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ブラジル
テロ・誘拐情勢

更新日 2026年01月22日

1 概況
(1)近年のテロ情勢
ブラジルでは過去約40年にわたりテロ事件は発生していません。
(2)国内のテロ組織等について
リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックが開催された2016年に、ISILに忠誠を宣言したブラジル人グループがSNSを利用してテロ準備活動を行ったとして逮捕され、その後有罪判決を受けた例があります。また、2023年には数名のシリア系ブラジル人がブラジル国内におけるユダヤ系施設への攻撃を計画したとして連邦警察に逮捕されたほか(首謀者は未だ逃亡中)、ブラジル国内でジハード主義者を勧誘しシリア等の中東各国のテロ組織に合流させる目的を持っていたとされる者らが摘発されました。さらに、2025年にはリオデジャネイロのコパカバーナ海岸で開催された大規模音楽イベントで、性的マイノリティを標的として手製爆弾や火炎瓶での襲撃を計画したとして2名が逮捕されています。このように、インターネット等を通じて過激思想に共感を抱く者も散見されることから、今後も「ローン・オフェンダー」と呼ばれる単独犯によるテロや「ホームグロウン・テロリスト」等による不特定多数を狙ったテロが発生する可能性は排除できません。
(3)近年の誘拐情勢
 ブラジルでは、テロリストによる誘拐事件は発生していませんが、金銭等強奪目的の一般犯罪が多発しており、 現地ではsequestro relâmpago(電撃誘拐)とも呼ばれる「短時間誘拐」も多発しています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ブラジルは、これまで国際テロ組織による直接的な犯行の標的とされたことはありません。しかし、近隣諸国においては、1994年のアルゼンチン(ブエノスアイレス)での自動車爆弾によるイスラエル移民救済会館(AMIA)爆破事件等のテロ事件や1996年のペルーでの日本大使公邸占拠事件が発生しています。ブラジルもこれらの国と国境を接していることから、コロンビア革命軍(FARC)の残党、イスラム過激派等による越境テロやゲリラ活動の可能性については、常に注意が必要です。
(2)また、ブラジル、アルゼンチン及びパラグアイが国境を接するいわゆる「三国国境地帯」では、イスラム教シーア派武装組織であるヒズボラとブラジルで最も凶悪で規模が大きいと言われている犯罪組織「首都第一コマンド」(PCC)との提携関係が報じられています。コロンビア、ペルー等と接する北部国境周辺地域では、薬物密売等の犯罪組織が活発に活動していることからも、引き続き注意が必要です。

3 誘拐事件の発生状況
 ブラジルでは、テロリストによる誘拐事件は発生していませんが、金銭等強奪目的の一般犯罪が多発しており、 現地ではsequestro relâmpago(電撃誘拐)とも呼ばれる「短時間誘拐」も多発しています。これは、複数又は単独犯により被害者を一時的に拘束しATMで現金を引き出させる、または電子送金システム(PIX)を使って送金させた上で解放するというものです。2010年11月には、マナウスにおいて、車で帰宅途中の日本人が強盗に遭い、そのまま短時間誘拐に発展した事件も発生しています。邦人企業駐在員が多いサンパウロ州においては、2015年以降、日本人が被害者となった短時間誘拐は確認されていませんが、2014年には6件発生しており、過去には毎年1~2件程度、邦人被害の短時間誘拐が発生しています。発生場所は広範囲で、サンパウロ市内だけでなく、カンピーナス市やモジ・ダス・クルーゼス市等の郊外の都市でも発生しています。手口としては、車両の乗降時に被害に遭うケースのほか、駅等に家族・友人を迎えに行き、路上待機している際に被害に遭うケースや、走行中の車両を強引に停めるという手口も発生しています。身代金目的の誘拐事件も、企業経営者等をねらったものがサンパウロ等を中心に発生しています。
 なお、中南米地域においては、SNSのアカウントを乗っ取る等して誘拐を装い短時間のうちに現実的に支払い可能な金額(身代金)を振り込ませる偽装誘拐事件も発生していますので、注意が必要です。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 これまでに、ブラジルにおいてテロによる日本人の被害は確認されていません。しかし、2024年には首都ブラジリア市内の観光地にもなっている最高裁判所前で、国内政治の対立に起因した自爆事件も発生しており、一般市民がこのような事件に巻き込まれる可能性もあります。また、過去にはイラク・レバントのイスラム国(ISIL)に忠誠を誓い、国内でテロ準備活動をしたとして複数のブラジル人が逮捕されるなど、一般市民を狙ったテロの危険性がないとはいえません。
 テロによる日本人の被害は、イランの一部地域やイラク、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的になり得ることを十分に認識し、テロに巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

テロについて

「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報等に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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