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ブラジル
テロ・誘拐情勢

更新日 2022年08月02日

1 概況
 ブラジルにおいては、1964年~1985年の軍事政権時代において、テロを敢行する可能性を持った不穏分子は徹底的に鎮圧又は極度に弱体化されたと言われており、過去約30年にわたりテロ事件は発生していません。しかし、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックが開催された2016年には、ISILに忠誠を宣言したブラジル人グループがSNSを利用してテロ準備活動を行ったとして逮捕され、その後有罪判決を受けている他、ブラジル国内でジハード主義者を勧誘しシリアでテロ組織に合流させる目的を持っていたとされる者らが連邦警察に摘発されるなど、インターネット等を通じて過激思想に共感を抱く者も散見されることから、今後も「ローンウルフ」や「ホームグロウン・テロリスト」等による不特定多数を狙ったテロが発生する可能性は排除できません。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ブラジルは、これまで国際テロ組織による直接的な犯行の標的とされたことはありません。しかし、近隣諸国においては、1996年のペルーでの日本大使公邸占拠事件や1994年のアルゼンチン(ブエノスアイレス)での自動車爆弾によるイスラエル移民救済会館(AMIA)爆破事件等のテロ事件が発生しています。ブラジルもこれらの国と国境を接していることから、コロンビア革命軍(FARC)の残党、イスラム過激派等による越境テロやゲリラ活動の可能性については、常に注意が必要です。
(2)また、ブラジル、アルゼンチン及びパラグアイが国境を接するいわゆる「三国国境地帯」では、イスラム教シーア派武装組織であるヒズボラとブラジルで最も凶悪で規模が大きいと言われている犯罪組織「首都第一コマンド」(PCC))との提携関係が報じられている他、コロンビア、ペルー等と接する北部国境周辺地域では、薬物密売等の犯罪組織が活発に活動していることから、引き続き注意が必要です。

3 誘拐事件の発生状況
 ブラジルでは、テロリストによる誘拐事件は発生していませんが、金銭等強奪目的の一般犯罪が多発しており、電撃誘拐とも呼ばれる「短時間誘拐事件」も多発しています。これは、複数又は単独犯により被害者を一時的に拘束しATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた上で解放するというものです。2010年11月には、マナウスにおいて、車で帰宅途中の日本人が強盗に遭い、そのまま短時間誘拐に発展した事件も発生しています。邦人企業駐在員が多いサンパウロ州においては、2015年以降、日本人が被害者となった短時間誘拐は確認されていませんが、2014年には6件発生しており、過去には毎年1~2件程度、邦人被害の短時間誘拐が発生しています。発生場所は広範囲で、サンパウロ市内だけでなく、カンピーナス市やモジ・ダス・クルーゼス市等の郊外の都市でも発生しています。手口としては、車両の乗降時に被害に遭うケースのほか、駅等に家族・友人を迎えに行き、路上待機している際に被害に遭うケースや、走行中の車両を強引に停めるという手口も発生しています。身代金目的の誘拐事件も、企業主等をねらったものがサンパウロ等を中心に発生しています。
 なお、中南米地域においては、SNSのアカウントを乗っ取る等して誘拐を装い短時間のうちに現実的に支払い可能な金額(身代金)を振り込ませる偽装誘拐事件も発生していますので、注意が必要です。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 これまでに、ブラジルにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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