アルメニア
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年05月31日
1 概況
アルメニアでは、現在特定のテロ組織による顕著な活動は報告されていませんが、2023年9月には武力で「国家権力奪取」を企てたとされるグループが検挙されており、独立記念日の式典会場に爆発物を仕掛けようとしたとする未遂事件が発生しています。この事件では、エレバン在住の男性1名が、会場である共和国広場に向かっている途中で現地の治安機関に逮捕されています。また、テロ組織との関係は不明なるも、2022年8月にはエレバン市近郊の都市で武装した男性による市庁舎への立てこもり事件が発生しています。
アルメニアでは現在テロ組織による目立った活動が見られないとはいえ、2023年9月には隣接しているナゴルノ・カラバフから10万人以上の避難民を受け入れており、避難民の処遇を巡っては度々抗議活動が起こっています。同胞であるアルメニア人がナゴルノ・カラバフを失ったことに対する現行政府への不満や国内外を巡る情勢からテロの脅威は皆無とは言えず、今後もテロに対しては継続して注意が必要です。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
現在、アルメニアを拠点とする過激派組織は確認されていません。
3 誘拐事件の発生状況
2023年中、外国人が関係する誘拐事件は報告されておりません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。