アルバニア
テロ・誘拐情勢
更新日 2023年03月29日
1 概況
(1)アルバニアでは、中東や北アフリカ諸国に拠点を有するイスラム系慈善団体等の支部や、コソボ等で民族主義を掲げる反政府勢力と関係を有する団体は存在しているものの、現在のところ、アルバニアでの直接的な治安上の不安は低いと考えられています。
(2)他方、シリアやイラクで聖戦(ジハード)のために反政府武装組織に参加した「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)帰還兵数名がアルバニアに入国したとの報道があるほか、アルバニアはラマ政権の下、約3千人の反イラン政府グループ(モジャヘディーネ・ハルグ:MEK)構成員を受け入れているため、アルバニアにおけるテロ行為の懸念は完全には払拭できません。
(3)2022年7月には、MEKキャンプで開催される予定であった自由イラン世界サミットがテロの脅威の可能性があるとして地元当局の警告を受け延期となりました。同年9月アルバニア政府は度重なる政府システムへのサイバー攻撃の背後にイラン政府の関与があるとしてイランとの外交関係を断絶しました。
(4)国内各地で店舗・住居前や車等に爆弾が仕掛けられ爆発する事案が少数発生していますが、宗教的・政治的な背景によるテロではなく、個人的な怨恨や利害関係に基づく脅迫行為、ギャングやマフィアによる抗争とみられており、ほとんどの場合死傷者は発生していません。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
2020年以降、アルバニア自国民及び外国人を標的とした誘拐事件に関するデータは公表されておりません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を予測し未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。