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アルゼンチン
テロ・誘拐情勢
更新日 2026年05月12日
1 概況
(1)近年のテロ情勢
近年、アルゼンチン国内で治安当局がテロと認定する事件は発生していませんが、過去には1992年及び1994年に、ブエノスアイレス市で在アルゼンチン・イスラエル大使館及びイスラエル共済組合会館爆破事件が発生しています。
2018年11月、G20ブエノスアイレス・サミット前に、レバノン系アルゼンチン人がテロを計画していたとして逮捕されています。いわゆるホームグロウン、ローンオフェンダー型テロは、欧米諸国と同様に発生し得ることから、引き続き注意が必要です。
(2)国内のテロ組織等について
国内各地において、ネオナチのシンパがシナゴーグ(ユダヤ教会)や同性愛者等に対する襲撃を計画して、度々警察に摘発されています。無用のトラブルに巻き込まれないためにも、イスラエルやユダヤ教の関連施設、いわゆるLGBT関連の集会・デモ等には近付かないようにしてください。
アルゼンチン国内では、小規模な爆弾事件や、爆弾を設置したとする脅迫事件が継続的に発生しています。これらの小規模爆弾事件は、主に政府関係施設や官憲等を標的にしていると思われるものが多い一方、アナーキストと見られる勢力による、主要観光地における爆発物設置未遂事件や、主要鉄道駅や一般商業施設に対する脅迫事件も発生しています。また、2023年10月、イスラエル・パレスチナ武装勢力間の衝突に連動し、在アルゼンチン・アメリカ大使館、在アルゼンチン・イスラエル大使館およびホルヘ・ニューベリー空港に脅迫的なメッセージを含む爆破予告がされた事例があり、引き続き注意が必要です。
(3)国内の誘拐情勢について
過去にアルゼンチンでは、いわゆる「短時間誘拐」が、特にブエノスアイレス市内及び近郊地域において発生していました。最近の10年間は発生件数が減少傾向にあり、2025年は過去最小であったものの、引き続き注意が必要です。短時間誘拐の手口は、銃器等で被害者を脅迫して拘束し、ATMで現金を引き出させる。あるいは被害者から家族等に連絡させ、比較的少額の身代金を受け取って、被害者を解放するものです。短時間誘拐は、被害金額が少額であり、富裕層や外国人を特定の対象としていないため、誰もが被害者になり得ます。また、家族等を誘拐したように装い、SNSや電話により身代金を騙し取る詐欺被害も発生しており、併せて注意する必要があります。
2 各組織の活動状況または各地域の治安状況
アルゼンチン、ブラジル及びパラグアイが国境を接する三か国国境地帯には、イスラム過激派組織ヒズボラを支援するレバノン系住民が存在しているとみられ、2018年3月、同組織を支援していたとして逮捕者が出ていますので、引き続き注意が必要です。
3 誘拐事件の発生状況
(1)アルゼンチン検察局の統計によると、2025年、国内で発生した誘拐事件は15件であり、最近の10年間で比較すると減少傾向にあります。かつては誘拐の発生は、貧困層が多い人口密集地であるラ・マタンサ市、ロマス・デ・サモラ市等のブエノスアイレス市周辺南部から西部にかけて集中していましたが、最近は、ブエノスアイレス州に限定することなく国内の他州でも発生しているため、引き続き注意が必要です。
(2)上記統計の件数には、いわゆる「短時間誘拐」が全て含まれる訳ではありません。アルゼンチン検察当局は、被害者の拘束時間の長短に関わらず、身柄と引き替えに金品等を要求する事件を「誘拐」に分類する一方、被害者を脅迫してATMから現金を引き出させる手口は「強盗」に分類しているため、一部は「強盗」として計上されます。このような背景から、後者の手口は「連れ回し強盗」などと呼称されています。
(3)外国人が被害者となったケースは、中国人の違法カジノ経営者、コロンビア人富豪一家などが狙われたケースがあるものの、いずれも人身売買や薬物密輸等の組織犯罪に関わる国内外のマフィアの利権獲得や内部の抗争等に起因するものであり、日本人を含む外国人が、誘拐事件の対象として狙われる傾向はありません。しかしながら、誰でも短時間誘拐の被害者になる可能性があることから、人気の少ないところを歩かない、夜間の一人での徒歩外出を避ける等の基本的な防犯対策を留意する必要があります。
4 日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ、アルゼンチンにおいて、テロ・誘拐による日本人の被害は確認されていません。
一方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

