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エクアドル
安全対策基礎データ

更新日 2024年09月05日

1 犯罪発生状況
 犯罪件数はエクアドル全国で減少傾向にあるものの、大都市であるキト市およびグアヤキル市では、車両に連れ込み金品を奪う短時間誘拐、銀行での高額取引者を狙う強盗などは増加傾向にあり、地方都市や観光地においても、日本人を含む外国人が盗難被害に遭っています。また、タクシーやバスなど公共交通機関利用時のスリや飲食店等での置き引き等の犯罪も多く発生しており、注意が必要です。特に銃器を使用した殺人・強盗事件が多く発生しており、在エクアドル日本国大使館付近においても拳銃を使用した強盗殺人事件が発生しています。警察と軍が共同オペレーションを実施するなど、治安対策を推進していますが、現在のところ改善には至っておりません。

2 日本人を含む外国人の被害例
 日本人を含む外国人は、多額の現金を持ち歩いているとの印象を持たれているため、犯罪のターゲットになりやすく、十分注意が必要です。多額の現金が入った財布を公衆の面前で出し入れしたり、高級品を身につける、夜間に暗い場所を歩いたりするなど、犯罪を誘発するような行為は厳に慎む必要があります。

(1)強盗
ア 夕方、キト市内の大通りにおいて、タクシーの後部座席に乗っていた女性が、開放されていた窓から男に手を差し込まれ、スマートフォンを奪われた。
イ 昼間、リオバンバ市内の住宅地において、単独で徒歩にて帰宅中、後方から近づいてきた男からナイフを突きつけられ、所持品を奪われた。
ウ 夜間、グアヤキル市内の住宅で拳銃を持った6人組に押し入られ、手足を縛られ金品を強奪された。
エ 夜間、カルチ県を家族とともに車両移動中、前方車両が停止したため、運転していた車両を同じく停止させたところ、周囲を強盗に囲まれ、金品を強奪された。

(2)ひったくり
ア 昼間、日本人夫妻がキト市内の市場を歩行中に、衣服の汚れを指摘され、その汚れを拭き取るためにバッグを路上に置いたところ、バッグをひったくられた(衣服には、犯人がかけたと思われるマスタードが付着していた。)。
イ 昼間、グアヤキル市の空港内トイレにおいて、バックをひったくられた(犯人は走って、空港外へ出た後、用意していた車に乗り逃走した。)。

(3)置き引き
ア 昼間、グアヤキル市内のバスターミナルにおいて、係員を装った男の案内に従い荷物をバス車内に預け入れたところ、荷物を盗まれた。その後、その男も姿を消し、バスの関係者ではないことが分かった。
イ 夜間、キト市を移動中のバス内において、所持していたバックを網棚の上に置き就寝したところ、目が覚めた際にバックが盗まれていることに気づいた。

(4)スリ
ア 昼間、キト市内中心部において、歩行中、ポスターを持って近づいてきた少年2人から話しかけられ、腕を触られるなど執拗につきまとわれた後、所持していたバッグから財布を盗まれていることに気づいた。
イ 昼間、キト市内を移動中のバス内において、所持していたバッグからパスポート及び財布を盗まれた。

3  テロ・誘拐
 エクアドルのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_243.html )をご確認ください。

4  犯罪被害危険地域
(1)首都キト市およびグアヤキル市
ア キト市
 観光地として有名なパネシージョの丘周辺および旧市街地では置き引き、スリなどの窃盗事件が発生しています。パネシージョの丘中腹では、徒歩で訪れる観光客の強盗被害が報告されていますので、徒歩での移動は避けて必ずタクシー等を利用するようにしてください。(後述「5(2)ア タクシー利用の注意点」参照)
 また、昼夜を問わず外国人観光客がスリ、置き引き及び拳銃を使った強盗等の被害に遭うケースも発生しています。買い物、散策等に際しては、人通りの少ない通りを避け、不審な人物に近づかない、声を掛けられても相手にしない、トラブルに近づかないなど、十分注意して行動してください。
イ グアヤキル市内
 沿岸地域では殺人、凶器強盗、誘拐事件などの凶悪犯罪が頻発しています。夜間の外出は避け、昼間であっても移動に際しては信用のおけるタクシー、登録制の配車サービス等を選び、徒歩や乗り合いバスでの移動は避けてください。

(2)コロンビアとの国境地域
 隣国コロンビアと国境を接するエスメラルダス県北東部、スクンビオス県およびカルチ県北西部で、コロンビアの反政府ゲリラ組織、麻薬組織、不法出国斡旋ブローカーの存在が確認され、殺人・誘拐事件等の凶悪犯罪や薬物・武器の密輸等の増加が治安上の問題となっています。コロンビア出入国を含めた上記地域への陸路での立ち入りは避けてください。

5 防犯・安全対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動を取ることが重要です。
(1)銃犯罪
 近年、殺人以外の強盗や恐喝においても銃器が使用される事例が増加しており、違法銃器が広まっています。路上強盗等の犯罪に遭遇した場合には、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しないでください。

(2)交通機関
 エクアドルで公共交通機関を利用する場合には、特に運賃の安い市バスはスリなどの被害が頻発しているので、乗車しないことをおすすめします。
ア タクシー利用の注意点
 タクシー利用中の犯罪被害も多くなっています。タクシーを利用する際には以下の点に注意してください。
(ア)非正規タクシー(白タク)や流しのタクシーは利用しない。
 正規の登録タクシーは、ナンバープレートがオレンジ色(または白色のプレートで上端が帯状にオレンジ色)で、正規タクシー登録証が左右ドアと前後の窓ガラスに貼られています。非正規のタクシーを利用したことで、強盗、殺人事件を含む凶悪犯罪に巻き込まれた事例も報告されていますので、絶対に利用しないでください。また、正規のタクシーに乗る前に、ナンバープレートと登録証を必ず確認し、できれば番号をメモするようにください。
(イ)無線タクシーを利用する。
 無線タクシーは、ホテルやレストランに頼めばすぐに手配してもらえる上、タクシー会社が客と車両情報を記録しているため、比較的安全と言えます。タクシー会社が手配した車両のナンバーや車種、色などを伝えてくれますので、車両が到着した時に車種、色、ナンバーに間違いがないかを確認し、所属するタクシー会社名、客の名前(自分の名前)を必ず運転手に確認した上で乗車してください。
(ウ)登録制配車サービスを利用する。
 車両情報および運転手の情報が確認できる登録制配車サービスは、比較的安全な移動手段と言えます。また、運賃が乗車前に分かり、銀行カードなどの支払い方法を登録することで、現金を使用することなく支払いを完了できるため、利用距離に対して不当な高額運賃を請求されるなどの支払いトラブルを回避することができます。
イ 長距離バス
 長距離バスは、整備不良等により交通事故が起きることがあり、また、スリや置き引き、夜間は強盗等に狙われる可能性があります。長距離バスを利用する際はこれらを念頭に置いて荷物には鍵をかけ、貴重品は肌身離さず所持するとともに、夜間の利用は控える等十分注意してください。

※在留邦人向け安全の手引き
 在エクアドル日本国大使館が作成した安全の手引き(https://www.ec.emb-japan.go.jp/files/100457177.pdf )もご参照ください。

 手続や規則に関する最新の情報については、駐日エクアドル大使館(電話:03-3499-2800)に問い合わせてください。

1 査証
(1)エクアドルと日本との間には査証免除取決めはありませんが、現在エクアドル政府は、観光および商用目的で入国する日本人旅行者等に対して、年に通算90日以内の無査証での入国・滞在を認めています。入国の際は残存有効期間が6か月以上あるパスポートが必要です。
 なお、無査証で入国後、新たに就学査証などが必要となった場合、エクアドル国内でも申請手続きは可能ですが、手続きが複雑であるため、事前に駐日エクアドル大使館で査証を取得することをおすすめします。なお、無査証で入国した外国人を対象に、査証取得の仲介を申し出る組織があるようですが、仲介を受ける契約をすることは違法行為にあたるので、利用しないでください。
 エクアドル査証申請手続きについては、駐日エクアドル大使館へお問い合わせください。
【駐日エクアドル日本国大使館】https://www.cancilleria.gob.ec/japon/
【Facebook】https://www.facebook.com/eecujapon/?form=MY01SV&OCID=MY01SV

(2)外国人が就労するためには、投資、経営、技術等の査証を取得する必要があり、観光査証での就労はアルバイトであっても認められません。違法就労が発覚した場合は、入国管理局から正当な手続きを行うよう勧告され、この手続きに早急に応じない場合は罰金および国外退去処分が科せられます。

2 出入国時の注意事項
(1)入国拒否対象
 入国審査で入国拒否の対象となるのは、有効なパスポートを所持していない者、過去にエクアドルから国外追放された者、パスポートまたは入国に必要な書類などを偽造している者、パスポートの残存有効期間が6か月未満の者、伝染病や慢性病の患者などです。
入国制限に関する内容については、以下のエクアドル統治省のホームページをご参照ください。
 https://www.ministeriodegobierno.gob.ec/requisitos-para-ingresar-a-ecuador/

(2)入国印の確認
 正規にエクアドルに入国したにもかかわらず、係官の押印忘れ等により、出国に際して「入国時の印がない」として出国を拒否され、トラブルとなった事例が複数報告されています。入国時にはパスポートへの入国印を必ず確認するようにしてください。

(3)予防接種
 日本からエクアドルに渡航する場合、またエクアドルから日本に帰国する場合、黄熱の予防接種は義務付けられていません。ただし、ブラジル、コンゴ民主共和国、ウガンダからの渡航者および乗り継ぎのために12時間以上滞在した1歳以上の渡航者がエクアドルに入国する際には、黄熱予防接種証明書(イエローカード)が必要です。
 また、エクアドルは「黄熱に感染する危険のある国」とされているため、エクアドルから他国に渡航する際に、黄熱予防接種証明書が必要となる場合がありますので、事前にご確認ください。
 その他、必要な予防接種等については、厚生労働省検疫所ホームページ(http://www.forth.go.jp/ )をご参照ください。

(4)陸路での出入国
ア 係官
 陸路での出入国では、係官から、電化製品など違法ではない荷物に対して、購入場所や持ち込み理由などを執拗に質問され、不当にお金を要求される事例も報告されています。入国審査官による現場での不当な金銭要求に対しては、領収書の発行と担当審査官の氏名や部署の開示を要求するなどの対処が有効です。原則として、入国審査官がその場で法令上定められた罰金を徴収することは認められておりません。
イ 長距離バスを利用しての出入国
 長距離バス利用の場合、出入国管理局を通らないルートで国境を越えるバスがあります。このバスを利用し、正規の出入国手続きを行わずに国境を越えたため、警察に拘束される、罰金を課される等のトラブルが発生しています。国境を通過する長距離バス利用の際は、乗車する前に出入国管理局を通過するかを確認した上で乗車し、国境での手続きを確実に行ってください。

3 外貨申告
 一般旅行者は、所持金が1万米ドル(または他の通貨での同等の金額)を超える場合、申告する必要があります。多額の現金を所持して入国しようとした日本人旅行者が税関係官とトラブルになった事案が発生しています。出入国トラブルだけでなく、犯罪に巻き込まれる可能性もあるため、不必要に多額の現金を所持することは避けてください。
 また、エクアドル出国の際に持ち出す現金が、1,380米ドルを超える場合は、入国時に入国管理当局または税関当局に所持金を申告する必要があります。申告なしに1,380米ドルを超える現金を持ち出す場合は、定められた国外持出税がかかります。

4 通関
(1)入国時
 入国時の通関検査では以下の注意が必要です。
ア 犯罪履歴証明書の提示
 ペルー、コロンビアからエクアドルに陸路にて入国する際は、過去5年間における犯罪経歴証明書(スペイン語の翻訳及びアポスティーユを取得したもの)の提示が必要となります。
イ 持込制限
 下記リストの品目に関し、使用中の身の回り品の場合、個人各2個、家族であれば各人数分の個数、新品(未使用)については個人、家族とも各2個(一式)のみ申告なしで持ち込むことができます。上記を超える個数を持ち込む場合は、製品毎に定められた税金がかかります。
(ア)カメラ(含むデジタルカメラ)
(イ)ビデオカメラ
(ウ)携帯電話
(エ)PDAおよびタブレット端末
(オ)携帯型ナビゲーション機器
(カ)ノート型パソコンおよびその付属品(マウス、イヤホン、ウェブカメラ、キーボードおよび類似品)
(キ)ビデオゲーム(携帯型及およびそれ以外の物)
(ク)電子計算機

ウ 課税対象
 電気製品に限らず、衣類、嗜好品(食料品は輸入禁止品目、ただし、生もの以外で少量なら可)なども課税対象となり、制限を超えてこれらを持ち込む場合には、非常に高い税金を課せられることがあります。
 詳細については以下エクアドル政府ホームページをご参照ください。
 https://www.aduana.gob.ec/viajeros-por-via-aerea/

(2)出国時
ア 持出し荷物の検査
 出国時の空港税関では、機内持込み以外の荷物への検査は特にありません。ただし、搭乗の際のセキュリティチェック、X線検査および身体検査を受けた後、特に米国系航空会社の航空機に搭乗する場合は、再度、搭乗ゲート待合場所で機内持込み荷物の検査および身体検査があります。それに加えて、ゲート付近で待合中に、預入れ荷物取扱い場所での、個別の荷物検査への立会いが求められることがあります。なお、代理出国手続きは認められていません。

イ 持出し許可
 文化遺産に指定されている絵画、彫刻、土器などの美術品を持ち出す場合は許可証が必要です。

1 パスポート所持義務
 エクアドル国内に旅行制限はありませんが、街頭での職務質問等、旅行中にパスポートの提示を求められることがしばしばありますので、宿泊先の近辺を散歩する場合でも、必ずパスポート原本を携帯する必要があります。なお、パスポートの携帯にあたっては、盗難被害に遭うことがないよう、金銭・クレジットカードや携帯電話などと一緒にバッグやズボンのポケットなどに入れず、例えば袋に入れて外からわからないように紐で首からシャツの下に吊すなど、肌身離さず所持するよう十分な注意が必要です。また、盗難や紛失に備えパスポートのコピーを用意しておくことをお勧めします。

2 写真撮影の制限
 写真撮影については、軍事施設、石油精製所、石油輸送管、軍港など政府により撮影を禁止されている区域があります。
 また、先住民族を撮影する場合、撮影後に金銭を要求されることがあります。

3 各種取締り法規
(1)違法薬物
 エクアドル入国時の麻薬取締りは、陸路、空路とも国家警察および税関が行っています。エクアドルは近年、南米からヨーロッパ、米国などへ麻薬を密輸する中継地となっており、税関での検査は厳重です。陸路でペルー、コロンビアから入国する際には、自分では気がつかないうちに麻薬の運び屋として仕立てられることがないよう、他人の荷物を預かることは絶対にしないでください。麻薬所持などが見つかると、最長13年の禁固刑が科せられます。
 過去に、この麻薬所持により服役した日本人もいます。日本の大麻取締法でも、国外において大麻をみだりに所持等した場合、罪に問われる場合があります。大麻には決して手を出さないでください。

(2)検問・職務質問
 交通要所における多目的検問と街頭における職務質問が強化されています。これは治安の維持回復と、麻薬や武器の摘発を目的とするものです。外国人は検問や職務質問を受けた際、パスポートまたは身分証明書などを提示できなければ、当局に逮捕拘留される可能性があります。

(3)銃器所持
 銃器を所持するためには軍の許可が必要です。なお、銃器を使用した犯罪が頻発しており、相当数の違法銃器が国内に出回っていると思われます。

4 在留届
 エクアドルに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在エクアドル日本国大使館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。 この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。

5 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、エクアドルで事件や事故、自然災害等が発生し、在エクアドル日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

6 動植物や昆虫等の持出し
 キトの国際空港において、輸出許可が必要な動植物や昆虫を無断で日本に持ち帰ろうとした日本人が逮捕される事案が発生し、公判で有罪判決が言い渡されました。「知らなかった」では済まされませんので、安易に動植物を国外へ持ち出さないでください。
 動植物の持出しについては個人収集目的の他に、表向きはペットショップを装った希少動植物マニア専門の密売ブローカー等が、インターネット掲示板やSNSを通じて、「世界各地に生息する希少動植物や昆虫の高価買い取り」「旅行代金は当社負担」といった文句で、主に若者を中心に話を持ちかけるケースが多いとされ、そのほとんどが国外持出しに必要な手続を説明することなく勧誘を行っています。このような言葉巧みな勧誘に安易に応じた結果、犯罪に荷担することとなり、その程度によっては、エクアドルで何年も服役する可能性があります。短期間で簡単に報酬を得るような仕事は、海外においても「怪しい話」である可能性が高いことに留意し、安易にそのような依頼や勧誘には応じず、犯罪に荷担することにならないよう注意してください。

7 交通事情
(1)交通法規
 自動車の運転にあたっては、シートベルトの着用義務があり、信号無視や速度違反などの交通取り締まりがありますので注意が必要です。また、飲酒運転に対する取り締まり及び処罰が厳しく、日本同様、飲酒運転は絶対に行わないでください。

(2)道路状況
 交通規則はあまり守られておらず、無理な追い越しや割り込みなど運転マナーが悪いため、車を運転する際や歩行の際には細心の注意が必要です。信号を守らないドライバーが多く、また、停電や故障のため信号が機能していないこともあります。都市部の主要道路は舗装されているものの、路面は凹凸が多く、マンホールの蓋がないこともあるので、運転には十分注意してください。

8 ハーグ条約
 エクアドルは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

1 風俗、習慣に関する留意事項
 エクアドル国民の大多数はカトリックです。食事、飲酒、服装について、特に規制はありません。しかし、選挙時などには禁酒令が出され、酒類の販売と飲酒が数日間禁止されます。禁酒令に従わなかった場合は、罰金刑が科されます。

2 衛生事情
(1)水
 キト、クエンカの水道水は飲用可とされていますが、それ以外の地域の生水や水道水は飲用に適していないので、煮沸するか、ミネラルウォーターを飲用してください。

(2)飲食
 消化器系の感染症(A型肝炎、腸チフス、キャンピロバクター、大腸菌など)に注意する必要があります。十分加熱されたものを摂取するようにしてください。また、衛生上の観点から露店での飲食は避け、食事前の手洗いを励行してください。

3 病気
(1)感染症注意事項
 風土病としては、デング熱、黄熱、マラリア、ジカウイルス感染症など蚊が媒介する感染症があります(なお、首都キトは標高が高いため、蚊はいませんが、低地では注意が必要です)。これらの感染症についての注意事項は以下のとおりです。
ア 防虫スプレー等を使用し、屋内の蚊の駆除を心がける。
イ マラリア、デング熱、ジカウイルス感染症、黄熱、チクングニア熱の流行地で、屋外で活動する際は肌の露出を避け、長袖シャツや長ズボン、スニーカーなどを着用する(サンダルは避ける)。
ウ 蚊に刺される可能性が高い茂みや湿地帯には近づかない。
エ 突然の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等が現れた場合には、直ちに専門の医療機関の診断を受ける。

(2)デング熱
 デング熱は、病原菌ウイルスを持っているネッタイシマカまたはヒトスジシマカに刺されることによって感染しますが、予防薬はなく、一般に対症療法が行われます。エクアドルでは、ジャングルや海岸部などの標高1,500メートル以下の地域で、12月から4月の雨季に流行が報告されています。
 蚊に刺されてから2~14日(多くは3~7日)の潜伏期間の後、およそ2~4割の人に発症します。感染すると突然の高熱、激しい頭痛、眼球部深部の痛み、関節や筋肉痛、発疹が現れ、回復期に疲労感とうつ状態が続きます。重症型デング熱(デング出血熱)については、エクアドル国内でも死亡例が報告されていますので、適切な治療を受けることが重要です。

(3)ジカウイルス感染症
 ジカウイルスをもったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。潜伏期間は2~12日であり、主に2~7日でおよそ2割の人が発症すると言われ、軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈します。一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
 しかしながら、妊娠中のジカウイルス感染と胎児の小頭症との関連が示唆されており、妊娠中または妊娠を予定している方は、流行国・地域への渡航・滞在を可能な限りお控えください。予防ワクチンや特異的な治療法はなく、蚊に刺されないように予防することが大切です。発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には、医療機関の受診をお勧めします。

(4)マラリア
 マラリア原虫を持っているハマダラカに刺されることによって感染します。一般的な観光地への渡航については抗マラリア薬の予防内服は不要ですが、ペルー国境などの流行地域では、抗マラリア薬の服用による予防が推奨される場合もありますので、出発前に専門医にご相談ください。渡航中、または帰国後3週間以内に高熱が出た場合は、直ちに医療機関を受診し、マラリア流行地へ渡航したことを伝えて検査を受けてください。

(5)黄熱病
 エクアドルは、「黄熱に感染する危険のある国」とされています。特に、アンデス山脈東側の海抜2,300メートル未満のモロナ・サンティアゴ県、ナポ県、オレジャナ県、パスタサ県、スクンビオス県、サモラ・チンチペ県に渡航を予定している生後9か月以上の方は、入国10日以上前の黄熱予防接種がのぞましいとされています。
 黄熱については、厚生労働省検疫所ホームページ(https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/yellow_fever_certificate.html )を参考としてください。

(6)チクングニア熱
 蚊を媒介とする感染症で、感染した蚊に刺されてから2~12日(通常2~4日)後に症状が現れます。発症すれば発熱、関節痛、発疹、頭痛、懈怠感、嘔吐などを引き起こします。主な予防法は、蚊に刺されないことおよび蚊が多く生息する地域に近寄らないことです。その他、蚊避けの薬剤を皮膚の露出部に噴霧・塗布する、長袖長ズボンを着用する、バケツや側溝などの水がたまり、蚊が生息しやすい場所を避ける等の予防法があります。

4 高山病
 キト市は標高2,850メートルに位置しているため、早足で歩くと直ぐに息切れがしたり、下痢を伴うような消化不良や、不眠、アルコール類の飲用で酔いが早くまわるといった高山病の症状が出ることがあります。高地(標高2,000メートル以上、特に2,500メートル以上)を旅行する場合には以下の予防対策に十分留意することが必要です。
(1)高山病の発症には体調が大きく影響するので、余裕のある日程で行動する

(2)水分を十分に摂取し、食べ過ぎない

(3)高地での生活では、急激な運動、アルコール類の摂取、睡眠薬の服用および喫煙は避ける

5 医療事情
(1)世界の医療情報 
 世界の医療事情(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/ecuador.html )において、エクアドル国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。

(2)海外旅行保険への加入
 海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが多くあります。
 旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

6 その他(火山の噴火)
 エクアドルには活火山が多く、コトパクシ火山やエル・レベンタドール火山など現在も火山灰の降灰などが確認されています。上記の火山周辺は国立公園によって管理されています。現在は入場可能となっていますが、火山活動が活性化し、危機管理庁から危険警報が出る可能性があるため、渡航および滞在する方は、最新の情報を入手するよう注意してください。

 エクアドルで犯罪被害に遭った場合、事件の内容により被害届を提出する場所が異なります。また、キト市、グアヤキル市ではシステムが多少違いますので、犯罪被害に遭った際は下記の機関に相談し、指示を受けてください。
◎安全総合センター:TEL911
 (日本の警察「110番」、消防・救急「119番」を統合した緊急時の連絡先)
◎国家警察(パトロール):TEL101(上記911に通じない場合)
◎救急車:TEL911
◎消防車:TEL102(上記911に通じない場合)
◎キト市(国家警察観光保安課)
(SERVICIO DE SEGURIDAD TURISTICA, POLICIA NACIONAL DEL ECUADOR)
住所:REINA VICTORIA Y RAMON ROCA , QUITO, PICHINCHA
電話:(市外局番02)2543-983
◎グアヤキル市(グアヤス県司法警察本部)
(POLICIA JUDICIAL DE GUAYAS)
 住所:AV.PORTETE Y BARCELONA, GUAYAQUIL, GUAYAS
 電話:(市外局番04)2874-982

○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4965
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3399
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○領事局ハーグ条約室(一般窓口)03-5501-8466
○海外安全ホームページ:
 http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在エクアドル日本国大使館
 住所:Avenida Amazonas N39-123 y Calle Arizaga, Edf. Amazonas Plaza, Piso 11, Quito, Ecuador
 電話:(市外局番02)227-8700
  国外からは(国番号593)-2-227-8700
 FAX:(市外局番02)244-9399
  国外からは(国番号593)-2-244-9399
 ホームページ:https://www.ec.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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