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ルクセンブルク
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年04月08日

1 概況
(1)ルクセンブルクにおいて、これまで治安当局がテロと認定した襲撃事件は発生していません。また、2023年10月、当国政府は、国内のテロレベルを評価した結果、起こりえる具体的な脅威が存在することを示唆する情報は持ち合わせていないとして、4段階の下から2番目であるレベル2を維持する旨発表しました。
(2)しかし、イスラム過激派の思想に影響を受け、これらの過激派組織に参加するためにイラクやシリア等へ渡航するルクセンブルク人が確認されており、これらの者が帰国後に国内でテロを敢行するおそれがあります。また、ルクセンブルクでは、極右思想を背景とした過激な投稿もインターネット上で確認されており、イスラム過激派に限らず、インターネットを介した非組織的なコミュニティにおいて極右に傾倒する者が単独でテロを起こす可能性もあります。特に、ルクセンブルクには欧州司法裁判所といった欧州連合(EU)関係機関等の国際的な注目を集めやすい施設があり、テロが発生する可能性を排除することはできません。

2 各組織の活動状況
 2018年には、イスラム過激思想のプロパガンダ活動をしていた男が治安当局により逮捕されており、具体的なテロ計画は確認されなかったものの、過激思想の浸透が懸念されます。また、治安当局は、2020 年2月、海外の情報機関から情報提供を受けて、爆発物を製造するための材料をインターネットで購入した男を逮捕し、2023 年4月、テロ組織のメンバーを名乗る者に資金を送金した容疑で4人の自宅を捜査するなど、ルクセンブルクでテロが発生しないとは言えません。

3 誘拐事件の発生状況
 2023年中、身代金目的やわいせつ目的等の誘拐事件の発生は確認されていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
 特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
 

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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