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アメリカ合衆国(米国)

更新日 2019年03月18日

1 概況
(1)米国を含む欧米諸国は,イスラム過激派組織の過激主義に感化された個人(自国育ちの「ホーム・グロウン型」テロリスト)によるテロの脅威にさらされており,引き続き警戒が必要です。事実,米国本土において,ホーム・グロウン型とみられるテロ事件が近年複数発生しています。
(2)米国土安全保障省は,国家テロ勧告システム(National Terrorism Advisory System)により,信頼のできるテロ脅威情報が存在する場合には「差し迫った脅威アラート(Imminent Threat Alert)」または「高まった脅威アラート(Elevated Threat Alert)」を発出し,これらに該当しない場合には,テロ情勢の傾向・現状を示す「公報(Bulletin)」を発出することとしています。2011年に同システムが導入されて以降,アラートが発出されたことは一度もありませんが,2018年9月14日付け公報では,「国際テロ組織はインターネットを悪用して,既に米国本土に所在する者に向け,テロ攻撃の呼びかけ等を行っている」「テロ集団は,車両突入,小型火器,ナイフ等の容易に利用可能な道具を用いて公開の場所やイベントを狙うよう呼びかけている」とし,引き続き深刻な脅威に直面しているとの認識を示しています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)国際テロ組織
「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)およびその支持者は,ソーシャルメディア等を活用し,既に米国内に所在する米国籍あるいは米国永住権保持者向けに暴力的過激主義思想を発信して過激化を促すとともに,各個人の意思によるテロ攻撃を呼びかけています。この種の「ホーム・グロウン型」によるテロ事案として,米国では2015年12月にカリフォルニア州サンバーナーディーノにおける銃撃テロ事件(14人死亡)や2016年6月にフロリダ州オーランドにおける銃撃テロ事件(49人死亡),2017年10月にニューヨーク市マンハッタンにおける車両突入テロ事件(8人死亡)等が発生しています。また,2018年には,米国内でのテロ計画事案や,紛争地への渡航を通じたテロ組織との合流計画事案として,ユタ州在住でISILに感化された少年が自ら通学する高校で手製の爆発物を使用したテロを企図し検挙された事件(3月),テキサス州在住でISILに感化された少年がショッピングモールにおける銃器等を使用したテロを企図し検挙された事件(5月),オハイオ州在住でアル・カーイダに感化された男が独立記念パレードに対する爆弾テロを企図し検挙された事件(7月),オハイオ州在住の男がISILへの合流を企図して検挙された事件(10月)等がありました。アル・カーイダは,米国本土への攻撃能力を含む活動能力全体は顕著に衰退したものの,引き続き米国本土に対するテロ攻撃に強い執着があるとみられ,また,中東・北アフリカ地域でアル・カーイダの影響を受け活動する関連組織は依然として残存しています。以上のことから,米国本土はより多様な攻撃主体からの脅威に引き続き直面していると言えます。
(2)国内テロ組織等
特殊権益過激派(動物愛護や環境保護等を唱える過激派等),右翼過激主義者グループ(白人優越主義過激派),左翼過激主義者グループ,また,これらに感化された個人等,国内組織の動向にも引き続き注意が必要であり,特に単独犯により敢行される銃撃等の発生が懸念されます。

3 誘拐事件の発生状況
(1)2018年を通して,米国では,身代金目的,強姦目的等の誘拐事件が発生したほか,特に乳幼児については,見知らぬものによる略取事案が発生しているとして,関係捜査機関は警戒を呼びかけています。
(2)メキシコと国境を接する州においては,米国への密入国を後押し・支援する組織や麻薬等の密輸を企てる組織が活動しており,これら犯罪組織間の抗争及び治安当局の取り締まりに対する報復等の事件が発生しています。こうした米国とメキシコ国境周辺地域を巡る治安情勢の影響に加えて,メキシコ国内では組織犯罪として誘拐が横行し,身代金を目的としたビジネスとして定着しているとの背景から,メキシコとの国境を接する州を中心に,多数の誘拐事件が発生しています。メキシコ国内では,身代金目的の誘拐のほか,主に特段の標的を絞らず偶発的に行われる「短時間誘拐(express kidnap)」及び実際は誘拐していないものの誘拐を装って金銭をだまし取る「バーチャル誘拐(virtual kidnap)」といった手口の誘拐事件が発生していますが,メキシコと国境を接する州においても同様の手口による誘拐事件が発生しています。メキシコの「テロ・誘拐情勢」も合わせ参照してください。https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_264.html

4 日本人・日本権益に対する脅威
上記テロ組織等が米国内において日本人・日本権益を直接の対象としてテロを引き起こす可能性を示唆する情報は存在せず,その脅威は概して高くないものとみられます。一方で,2001年の「9.11同時多発テロ事件」以降も,近年では,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関やコンサート会場等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

テロについて

「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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