ジョージア
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年05月31日
1.概況
近年、ジョージア国内においてはテロの発生はありませんが、2017年末から2018年初めにかけて、ジョージア国家保安庁によるテロリスト掃討作戦が展開され、いわゆる「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」のメンバーらが治安部隊により拘束等される事案が発生しました。2021年8月にはISILに参加してシリアへ渡航しようとしていたジョージア人5人が治安当局に逮捕されたほか、2022年12月には、2015年にジョージアを出国しシリアでISIL戦闘員として活動していたジョージア人1名が当地に帰還したところを治安当局に逮捕されました。2023年中もISILの支援者と見られる複数の外国人が拘束され、潜伏先から爆発物等が押収されています。現在のところ、ジョージアを拠点に活動するテロ組織は確認されていませんが、依然としてISILとの関係が疑われる小規模なグループが度々検挙されていることからも、引き続きテロ情勢に対する注意が必要です。
2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
ジョージアを拠点に活動するテロ組織は現在まで確認されていませんが、チェチェン共和国に近いパンキシ渓谷やトルコ共和国に接するアジャラ自治共和国では過去にISILへの参加を目的としてシリアに渡航した者が多数確認されており、シリア・イラクにおいて支配地域を失ったとされるISILの戦闘員らがジョージアへ帰還する動きがあります。また、2023年中、ジョージア国家保安庁がISIL支援者と見られるグループを検挙した際には、潜伏先からISILの旗とともに武器や偽造身分証等が押収されています。こうした状況から、現在においてもテロ組織との関係を有する者がジョージア国内に潜伏し、テロを実行又は支援するための活動を行っている可能性があると考えられます。
3.誘拐事件の発生状況
前年に引き続き、2023年中も日本人を含む外国人を標的とした身代金目的の誘拐事件の発生は報告されていません。
4.日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。