ対策の一環として、モーリタニアを含むサヘル地域5カ国によるG5サヘル合同部隊が組織されましたが、マリ、ブルキナファソ及びニジェールは既に脱退しており、現在のG5サヘルはモーリタニアとチャドの2ヶ国により構成されています。JNIMは同部隊を攻撃の対象とするとの声明を発出していることから、モーリタニアに対してテロ活動が行われる可能性は否定できません。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 「1 概況」のとおり。

3 誘拐事件の発生状況
 2011年を最後に、外国人を標的とした誘拐事件は発生していません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ、モーリタニアにおいて日本人がテロや誘拐の被害に遭った例は確認されていませんが、マリとの国境付近では日本人が誘拐されるおそれが十分考えられ、また2024年4月以降、国境付近にあるマリ領内のモーリタニア人コミュニティがマリ国軍及びマリ等に展開するロシアの民間軍事会社「ワグネル」に襲撃される事案が発生していることから、国境付近には近づかないでください。マリを含むモーリタニア周辺諸国においては、欧米人だけでなくアジア人も誘拐のターゲットになっています。マリにおいては、2021年7月、モーリタニアとの国境近くで中国人3名がテロ組織に誘拐されたほか、フランス軍の撤退や国連PKOの国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSUMA)の撤退により治安が不安定化しています。
 近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。


テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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