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テロ・誘拐情勢

2018年05月01日

1.概況
 ブラジルにおいては,1964年~1985年の軍事政権時代において,テロを敢行する可能性を持った不穏分子は徹底的に鎮圧又は極度に弱体化されたとされ,過去約30年にわたりテロ事件は発生していません。しかし,2016年,リオデジャネイロ五輪の開催直前には,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)に忠誠を誓い,SNSを利用してテロ準備活動を行ったとされるブラジル人グループが逮捕され,その後有罪判決を受けました。また,違法銃器が国内に大量に出回っていること等から,特に「ローンウルフ」や「ホームグロウン・テロリスト」等によるテロが発生する可能性は排除できません。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ブラジルは,これまで国際テロ組織による直接的な犯行の標的とされたことはありません。しかし,近隣諸国においては,1996年のペルー(リマ)での日本大使公邸占拠や,1994年のアルゼンチン(ブエノスアイレス)での自動車爆弾によるイスラエル共済組合会館(AMIA)爆破等のテロ事件が発生しています。他にも,近年コロンビア政府と和平合意に至ったコロンビア革命軍(FARC)で,同合意に応じない分子等による越境テロやゲリラ活動の可能性については,常に注意が必要です。
(2)ブラジル,アルゼンチン及びパラグアイの三国国境地帯や,コロンビア,ペルー等と接する北部国境周辺地域では,武器・麻薬密売等の犯罪組織が活発に活動していることから,引き続き注意が必要です。

3.誘拐事件の発生状況
 ブラジルでは,金品強奪目的の一般犯罪が増加しており,身代金目的の誘拐事件も,サンパウロ市等を中心に発生しています。
 その中で,「短時間誘拐(電撃誘拐)」という,複数又は単独犯により被害者を一時的に拘束しATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた上で解放する手口が頻発しています。発生場所は広範囲に及び,2010年11月には,マナウスにおいて,車で帰宅途中の日本人が強盗に遭い,そのまま短時間誘拐に発展したケースもあります。日本人駐在員が多いサンパウロ市及び近郊の都市においては,2015年以降,日本人が被害者となったケースは確認されていませんが,2014年には6件,またそれ以前には毎年1~2件程度,日本人が短時間誘拐の被害に遭っていました。特に被害に遭いやすいのが,車両の乗降時や待ち合わせ等で路上待機中のタイミングですが,中には走行中の車両を強引に止められて誘拐されるケースもあります。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 これまでに,ブラジルにおいて,テロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリアやチュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。