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セルビア
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年10月16日

1 概況
(1)セルビアでは、近年、テロ組織、反政府組織及び国際的なテロ組織の関連組織によるテロ事件は発生していません。
(2)しかしながら、2019年1月には、セルビア南西部のノビ・パザル市で、テロの準備を行っていたとして、ワッハーブ運動組織に所属する男が逮捕されました。押収品の中に「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の旗が確認されたため、同人は少なからず過激思想の影響下にあったものと見られています。
(3)セルビア南部(コソボとの国境付近)は、セルビア系住民とアルバニア系住民の対立が依然として存在しており、セルビアとコソボの関係が悪化した場合、その影響を受けやすい地域です。2018年12月には、コソボが軍を創設したことに対して、セルビア政府が国連安保理決議違反と非難したほか、2023年9月にはコソボ北部において、セルビア系武装組織がコソボ警察を襲撃し、死傷者が発生しています。セルビアとコソボの二国間関係は緊張状態が続いており、テロや暴動等が発生する潜在的な危険性は存在しているため、今後の動向には十分な注意が必要です。
(4)また、マフィアやフーリガン同士の抗争による銃撃事件が年に複数回発生しており、事件発生場所には在留邦人や日本人旅行者が利用している街中のレストランや道路等も含まれているため、十分な注意が必要です。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ベオグラード、ノビサド、ニーシュ等の主要都市
 2023年5月にベオグラード市内及びベオグラード市近郊のムラデノバツ市で銃撃事件が発生しました。
(2)セルビア南部
 コソボ東部に隣接するプレシェボ、メドベジャ及びブヤノバツの各地域では、過去に各地方議会においてセルビア政府に自治権の強化を求める決議が採択されています。また、1(3)のとおり、コソボ北部で双方の緊張が高まっていることから、その動向には注意が必要です。
(3)サンジャク地方
 セルビア南西部で、国内最大のイスラム系コミュニティがあるサンジャク地方では、2007年3月にイスラム過激派組織の拠点が発見され、大量の武器が押収される事案が発生しています。また、同年4月には、イスラム過激派のリーダーが潜伏しているとみられる場所を家宅捜索しようとした警察部隊と組織メンバーの間で銃撃戦が発生し、死傷者が出る事件が発生しています。
 2011年10月には、同月に発生したイスラム過激派によるボスニア・ヘェルツェゴビナの首都サラエボでの米国大使館に対する銃撃事件の犯人と密接な関係にあるセルビア人17名が、サンジャク地方で逮捕されました。
  
3 誘拐事件の発生状況
 セルビア国内において誘拐事件は年に数件発生していますが、いずれもテロに関連したものではなく、これまでに日本人を標的とした事件も確認されていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 これまでのところ、日本人や日本権益を標的とした脅威情報は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年は、世界的な傾向として軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
 特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロや誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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