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グアテマラ
テロ・誘拐情勢
更新日 2026年01月29日
1 概 況
(1)近年のテロ情勢
グアテマラでは「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」、アル・カーイダ等のイスラム過激派や国際テロ組織の具体的な活動は確認されていません。
(2)国内のテロ組織等
2025年10月に制定された反ギャング法により、バリオ 18及びMS-13の2つのギャング組織(マラス)が新たに「テロ組織」に指定されました。
(3)近年の誘拐情勢
誘拐事件については、富裕層や敵対組織幹部を標的とし、身代金等の金銭を目的とした計画的犯行によるもののほか、短時間誘拐と呼ばれる手法の犯行も発生しています。
2 各組織の活動状況又は各地域の治安情勢
(1)ギャング組織(マラス(Maras))の共通事項
ア 概要
マラスは、中米諸国等で国境を越えて活動する国際的組織犯罪集団(ギャング)であり、暴力を手段に資金獲得を行っています。街の一部を事実上支配し、住民や商店への恐喝、請負殺人や敵対組織構成員への殺人、未成年者への勧誘を行うなどして、地域社会に大きな影響を与えています。首都であるグアテマラ市を中心に隣接市、一部の地方都市で活動しています。
また、マラスは、地域ごとの小さな集団で組織を構成しており、それぞれの組織はある程度独立して行動します。組織によっては刑務所に収監されている上位の幹部メンバーから指示を受けて犯罪を行うこともあります。
グアテマラ政府はマラスを重大な治安上の脅威と位置づけ、2025年10月に制定された反ギャング法により、バリオ18とMS-13の2つのマラスを新たに「テロ組織」に指定しています。
イ 最近の活動状況
(ア)主な活動は、恐喝、殺人、麻薬取引、誘拐、武器の売買などです。これらは恒常的に組織の活動地域の住民や商店及び企業などに対して行われています。通常、外国人や外国企業を標的とすることはほぼありません。
(イ)組織同士の縄張り争いや武力衝突により多数の死者が発生しています。
(ウ)2026年1月、マラスは、幹部が収監されている刑務所での待遇を巡り暴動を起こすとともに、首都で同時多発的に複数の警察官を襲撃し、数十名を殺傷しました。こうした事態を受けて政府は全土に30日間の非常事態を宣言しました。
(2)バリオ18(Barrio 18)
ア 組織の概要
マラスの一つであるバリオ18は、地域の小集団単位での活動を中心としており、支配地域の地域住民や商業者を標的として恐喝、誘拐、殺人などを行っています。主に首都グアテマラシティ及び周辺都市で活発に活動しており、その活動で資金を得ています。
イ 最近の活動
2025年8月:刑務所から約20名の構成員が集団脱走し、警察官の総動員が発令されました。
(3)MS-13(Mara Salvatrucha 13)
ア 組織の概要
マラスの一つであるMS-18は、組織として確立された階層構造を有し、上位幹部が権限を持っているとされています。首都グアテマラシティ及び一部の地方都市に拠点を有しており、国境を越えた麻薬及び武器の密売や人身取引、殺人、恐喝を行って資金を得ているとされています。
イ 最近の活動
2025年7月:敵対組織構成員の葬儀会場を襲撃し、一般人含む複数の参列者を殺傷しました。
3 誘拐事件の発生状況(国家文民警察調べ)
(1)年間発生件数
2025年の誘拐事件発生件数は12件です。ただし、行方不明者が全国で年間約2,000人発生しており、この中に誘拐の被害者が多数存在している可能性は否定できません。
(2)地域別状況
グアテマラ県が最多の5件、次いでソロラ県およびケツァルテナンゴ県がそれぞれ2件、スチテペケス県、アルタ・ベラパス県、ペテン県で各1件ずつ発生しています。
(3)犯行主体
主に犯罪組織やそれに準ずる集団です。
(4)主な標的
富裕層が標的になり得ます。ただし、人身売買を目的として、不法移民や低所得者を含む一般市民も標的になる可能性があります。
(5)誘拐の目的
主に身代金目的です。その他、怨恨、犯罪組織同士の抗争および人身売買等があります。
(6)邦人にとっての脅威
当国では、誘拐される外国人被害者は極めて少数ですが、アジア人は裕福であると認識される傾向があるため、邦人を対象とする誘拐の危険性は否定できません。
(7)手法の特徴
ア 計画的犯行
多くの誘拐事件は計画的に実行されます。対象者の選定・監視から、誘拐、身代金要求・交渉、受領、人質解放まで段階的に行われ、各工程を専門の犯罪グループが分業する場合もあります。
イ 短時間誘拐
拳銃や刃物で脅し、ATMでの現金引き出しや車両強奪を目的として短時間拘束し、目的達成後に解放する手口も増えています。
ウ 犯行場所
自宅、職場、学校周辺など、日常の行動範囲内で発生するケースが大半です。
エ 被害者の状況
単独行動時が多いものの、複数人でいる場合に被害に遭う例もあります。
オ 使用される車両・武器等
(ア)車両:盗難車(2~3台)や二人乗りオートバイ
(イ)武器:拳銃
(ウ)通信手段:無線機、携帯電話、インターネット
(8)主な誘拐防止策
ア 外出・帰宅時間や移動経路を固定せず、行動パターンを読まれないようにする。
イ 使用人(家政婦、運転手、警備員等)に行動予定を必要以上に伝えない。
ウ 警備体制を日常的に示し、犯行リスクが高いことを周知する。
エ 以下の兆候が複数見られる場合は、予定変更や警察への通報を行う。
(ア)見知らぬ訪問や電話(無言電話、間違い電話等)
(イ)不審者・不審車両(尾行・待ち伏せの疑い)
オ 銀行内部からの情報漏洩例もあるため、高額口座情報の管理を徹底し、窓口での多額現金引き出しは避ける。
4 日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ、グアテマラにおいて、テロ・誘拐による日本人の被害は確認されていません。
一方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
誘拐対策の詳細は「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」( https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html )を参照してください。

