ハイチ
テロ・誘拐情勢
更新日 2025年02月18日
1 概況
ハイチにおいては、 「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)を始めとするイスラム過激派や国際的なテロ組織による直接的な活動は確認されていません。他方、首都圏を中心に武装集団(ギャング)の活動が活発であり、国連ハイチ統合事務所(BINUH)によると、2024年の殺害被害者は5,626人、負傷被害者は2,213人、誘拐件数は1,494件となっています。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
武装集団(ギャング)の活動の多くは首都圏で確認されており、特に以下の地区では殺人・強盗・誘拐・強姦等の凶悪犯罪や、武装集団(ギャング)同士及び警察との間で銃撃戦が発生しており、近づかないよう特に注意が必要です。
(1)シテ・ソレイユ(Cité soleil)市の一部
(2)ポルトープランス(Port-au-Prince)市
(3)カルフール(Carrefour)市の一部
(4)クロワデブーケ(Croix des Bouquet)市の一部
(5)ペチョンビル(Petion-Ville)市の一部
(6)デルマ(Delmas)市の一部
(7)タバール(Tabarre)市の一部
(8)ケンスコフ(Kenscoff)市の一部
(9)ガンティエ(Ganthier)市
3 誘拐事件の発生状況
(1)国連ハイチ統合事務所(BINUH)の報告によると、2024年のハイチにおける誘拐事件は、1,494件にのぼります。
(2)警察官の制服を着たなりすまし犯による誘拐事件も発生しています。
(3)また、外国人を標的とした誘拐も発生しています。
(4)犯行に当たって拳銃等銃器の使用率が極めて高く、注意が必要です。
(5)外国人が多く住居を構えるペチョンビル市内において、過去には、渋滞で停車中の車両から引きずり出され誘拐されるといった事件も発生しています。
4 日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ、ハイチにおいて、テロによる日本人の被害は確認されていません。
他方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。