スリナム
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年04月02日
1 概況
(1)スリナムにおいては、テロ組織、反政府組織や国際的なテロ組織の関連組織の活動は確認されていません。
(2)実際のテロ攻撃等は起きていませんが、2017年、スリナム国内におけるテロ活動に荷担したとして被疑者5人が逮捕されました。裁判では、内2人の現地人の「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」への関与が疑われていましたが、詳細は明らかにされていません。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)スリナムには、「ジャングル・コマンド」と呼ばれているマルーン(オランダ植民地時代に内陸部に逃亡したアフリカ系住民)や先住民等の内陸部の住民による武装組織が存在します。これらの組織は過去(主に1980年代)にたびたび反政府武装行動を起こしていることから、テロ行為が発生する可能性は排除されず、その動向に注意を払う必要があります。
(2)スリナムは、近隣国で生産される大麻等の違法薬物の欧州等への搬出ルートとなっているほか、治安当局の取締りが及びにくい内陸部や国境付近、ぜい弱な沿岸部から違法薬物・銃器が大量に密輸され、国内に蔓延している実態が明らかになっています。
3 誘拐事件の発生状況
誘拐事件の発生は少なく、ギャング等の犯罪組織内のトラブルに関連したものがほとんどと見られています。
4 日本人・日本権益に対する脅威
これまでに、スリナムにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。