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エクアドル
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年05月15日

1 概況
 エクアドルにおいて、長らく爆発事件等は発生していませんでしたが、2018年1月27日、コロンビアに隣接するエスメラルダス県サン・ロレンソ市において、警察施設の近辺に仕掛けられた爆弾が爆発しました。エクアドル政府は、本件をテロ事件であるとし、治安当局による活動が継続して強化されていますが、2018年以降、爆弾事案、銃撃、民間人を対象とした誘拐殺人事件等が相次いで発生しており、2024年1月8日、ノボア大統領は国内における反政府組織の勢力が活発化し、治安が極度に悪化していることで、国内全土に非常事態宣言を発令した上で、反政府組織との「国内武力紛争」状態にあると認定しました。それ以降国内各地では爆弾事案や銃撃が頻繁に発生しており、非常に不安定な治安状況が続いています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 コロンビアと国境を接する地域付近では、近年コロンビア政府と和平合意した「コロンビア革命軍(FARC)」の中で同合意に反意を示す勢力等の浸透が認められます。治安当局は、上記1の事件についても、同勢力の関与が認められ、関係者複数が検挙されています。その他、犯罪組織等が殺人・誘拐等の凶悪犯罪や薬物・銃器の密輸を行うなど、治安に深刻な影響を与えています。
 2019年からメキシコやコロンビアの麻薬組織が国内に流入した影響で、治安が年々悪化しており、特に麻薬の密売ルートとされている沿岸部地域においては、犯罪組織間の抗争が活発化し、特に殺人事件数は、この4年間で4倍以上に増え、2023年は過去最大の発生件数となりました。

3 誘拐事件の発生状況
(1)流しのタクシーの乗客を対象とした短時間誘拐事件が発生しています。2013年12月には日本人観光客が被害に遭い、1名が殺害され、1名が負傷しました。
(2)直近では2023年12月に、ロス・リオス県において、前英総領事が誘拐に遭い、数日後に解放されるといった事件が発生しました。対象となるのは主に上流階級や中上流階級およびその親族であり、また短時間誘拐では、外国人が被害者となる事案も発生しています。

4 日本人・日本権益に対する脅威
(1)コロンビアと国境を接する地域および沿岸部においては、麻薬組織間の抗争が活発であり、爆発事件や誘拐事件等が頻発しています。治安当局だけでなく民間人の被害も出ていることから、今後、日本人を含む外国人が被害に遭う恐れもあります。
(2)テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
 特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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