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ウズベキスタン

2018年11月15日

1 概況
(1)ウズベキスタンでは, 2004年にタシケント市内で警察官襲撃事件や連続自爆テロ事件が発生したほか,2005年にアンディジャン市において騒擾事件等が発生しました。これらの詳細は明らかになっていませんが,国際テロ組織が関与していたとみられています。
(2)一方で,近年,ウズベキスタン政府がテロと認定した事件は発生していません。ミルジヨーエフ大統領は2016年12月の大統領就任以降,経済対策を中心とした各種改革を断行していますが,国内の治安は平穏な状態を保っています。
(3)なお,隣国のアフガニスタンでは,特にウズベキスタンと国境を接する北部地域において,タリバーン等のイスラム過激主義組織によるテロ活動が多発しており,依然として予断を許さない状況にあります。アフガニスタンと国境を接する地域において,同国国内情勢の変化に伴い不測の事態が発生する可能性は否定できません。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ウズベキスタン・イスラム運動(IMU)
1990年前半に当局の取締を避けて国外に逃れたイスラム政党関係者が発足させたイスラム過激派組織であり,ウズベキスタン,キルギス,タジキスタン3か国にまたがるフェルガナ盆地に,シャリーア(イスラム法)に基づくイスラム国家を樹立することを標榜しています。
 1998年にカリーモフ政権に対するジハード(聖戦)を宣言し,1999年にはカリーモフ大統領暗殺を狙った爆弾テロ事件を起こしたほか,同年のキルギスにおける日本人誘拐事件にも関与したとみられる等,活発な活動が認められていました。2001年の米国同時多発テロ事件以降は,主にアフガニスタンを拠点にタリバーンと共闘しましたが,その際の米軍による攻撃で相当な打撃を受け,組織は弱体化しました。
 その後,パキスタン・タリバーン運動(TTP)の協力を得つつ,2014年にはパキスタンのカラチにおいて国際空港襲撃事件を実行する等,アフガニスタンとパキスタンの国境付近を拠点として組織の立て直しを図り一定の勢力を回復したとみられていましたが,同事件後に始まったパキスタン軍による掃討作戦でパキスタンを追われ,組織は分裂,さらに,主流派が,2015年に「ISILホラーサーン州」に忠誠を誓ったことにより,タリバーン主流派との間で戦闘状態になり,当時の指導者が殺害されるなど,壊滅的な打撃を受けたとされています。
 一方でタリバーン側に残ったIMUの残党はTwitter等において,アフガニスタンを拠点にタリバーンなどと共闘していく姿勢を示しており,組織の立て直しを模索しているものと判断されます。
 近年では,ウズベキスタン国内において同組織による活動は確認されていません。
(2)ヒズブ・タフリール(解放党)
 カリフ制に基づく統一国家樹立を目的とした国際的なイスラム急進主義組織で,中央アジア地域には,1995年頃から流入したとみられています。
 ヒズブ・タフリールは,武力ではなく啓蒙活動を通じたイスラム原理主義国家の樹立を目指しているとされています。2004年にタシケントで発生したテロ事件について,ウズベキスタン当局はヒズブ・タフリールが関与したとの見方を示しましたが,同組織側はこれを否定する声明を出しました。なお,2015年10月には,過激派思想への勧誘を行った容疑で,ヒズブ・タフリールに所属する16人が逮捕されたほか,2017年11月にも,地下組織ネットワークが摘発されています。
(3)アクラミーヤ
 ヒズブ・タフリールが掲げる非暴力路線に異議を唱え,分派した急進的グループで,アンディジャン市を拠点とし,フェルガナ盆地全域への浸透を図っているとみられています。また,2005年のアンディジャン騒擾事件にも関与したとみられています。
 ウズベキスタン当局は,同事件以後,徹底した取締を行い,組織に壊滅的打撃を与えたと発表しています。
(4)その他
 2004年にタシケント市内などで発生した一連のテロ事件に関して,「イスラミック・ジハード」というグループが犯行声明を出しましたが,同組織の実態は不明であり,事件直後に出された犯行声明自体の信ぴょう性も低いとされています。他方,同組織は2014年以降,タリバーン指導者に忠誠を誓う声明を発出する等,タリバーンとの関係を強めていることが推察されます。
 同組織以外にも,2018年11月には治安機関がジハーディスト・グループの非公然組織を摘発する等,ウズベキスタン国内にイスラム国家建設を目指すイスラム過激派の構成員が潜伏している可能性は排除できません。

3 誘拐事件の発生状況
 過去,フェルガナ盆地において,イスラム過激派による外国人を標的とした誘拐事件が発生したことはありますが,近年においては外国人を標的とした誘拐事件の発生は確認されていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 これまでに,ウズベキスタンにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
  
(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等現在の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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