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※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

犯罪発生状況、防犯対策

1.犯罪発生状況
(1)全般
 ブラジルでは,一般犯罪や麻薬に絡む組織的な犯罪が頻発しています。これらの犯罪の手口は凶悪で,多くの犯行に拳銃等が使用され,抵抗すると殺害されることもあり,観光地においても同様に油断できません。また,「ファベーラ」と呼ばれるスラム街は犯罪の温床となっており,立ち入った者が殺害されることもあります。

(2)強盗
 拳銃等を使用した強盗には,日本人も多数被害に遭っており,抵抗すると殺害されることもあります。キャッシュコーナーで現金を引き出した後及びショッピングセンターなどから出た後が狙われやすくなっています。

(3)短時間誘拐
 短時間誘拐(電撃誘拐)という金品や車両を強奪するために拳銃等を使って脅迫し,被害者を一時的に拘束する犯罪が頻発しています。拘束後は,ATMで現金を引き出させ,金品等の貴重品や携帯電話,車両を奪った後に連絡手段のない市街から離れた場所で解放するのが特徴です。車の乗り降り時及び停車時に狙われやすいので,常に周囲の状況を確認し,不審な者がいないか注意してください。

(4)スキミング被害
 クレジットカードのスキミング被害が頻発しており,一流ホテルでも多くの日本人が被害に遭っています。店員に見える場所で決済させるようにする等の注意が必要ですが,スキミング行為は瞬時に行われ,防ぎきれないところがありますので,利用明細書等を小まめに確認してください。

(5)テロ
 これまでに,ブラジルにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2.都市別の状況
【リオデジャネイロ】
(1)犯罪発生状況
 リオデジャネイロ州公安局の犯罪統計によれば,リオ市内における2016年の人口10万人当たりの殺人事件件数は約20.4件,同強盗事件件数は約1,584.8件となっており,2016年夏期五輪以後悪化しています。コパカバーナやセントロ地区といった観光地を含め,麻薬密売組織の抗争事件,銃器やナイフを使用した強盗,置き引き,ひったくりはもとより,麻薬密売組織間の抗争に治安当局が介入した銃撃戦がスラム街で昼夜を問わず発生し,多くの一般市民が巻き添えになるケースが頻発しています。最近では,スラム街の観光ツアーに参加していた外国人旅行者が警戒中の警察官から銃撃を受けて死亡する事件も発生しており,スラム街への立ち入りはツアー参加も含め絶対に止めてください。ひったくりについて,手口は自転車又は徒歩で接近し後ろから追い越しざまにひったくる,前後から挟み込んだり数人で取り囲む等して財布を抜き取ったり手荷物を奪う,仲間が親しげに話しかけ,気をそらした隙に他の仲間が荷物を奪い去る等があります。スマートフォン,腕時計,カメラ,ビデオ及び装飾品等も狙われます。
 また,路線バス内での強窃盗事件が頻発していますので,市内を移動する際は,タクシー(可能な限りタクシー乗り場を利用)を利用してください。その際,手荷物はトランクや車内の足下に置くなどして,外から見えないようにしてください。

(2)犯罪多発地域
スラム街をはじめ,従来は安全といわれていた観光名所,高級住宅街及びその周辺においても発生しています。また,観光地や高級住宅街の周辺にも貧民街が密集しており,その周辺では,麻薬密売組織の抗争事件や治安当局の取締りによる銃撃戦等が頻発しています。
スラム街は特に市中心部と国際空港を結ぶ高速道路周辺にありますので,特に犯罪が発生し易い深夜から未明の時間帯の空港の利用,幹線道路の通行は避けてください。
その他,次のような地区で犯罪被害が発生しています。なお,人通りのある時間帯であっても事件が発生していますので,時間帯や人通りの多少にかかわらず注意が必要です。
ア フラメンゴ地区
浮浪者やストリート・チルドレンが集まっており,人通りの多い場所であっても十分な注意が必要です。アテホ・ド・フラメンゴ(海岸沿いの埋立地公園)は,特に夕暮れ時から明け方にかけ,人通りもほとんどなくなることから強盗被害に遭う確率が高くなっています。 また,同地区では,「アテホ・プレゼンテ」と呼ばれる警察,自治体が合同で行うパトロールシステムが採用されており,制服着用の職員がパトロールしています。
イ ボタフォゴ地区
日系企業事務所が多数所在するボタフォゴ地区は,商店や事務所を狙った侵入強盗事件が増加傾向にあります。また,海岸に面した通りでは深夜,早朝等の人通りの少なくなる時間帯に被害に遭う確率が高くなります。
ウ コパカバーナ地区,イパネマ地区,レブロン地区
警察官や警備員が多く配置されていますが,早朝や夕暮れ以降に,海岸通りで外国人旅行者を狙った強盗事件が発生しています。人通りの多い時間帯であっても置き引き,スリ,ひったくり等が発生しており,夜間,早朝には拳銃,ナイフを使用した強盗事件が頻発しています。犯行の大半が未成年者グループによるもので,特に,波打ち際の一人歩きは大変危険です。
エ コルコバードの丘,ポン・ジ・アスーカル
この2か所はリオデジャネイロで最も有名な観光名所で,軍警察官及び市警察官が配置されていますが,スリ,ひったくり,置き引き等が発生しています。持ち物には常に気を配り,スマートフォン,カメラ等はできるだけカバン等に収めて携行し,必要な時のみ取り出すようにしてください。
コルコバードの丘(キリスト像)へ至る登山道では,拳銃使用の強盗事件が頻発していますので,なるべく登山電車を利用してください。また,観光客をターゲットにして法外な値段でガイドを申し出る違法業者もいますので注意してください。
オ セントロ地区及びカテドラル・メトロポリターナ,ラパ水道橋
路上強盗が頻発しています。最近では,背後から尾行され,人通りのない脇道に入った途端,拳銃を突きつけられて所持品を奪われる事件が発生しています。特に,夜間,早朝及び週末は人通りが少なくなるので注意が必要です。セントロ地区のバスターミナル内では,バスを降りた旅行者を狙った置き引きが頻発しています。移動には極力タクシー等の車両を利用してください。

【サンパウロ】
(1)犯罪発生状況
拳銃を使用した強盗・殺人等の凶悪事件が昼夜を問わず頻発しています。邦人被害の発生が多い強盗事件(短時間誘拐を含む)については,依然として高止まりの状態が続いていますが,サンパウロにおいては,被害者が警察に届け出ないケースが多く,警察が認知している以上に事件が発生していると推測されます。拳銃やナイフ等を伴う犯行では,抵抗・逃走等の対応をとればほぼ死傷します。日本とは危険度が全く異なることを認識しておくことが重要です。

(2)犯罪被害多発地域
ア セントロ地区(旧市街)
サンパウロの起点であり,観光名所となっている大聖堂(カテドラル・メトロポリターナ)があるセー広場は連日多くの観光客でにぎわっていますが,スリ,ひったくりなどの窃盗事件の多発地域でもあります。記念撮影をしている際に所持品を盗まれる事件や,親切な人間を装って「服が汚れていますよ」などと声をかけてきたり,アイスクリームをかけるなどして実際に衣服を汚し,気をそらしている隙をついて所持品を盗むといった手口による事件が発生しています。
イ リベルダージ地区
日本の食材が揃い,日本人が多く訪れる東洋人街があるリベルダージ地区ですが,人混みの中でのスリ,ひったくりといった窃盗事件や,拳銃使用による強盗事件が昼夜を問わず発生しており,時間帯や人通りの多少に関わらず注意が必要です。
ウ パウリスタ大通り周辺
高層ビルが建ち並ぶオフィス街であり,多くの日系企業や在サンパウロ日本国総領事館の所在地であるパウリスタ大通りは,一見安全に見えますが,携帯電話を狙った強・窃盗事件の多発場所です。さらに,同大通り周辺では車輛を対象とした強盗事件や家屋,レストランへの侵入強・窃盗事件も発生しており,そのほとんどに拳銃が使用されています。
エ モルンビー地区
アイルトン・セナが眠るモルンビー墓地があるほか,サンパウロFC(サッカークラブ)のホームスタジアムもあり,試合の開催日には多くの観客で賑わいます。同地区は多くの著名人の居宅が建ち並ぶ高級住宅地でもあり,富裕層をねらった路上・侵入狙った強盗事件が頻発しています。さらに,サッカースタジアム等の施設内に設置されているATM機を爆破して現金を奪うといった手口の強盗事件も発生しています。
オ 空港周辺等
空港内で置き引き被害が頻発しており,多くの邦人も被害に遭っています。空港のチェックインカウンターでの手続き中に見知らぬ人間から声をかけられ,気を取られている隙に荷物を盗まれる事案も多く発生していますので,荷物は身のまわりに置き,常に目を離さないよう気をつける必要があります。また,空港からサンパウロ市内に向かう幹線道路では,犯罪者が警察官を装い検問を偽装し,車輛を停車させて強盗に及ぶ手口も見られます。また,空港から後をつけ,ホテルや自宅に到着した際を狙って犯行に及ぶ事例も発生しています。
カ その他
短時間誘拐が,サンパウロ市内の特に西部方面,及び近郊のカンピーナス市等で発生しています。通勤・通学時は狙われやすく,車両移動中に被害に遭うこともあります。また,サンパウロ大都市圏ではABC地区(ジアデーマ市,サント・アンドレ市,サン・ベルナルド・ド・カンポ市など)等で強・窃盗事件等が発生しており,注意が必要です。

【クリチバ】
(1)犯罪発生状況
パラナ州公安局発表による2016年クリチバ市内の殺人件数は468件,パラナ州全体では2,476件発生しています。麻薬がらみのトラブルや怨恨による殺人が大半ですが,強盗犯に抵抗して殺害されるケースも頻発しています。クリチバ市での強盗件数は年間36,850件,窃盗件数は年間45,427件,車両強盗は年間5,158件と非常に多く,十分な注意が必要です。強盗犯は拳銃を使用し,見張り,実行犯,逃走車両の運転手等,必ず複数名で犯行を行います。ついては,強盗犯に遭遇した場合は絶対に抵抗せず,犯人の要求に従ってください。

(2)犯罪被害多発地域
ア クリチバ市で殺人事件が頻発している地域は,クリチバ工業団地(CIC),カジュルー地区,シティオ・セルカード地区,ウベラーバ地区等,河川に隣接する地域,パロリン及びグアイーラのファベーラ,南西部の高速道路沿いの地区及び北東部のコロンボ市に隣接する地区等です。殺人事件の主な原因は犯罪者と市民や警察との衝突,麻薬取引のトラブル,ギャング間の抗争等です。特に違法な取引(麻薬や偽造物品等)の舞台となることの多いバスターミナル周辺では,昼夜問わず発砲事件が発生しており,厳重な注意が必要です。
イ これまで治安が良いとされていたセントロ地区,アグア・ベルジ地区,ジャルジン・ダス・アメリカス地区,セミナーリオ等の地区でも治安が悪化しつつあり,以前から多かった車両盗難に加え,家宅侵入や殺人等の凶悪犯罪が発生しています。
ウ クリチバ市内とクリチバ国際空港を結ぶ「トーヘス街道」,サンパウロへ向かう国道116号線沿い,パラナグア市(海岸方面)に向かう国道277号線沿い及び市内の河川沿いには,ファベーラの住民による走行車両を狙った強盗事件などが発生しています。

【マナウス】
(1)犯罪発生状況
 アマゾナス州マナウス市では,銃器を使用した殺人や強盗,短時間誘拐等の凶悪犯罪が昼夜,場所を問わず発生しており在留邦人も被害に遭っています。また,マナウスは麻薬密輸の中継地といわれており,麻薬絡みの犯罪も頻発しています。
 アマゾナス州公安局が発表した2016年のマナウス市の犯罪統計によれば,10万人当たりの殺人事件件数は44.5件,強盗事件は2,042.6件となっており,同地域に滞在する際には十分注意が必要です。

(2)犯罪被害多発地域
ア 観光名所が多数所在するセントロ地区周辺では路上強盗等の犯罪が頻発しており,特に夜間や人通りの少ない場所では十分注意が必要です。また,人の往来が多い場所(セントロ地区の港から旧市役所に至る地域で,市内各地を結ぶバスのターミナル周辺など)は昼夜を問わずスリやひったくり等の犯罪が頻発しています。
イ 在留邦人が多く居住するマナウス市南部アドリアノポリス地区,ノッサ・セニョーラ・ダス・グラッサス地区,パルキデス地区周辺は比較的治安が良いといわれてきましたが,最近ではショッピングセンター内での強盗事件や路上での強盗殺人事件等凶悪犯罪が発生しており,十分に注意が必要です。
ウ マナウス市北部及び東部では,麻薬密売に絡む殺人や銃器を使用した強盗が頻発している上,麻薬組織員の潜伏エリアとされているため,不要な訪問は避けてください。
エ 市内東部に位置する工業団地周囲は貧困地区もあり,歩行者も少なく人目につかないことから強盗事件が発生しています。
オ ネグロ川沿いに位置するポンタネグラ地区の川岸では,人通りの多くなる週末や夜間に酔っ払いによる喧嘩が殺人事件に発展したケースや集団強盗事件が発生していますので,十分にご注意ください。

【ブラジリア】
(1)犯罪発生状況
 ブラジリアも近年郊外の衛星都市を中心に治安が悪化しており,ブラジル国内の他の大都市と同様に防犯対策に十分に留意する必要があります。 特に路上強盗が頻発しており,徒歩での移動や車の乗降時に細心の注意を払う必要があります。

(2)犯罪被害多発地域
ア プラノピロト(中心部)全般
 歩行者に対する強盗犯罪が頻発しており,移動はタクシー等を利用してください。また,最近では,今まで比較的安全だと思われていたアザ・スウ地区で短時間誘拐が発生したり,ラゴ・スウ地区,アザ・ノルチ地区で強盗が発生したりと,治安が悪化してきているため注意が必要です。
イ ホテル地区
 ホテル地区及びその周辺部は,浮浪者及び麻薬使用者等の犯罪者が集まる傾向があり,特に夜間は強盗や殺人も発生しているため注意が必要です。
ウ バスターミナル地区
 バスターミナル地区周辺は,プラノピロトの中でも最も治安が悪い場所の一つです。この地区では麻薬及び武器等の売買も行われており,それに絡んだ事件等も発生しているので注意が必要です。
エ 郊外(衛星都市)
 郊外の衛星都市では,殺人,強盗等の凶悪事件が頻発しているので,十分注意してください。

【ベレン】
(1)犯罪発生状況
 パラー州ベレン大都市圏(ベレン市,アナニンデウア市,マリツーバ市,ベネビデス市,サンタ・バルバラ市,サンタ・イザベル市)全域で銃器を使用した殺人,強盗等の凶悪犯罪が日常的に発生しています。特に歩行者を狙った路上強盗,車両減速時を狙った車両強盗,バス車内での強盗,逃走中の強盗犯による人質立て籠もり,警察と強盗犯との間で発生する銃撃戦等,いずれも銃器を使用した事件が頻発しています。また2015年11月には,銃撃戦最中の車両強盗に巻き込まれた日本人2名が殺害される事件も発生しております。
 2016年犯罪件数を東京都(1,351万人)とベレン大都市圏(240万人)を人口10万人あたりで比較すると,強盗が東京の1,161倍,943倍,強盗殺人が1,261倍,136倍,殺人が98倍です。
 また,ベレン大都市圏内では1日平均約505件の犯罪が認知されていますが,これは警察に届け出があったもので,実数はさらに増加するものと考えられます。

(2)犯罪被害多発地域
 ベレン大都市圏中心部のベレン市内で特に犯罪が頻発していたマルコ,ジュルーナス,グアマ,サクラメンタ,テーハ・フィルメ等の地区において,麻薬密売組織の拠点を警察が取締りを強化したため,従来比較的安全と言われていた長期滞在者が多く住む,ウマリザウ,サンブラス,ナザレ,バチスタ・カンポス等の地区に麻薬密売人等の拠点が移されており,犯罪事件が急増しています。そのためベレン市内でも注意が必要です。
 当地の主要観光地である・ヴェロペーゾ市場,ナザレ大聖堂,エミリオ・ゲルジ博物館,カステロ要塞,共和国広場(平和劇場周辺)宝石美術館,マンガル・ダス・ガルサス公園では,邦人を含む旅行者の多くが強盗,スリ,ひったくり等の被害に遭遇しています。夜間,休日の人通りの少ない時間帯には立ち入らないことをお勧めします。

【ポルトアレグレ】
(1)犯罪発生状況
 リオ・グランデ・ド・スル州公安局発表による2016年ポルトアレグレ市内の殺人件数は745件,州全体では3,518件(前年より300件増),その他,車両強盗等の一般犯罪も急増しています。殺人事件の大半は麻薬がらみのものですが,物取り等が強盗殺人に発展するケースも昼夜問わず発生していますので,十分な注意が必要です。

(2)犯罪被害多発地域
ア セントロは最も危険な地域の一つとされています。同地区にあるクラブは,麻薬売買の中心となっており,殺人事件が起こることもあるため,訪問は控えることをお勧めします。
イ パルテノン,ヴィラクルゼイロドスル,ボンジェズース等の地区や市内を一望に見渡せるサンタテレーザの丘,ポリシアの丘などの地区は,スラム街に接しており,非常に危険なため,近寄ることは絶対に避けてください。

【レシフェ】
(1)犯罪発生状況
 レシフェ大都市圏における2016年の10万人あたりの殺人件数は48件,強盗・恐喝・営利誘拐件数は2,014件となっています。近年では,レシフェ以外にもサルバドールやフォルタレーザ等の北東ブラジルの各州都や地方都市でも治安が悪化しています。特に市内中心部や人通りの少ない場所では,ひったくりや強盗事件等が昼夜を問わず発生していますので,単独行動は極力避けるようにし,万一,強盗被害に遭った場合は絶対に抵抗しないことが肝要です。
 また,レシフェ市には同市をホームタウンにした3つのサッカーチームがあり,市内サッカー場にて毎週末試合を行っていますが,時々,興奮したファン同士による傷害事件が発生しており,中には拳銃所持のファンが発砲したケースもあります。サッカーの試合がある日はサッカー場へ近付かないようにし,特に当日夜は外出を避けるようにしてください。

(2)犯罪被害多発地域
ア レシフェ市内各所にファベーラが点在しており,高層マンションビル街の谷間にバラック小屋が犇めき合うという光景も珍しくありません。それら周辺地域では麻薬の売買,強盗,スリ等の被害が頻発していることから,絶対に近づかないでください。特にボア・ビアージェン地区(ビーチ)とマダレナ地区(旧市街)を結ぶ幹線道路周辺は,市内で最も危険と言われている通称コッキ・ファベーラや市内最大のファベーラであるサント・アマーロ地区と隣接しており,幹線道路上の信号待ちの乗用車を狙った強盗事件が頻発しています。また,ピーナ地区のリオマールショッピングセンターは通称ボッジ・ファベーラと隣接していますので,同ショッピングセンターへの往復は必ずタクシーを利用してください。 外出時は常に周囲を警戒し,また,夜間の外出や単独行動は避けてください。
イ メトロの車内や駅周辺,路線バス車内においても集団強盗事件が頻発していますので,移動に際しては公共交通機関を控え,タクシーを利用してください。

3.防犯対策
(1)犯罪被害に遭わないために,上記各項で記述した危険な地域に立ち入らない等の対策以外にも,ブラジル各地で頻発する強盗,スリ,ひったくり対策として,以下の防犯対策を参考にしてください。
○ 夜間,休日など,人通りの少ない時間帯の外出を避ける。
○ 複数人で行動する。
○ 時計,貴金属ははずし,華美な服装を避ける。
○ 携帯電話やカメラの取り出しは,必要最小限にとどめる。
○ 必要な現金を小分けにする。

(2)公共交通機関利用時
ア タクシー
 流しのタクシーや空港,その他の観光地周辺で客待ちをしているタクシーの利用は避けるようお勧めします。外国人と見るとメーターを稼働させずに法外な料金を請求したり,受け取った紙幣をすばやく小額紙幣にすり替え,不足している等と言いがかりをつけ再度要求してきたり,故意に遠回りをし,相場以上の運賃を要求する悪質な場合があります。タクシーは料金前払い制の無線タクシー及びタクシー乗り場に待機中のタクシーの利用をお勧めします。また,乗車後にメーターが作動していることを確認してください。支払いは必ず車内で済ませ,釣り銭や財布を手に持ったまま降りないよう注意してください。タクシーを乗降車する際に襲われる強盗事件が頻発していますので,乗降車の際は路上ではなく,できるだけガレージ等に入れるよう心掛けてください。
イ バス
 市内,長距離を問わず強盗事件が頻発しているので利用は避けてください。
 リオデジャネイロ北部地区等においては,スラム街の抗争に伴う放火事件などの発生や多数の死傷者を伴う交通事故も多く発生しています。
 クリチバ市においては,バス専用道路とチューブ型バス停で名物となっている市営バス(オレンジ色の3両連結)は,鉄道感覚で利用しやすいものとなっています。しかし,朝夕のラッシュ時など時間帯によっては乗客の混雑が激しく,車内やバス停留所内でのスリやチューブ型停留所で集金したバス料金をねらった強盗が発生しており日本人の被害も増加しています。
ウ 地下鉄(リオデジャネイロ,ブラジリア,サンパウロ)
 混雑時のスリ,乗車口付近での発車間際の携行品のひったくり等に注意してください。駅の出入口付近は,強盗事件が頻発しているので十分な注意が必要です。特に大きなターミナル駅では,麻薬の売人等も多く,強盗事件も頻発しておりますので,付近を徒歩で移動することは避けて下さい。

(3)短時間誘拐については,主として夜間に乗用車が信号待ちで停車したところや,人通りが少なく照明のない駐車場で,拳銃等の銃器で脅迫されるケースが多いとされていますので,車両で移動する際には,常に窓を閉めてドアをロックし,駐車する際は照明付近で,かつ人通りのある場所をお勧めします。なお,危険を避けるために,深夜は赤信号であっても止まらず徐行して通過することが必要な場合があります。まずは行動を予測されないよう,パターン化した行動や移動経路は避け,行動予定を第三者に知られないように努めてください。また,キャッシュカードやクレジットカードを必要時以外持ち歩かないこと,万一拘束されたら犯人の指示に従い,抵抗しないことが重要です(誘拐対策の詳細はホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html 及び https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html を参照してください)。

(4)カーニバル開催期間
 ブラジルにおけるカーニバルは,毎年2月ごろ各地で開催されます。世界的に有名なリオデジャネイロ,サルバドール,レシフェ・オリンダ等を始め,各地域は国内外からの多くの旅行者で賑わいますが,この時期には殺人,強盗事件等の一般犯罪の発生件数も増加します。カーニバル期間中の犯罪の特徴として,飲酒,薬物等によって興奮した若者達による乱闘騒ぎや,銃の乱射等の頻発が挙げられます。このことから,現地に渡航・滞在する方は,以下の注意事項を参考にして,十分注意してください。
 ○空港・市内間の移動,観光名所訪問等の外出時には,可能な限り旅行会社等の手配した ハイヤーやラジオタクシー(料金前払い)を利用する。路線バスは利用しない。
 ○危険な場所を把握している地元ガイドを利用し,単独での行動は避ける。
 ○日没から夜明けまでは外出を控える。
 ○サンバチームのパレードは,正式なパレード会場の中で観戦する。
 ○知らぬ人物と安易に出かけない。
 ○宿泊先は,安全面優先で選び3つ星未満のホテルの利用を避ける。

査証、出入国審査等

(査証等につきより詳細な情報を入手したい方は,日本にある各ブラジル総領事館(在東京ブラジル総領事館:電話03-5488-5451,在名古屋ブラジル総領事館:電話052-222-1106,在浜松ブラジル総領事館:電話:053-450-8191 )に問い合わせてください。)
1.査証(ビザ)
 日本人がブラジルに入国する場合には,目的,期間にかかわらず入国査証が必要です。査証の種類には,通過(最長滞在許可期間10日間),観光(最長滞在許可期間90日間),一時滞在,永住等があります。(詳細は日本にある各ブラジル総領事館へお問い合わせください)。※外交・公用旅券については査証免除。
(1)観光査証は,1回の延長が可能ですが,最長在留期間が年間180日に制限されています。通算で180日間滞在した後は,一度ブラジル国外に出なければ,再び観光査証を取得することはできません。

(2)一時滞在(テンポラリー)査証は,文化・学術目的(最長在留期間2年間),商用(最長在留期間90日間),芸能・スポーツ(最長在留期間90日間),学生(最長在留期間1年間),技術者・教職員・駐在員(最長在留期間2年間),外国人記者(最長在留期間4年間),宗教家(最長在留期間1年間)に区分されており,いずれも1回だけ延長が可能です。

(3)一時滞在査証V(就労査証)の場合は労働雇用省の許可に基づいて決められるため,滞在期間が90日から1年間(延長が可能なケースと認められないケースがある)や最長2年間があります。

(4)査証の種類にかかわらず,査証が発給された日から90日以内にブラジルに入国する必要があります。入国後は,通過査証を除き,その在留期間内であれば,何度でも出入国が可能です。

(5)査証の更新については,観光査証は有効期限内に,一時滞在査証は在留期限が切れる30日前までに所轄の連邦警察で申請してください。

(6)2018年1月11日より,日本人に対し,電子査証が導入される予定です。
※詳細は日本にある各ブラジル総領事館へ問い合わせ下さい。

2.出入国審査
 ブラジルに入国する際,入国審査官がパスポート及び出入国管理カードに入国印を押しますが,この入国印がないと密入国の嫌疑をかけられ,出国時のトラブルになりますので,必ず確認してください。特に,ブラジルと国境を接するボリビア,パラグアイ,ウルグアイ等の隣国から自動車・バス等を利用してブラジルに入国する際,入国地点に出入国審査所がない場合があります。この場合は直ちに最寄りの連邦警察支部に出頭し,入国印を押してもらう必要があります。

3.外貨申告
 外貨の持ち込みは,現金,トラベラーズ・チェックとも無制限ですが,入国時の申告が必要です。なお,持ち出しには,現金,トラベラーズ・チェックにかかわらず,米貨1万ドル相当額以上は規制があり,持ち込み額を上回る額を持ち出すことはできません。出国の際に残った現地通貨を外貨(米ドル)に再両替するには,外貨を現地通貨に交換した際に受け取った換金証明が必要です。

4.通関
(1)ブラジル入国時の税関検査においては,身の回り品及び総額米貨で500ドル以内の物品の持ち込みに対しては課税されません。限度額を超える物品に対しては,申告の上,規定の関税が課せられます。

(2)動植物及び食品の一部については,動植物検疫の観点からブラジルへの持ち込みが禁止されているものがあり,違反した場合には没収されます(日本へ持ち込む際にも同様の措置が採られます)。そのほかにも,ブラジルからの出国時には国外への持ち出しが法律上禁止されている動植物等があり,注意が必要です。

滞在時の留意事項

1.滞在時の各種届出
 滞在期間90日を超える一時滞在(テンポラリー)査証及び永住査証を所持する外国人は,ブラジルに入国後30日以内に,居住地の管轄の連邦警察に対し,外国人登録及び外国人身分証明書の発給申請を行うことが義務付けられています(観光等90日以内の短期滞在者については不要)。なお,外国人身分証明書の入手にはかなりの時間を要しますので,その間は,申請時に受け取る受理証(プロトコーロ)を携帯します(連邦警察のプロトコーロがあれば,銀行口座の開設を始めとする諸手続きに支障はありません)。

2.観光旅行等の短期滞在者は旅券(パスポート)を携帯し,また,一時滞在者(90日を越える)及び永住者にあっては,外国人身分証明書,又は,プロトコーロを携帯する必要があります。ブラジルの外国人法第96条は,「外国人は,官憲あるいはその代行者の要求のある場合は,国家領土内における適法の滞在を証明する書類(オリジナル)を提示しなければならない。」と規定しています。ただし,登記所の原本証明印があるコピーで代替できます。ブラジル官憲の要求に対し,当該書類(旅券,外国人身分証明書,プロトコーロのいずれか。登記所の原本証明印があるコピーを含む。)の提示ができなければ,拘留される場合があります。

3.写真撮影の制限
(1)軍事,保安地区は禁止されています。

(2)美術館と博物館のほとんどの館内は禁止されています。

(3)外国人が奥地のインディオ保護区に立ち入り,インディオの撮影等を行うためには,事前にインディオ保護院(FUNAI)の許可が必要です。

4.各種取締法規
(1)麻薬
ア 麻薬の取締りはブラジル連邦警察の権限であり,厳しい取調べが行われます。刑罰も厳しく,麻薬所持・国外持ち出し等は3~15年の禁固,又は罰金刑となっています。したがって,麻薬には絶対に手を出さないでください。
イ ブラジルと日本の間にも麻薬密輸ルートがあるとみられます。リオデジャネイロでは,近年,国際空港で日本人が麻薬所持・密輸の現行犯で逮捕される事件が発生しています。同地は,コカインや大麻等の米国・欧州向け密輸の中継基地となっている模様で,その麻薬の密輸には国際的な犯罪組織が関与しているとみられています。近年,この国際的組織がリオデジャネイロの麻薬組織と結託して,外国人(特に若い女性)を「麻薬の運び屋」に仕立てて,リオデジャネイロ等から麻薬を入れた荷物を国外に運ばせているとみられています。
 知り合ったばかりの人や信頼のおけない他人の荷物の託送を安易に引き受けると,知らないうちに「麻薬の運び屋」に仕立てられる可能性があります。なお,外国人旅行者が麻薬所持・密輸により逮捕され,有罪判決を受ける場合,その多くは執行猶予のない禁固4年(所持のみでも禁固3年)以上の実刑判決を受け,厳しい環境の刑務所で長期間にわたり服役することになります。
[過去の事例]
○若い日本人女性が,日本で知り合った外国人男性から,旅費・滞在費を出すことと引き替えに,リオデジャネイロの友人から荷物を預かってくることを依頼されてリオデジャネイロを訪問した。指定された男性から帰国の際,荷物(衣類が入っていると言われたリュックサック)を受け取った。ところが,出国の際,空港の荷物検査で,荷物の中から麻薬が発見され逮捕され,リオデジャネイロの刑務所に収監され,2年7か月服役した。

(2)不法就労
就労の許可されていない査証で就労すると,不法就労となり,国外退去の対象となります。

(3)銃器所持
銃器の所持(携帯)及び所有は,法律で厳しく規制されています。銃器の所持(携帯)は,軍隊,警察,公安職員及び警備会社警備員等法律で定められた者にしか認められていません。同法律は一般市民が銃器を所持することを防止し,銃器を連邦警察に引き渡すことを勧奨しており,市民が銃器を手放す運動が全国的に広がっています。
銃器を個人で所有する場合は,連邦警察に登録する必要があり,不法所有が発覚した場合は警察に逮捕されます。不法に密輸された銃が犯罪者によって販売されていますが,購入しないでください。

(4)天然資源の管理及び野生動植物の採取等
許可無く野生動植物を殺傷・捕獲・採取したり,ブラジル国外に持ち出したりすることはブラジルの法律等で禁止されており,違反者は厳しく処罰されます。これら行為を安易に行わないようにしてください。
マナウスでは天然資源の保護のため特に厳しい管理体制をとっており,不用意に動植物を持ち出そうとして空港等で当局に身柄を拘束されるケースが増加しています。動植物の採取,国外への移送に関しては必ず事前にブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)の許可を得る必要があります。

5.交通事情
(1)国際運転免許証の取扱い
日本の国際運転免許証は,日本とブラジルとで国際運転免許証の発給の根拠となっている条約が異なるため,ブラジルでは使用できません。

(2)交通マナー・道路事情
 交通マナーは全般に極めて悪く,人身事故が頻発しています。道路事情も悪く,思わぬ事故を招く可能性もあるので,以下の点に注意してください。
○急な割り込み,進路変更,幅寄せ等が恒常的に行われているため,特に交差点付近では周囲の交通に十分に注意する。
○オートバイが自動車の車間を縫うように走行するので,特に車線変更する際には周囲に注意する。
○トラック,バスなどの大型車両は,特に運転が乱暴なので,併走している時や追い越しをする時には十分に注意する。
○夜間や早朝は信号を無視する車両が多いため,青信号であっても減速して安全を確認して通過する。
○全般的に車間距離が短いため,追突事故には十分に注意する。
○歩行者のマナーも悪いので,青信号で交差点を通過する場合や幹線道路,高速道路を通行する場合であっても,歩行者の飛び出しに注意する。
○飲酒運転車両が多いため,特に夜間の走行には十分に注意する。
○市内,郊外を問わずいたる所に,陥没箇所,凹凸のある車両減速帯(ロンバーダ)があるので,スピードの出し過ぎには注意する。
○短時間,局地的な大雨(スコール)が降ると,多くの道路が冠水し,陥没箇所が見えなくなることや,雨量,場所によっては冠水の水位が車両の最低地上高よりも高くなり,通行できなくなる場所もあることから,降雨時は地下道や橋梁施設がしっかりしていない道路の通行は避ける等,晴天時よりも運転に注意する。
○坂道が多く,また,道路整備がしっかりしていないため,雨天の場合,スリップを起こしやすくなるので,十分に注意する。
○郊外には片側一車線の道路が多く,無理な追い越しによる追突事故が発生しているため,対向車に対しても十分注意する。

6 在留届及びたびレジ
 現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく在ブラジル日本国大使館及び管轄する各総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。
 なお,在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は,外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。「たびレジ」に渡航期間・滞在先・連絡先等を登録すると,滞在先の最新の安全情報がメールで届き,緊急時には在外公館からの連絡を受けることができます。安全情報の受け取り先として,家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので,併せてご活用ください。

7 親権
 ブラジルは,国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去り又は留置した場合は,原則的に子が元の常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧下さい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

風俗、習慣、健康等

1.衛生事情
(1)地方ではもちろんのこと都市部でも水道水は必ずしも安全でありませんので,沸騰させた水又はミネラルウオーターを飲用してください。種々の経口感染症の予防のためにはなるべく生ものは避け,火の通ったものを食べてください。手洗い,うがいは感染症予防に有効ですので,常に励行するよう心がけましょう。

2.病気
(1)主な感染症
 ブラジルでは人畜共通感染症の種類が多く,蚊が媒介するデング熱,ジカウイルス感染症,黄熱,フィラリア症,ブユの媒介するオンコセルカ症,サシガメが媒介するシャーガス病,サシチョウバエが媒介するリーシュマニア症,ネズミなどの尿,糞を介して伝染するレピトスピラ症,ハンタウィルス症,ダニによる紅斑熱等があり,蚊や虫に刺されないように防虫対策(長袖,長ズボン,防虫剤の使用)をとる,野菜や果物はよく洗って食べる,ネズミなどが居そうな不潔な場所には無防備に近づかないなど注意が必要です。主な感染症は以下のとおりです。
ア デング熱
 デングウイルスによるネッタイシマカの媒介で発症する感染症です。潜伏期は3~14日で突然の高熱,頭痛,関節痛が1週間ほど続きます。予防ワクチンや治療薬はありませんので日中蚊に刺されないように予防することが大切です。ブラジルではデング熱の流行がほぼ毎年発生しています。なお,デング熱の一部にデング出血熱という重症型がありますので,突然の高熱や頭痛,関節痛や筋肉痛,発疹等が現れた場合には,デング熱を疑って,直ちに専門医師の診断を受けてください。
イ ジカウイルス感染症
 ネッタイシマカやヒトスジシマカの媒介で感染するジカウイルスによる感染症です。潜伏期間は2~12日,主に2~7日で,およそ2割の人に発症すると言われ軽度の発熱,頭痛,関節痛,筋肉痛,斑丘疹,疲労感,倦怠感などを呈しますが,一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。ただし,ジカウイルス感染と先天性小頭症等との関係が疑われており,詳細な調査結果が得られるまでの間,特に妊娠中又は妊娠を予定している方は,流行国・地域への渡航・滞在を可能な限りお控え下さい。予防ワクチンや特異的な治療法はありませんので日中蚊に刺されないように予防することが大切です。発熱が続く,または発疹が出るなど,ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には,医療機関への受診をお勧めします。
(参考)外務省海外安全情報:感染症広域情報(中南米等におけるジカウィルス感染症の流行)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/pcinfectioninfolist.asp?pageno=0
ウ 感染性胃腸炎
 ウイルス,細菌,真菌,原虫などが原因で起こり,下痢,腹痛,嘔吐,発熱などの症状を呈し,食べ物や水から感染します。初期は脱水などに対する対症療法を行いますが,症状が強い時は医療機関を受診してください。
エ 寄生虫症
 回虫,糞線虫などの寄生虫疾患が多いです。日頃から生野菜には十分注意をしてください。
オ 有毒性動物
 蛇,サソリ,クモ,毛虫などの有毒性動物による咬・刺傷事故も多く,死者も多く出ています。郊外でのリクレーション,野外活動においては,長袖,長ズボンの着用や危険な地域に無防備に近づかないことが必要です。もし事故に遭った場合は素人判断で傷の手当てをしないで,直ちに医療機関で診察を受けてください。
カ マラリア
 ブラジルでは北部地方特にアマゾニア地域で1年中流行しています。マラリア原虫に感染した蚊(ハマダラカ)に刺されることにより感染します。発症すると,悪寒,発熱などの症状が現れます。予防は,夜間(夕方暗くなりかけから明け方まで)蚊に刺されないように注意することです。ブラジル保健省によればアマゾニア地域への観光旅行では予防薬は必要ないとされていますが,熱帯地方で蚊に刺された後高熱が出た場合は,必ず速やかに医療機関で検査を受けてください。同国には各地にマラリア専門の公立医療機関があり,マラリアの診断が確定されれば無料で治療薬を出してくれます。
キ 黄熱
 ブラジル保健省は,大西洋沿岸地域を除く地域(内陸部全域)を黄熱ワクチン接種推奨地域に指定しています。黄熱は黄熱ウイルスによる蚊(ネッタイシマカ)が媒介する,人畜共通感染症です。潜伏期は3~6日で高熱で発症し,20%は重症型で急速に肝不全を伴って死亡します。予防接種で予防可能なので,森林地帯に入る旅行者には予防接種が必須です。
ク 急性肝炎
 A型肝炎ウイルスが原因で食べ物や水から感染するA型肝炎(潜伏期1~2か月)とB型肝炎ウイルスが原因で血液や体液から感染するB型肝炎(潜伏期1~6か月)があり,発熱,全身倦怠感,食欲不振などの症状と黄疸が表れます。A,B型肝炎ともに予防接種で予防が可能です。
ケ 狂犬病
 狂犬病ウイルスに感染している動物にかまれて発症します。ブラジルでの発生数は多くはありませんが,野犬やコウモリを介して感染する例が報告されています。潜伏期は10~30日で高熱,痙攣などに襲われ,発症するとほぼ100%死亡します。野犬やコウモリに咬まれた時は,すぐに傷口を流水と石鹸で洗い,必ず医療機関で診察を受けて暴露後ワクチンを接種してください。
コ シャーガス病
 吸血昆虫のサシガメが媒介する感染症です。潜伏期は1~2週間で発熱や発疹で発症します。発症初期に治療しないと慢性期には心筋炎や巨大結腸などを起こします。サシガメは地方の人家の土壁の裏などに生息し,夜間に出没しますので刺されないように注意してください。最近は,不衛生なアサイーの食品からの経口感染が主体となってきています。
サ リーシュマニア症
 サシチョウバエ(蚊に近い昆虫で蛾に似ています。)が媒介して感染します。発熱や貧血で発症する内臓リーシュマニア(潜伏期2週間~1年)と,皮膚や粘膜に潰瘍を起こす皮膚・粘膜リーシュマニア(潜伏期1~4週間)があり,特殊な治療が必要です。最近は,飼犬の感染が増加し,サシチョウバエが犬から人へ媒介しています。
シ マンソン住血吸虫症
 淡水の巻き貝を宿主とする寄生虫で,川や湖で水遊びをしたり泳いだりすると皮膚から感染します。ブラジルでの慢性肝疾患の原因の一つになっています。
ス HIV/AIDS
 AIDSウイルスに感染した血液や精液などから感染します。輸血など血液製剤による感染は減少し,異性間性交渉での感染が増えています。不特定多数の性交渉を避け,コンドーム使用などで予防してください。

(2)赴任者に必要な予防接種(成人,小児)
 日本や米国,ヨーロッパから直接ブラジルに入国する時は,特に義務づけられている予防接種はありません。黄熱ワクチンは大西洋沿岸地域を除き,接種が推奨されています。特に地方に長時間滞在する予定の方は汚染地域に入る10日前に接種する必要があります。9か月以下の小児は接種できません。また妊婦の場合も避けた方が好ましいとされています。ブラジルから近隣国に入出国をする場合,黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められることがあります。成人は黄熱のほか,A・B型肝炎及び破傷風の予防接種を済ませておくことをお勧めします。小児の場合,小児定期予防接種を受けていることが重要です。
 その他,必要な予防接種等については,以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(http://www.forth.go.jp

(3)健康上心掛ける事
 疲労や睡眠不足が続きますと免疫力が低下し,いろいろな病気にかかり易くなりますので,十分休養を取ることが大切です。また暑さや乾燥のため熱中症や脱水症を起こし易くなりますので水分を十分に補給してください。日中は紫外線が強いですのでサングラスや日焼け止めクリームの使用をお勧めします。

3.医療事情
(1)ブラジルは赤道直下から南緯33度まで広がり,日本の23倍の広い国土をもつ国です。気候も熱帯雨林気候から亜熱帯気候まで幅広く,1年は概ね乾季と雨季に分かれますがその時期は地方により異なります。感染症や風土病の流行には地域の違いがあり,医療水準も地域によって大きな格差があります。サンパウロのような南部の大都市では高いレベルの医療が行われていますが,その他の地方の医療水準はかなり劣ります。公立病院は医療費については外国人も無料ですが,患者が多く,設備や衛生面で満足な治療を受けるのは困難です。日本人,その他の外国人は待ち時間が短く設備やサービスの整った私立の医療機関を利用するのが一般的です。保険のない外国人は,どこの私立病院や医師にもかかれますが,医療費は高額であり,診察,検査,薬局などすべてが別会計ですので,各受付で現金(最低でも500レアル程度)及びクレジットカードが必要です。特に医師に支払う料金(診察料,手術料,麻酔など)は原則として現金又は小切手による支払いとなります。私立病院やクリニックの外来は予約が必要であり,薬等は医師の処方箋に基づき街中の薬局で購入します。日本語や英語で相談できる医療機関はほとんどありませんので,ポルトガル語のわかる人を一緒に連れて行くのが得策です(サンパウロ及びリオデジャネイロの私立病院の医師は英語が通じる場合もあります。)。
 また,万一に備えて,緊急移送サービス等を含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくが必要です。

(2)「世界の医療事情」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/brazil.html )において,ブラジル国内の衛生・医療情報等を案内していますので,渡航前には必ずご覧ください。
 
4.その他
(1)遊泳時の注意(レシフェ)
 多くの外国人旅行者が訪れるペルナンブコ州の海岸では,サメによる人身被害が発生しています。特にレシフェ市では岩礁を越えた場所での遊泳を禁止する条例が施行されてから,サメによる人身被害は減少していますが,レシフェ市のボア・ヴィアージェン海岸から南へ続くジャボアタオン・ドス・グアララペス市のピエダーデ海岸にかけては,被害が発生しています。
海岸を訪れる際には,次の点に注意してください。
○ 遊泳の際には,新聞,テレビ等の情報の他に,海岸に常駐する水難レスキュー隊員(監視員)による情報も参考にし,危険と判断される場合には絶対に海に入らない。
○ 岩礁を越えた沖で遊泳しない。
○ 外傷,手術での傷等が完治していないときは遊泳を避ける。(サメは動物の血の臭いに寄ってくるため。)

(2)単独でのアマゾン川下りの危険性(マナウス)
 アマゾン川の流域は広大で支流も多く,また,雨季と乾季の水位差により様相が一変することもあり,方向を見失い迷う危険性もあります。2008年8月には,アマゾン川を筏で下っていた日本人旅行者が一時行方不明となる事例も発生しています(その後,無事保護されました)。このため,単独でのボートによるアマゾン川下りは非常に危険ですので絶対に控えてください。

緊急時の連絡先

◎軍警察(Policia Militar):TEL190(国内共通)
◎文民警察(Policia Civil):TEL197(  〃  )
◎救急車:TEL192(  〃  )
◎消 防:TEL193(  〃  )
※ブラジルの警察は日本の警察組織と異なり,連邦警察のほか,各州の管轄下に軍警察と文民警察があります。治安事象に遭遇し対処が必要な場合には軍警察に,交通事故も含めて事後に被害届を提出するのは文民警察になっています。
◎在ブラジル日本国大使館:TEL(061)3442-4200
◎在サンパウロ日本国総領事館:TEL(011)3254-0100
◎在リオデジャネイロ日本国総領事館:TEL(021)3461-9595
◎在マナウス日本国総領事館:TEL(092)3232-2000
◎在レシフェ領事事務所:TEL(081)3207-0190
◎在ベレン領事事務所:TEL(091)3249-3344
◎在ポルトアレグレ領事事務所:TEL(051)3334-1299
◎在クリチバ日本国総領事館:TEL(041)3322-4919
(国外からは国番号55を付して市外局番の0をとる)

問い合わせ先

○外務省領事サービスセンター 
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2306
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)5367
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館等連絡先)
※ブラジル国内の他州からの通話は,市外局番の前に「021」(国内長距離通話コード)をつけてください。また,同一州内からの通話については市外局番をつける必要はなく,「3」からはじまる8桁の番号にかけてください。

○在ブラジル日本国大使館
住所:SES Avenida das Nacoes Q811, Lote 39, 70425-900, Brasilia, D. Federal,    Brasil
電話:(市外局番61)3442-4200
 国外からは(国番号55)-61-3442-4200
FAX:(市外局番61)3242-0738
 国外からは(国番号55)-61-3242-0738
ホームページ:http://www.br.emb-japan.go.jp/nihongo/index.html
○在サンパウロ日本国総領事館
住所:Avenida Paulista 854, 3-andar, O1310-913, Sao Paulo, SP, Brasil
電話:(市外局番11)3254-0100
  国外からは(国番号55)-11-3254-0100
FAX: (市外局番11)3254-0110
  国外からは(国番号55)-11-3254-0110
ホームページ:http://www.sp.br.emb-japan.go.jp/jp/index.htm
○在リオデジャネイロ日本国総領事館
住所:Praia do Flamengo, 200-10 andar, 22209-901, Rio de Janeiro, RJ, Brasil
電話:(市外局番21)3461-9595
  国外からは(国番号55)-21-3461-9595
FAX: (市外局番21)3235-2241
  国外からは(国番号55)-21-3235-2241
ホームページ:http://www.rio.br.emb-japan.go.jp/nihongo/index.html
○在レシフェ領事事務所
住所:Rua Padre Carapuceiro, 733, 14-andar, Edf., Empresarial Center I,
Boa Viagem, 51020-280, Recife,Pernambuco, Brasil
電話:(市外局番81)3207-0190
  国外からは(国番号55)-81-3207-0190
FAX: (市外局番81)3465-9140
  国外からは(国番号55)-81-3465-9140
ホームページ:http://www.br.emb-japan.go.jp/nihongo/recife.html
○在クリチバ日本国総領事館
住所:Rua Marechal Deodoro, 630 , Edificio CCI, 18-andar, 80010-912 Curitiba,
Parana, Brasil
電話:(市外局番41) 3322-4919
  国外からは(国番号55)-41-3322-4919
FAX: (市外局番41)3222-0499
  国外からは(国番号55)-41-3222-0499
ホームページ:http://www.curitiba.br.emb-japan.go.jp/index_j.html
○在ポルトアレグレ領事事務所
住所:Avenida Joao Obino, 467, Petropolis, 90470-150, Porto Alegre,
Rio Grande do Sul, Brasil
電話:(市外局番51) 3334-1299
  国外からは(国番号55)-51-3334-1299
FAX: (市外局番51)3334-1742
  国外からは(国番号55)-51-3334-1742
ホームページ:http://www.curitiba.br.emb-japan.go.jp/poa_j.html
○在ベレン領事事務所
住所:Avenida Magalhaes Barata, 651, Edificio Belem Office Center,
7-andar 66060-281, Belem, Para, Brasil
電話:(市外局番91) 3249-3344
  国外からは(国番号55)-91-3249-3344
FAX: (市外局番91)3249-1016
  国外からは(国番号55)-91-3249-1016
ホームページ:http://www.belem.br.emb-japan.go.jp/pt/jp/index.html
○在マナウス日本国総領事館
住所: Rua Fortaleza, 416, Bairro Adrianopolis, 69057-080, Manaus,
Amazonas, Brasil
電話:(市外局番92) 3232-2000
  国外からは(国番号55)-92-3232-2000
FAX: (市外局番92)3232-6073
  国外からは(国番号55)-92-3232-6073
ホームページ:http://www.manaus.br.emb-japan.go.jp/

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