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ボリビア
テロ・誘拐情勢

更新日 2026年06月03日

1 概況
(1)近年のテロ情勢
 ボリビアでは、長期間、テロは発生しておらず、ISIL等の国際テロ組織の活動も確認されていません。
 2025年後半から2026年初頭にかけて、経済政策(燃料補助金の削減)に反対する前政権支持勢力による全国規模の抗議活動が発生しました。これに対し政府は、社会混乱を企図した「経済テロ」であるとして厳格な対処を表明しています。また、後述する国際麻薬密輸組織の動向についても、治安当局への報復等が予想され、警戒が続いています。

(2)国内のテロ組織及び反政府組織等について
 現在まで、国内においてイスラム過激派分子の活動や国外組織との連携、戦闘員(FTF)の帰還等の動向は確認されていません。ボリビア国内に拠点を置く国際的なテロ組織は確認されていませんが、以下の勢力が治安上の懸念となっています。

ア 前政権支持層内の過激グループ
 コチャバンバ県チャパレ地方を拠点に、政治的動機に基づく道路封鎖や、ダイナマイトを使用した威嚇活動等を行っています。

イ 国際麻薬密輸組織
 ブラジルを本拠とする国際麻薬密輸組織(「首都第一コマンド(Primeiro Comando da Capital)」及び「コマンド・ベルメーリョ(Comando Vermelho)」等) がサンタクルス県や国境地帯での活動を活発化させており、麻薬売買のみならず、拳銃等の武器密輸入が増加しているとの情報があります。

 なお、前政権下で締結されたイランとの軍事技術協力に関する覚書については、2026年4月に現政権の国防当局が無効を宣言しました。情報当局によれば、これら協力は技術分野に限定されています。

(3)近年の誘拐情勢
 誘拐事件は、麻薬密輸組織の活動が盛んなコチャバンバ県チャパレ郡・カラスコ郡、およびブラジル・パラグアイとの国境地帯を中心に、組織間の抗争に伴う報復や身代金を目的として発生しており、増加傾向にあります。一方、外国人観光客を含めた一般人を標的とする「短時間誘拐」については、現在ほとんど発生していません。しかしながら、2026年5月、サンタクルス県において、警察官を装った武装集団が日系人宅に侵入し、住人を長時間拘束・暴行して金品を強奪する凶悪な強盗事件が発生しました。
 最近の高いインフレ率(昨年度20%超)に伴う経済不況を背景に、強盗等の金銭目的の犯罪が急増していることから、今後、一般人を標的とした誘拐事案が増加する可能性も排除できません。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)組織犯罪対策の強化と報復リスク
 2026年3月、サンタクルス市内で、国際的な麻薬密輸ネットワークの重要人物が、ボリビア当局と米国の合同捜査により逮捕されました。新政権による犯罪組織掃討作戦の成果とされる一方、組織側による治安当局や関連施設への挑発・報復活動のリスクが高まっています。また、これに伴い麻薬密輸組織間の抗争が表面化しており、治安の不安定化要因となっています。

(2)急進的な政策転換に伴う混乱
 2026年1月、現政権が経済改革の一環として燃料補助金の撤廃(燃油価格の高騰)を行った際、これに反発する勢力により、コチャバンバ県を中心に主要幹線道路が1週間にわたって封鎖されました。本年5月以降も、主要労働団体による住民集会や道路封鎖が実施されており、政治情勢次第では急激に混乱が拡大する恐れがあります。

3 誘拐事件の発生状況
 「1 概況」のとおり。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現政権発足に伴う急進的な政策転換や、それに対する前政権支持勢力による反発、さらには国際麻薬密輸組織への取締り強化の反動などにより、国内情勢は新たな緊張局面にあります。日本人が直接テロや誘拐の標的となる可能性は低いものの、道路封鎖に伴う物流・移動の制限、および経済的不安に乗じた一般犯罪の増加には、引き続き十分な警戒が必要です。
 現在のところ、ボリビアにおいて、テロ・誘拐による日本人の被害は確認されていませんが、2026年5月にはサンタクルス県内のサンフアン移住地において、日本国籍保有者が武装集団による強盗・暴行被害に遭う事件が発生しています。依然として日本人(日系人含む)は「富裕層」であるという認識が強く、犯罪の標的となりやすい傾向にあります。
 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
 テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。


テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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