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テロ・誘拐情勢

2016年03月09日

1.概況
(1)ボスニア・ヘルツェゴビナの治安情勢全般については、EU部隊(EUFOR)が引き続き駐留していること、また、EU警察ミッション(EUPM:2012年6月30日に任務を終了)等の監督の下で警察部門の機構整備・法執行能力の向上に向けた努力が行われていたこと等から、従来に比べ改善してきている状況にあるといえます。
(2)他方、近年、イスラム過激派等によるとみられる爆弾テロやテロ未遂事件が発生しています。2014年9月には、ボスニア・ヘルツェゴビナ国民をイスラム過激派組織ISILに勧誘していた男が拘束、起訴されました。また、シリアでISILの戦闘に参加していたボスニア・ヘルツェゴビナ国籍者が数十名帰還しており、国内には相当数の支持者がいると考えられていることから、テロの潜在的な脅威があります。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 近年、ボスニア・ヘルツェゴビナで発生した主要なテロ事件等は以下のとおりです。
(1)2010年6月、中部のブゴイノにおいて、警察署への爆弾テロ事件が発生し、同警察署の警察官1名が死亡、6名が負傷。
(2)2011年10月、サラエボ市内にある米国大使館に向けて男が自動小銃を乱射し、警察官1名が負傷。
(3)2012年、テロを計画していたとしてイスラム過激派組織のメンバー5名が治安当局により拘束。
(4)2015年4月、東部のセルビア国境近郊のズボルニクにおいて、襲撃事件が発生し、警察官が1名が死亡、2名が負傷。
(5)2015年11月、サラエボ郊外ライロバツにおいて、男が銃撃し、兵士2名死亡した。
(6)2015年12月、国内において大規模テロを計画したとして、11名が拘束。

3.誘拐事件の発生状況
 ボスニア・ヘルツェゴビナ当局によれば、紛争終結後の同国における誘拐事件の発生は極めて少なく、また、その大半が富裕者を対象とした金銭目的の犯罪であるとしています。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 ボスニア・ヘルツェゴビナにおいては、2015年9月、ISILの機関誌において在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館が標的の候補の1つとして例示されました。現在のところ、具体的な脅威情報はありませんが、今後、大使館や在留邦人・日本人旅行者などが標的とされ,又は巻き込まれる危険性はあり、引き続き注意する必要があります。
 また、近年、シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や、パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
 このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。



(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。